求人 NEW

健康寿命プラス10歳!

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

目の前にせまった、超高齢社会。介護や看護という話題は、誰にとっても身近なテーマになるはずです。

大阪・池田市を拠点に、訪問介護・看護や小規模デイサービスセンター事業を運営するのが、フリーステーション。

今回、新しく立ち上げた健康推進の事業に携わる「企画営業職」の募集をします。介護事業との両輪で歩む事業のため、まずは会社のなり立ちを知ってほしいです。 
 
 
大阪の中心部からもほど近い池田市は、山や川も近くにのぞむ、おだやかな街。

フリーステーションの社長、小宮悦子さんがさっそうと現れた。グレーのMINIがよく似あう。

DSC_0147 受けとった名刺には「見た目年齢マイナス10歳、健康年齢プラス10歳」とある。

「それを実践するために、自分たちでもがんばろうとしています」

創業15年の会社は、39歳のときに設立。小宮さんはいまでもパリッとした雰囲気で、若々しい。

小宮さんのキャリアのスタートは、看護師だった。総合病院の中央手術室へ配属、1日に7つもの手術がおこなわれるような職場だったそうだ。

「私が働いていたような大きな病院は、サービス業からもっとも遠かったかもしれません。点と点のご縁があり、患者さんと長く付きあうことはなかったですから。集中して完結する仕事が好きな性格だから、自分に向いていると感じていました」

DSC_0038 「でも、辛かったのは、勤務が不規則だったこと。手術が終わるまで仕事が続くので、帰宅時間が毎日わからないんです」

第一児を出産後、ふたたび職場へ。当時の法律では育休制度もなかったから、赤ちゃんの首がすわったら、もう復帰せざるをえなかった。

「手術室へカムバックを希望しながらも、やっぱり環境が厳しいなと思って退職したんですね。そのとき、手術室のドクターが病院近くにある特養(特別養護老人ホーム)の関係者だったので、再就職口を斡旋してくれたんです。私が介護の業界に入ったのは、たまたまなんですよ」

看護師から、ケアマネージャーへの方向転換。2つの職場を体験したことで、気づいたことがある。

「病院とは違う世界でした。いまの私たちの会社は違いますが、大人が子ども扱いされたり、お風呂の時間が来たら、流れ作業で服を脱がされて待たされたり。自分が高齢になってそこにいるとは想像できないなと感じて、機会があったら起業しようと思っていたんです」

2000年、民間から介護サービスへの参入を可能にする「介護保険制度」が始まり、起業を決意。特別養護老人ホームの立ち上げを手伝って1年間ノウハウを勉強したあと、池田市にフリーステーションを設立した。

中核となる事業は、4つある。

居宅介護支援、訪問介護、訪問看護という在宅事業、それに小規模なデイサービスセンターの運営だ。

池田市の活動に協力するかたちで、訪問介護の事業からスタート。その後、徐々にサービスを広げていく。
 
 
創業5年目に入社したのが、原田幸子さん。前職は銀行員だけど、退職してしばらくは専業主婦だった。

DSC_0101 パソコンが得意だったことから、いまは管理部で事務も兼務。どのような立場でも、社員全員が協力しあって現場を受け持つのは、この会社の特徴だ。

「在宅事業の訪問先は100件くらいです。パートも含めてキャスト(スタッフ)の数は22人ですね」

入社して、職場の印象はどうでしたか?

「いかにも介護のサービスを展開しています、という感じではないなと感じました。職場はほとんど女性でもネチネチしていないというか、風通しがよくて、毎日たのしいです」

DSC_0073

介護事業の現場は、法律がひとたび改正されると大きく影響を受ける。看護の連携もそのひとつ。

「訪問介護の現場に看護師を同行できるようになりました。私たちが看護師からケアの仕方を学ぶ機会も増えましたね」

社会全体で、病院の負担を減らすための措置。在宅でのターミナルケア(終末期医療)も原田さんたちは経験する。

「自分たちが介護で携わった人を看取って、最期のお見送りをすることもあります。でも、辛いことばかりではないですよ。訪問に行って、満足して帰ってくるスタッフの顔が多いですから」


フリーステーションのもう1つの事業、デイサービスセンターも見学した。

事務所からは、クルマで20分ほど。最大で1日14人が利用する小規模な施設だ。

センターの責任者は、介護福祉士の河上よし子さん。

DSC_0128 「月曜から金曜にかけて、平日の事業です。利用者の8割が近隣の方ですね。75歳から99歳の方までがいらっしゃいます」

朝9時くらいに迎えに行き、15時すぎには利用者を送る。

この日の午後は、エクササイズの時間。新しく導入した「メディカル・ポール」を利用したプログラムだった。

メディカル・ポールはスキーのストックのような形だが、先端はゴム製で丸みを帯びている。長さも自由に調節ができる。

「身体を実際に動かすのは15分から20分くらい。始めたばかりですが、『たのしいからまたやりたい』とおっしゃる方も多いです。みなさんの表情も生き生きとされています」

