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「現場監督って、まちつくりの要だと思っていて。ヘルメットをかぶったおじさんが、タバコふかしてる。そんなイメージを持たれがちなんですけど(笑)。お客さんとやりとりして、物件の活かし方から考える。枠を越えてほしいんです。クリエーションできる現場監督ですね」そう話すのは、株式会社NENGO(ネンゴ)の建築工事部ゼネラルマネージャー中村さん。
家づくりを通して、100年後の美しい街をつくりたい。
その思いから、2004年に日本初の中古マンション専門の取引サイト「おんぼろ不動産マーケット」を立ち上げたNENGO。
今回は施工管理を手掛ける人及び、ディレクターを募集します。
NENGOの本社は、溝ノ口にあります。
渋谷からは田園都市線で約15分。JRの武蔵溝ノ口駅も隣接しています。
駅から徒歩8分ほどで、工場をリノベーションした本社が見えてきます。
1階は、日本総代理店を務めるオーストラリア製の塗料「ポーターズペイント」の工房です。
右手の階段を上がると、事務所が見えてきます。やわらかな色合いの壁面塗装も、ポーターズペイントによるもの。
ここで迎えてくださったのが、施工管理を手がける建築工事部のお二人。
事業を統括するゼネラルマネージャーの中村さんと、入社3年目の平岡さんです。
まずは、取材後に現場を控える平岡さんに話をうかがいました。
いただいた名刺には「めんそーれ」の文字。聞けば、平岡さんは沖縄生まれだという。
「不動産事業部で物件を決めたお客さんが、施工を進めていくのが建築工事部です。お客さんとやりとりをしつつ、要望や納期、予算について打ち合わせます。次に設計者と施工管理、そして職人さんがチームを組んで、仕事を進めていきます」
「いまの主な仕事は、マンション一室のフルリノベーションです。そのほかに店舗、マンション一棟の大規模改修まで。規模によりますが、いつも2〜3の現場を手がけていきます」
中古物件では、現場に入って気づくことも多い。
思いがけないところに排水・配管が現れたり、そもそも図面がない物件も。職人さんと話しつつ、現場に合わせた施工を行っていく。
「現場の職人さんとの信頼関係が、そのまま仕事の良し悪しに現れます。気持ちよく仕事してもらうには、どうしたらよいか。日々考えています」
ところで、新卒で入社した平岡さんは、建築・不動産についてはまったくの未経験からのスタートだったそう。
「小学校から大学までは、野球に打ち込む毎日だったんです。自ら現場を持ち、動き回れる施工管理の仕事につきたい。そう思い、大手のハウスメーカーから小さな工務店まで、色々な会社を見てきました」
どうしてNENGOへ?
「人の存在が大きかったんです。代表の的場、そして上司の中村に出会い、この人たちと一緒に仕事がしたいと思いました」
「経験がないし、はじめての就職だからこそ、バリバリと働いてきました。今後は、部を担っていける存在になりたい。自ら動く人には、年齢や社歴にこだわらず、どんどん任せてくれる会社だと思います」
ここで平岡さんは、一足先に現場へと向かいました。
続けて、事業を統括する中村さんに話をうかがいます。
「平岡が『任せてくれる』と話していました。思ったことは、遠慮なく言い合える。これから一緒に働く方にも同じことがいえます。そうした掛け合いから、よりよいものがつくれると思うんです」
現在、建築工事部はどんな状況なんですか?
