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ウエディングの再定義

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「結婚式」ってなんのためにするんだろう。当たり前になっているものほど、あらためてそれがどうしてなのか考えないことが多い気がする。

以前、仕事百貨でブライダルカメラマンの募集をした株式会社デコルテ。
ウエディング事業部の中で、もっと自由な結婚式を提案するために、新しくブランドが立ち上がることになった。そしてそのブランドの中で、レストランを運営する。
今回はそのレストランで働くシェフと、レストランのアルバイトスタッフ、そして、ここを拠点に活動するプランナーを募集します。

ウエディングなのに、なぜレストラン?と思う人も多いかもしれません。
場所や形にとらわれず、2人らしい式を提案するための拠点、という表現が近いような気がします。

レストランとなる場所は、東京・浅草駅をおりてほど近く。大通りから一本入った落ち着いた通りに面しています。
建物の1階が、レストランとなる場所。広々としていて、パーティーをするにも向いていそう。この建物の2階にはデコルテのフォトスタジオが入っている。

decollte_1 まずは、事業部を立ち上げた熊田さんに話を聞かせてもらいました。

熊田さんは大阪支店のディレクターや、ドレス部門のマネージャーをつとめ、大阪と東京を行き来している。明るい性格と関西弁の軽いリズム感で、ついなんでも話してしまいたくなるような、そんな雰囲気の方。

decollte どういう経緯からレストランをはじめることになったのだろう。

「ぼくらは、東京や大阪、福岡にそれぞれチャペルをもっています。そこでそれぞれ結婚式を挙げています。でも、これからは自分たちがもっているチャペル以外で、もっと新郎新婦の“2人らしさ”がでる結婚式を提案していきたいと思っているんです。例えば、キャンプ場だったりビーチだったり、そういうところでも結婚式を挙げられるようにしていきたいんです。」

「そのために、日々レストランとして営業することももちろんですけれど、ここで結婚式にもっていくフードを試作したり、式のプランニングの打ち合わせスペースとしても使っていきたいんです。あとは、実際にここでレストランウエディングもしたいですね。」

decollte 東京にあるデコルテのチャペルでは、年間1,200組近くのカップルが式を挙げている。そこを大きくすることもできそうだけど、そうではなくて、新しく拠点とブランドを立ち上げることにしたのはなぜなんだろう。

「結婚式にはそれ自体に価値があると思うんです。式を挙げたら絶対やってよかったって言ってもらえる自信がある。ただ、婚姻組数に対して、結婚式の実施率はそこまで高くないのが現実です。大きな原因のひとつは予算。でもそれは、少しずつ解決に向かっていると思うんです。」

デコルテでは、8年前から、39,800円で結婚式が挙げられるプランを提供している。
この値段で式が挙げられるのは、自分たちのチャペルをもっていたり、ドレスショップや、ヘアメイク部門、フォトスタジオなど、結婚式をトータルで運営できる事業を展開しているからこそ。

そういったリーズナブルな結婚式場は、まわりにも増えてきているそうだ。それでも全国的に結婚式の実施率はまだあがらない。予算の部分はクリアできたはずなのに、どうしてなのか。調べてみると、そもそも結婚式自体に価値を見いだせない人が多いことがわかってきた。

「みんながやっているような結婚式だったら、高いお金を出してまでやる必要ないっていう人が増えてきていると思うんです。なので、自分らしい結婚式だったり、結婚式の選択肢を増やして、結婚式自体に価値を見いだせるようにしていきたいんです。」

すでにある式場や、プランが入り口になるのではなく、2人の思いが入り口になる結婚式をつくりたい。そんな思いから、このレストランを拠点として、もっと自由に結婚式を提案できる環境をつくることにした。

decollte 次に今年の5月からここで働きはじめた中澤さんにもお話を聞かせてもらいました。以前は、ウエディング関係の広告営業をされていたそう。どうしてデコルテに入ることになったのだろうか。

decollte_4 「熊田のところに営業にいったことがきっかけでした。営業に行って、真面目にマーケットのデータの説明とかをしているのに、全然聞いてくれなかったんです(笑)。最初はそれが悔しかったんですけど、なにかのきっかけで、わたしが本当に興味があることを話すタイミングがあったんですね。そのときはじめてちゃんと話を聞いてくれたんです。それから、『もっとこんな結婚式しましょうよ。』という話をするようになって。そうしているうちに、私もそういう結婚式をつくる側になりたいと思うようになりました。」

そのときと今と、結婚式に対する考え方は変わったりしたんでしょうか。

「いまの結婚式って、どんなことができるかっていうことよりも、海がみえるチャペルとか、式場の広さがどのくらいかっていう部分でしか選べなくなってきてしまっている気がしたんです。そういうところが何か違うなと感じていたので、これからもっと自由な提案をしていきたいです。」

入社したらまずは、大阪と行き来する熊田さんと、中澤さんについて仕事を覚えていくことになる。

どんな人が向いていると思いますか?

