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WEBで住まいを探す。いまではふつうのことも、15年前には考えられないことでした。
わたしが2005年に大学に入った当時も、不動産屋さんを訪ね、物件を見せてもらうものだと思っていました。
いまでは、色々な不動産仲介サイトで、住まい手自ら情報を選べるようになりました。
住まい選びは、だいぶ自由になったと思う。
背景には、「これからの不動産」を描いて、事業を行ってきた人たちの存在がありました。
その取組みは、国の方針も動かそうという勢い。
これからの不動産業界をかたちづくる人を、株式会社さくら事務所で募集します。
不動産業界に変化を生み続けている最前線の方たちとチームを組み、これまでになかった新しい仕組みやサービスをつくっていく仕事です。
先輩たちにならいつつ、次の世代の仕事が求められています。
経験は問いません。
慣習にとらわれない仕事がしたい方。不動産・建築業界で働くなかで、違和感を感じてきた方。そして、身近に不動産業を営む人がいて「あれっ?」と思ったことのある方。
日本の住まいと人の関係は、いまもまだまだ発展途上です。
東京・渋谷駅。
にぎやかな駅前を抜けて5分ほど。
住宅の続く桜丘町の一角に、株式会社さくら事務所はあります。
ドアを開けると、あたたかい雰囲気のオフィスが広がります。
住宅購入のノウハウから、火災や地震などに備える住すまいの保険、不動産経営、さらには、空き家を通したまちづくりまで、分野は幅広い。
さくら事務所は1999年に、日本初の個人向けの不動産コンサルティングサービスからはじまりました。
特徴の一つが、組織形態。
本社機能は最小限に。
建物、不動産、マンション管理、住宅ローン。それぞれ部門責任者である社員と社外でも活躍するパートナーである専門家たちで構成。
ライフステージやタイミングによって異なる住まいに関する不安や悩みに対応しています。
軸となる事業が、ホームインスペクション(住宅診断)。
住宅の劣化状態や不具合の有無を確認し、メンテナンスすべき箇所があったときには、そのタイミングや費用の目安などを中立な立場でアドバイスする仕事です。
創業当時は、日本に概念自体がなかったという。さくら事務所の創業者である長嶋さんらがNPO日本ホームインスペクターズ協会を立ち上げて普及活動に取組み、2014年には国交省がガイドラインを敷く重点政策に。
この日、まず話をうかがったのは執行役員の田中歩(あゆみ)さん。
三菱UFJ信託銀行を経て、2008年に不動産売買のコンシェルジュを行う「あゆみリアルティーサービス」を創業。さくら事務所に仲間入りしたのは、昨年のこと。
今回は、田中さんとともに「これからの不動産業界」をつくる仲間を募集したいという。
「この15年間で、不動産業界も、国の政策も激変したんです。同じ思いを持ち、事業に取組む方が増え、継続的な活動からメディア露出も増えました。けれど、まだ入り口。これからなんです。」
ファーストステップの目標として掲げるのは、築年数に左右されない住宅取引の仕組みづくり。
「日本の住宅の寿命を長持ちさせたいんです。イギリスの77年、アメリカの55年にくらべ、日本は30年です。気候風土の違いもありますが、大きな要因は、不動産の評価基準。古くなると、建物の価値は償却されてしまいます。けれど、家主が思いを持ち、ていねいに手入れして住み継がれた家は、適正な価格で評価・取引されてよいのではないでしょうか。」
「一人、一社でできることは限られています。不動産の分野において“やれる”人たちを輩出するプラットフォームをつくりたいんです。」
今回は部下ではなく、仲間の募集だと話す田中さん。
「最初は、僕と一緒に動きまわる日々だと思います。将来的には、一緒に不動産業界を盛り上げていけるパートナーを募集したい。未経験の方でも5年、いや3年で一人前になる気持ちでいます。その後はさくら事務所で働くのも、独立するのも。色々な可能性があると思います。」
「プロジェクト単位でチームを組み、一緒に不動産業界を動かしていけたら。所属や立場を越えて、同じ価値観を共有する仲間が集い、プロジェクトを実現していく。結果大きなインパクトを生み出せると思うんです。」
田中さんが、さくら事務所へと仲間入りしたのはわずか3ヶ月。
「社長である大西さんと話すと、いつもわくわくしてくるんですよ。夜に出前のピザを食べながらのミーティング。その後で飲みに行っても、ずっとミーティングの続きなんです。『次は何をはじめよう?』って。」
「そんなふうに働いていきたい方には、よい機会だと考えてほしいんです。」
さくら事務所は、ミッションありきの上下関係の組織というよりは、同じ志を共有したフラットなチームといったほうがしっくりくる。
「人と不動産の幸せな関係をつくる」という理念に適っていれば、社内クラウドを活用して事業提案。実案件化も目指していける。
働きかたの裁量も大きい。フルフレックスの勤務時間にくわえ、休日は自分で決めることができる。
お互いに尊重し合う環境があるから、できるのだと思う。