「わたしを含めて5人が働いています。50代と39歳のベテランスタッフ、そして、平岡と入社1年目の女性です。今回募集したいのは、平岡たちの先輩上司にあたる方。施工管理の経験がある方に、すぐにでも現場を任せたいんです」
仕事の中心となる中古マンションのリノベーションは、依頼が順調に増えています。
さらに建築工事部の仕事は、広がりつつあるという。
「色々な相談を受けることが増えています。今後、力を入れたいことの一つが、収益物件の再活用に向けたコンサルティングです」
現在オーナーの方から相談を受けているのは、築45年のマンションへの再投資案件だという。
「建替を控えて、長年手つかずになっていた物件なんです。いまの住宅環境を考えると、建替よりもリノベーションがよいのではないか。そこで、20年間で回収できる収益物件にするべく話し合いをすすめています」
「先に入居者を決めて、賃料を見込んでしまいます。その上で、内装については話し合いながら、リノベーションを進めていく予定です。リノベーションにおいて大切にしたいのは“らしさデザイン”。その土地の気候風土を読み込んだ上で、どうしたら豊かに暮らしていけるかを考えていきます」
人口が増え、住宅やオフィスが不足している。そんな右肩上がりの時代には「建てれば人が入る」時代だったかもしれません。
ところが、住宅やオフィスが供給過剰へと転換したいま。
不動産や建築会社に求められる役割は、大きく変わりつつある。
「建物のコンセプトから話し合い、施工まで一貫して任せていける工務店を目指しています。自分たちで考え、つくるからこそ、責任も提案も深みを持つと思うんです」
見た目のよさだけではありません。
「NENGOは、耐火被覆を行う工務店からはじまったんです。だからこそ、きちんと機能性についても提案しますよ。たとえば断熱。リノベーションにおいて、ついつい見過ごされがちです。けれど冬は温かく、夏は涼しい。エネルギー効率は、生活する上でとても重要です。専門の部署があるからこそ、連動して仕事も生まれてきます」
外装についても、デザイン提案を行う予定という。
「NENGOが目指すのは、100年後の美しい街をつくること。愛着ある家が増えることは、美しい街につながっていくと思うんです。街の景色を見据えてコンセプトをつくり、それを一つの物件の外装に落としていく仕事です」
今後より力を入れていきたいことがあるそう。
「大型の案件に取り組んでいきたいんです。区画をもうけての分譲型戸建て事業、コーポラティブハウスにも取り組んでいきたいです。また、企業の社宅といった遊休施設をコンバージョンする案件も、進みつつあります」
「つまりは、街への発信なんです。そうした建物が街に増えることで街ゆく人が『こんな暮らし方もあるんだ』と気づく。そして業界に向けては『みなさんでやりません?』と提案につながる。NENGO一社でできることは限られています。大きなうねりになればと思うんです」
今回は、施工管理を行う方を募集する。
応募する方の経験とも相談しつつ、ディレクターとして働く方にもきてほしいとのこと。
たとえばこちらの物件は、プロデュース・施工をNENGOが手がけ、カガミ・デザインリフォームさんに設計を依頼した物件。
“建築工事部”という部署名には収まらないような、広がりのある仕事なんですね。
「そうですね。部署名も変えなきゃな、と思っています。求人と合わせて、いいアイデアがあれば募集したいところです(笑)」
ところで、今回はどんな人にきてほしいですか?
「美しい街をつくる。まずは、その一端を担うことに共感してもらえる人がいいですね」
仕事のキャリアは色々な道があるそうです。
「たとえば、物件再活用のコンサルティングにはじまり、施工管理までを一貫して手がける。クリエイティブな施工管理という道もあると思うんです。また、部署を横断して耐火、断熱といった領域を広げていくこともアリだと思います。」
働く人については、どのように考えていますか?
「苦労も楽しいことも共有して、長く働いてもらえたら。家族みたいな存在だと思っています」
いまは、どうしてもベテランの方に負担がかかりがちだという。
「工事はどうしても重なりがちです。繁忙期に差しかかると、夜遅くまで働く日が続いたり、土曜日も現場に出ることもあります。そうした状況もあるからこそ、今回は2人の方にきてほしいんです」
「ただ目指すのは、短い時間でよいものをたくさんつくり、きちんと収益にもつなげること。そのための取組みも日々行っています」
働きやすい環境づくりについては、日々試行錯誤を重ねているところ。
昨年には出社時間を見直し。今年5月には、介護によるやむなき離職をなくすため、ワーク&ケアバランス研究所と提携したという。
ところで、NENGOにはさまざまな経歴の方たちが働いています。
中村さんもその一人。
「大学を出て、富士通サッカー部に入りました。翌年の1999年に、チームがJリーグへ加盟。川崎フロンターレでプレイしてきました」
元Jリーガーということですか?
「そうですね(笑)。選手を引退後、チームのフロント業務に就いたんです。競技場への売店誘致、ユニフォームデザイン、グッズづくり、ローソンさんとタイアップして弁当をつくったり。まぁ、色々してきました」
「若手経営者のスポンサーを募る中で、NENGO代表の的場に出会ったんです。逆に、NENGOへ来ないかと誘われて(笑)。J1昇格を一つの区切りに転職をして。32歳でした。」
はじめの3年間は、ポーターズペイント事業部へ。その後、不動産事業部や耐火断熱事業部などのさまざまな事業部を経て、会社として力を入れたい建築工事部へ着任した。
2005年の入社当時は、15人ほどの会社だったという。
「前職はグループ全体で50,000人いました。小さい会社は整っていないことも多くて、戸惑いもありました。わかりやすいのは福利厚生でしょうか。制度も一つひとつ、つくりあげてきました」
「でもそれ以上に、個人の度量で事業を広められる。そのことに面白さを感じちゃって。」
志に共感して、人は集まりつつあるようです。
昨年入社した不動産事業部のお二人は、前職が大手ハウスメーカーと市役所の職員でした。
最後に中村さんから。
「これまでは、体制を整える時期でした。これからいよいよ、街つくりに取り組んでいけます。一緒に働く人の手でつくられた建物が、100年後の街になります。大変なときも、楽しいときも両方あると思います。どちらも共有しつつ、一緒にやっていきましょう。」
(2015/7/14 大越元)