decollte すると、熊田さんが一枚の写真をみせてくれた。

「例えば、僕らはこの写真がすごく好きなんです。なにがいいか言葉でうまく説明できないけれど。でも、これをかわいいって言ってくれる人がいいですね。」

ふつう、結婚式の宣伝写真は、式場の風景をいれて撮影したものが多いそうだ。でも熊田さんたちがつくっているのは、結婚式はこういうもの、というように押し付けるものではない。例えば、高いヒールではなくて、動きやすい白いスニーカーで、その人が自分らしく楽しんでいるような。

シェフに関してはこんなことを話してくれた。

「お料理に関しても、形を用意しておくのではなく、それぞれの式にあったものを提案したいんです。ピクニックにもっていくお弁当のようなものを提案するときもあれば、ビュッフェスタイルのものや、コース料理を提案することもあると思います。その式にとって、なにが一番いい形かというところから、柔軟に考えていきます。」

food image 10 「『これはどこで獲れた魚です』って、食材が主役になるんじゃなくて、『料理をみんなで楽しんでいる時間』が主役になるようにしたい。そのためにも目で見て楽しめる、アート性のある料理にしたいです。なので、味ももちろんですが、どう見せるか、デザインの部分が重要になってきますね。」

まずは、ランチ営業でパーティーに提供するフードの試作もできるそうです。どんなメニューなら味も、目にも楽しい料理になるか考えて、実際つくってみる。それから原価のことも考えたり、結婚式で提供する料理にも落とし込んでいく。ただつくるというよりは、その料理がある空間をデザインすることにまで興味がある人に向いているのだと思う。

プランナーさんは日々、どういう風にこのレストランと関わっていくんだろう。

「基本的には問い合わせをいただいたお客さんと一緒に結婚式を考えます。どんな場所を舞台にしようかとか、お花はどんなコーディネートにしようかとか、お料理はどうしようとか、どんな演出しようかとか。プランニングを中心にやって欲しいですね。あとは、レストランで行うイベントやフードのことなんかを一緒に考えてもらうこともあるかもしれません。」

プランナーさんは、拠点はここにあるけれど、会場が決まっているわけではない。式場に属するプランナーさんとは仕事の内容もかわってくるんでしょうか?

「そうですね。お客さんと一緒にお話をして、2人の大切にしていることを根っこの部分から引き出していきます。そこから、結婚式のテーマやコンセプトを見つけて、『こういうところでこんな結婚式しませんか?』って提案していってほしいです。場所や形が決まった上で結婚式を考えるんじゃなくて、新郎新婦と話しながら一緒につくっていきます。」

「レストランでやった方が2人らしくなるなって思ったらレストランでやる。それがこのレストランじゃなくてもいいです。公園でやった方が2人らしかったら公園でやる。場所もさまざまになってくると思うので、会場も一緒に探していきたいです。」

decollte シェフもプランナーも今まで専門的にやってきたことがない人でも、やる気次第では大丈夫とのこと。ただ、共通している大切なことは、すでにある形から入るのではなくて、必要に応じて一緒にわくわくしながらつくっていくこと。新しいことを自分たちで0からつくっていくのは、本当に大変なこと。だけど、お客さんが本当に楽しめる時間をつくるための一番の近道かもしれない。

どんなところが大変になると思いますか?

「実際やりはじめると、めっちゃ忙しいと思います。いろいろ言っているけど、特にはじめは忙しすぎて手が回らない部分もでてくる。お料理なら、基本となるプランもいくつかつくったり、今ある結婚式とそんなにかわらない部分がいくつか入ってくると思うんです。まずはできるところからはじめていきます。」

decollte_1 改装前の様子
5月から働きはじめた中澤さんはデコルテに入ってこう思ったそうだ。

「うちの会社はそんなに大きくないんです。なので、しっかりした教育制度があるというよりかは、試行錯誤しながら仕事を覚えていく。できなかったら助けてくれるんですけど、マニュアルとかはないんです。そこに困ることもあります。でも、自分で考えて動く、そんな毎日が刺激的で楽しいですね。」

最後に熊田さんが、こんなことを話してくれた。

decollte_photo 「友達の誕生日でサプライズをしようってなったときに、少し徹夜してでも準備したりできる人なら、きっとこの仕事も楽しめると思います。そういうことが仕事になるので、毎日やるとなると大変です。しかもお客さん一組一組に対して結婚式をつくっていく。それは、ぼくたちにとっても新しい挑戦なんです。なので、料理もプランニングも、ぼくらの考えに共感してくれて、一緒に楽しみながらつくってくれるような、そんなパワーのある方と一緒に働きたいですね。」

このあともお二人と話していると次から次へとアイディアがでてきました。日々アンテナを張って、やりたいと思ったことがあれば、きっと自分次第でどんどん実現できる。それをやりがいと思える人には最高の環境だと思います。(2013/07/26 吉尾萌実up)