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笑顔をつくりだす

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「あ、美味しい」

帰り道に食べるワッフルは一段と美味しくて、思わず言葉がもれた。

特別じゃない、気軽なスイーツとしてのワッフル。

campus-company01 そんなワッフルを作り続けているのが、東京や神奈川にあるミスターワッフルというお店。

今年で19周年を迎えた運営企業の株式会社キャンパスカンパニーが、店長と店舗スタッフを募集します。

 
キャンパスカンパニー社長の平井さんは神戸出身。関西弁まじりで軽快に会社の経緯を説明してくれた。

「実家が創業60年になる酒屋なんです。親が店を経営する姿を幼少の頃から見ていたので、ビジネスに関することが体に染みついていたんだと思うんですね」

campus-company02 もともと海外に興味があり、大学時代は旅行や留学で様々な国を渡り歩いた平井さん。大学を卒業して就職したのは、当時海外進出を始めていた大手化粧品メーカーだった。

「そこでは営業ノウハウや販売戦略といったものを徹底的に叩き込まれました。それらは今の店舗経営のベースになっています」

その後、自ら経営したいという思いが強くなり独立。学生時代に行ったベルギーで出合ったワッフルを日本人向けにアレンジし販売することを決意した。

「ベルギーワッフルはベルギーで食べて美味しいと実感していたし、事業としてきちんと成り立つものだと思っていましたから」

campus-company03 だけど、いざ始めようとレシピを調べてみても、まったく見つからない。調理法を知っている人もどこを探しても見つからなかった。

「調理法は日本になかったんですよ。お菓子教室に片っ端から電話して問い合わせたところ、本当に最後の最後でレシピ作りに協力してくれるという先生が現れて。何回も試作させていただいて、ある程度のワッフルができたんですね」

「ただ美味しいんですけど、何か足りないなと思って、もう一度本場ベルギーに飛んだんです」

当時はまだインターネットが進んでいない時代。文字通り靴底に穴が空くほど探し歩いて、ようやく理想の味のお店を見つけた。

「とはいえレシピはお店の宝。絶対に教えてくれない。ほとんど門前払いです。でも何回も何回も通って懇願したら、概要だけは教えてもらうことができたんです。それを日本に持ち帰って、僕自身が満足いくまでアレンジして『これなら』というものが出来上がったときに、ミスターワッフルを始めたんです」

そんなベルギーでの滞在期間に泊まっていた安宿で、ワッフルのことばかり調べている平井さんに対して同室のオーストラリア人がかけた言葉が「Hi,how’s going? Mr.waffle!」だった。

まわりの誰が見ても、ワッフルは平井さんの代名詞的存在になっていたという。そしてそれが、お店の名前「ミスターワッフル」の由来だそう。

campus-company04 1997年に1号店を渋谷の駅ナカにオープン。ワッフルブームの後押しもあって、オープンから間もなく行列のできるお店に。そして間もなく他エリアを含め計8店舗を展開し、多くのメディアの取材も受けるようになった。

「お客さまに認めていただけた理由はいくつかあって。そのうちのひとつが材料を厳選し、それらを贅沢に使っているということです。たとえばマーガリンは一切使用せず、良質なバターのみ。お客さまの健康とワッフルの風味を追求したことがお客さまにも伝わって喜んでいただけているんですよね」

「もうひとつは、作り置きをせず、いかに焼き立てを食べていただくかということを追求してきたということ。ワッフルを焼くマシンを増やせば売上も倍増できたんですけど、そうすると品質が落ちるので、そういうこともしませんでした」

その後、ワッフルブームは去って下火になり、渋谷店だけが残る形となったけど、こだわりのワッフルを求めるお客さまは絶えることがなく、着実にファンを増やしていった。

そして2009年、再開発の影響でその渋谷店を移転することとなり、改めて会社のあり方を考え直したという。

「会社のミッションをもう一度見直して作りあげたんです。『たったひとつのワッフルで笑顔をつくりだす』と」

「甘いものを食べるときって、いかつい顔をしている人はいないじゃないですか。甘いものは人を笑顔にできる。その笑顔になる光景を世の中のたくさんの家族に届けていきたいって真剣に考えています」

そして目指すのは、ミスターワッフルの作るベルギーワッフルが帰り道で気軽に買えるスイーツであること。

作り込んだケーキや高級フレンチとは違う、気軽に買える価格帯のなかで圧倒的に美味しいと思ってもらえるものを追求し続けた。

campus-company05 「ただやみくもに店舗数を増やし、『100店舗達成!』みたいなことにはあまり興味がないんですよね。そればかりに忙しくなってしまって、いいものが作れるわけがない。それよりも一つひとつの店舗でそこにあり続けるお店づくりをしていきたいなと思っているんです」

