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めぐる恩返し

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「目の前にいる人を笑わせたいんです。そのとき自分ができることを、出しおしみせずにやっていきたいですね。」

とびきりの笑顔でそう話してくれたのは、今治タオルを専門に扱うブランド「伊織」の鎌倉店で店長をつとめる神八(かみはち)さん。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 今回募集するのは、今治タオルを通して日本を元気にしていく人。販売スタッフを募集しているのは関東では浅草、自由が丘、二子玉川、横浜、国立、大宮。関西は京都、大阪、神戸。そして福岡と松山です。

伊織を運営する株式会社エイトワンでは、ほかにも「旅」や「食」に関するブランドを展開しています。その先には地域活性化や農業の復興、高齢化社会、女性の社会進出、環境保全など、日本を元気にするために取り組んでいる課題があります。

販売のほかにも、あたらしい事業を担当するブランドマネージャーや管理部門の募集もしているので、気になった方はぜひ読んでみてください。

鎌倉店があるのは駅からほど近い、にぎやかな小町通り。平日だというのに、たくさんの人が行きかっていた。外からでも商品が見やすいように並べられているお店が多い中、伊織はとても落ち着いたたたずまい。中に入ると、色とりどりのタオルが並んでいる。

iori14 まずお話をうかがったのは、常務取締役の村上さん。エイトワンのはじまりについて、とても丁寧に話をしてくれた。

「自分たちのいる愛媛に貢献できること、地域に必要とされる事業をしたいと思って代表の大藪と7年前にはじめました。」

地元が好きだったんですね。

「僕はそうです。代表は広島出身なんですよ。子どものころに旅行で何度か愛媛に訪れたときに、すごく人が優しかった記憶が残っていたようで。大学から愛媛にきたんです。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 温泉地として有名な愛媛の道後温泉には、ホテルや旅館がたくさんある。けれどよく見るといろいろな問題が透けてくる。

「大きな旅館は宿から1歩も外にでなくてもたのしめるように、宿泊客を囲い込んでしまったり。若い女性が1人で泊れるような場所もありませんでした。」

挑戦は新しくホテルをつくるところからはじまった。建設中にご縁で旅館の運営も引き継ぐことになる。街をたのしんでもらえるよう、温泉は公衆浴場をつかってもらうようにしたり、ホテルはカジュアルな形にしたり。経験はなかったけれど「こんな旅館があったらいい」と思うことを具体化して試していったそうだ。

「ホテルや旅館って、さまざまなサービスの集合体なんですよね。食事もあるし、宿泊もある。お土産も買える。つまりいろいろなお客様の声をいただける場所でもあるんです。」

ちょうど今治タオルがブランドとして打ち出されはじめたころ。お客様から「今治タオルないの?」と声をかけられることが増えた。

「どうしよう、と思って。自分たちではじめました。そしたらすごく喜んでもらえたんです。」

これが伊織のはじまり。こんな風に、見えてきた課題を解決するために新しい事業がはじまることが多いそうだ。今では使う・食べる・旅することにかかわる9つものブランドを展開している。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA みかんジュースなどを販売するブランド「10 FACTORY」も、はじまりはホテルのレストランで出している朝食だった。農家さんから直接購入するみかんは、宿泊客にとても好評。一方でみかん農家の高齢化が進み、後継者がいないという現実があった。

もっと誇れるような仕事になれば、やりたい人もでてくるんじゃないか。そんな想いで、新しいブランドが誕生した。

社内からはもちろん、一緒にやりたいという人から提案を受けることもある。自分たちがやる意義が重なって、エイトワンのプロジェクトとして動いているものもあるそうだ。失敗もあったけれど、少しずつ大きくなってきた。

「環境だったり、女性の社会進出だったり、地域活性化だったり。見えてくる課題の解決にブランドが利用できれば。もともとは愛媛ですが、今は日本を元気にしていきたいと考えています。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 横でうなずきながら話を聞いているのが神八さん。鎌倉店の店長であり、近隣の店舗を回るマネージャーの役割も勤めている。どんな経由でここにやってきたのか聞いてみる。

「父の仕事で愛媛にご縁があって15歳から25歳まで暮らしました。そこで食器のお店やギャラリーを運営するご夫婦との出会いがあって。モノってモノじゃないんだってことを教えてもらったんです。」

もう少し詳しく聞きたいです。

「モノの向こうにはつくり手がいて、想いがたくさんつまっている。それをお店の人に教えてもらうと、家に連れて帰ったあともモノをすごく大切にできたり。ただの石ころでも、すごく大事な人がプレゼントしてくれたものだったら、大切にとってあったりするじゃないですか。なんでも人なんだと思って。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 今までインテリアコーディネーター、アパレルブランドの販売などの仕事を経験してきたそうだ。鎌倉との縁は1つのカフェからはじまった。