今回、田中さんが立ち上げるサービスは「不動産の“仲介コンサルティング業”」。
「日本の不動産仲介は独特なんです。売買仲介は、物件情報を持っていることに価値があったんです。極論を言うと、権利関係や法律を調べて、手続きするだけでした。」
「本来仲介は、情報を右から左へ流すだけの仕事ではありません。国土交通省の方針も動きつつあります。今後は、住宅履歴のデータベース化が進み、WEB上で誰もがアクセスできるようになるでしょう。不動産業界は変わりますよ。」
そうした中で、求められてくる不動産仲介の仕事とは。
「コンサルティングです。不動産は、オーナーの家庭や経済の背景によって、運用方法が180度変わります。不動産×人の数だけ答えがあるんです。」
たとえば立地・築年数・床面積が同じような不動産があったとする。
「オーナーが若い投資家の場合と、年老いた2代目大家さんでは、運用方法は180度変わります。空室があった場合、前者では投資をすすめるかもしれません。後者では、お金をかけずDIY可能な物件として、貸し出すことが考えられます。」
大きなキーワードになるのが“相続”。
「売却・敷地の分割など、日本の不動産における一番のターニングポイントなんです。けれど、重要性が認識されていないんですね。突然の事態に親族であたふたして、身動きが取れなくなるケースは多いんです。」
現在も銀行や税理士による相談は行われている。しかし、その多くが売却を前提になされるもの。
田中さんは、生前から相続の相談を受け、ライフステージに合わせたコンサルティングを広めたいという。
「10件相談を受けたうち、売却に至るのは1件だけかもしれません。売らずに保険でカバーするという解もあるかもしれません。あるいは、リノベーションを行い、貸し出したほうがよいこともありますよね。」
田中さんは、2012年から「木賃デベロップメント」というプロジェクトを立ち上げている。
これは、活用されていない賃貸物件を、設計事務所・工務店と連携して再生するというもの。
「その場その場で、お客さんが求めることに応えていく。結果として、数年後に売却のご依頼にもつながると思います。」
きちんと運用を行ってからの相続には、こんな影響があるそうだ。
よい物件提供により、よい人がエリアに住みつく。また、売却時の資産価値も上昇することで、オーナーさんにも喜ばれるという。
どんな人と働きたいでしょう。
話をうかがったのは、さくら事務所代表の大西さん。
「知識や経験は二の次です。『とにかくやりたい。こういう生き方がしたい』という思いがあれば。わたしたちも、不動産の出身ではないんです。田中さんは金融。わたしはPRの仕事をしてきました。熱意次第だと思います。」
「不動産・建築業界で働いてきて、閉塞感を感じている方。まったくの畑違いだけれど、日本の旧態依然とした仕組みを変えちゃいたい方。仕事や自分のミッションにわくわくできる人であれば、知識は補っていけると思います。」
異業種や経験のない方にこそ、あたらしい風を吹かせる可能性もあると思う。
また、親族が不動産オーナーで、疑問を感じていた方。設計の経験があり、建築と不動産をつないでいきたい方力をいかせるとのこと。
働く上では、スペシャリティを持ったプロの仕事が求められます。
不動産の基礎知識にあたる宅地建物取引主任者、インスペクター、ファイナンシャルプランナーなどの知識・資格を取得していくことに。
目安として2年ほどで取得。そして3年後には独り立ちもできるぐらいに力をつけてほしいという。
これから大きく変わっていくことが予想される業界だけに資格取得後も、つねに勉強を重ねていく仕事です。
再び田中さん。
「不動産業界の決まり文句に『いまが買いどき』があります。一年中、いつ聞いてもそう答えるんです(笑)。けれど、金融経済の流れを知り、お客さんの経済・家庭的な背景と掛け合わせた上で、ほんとうのソリューションが提供できると思います。」
仕事の幅についても、広がりがみられるという。
「木賃ディベロプメント」は、今後さくら事務所との連携も検討中。東京R不動産や、千葉県松戸市のMAD CITYとのプロジェクトも控えているという。
まちづくり、不動産、建築分野のフロントランナーたちと、仕事ができるチャンスと可能性がある。
最後に、大西さんと田中さんから伝えたいことがあります。
「中古物件のリフォームでローンが組めるようになったのも、ここ5年の話です。激変ですよ。今回一緒に働く仲間たちとも、一つひとつかたちにしていく。振り返ったとき、いまとはまったく違う住宅の風景が日本中に広がっていると思うんです。」
「15年をかけて、土台は育まれてきました。次に制度が動くと、市場が一気に動きますよね。この1、2年の間にも変化は見られます。さらに先んじることを考えていきたいです。」
不動産業界のパラダイムシフトともいえる大きな仕事ですね。
でもね、と田中さん。
「ベースにあるのは、自分の家族や友だちに接するように、お客さんに関わる。それだけなんです。さくら事務所が大切にしているのは『5方良し』。ご依頼者、自分、会社、業界、そして社会全体がよくなる。そういうことなんです。」
(2015/2/25 大越元)