子どももお母さんもおじいちゃんも、みんなが帰り道に買って帰りたくなるようなお店。みんなから愛される、地域に根づいたお店を目指している。

そのために、キャンパスカンパニーでは何よりもお客さまとのコミュニケーションを大事にしている。

「袋や箱の中にアンケートハガキを入れていて、それが毎日束になって返ってくるんです」

それらを見てみるとどのハガキにも、「美味しかった!」という感想や家族とのエピソードが熱く長文で書かれていた。

「こういう方たちが買ってくださっているんだっていうことを毎日確認しながら、みんなで切磋琢磨しているんですよね。そして、そのハガキを読んで自分たちの励みにするだけでは、時間を割いて心を込めてハガキを書いてくださった方々に申し訳ないので、全員にスタッフが手書きでお礼状を書いているんですよ」

campus-company06 スタッフがお返しするメッセージもかなり丁寧な内容。これを書くために、言ってしまえばコストがかかると思うのだけど、平井さんはどんな考えなのだろう。

「確かにこれは非効率なことです。でも意味のある非効率なんですね。このアンケートハガキだけでなく、お客さまにバースデーカードも送ろうということになったのですが、それは僕がやろうと言ったのではなくて、スタッフみんながお客さまの笑顔をつくろうと考えて始まったことなんです」

「そうしたことを現場のスタッフが先頭を切って実現してくれることで、日本中に笑顔が広まっていく。僕はそういうことをやっていければなあと思っていて。今回募集している社員やスタッフにも、ぜひその仲間になってもらいたいんですよね」

着実に店舗数を増やしているミスターワッフルだが、個人商店のような温かみのあるお店だと思った。

 
スタッフの方にも話を伺った。

入社4年目、統括マネジャーの江幡さん。2店舗の立ち上げに関わり、これまで店長を務めていた。

campus-company07 江幡さんの前職はアパレルブランドの販売スタッフ。

キャンパスカンパニーに転職した理由を訊いてみた。

「縁あって平井から声をかけてもらったということもあるんですけど。何十万円の商品を売るようなアパレル業とは違って、ミスターワッフルは短い接客時間でお客さまに笑顔になってもらうことを追求している。そこに惹かれましたね。今までの経験を生かして自分がどんなことをしていけるか、もっと深く考えてみたいなって思って」

実際働いてみて、どうでしたか?

「求められることが他の会社とは違うなって感じました。その印象的な出来事があって。ポイントカードがあまり利用いただけていなかった当時、平井も含めスタッフ全員で対策を考えていたのですが、そのとき平井がぽつりと『ポイントの有効期限はないほうがいいんじゃないかな』って言ったんです」

「何をおいても、お客さまの立場に立って物事を考える。そうした姿勢にとても共感し感動しました。日々の売上ももちろん大事だけど、この会社では、第一に人を大切にしているっていうことをすごく感じています」

江幡さんは子連れのお客さまにも喜んでもらえるように、メッセージカードにキャラクターシールを貼るなどの工夫をしているそうだ。

そうした日々の出来事をとても嬉しそうに身振り手振りで話してくれる江幡さん。そんな江幡さんのように、人との触れ合いが好きな人はここで大きなやり甲斐を感じ、大きく成長することができると思う。

「僕、今でも覚えているんですけどね」と平井さん。

「江幡が最初に配属されたのは新店舗で、開店後がものすごく忙しくて、お客さまのメッセージになかなかお返事ができなかったんですよ。ため込んでしまったハガキの山を彼女に渡して、手書きの返信を書くことをお願いしたら『これでやっとお客さまとゆっくり会話ができます』って、キラッキラした笑顔で言ったんですよ」

そう話す平井さんも、とても嬉しそう。

「そうした僕を支えてくれる仲間たちの熱い思いや努力があってこそ、今のミスターワッフルがあるんだと思っています。一人ひとりのそうした姿勢に日々感謝しています」

campus-company08 スタッフ全員がお客さまとつながって、また帰り道にふらっとお店に寄っていただく。そして「美味しい」と笑顔になってもらう。

もちろん日々の業務はワッフルを焼いたり販売したりすることがメインであり、お客さまが多くてひたすら作業をする日もあるけれど、お客さまのことを第一に考え、そのために自分で工夫をし、提案していく姿勢が常に求められるという。

「問題課題に取り組もうとしている人が、うちでは頑張っている人になる。それは大変なことなんですけど、そうした経験をしなければ人は成長しないんですよね」

「スタッフが一つひとつ階段を上ってくれると、必ず会社は大きくなる。会社が大きくなるから人が成長するのではなくて、人が成長するから会社は大きくなっていくんですよね。ミスターワッフルは今からセカンドステージに入ります。そのためには、僕らに共感してくれる仲間が必要なんです」

campus-company09 今後はさらに店舗を増やす計画もあり、数年後にはベルギーへの出店も計画しているという。

今回募集する仲間も、新しいお店の店長として活躍することができるし、経験を積んで江幡さんのように本部に移り、中核メンバーになることもできる。

たったひとつのワッフルで笑顔をつくりだす。そんな想いに共感してくれた方はぜひ応募してください。

(2016/2/24 森田曜光)