「カフェ巡りが大好きで。当時は家族と岐阜に住んでいたんですが、鎌倉の大好きなディモンシュというカフェに行きたくて、片道7時間かけて年に数回通っていました。」

7時間?思わず聞き返してしまった。年齢や性別に関わらず、いろいろな人が来て、それぞれの時間をすごすカフェ。とても居心地のいい空間だったそうだ。

「悲しい出来事がおきて、とても落ち込んだことがあって。気がついたらそのカフェに行って、働かせてくださいって言っていました。」

こうして大好きな場所で働くことになった神八さんは、2号店の立ち上げも任されるほど信頼されるスタッフになった。けれどお母さんが体調を崩し、鎌倉を離れることになる。

「母の看病をしながら、病院で食事をつくる仕事をしました。尊敬できる院長のもとで食の大切さを学べる貴重な経験でしたが、やっぱり鎌倉に未練があって。母が元気になったので、仕事も決まっていないのに鎌倉に戻ってきちゃったんです。どうしようかと思っていたら、以前カフェでかわいがってくれていたお客さんが『伊織っていうたのしそうなお店が鎌倉にできるよ』って教えてくれて。」

iori16 神八さんはいろいろな経験をしているけれど、どの場所でも人との関係を大切にしてきたんだろうな。伊織に出会ったのも、人の縁。

「どれどれって調べたら、エイトワンっていう会社の名前で。私ラッキーナンバーが8なんですよ。神八だから(笑)会社の住所も愛媛県って書いてあって。これは愛媛にいただいたご縁を返すチャンスかもしれないと思って。」

会社の考えを深く知れば知るほど、共感することが多かった。

「愛媛でいただいた想いを、めぐりめぐって届けられるのかなって。わたしにできることで、今まで関わってくれた方々に恩返しがしたいんです。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 店内を見回してみると、本当に多くの種類のタオルが並んでいる。ぱっと見ただけでは、違いがあまりわからない。よく見ると素材や縫い方にも違いがあって、それぞれに特徴があるそうだ。

「オリジナル商品だけでなく、今治タオルをつくっているメーカーさんのものを集めています。どのメーカーさんも、自分たちのタオルが1番だと思っているこだわりの商品です。1枚1枚にストーリーがあるので、それを伝えていくのがわたしたちの役割だと思っています。職人さんのかわりに、ありがとうと言ってもらえる仕事なんです。」

どんなストーリーがあるんですか。

「綿の紡ぎ方や糸の撚(よ)り方、サイズまで。タオルって規格がないので、好きにつくっていいんです。そういうことを1つひとつ紐解いていくと、すごく奥が深いんです。」

今治タオルのはじまりは江戸時代。天日干しをするため、雨が少なく温暖な気候は綿の栽培に適していた。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「とても大変な作業ですが、将来は綿づくりから関わってもらう人がいたらいいですよね。」と村上さん。

つくることにどれだけの手間がかかっているかを知ることで、よりモノを大切にできる。けれど扱っているタオルの値段は思ったよりも高くない。

「毎日使うものなので、ちょっと予算を足して気持ちのいいものを選んでもらえたらうれしいですね。」

毎日を気持ちよくすごすための小さな積み重ね。セキユリヲさんやひびのこずえさんなど、ご自身の生活にこだわりのある方々と一緒につくったタオルも並んでいる。プレゼントとして購入する方も多いそう。

「このumiというタオルは、私がはじめてデザインさせてもらったんです。ヘリーボーンの魚とさざ波。いろいろなものが産み出される海です。結婚や出産など、なにか新しいものがうみ出されるときのお祝いに使ってもらえたらいいかなって。もちろん素材にもこだわっています。」

表がガーゼ、裏がパイル地になっている気持ちのいいタオル。使い込むほど、やわらかくなるらしい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 愛媛からはじまった伊織は、現在全国に18店舗。この春もいくつかあたらしい店舗のオープンを控えている。

スタッフとして関わる人もどんどん増えてきているけれど、どんな人と働いていきたいんだろう。

「会社のためではなく、自分のために働いてほしいんです。やりたいと思ったら、自分でブランドを立ち上げることもできます。ブランドを利用して、一緒に未来のことを考えていきたいですね。」

「なにをしている会社なのか、どこに向かっているのか。それを知っていると自分がそこに立っている意味が輝いてみえますよね。お客さまを笑顔にするためにも、スタッフ自身がたのしくないと。迷っていることや悩んでいることがあったら、一緒に取り除いていける仲間になりたいですね。」

まだまだ若い会社だし、新しい店舗がはじまるときは環境が完璧にそろっていないこともある。

「販売の仕事は目の前にお客様がいるので、難しい判断を迫られることやクレームを受けることもあります。その多くは仕組みで改善できることなので、みんなで解決していきたいですね。」

取材を終えたあと、プレゼントを探して店内をうろうろしていた。タオルの違いを聞くと丁寧に説明してくれるし、迷っているときにはゆっくり見られるように、スタッフのみなさんが心づかいをしてくれていることが感じられた。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA レジではギフトの梱包がたくさんあっていそがしそうだったけれど「また遊びにきてくださいね」とみなさんに声をかけていただけて、とてもうれしかった。

目の前にいる人を大切にすることの積み重ねが、日本を元気にしていきます。まずは近くのお店に、足を運んでみてください。

(2015/02/08 中嶋希実)