DSC_0116 終了後、お茶の席に呼ばれた。利用者のみなさんはユーモアがあって話好き。土地柄か、上品な人が多い印象だ。

聞けば、日本舞踊の先生や民謡の唄い手など、多くの経歴を持つ方々だった。こうした利用者の背景を大事にするのも、フリーステーションらしさなのだと思う。
 
 
帰り道で小宮さんから説明を受けた。また、法律が改正されたのだという。

「これまでのフリーステーションの事業は、保険制度を前提としたものでした。でも、今後は小規模なデイサービスが介護保険からは外されることになったんです」

国による介護報酬の改定では、小規模デイサービスの数が多すぎるとされる一方、特別養護老人ホームの供給不足が指摘されている。超高齢化への未来は、もう始まっているんだと痛感した。

小宮さんがあくまで事業でやりたいのは、利用者も働く人も、すべての人が生き生きとするサービス業だ。

未来を見すえて小宮さんが新しく立ち上げた会社が、ココカラ・フォーエバー株式会社だ。

事業領域は「予防医療(健康推進)」。

心身を健康に保つことで、介護や看護にかかる人の数を減らす、かかるまでを遅くする取り組み。社会全体で医療費の増大が懸念されるなか、国も積極的に支援を検討している分野だ。

デイサービスセンターで見たメディカル・ポールを使用したウォーキングやエクササイズプログラムは、この会社の主力商品の一つだ。

プロデューサーの木原義人さんに話をうかがう。

年齢は46歳。小宮さん同様、若々しい。ファッションなどの見た目だけのものではなく、内面からにじみ出る活力を感じる。

DSC_0065 なにかスポーツをされているのだろうか。

「ヨガを続けていますね。こちらに転職してきてからは、ノルディック・ウォーキングも加わりました」

前職は介護や福祉でない分野。レジャー・スポーツ関連企業の創業期から携わり、職歴も長かった。

いまは、どういった仕事になるのだろう。

「メディカル・ポール・ウォークの普及や啓蒙をしつつ、それを使用しての健康プログラムを独自で考えています。各地で体験会や講習会を開催するので、多くの人と触れ合う機会も多いです」

DSC_0090 少し形のちがう別のポールもあった。

「ダイエットなどエクササイズにもつながる商品です。ポールを使うと体幹もしっかり鍛えやすいんですよ」

「たとえば、母体への負担が少ないマタニティクラスのエクササイズも考えています。それから、歩育(ほいく)・足育(そくいく)の分野。子どものうちから学ぶ、歩き方や姿勢の教育です。子どもからお年寄りまでが健康に繋がるプログラムに育てていきたいですね」

木原さんからは、生き生きと仕事に打ちこむ様子が伝わってくる。

「事業を自分たちで開発して、プロデュースするのはおもしろいです。ないものをつくっていくという、やりがいがあります」

今後はポールを使うことだけに縛られない。

「運動だけだと健康づくりには限界がありますから、食の分野と絡めるのも必要でしょうね。そのぶん、調べたり、考えたりする必要はありますが、創造性を発揮できると思います」

どんな人が、木原さんのような仕事に向いていますか。

「まず、健康に関心が強い人。自身が健康でないと説得力がないですね。そのうえで新しい事業に興味があり、チャレンジ精神がある方です」
 
 
あらためて、今回募集する人材について、小宮さんから。

「イメージでは、木原のような役割に近い人を考えています。アシスタントプロデューサーと言えばよいでしょうか」

「世の中のためになるのは、健康であったり、介護であったり、福祉であったりしますが、その枠を外してビジネスにしていこうという方を育てながら一緒にやっていきたいです。やる気があればOKですが、素直で勉強熱心な方がいいですね」

介護や看護に頼らないでいられる身体をつくる。介護や看護が必要になっても生き生きといられる社会をつくる。

2つの会社は別々ではなく、両輪として支えあう。そのまん中に立って、どちらの会社も理解できる人が必要だ。

DSC_0085 「最初の能力はそんなに気にしてないですし、学歴や職歴も問いません。それよりも、ベンチャーに来るような覚悟がある人がいい。その覚悟に、仕事を任せることで応えたいです」

面接は3回。この規模の会社では多いけれど、理由はあるのだろうか。

「向き、不向きを確かめたいんです。一人ひとりと向きあって仕事するのが向く人、企画や営業が向く人。どちらに重きを置くかは、その人のやりたいこともあるでしょう。私の考えを伝える機会、その人をしっかり理解する機会、しっかりお見あいをしたいんです」

そのためには、介護の現場を見てもらうことも必要だという。

遠方の応募者なら一泊して現場を見ながら、その前後で面接などもあり得るという。出張して面接することも考えている。

DSC_0028 小宮さんが起業をこころざす原動力となったのは、身近な人の介護経験からではなく、より良い職場をつくろうとする意志でした。

そんな会社が踏み出そうとする、次の一歩。こうなったらいいな、と思う社会を一緒に実現する力を求めています。

(2015/6/29 神吉 弘邦)