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全力でぶつかる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「『ふうたぬるい』ってわかりますか?博多弁で、気持ちが入ってないとか、思いやりがないという意味なんです。ふうたぬるいこと言うのはよくないよね。地べた這いつくばっても挑戦したい。そういう人だったら、いくらでも応援します。」

20年前、アパレル業界出身のアイデア溢れる九州男児が、福岡の浜辺の丘の上に、鮮魚を扱う小さな居酒屋さんを開きました。

自分たちで内装も手がけながら少しずつお店を広げていくなかで、場所を変えても浜辺の雰囲気を味わってもらいたい!ということで生まれたのが、「釣船」というスタイル。

店内を巨大な船に見立て、いけすに泳ぐ魚を生け捕りにしてその場で捌いて味わう。お客さんが魚を釣ると「おめでとうございます!」と店内に太鼓が鳴り響く。

そんなユニークなスタイルから、学生や会社員だけでなく、家族連れや外国人の人気も集まり、「釣船茶屋ざうお」は全国に13店舗を展開しています。

DSC_0921 最初の言葉は、東京の店舗を総括している取締役の高橋さんの言葉。

挑戦したい人を全力で応援しようとする熱さと、懐の深さがある。

そんなところに惹かれるのか、ここには、新しいことをはじめたい人や、将来独立したいという人など、それぞれ夢を持った人が集まってくる。

今回は、高橋さんと一緒に東京の「釣船茶屋ざうお」を盛り上げていく人を募集します。

4月に渋谷店がオープンしたばかり。都内には、新宿、目黒ほか全部で6店舗あります。ここで働くホール・キッチンスタッフを求めています。

正社員、契約社員、アルバイト、パートなどいろいろな業態があるし、アルバイトからはじめて、やる気次第で社員になる方もいます。

働き方は人それぞれなので、直接相談してみてください。

渋谷駅を降りスクランブル交差点を抜け、まだオープンする前の渋谷店を訪ねる。

まず話を聞いたのは、取締役の高橋さん。

SONY DSC 東京に来て15年経つそうだけど、大笑いがよく似合う、博多弁全開の豪快な方。

スタッフの方は、高橋さんのことを「口で言うより行動で見せてくれる人」と話していた。
男らしいというか、漢らしいというか。わたしのふだんの暮らしのなかでは、なかなか出会えないタイプの方かもしれない。

「この渋谷店は、スタッフがお店をつくったんですよ。僕は言いたいことたくさんあったけど、耐えて耐えて、見守りました。」

あれこれ言わなかったのには、理由があった。

「僕は、創業者の息子です。21歳のとき、親父に実印一個渡されて『東京のことは任せる』と言われました。それからひとりで東京に出て、何もかもはじめてのことだらけのなかで、赤っ恥なこともやってきました。その時に学んだのは、どんな教育よりも、一回の失敗のほうが勉強になるということです。だから今度は僕が、一緒に働く社員たちにそういう機会を与えるタイミングかな、と。」

ちょっと距離を置いてみることができるようになって、アルバイトの子たちのそれぞれの素質に、より気づけるようになった。

「うちのスタッフ、面白い人いっぱいいるんですよ。中途で入ったのは、自分でホルモン焼きのお店をやっていた人。その人は、何か面白いことがしたいって、うちのことを見つけてきました。今は、なぜか本社で内装をやってます。あ、うちは飲食だけではなく、内装や印刷物とかも自分たちでやっているんですよ。飲食部門から内装に行ったりもできるし、逆もアリです。」

DSC_0975 人によって、ここで働くメリットは違うべき。だから押し付けがましいことは言いたくない。

まずは、その人がどんな人なのか知りたいし、もし将来の目標があれば応援したい。

「失敗は経験。チャレンジせよ!僕の役割は、どうケツを拭くか考えることです。」

高橋さんが応援している人のひとり、吉田さんを紹介してもらった。

吉田さんは、おっとりしていて話していると優しい人柄が伝わってくる。高橋さんにいじられたりしていて、とても仲が良さそう。

SONY DSC オープンしたばかりの渋谷店の店長兼料理長。そして関東の営業統括もしている。

魚を捌ける営業統括。そんなキャッチコピーがつけられそうなほど仕事の幅が広い吉田さんに、ここで働くことになった経緯を聞いてみた。

「私はもともと、不動産会社に勤めていました。自分で飲食店をやりたいと思った矢先にこの会社に出会って、高橋さんに『うちに来たら店舗開発もできるから、ちょっとやってみらん!』って声かけられて。それから14年ほど、東京の出店店舗のテナント交渉や手続きなどを担当しています。」

最初は不動産担当だったけれど、だんだんホールやキッチンの仕事も手伝うようになった。

「やらせてもらえないですかって自分から言いました。やってみたら、面白いんです。料理、接客、それから、原価、人件費、販促、コストダウン。経営の知識をたくさん吸収できて勉強になる。全然飽きないんです。」

将来独立したいという夢に向かって進んでいる吉田さんにとって、なんでもやりたい!という気持ちを受け入れて応援してもらえるこの環境は、とても楽しい。

そんな吉田さんを支える存在が、渋谷店のサービスをとりまとめる高福さん。

「今日、はじめて渋谷店の現場に入ったんです。お店ができていく様子を見て、実感が徐々に湧いてきました。」

SONY DSC 現在22歳。わたしより年下だけど、そう感じさせない。とても落ち着きがあって、肝が座っているように感じる。

17歳からざうおでアルバイトをはじめ、1年前に社員になった。

「きっかけは友人の紹介でした。結果、友人はすぐに辞めてしまったのですが、わたしはなんだかんだで、今まで続いています。続いている理由は、人ですね。魅力的な人が多いんです。」

働きはじめた当時は、いちばん年下だったので、末っ子のような感じだった。怒られたりもしたけれど、周りの人に教えてもらいながら成長してきた。

「実は、一度ざうおを辞めて、事務職として就職したこともあったんです。でも、やっぱり自分は人と接するのが好きだなって再確認して、戻ってきました。そして、1年前に『社員になれば?』と言われて。社員になったらそれなりに責任もあるし、どうしよう。悩みましたが、でも、やってみようって。」

仕事が楽しいと思うのは、どんなときですか?

「まず、働く人同士の仲が良くて、一緒に働くのが楽しいんですよ。あと、お客さんとの接客では、はじめての方でも色々なことを話して、その瞬間仲良くなって。はじめてだけどはじめてじゃない、という感覚があります。もちろん全員は覚えられないけど、自分のなかで思い出になるんです。」

隣で聞いていた高橋さんが、話を続ける。

「想像している飲食の接客業とは、ちょっと違うかも知れません。というのも、うちはお客さんが魚を『釣る』という行為があるんです。」

「魚が釣れると、スタッフは太鼓を叩いてお祝いする。釣った子どもは『お母さん、この魚、どうやって食べるー?』って聞くんです。そしてスタッフがテーブルまで行って、煮るとか焼くとか、調理法を説明する。そこで、お客さんと距離がぐっと近くなるんです。お客さんたちも、隣の席同士で『僕たち、さっき釣れたんですよ』と話したり。『釣る』という行為を通して、心が通いやすいんだと思います。」

DSC_1165 そんなお店だから、おじいちゃんが孫を連れてきて、釣りの手ほどきをしたくなる。

孫は、自分が釣った魚を、おじいちゃん、おばあちゃんに食べてもらう。そんな体験を披露できる。

それは「食育」にもつながるかもしれない。

家族連れのお客さんが多いので、けっこう子どもの面倒を見る時間が多いですね。小さい子を抱っこして『ほら、あそこに魚いるよ~』とか。」と高福さん。

メニューの単価は少し高いけれど、誕生日や記念日など特別なイベントのときに来るお客さんが多い。それを感じると身が引き締まる。

「キッチンからも、お客さんが喜んでいる様子がよく見えるんですよ。」と、ニコニコしながら吉田さん。

いけすに泳ぐ魚は、鯛、ヒラメ、アジ、カンパチなど数十種類。そして、それぞれの魚に刺身、塩焼き、煮付け、唐揚げなど、それぞれの調理法がある。

吉田さんは、お客さんが魚を釣ると、その場で魚を捌き、調理をして提供する。

ただ、これはけっこう熟練の仕事。もし、今まで調理の経験などがない場合は、最初は事前に準備しておく仕込みのものとか、天ぷらとか煮物とか、他の持ち場を担当することになると思う。

そして、慣れてきたころに、やる気次第で魚の捌き方も教えてもらえる。

「料理にも性格が出るんですよ。てきぱきした性格の人は、その場で魚を捌く仕事が向いているし、集中してひとつひとつ丁寧にやりたい人には、煮物が向いているかもしれない。その人の性格によって、仕事は変わると思います。」

DSC_1175 高橋さん、吉田さん、高福さんに聞いてみた。

「ざうお」で働く人として、どんな人に来てほしいと思いますか?

「人のために自分の労働を削らないといけない仕事だから、利己的な奴はキツいでしょうね。全く知らないお客さんの誕生日を、その場にいる人と同じ気持ちで『おめでとう!』と思えるか。それから、うちは働く仲間同士も助け合う風土がありますからね。」と高橋さん。

「それから、何かを与えてもらいたい人より、自分で考えて新しいものを生み出せる人。うちは、お客さんがいいものが行動指針だから、変化も多いんです。」

「そうですね。受け身じゃない、主導的な感覚の人がいいと思います。」と高福さん。

求めているのは、渋谷店の物件を開発した吉田さんや、サービスを任されている高福さんのように、ゆくゆく自分で何かはじめちゃう人。店長候補になれるような人。

ひとりひとりを知ろうとしてもらえる環境だから、もし今、自分じゃなくてもできるんじゃないか…とか、仕事にモヤモヤしている人がいたら、ここで自分にしかできない仕事を見つけられるかもしれない。

DSC_0988 「自分じゃなくてもできるんじゃないか、と思うこと、たくさんあると思います。僕だって時々、思いますから。でも、そういう気持ちをここで発散して欲しい。何かここで自分の爪痕残そうとか、俺が会社をつくりたい!とか。受け入れられる窓口は、いっぱいあるので。」

役割にはまろうとする必要はないと思います。まずは自分自身でぶつかってみてください。全力で挑めば、全力で応援してくれる会社です。

(2015/5/15 笠原名々子)