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新しい当たり前をつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「10年後、20年後に振り返ったとき『あのときあの会社がこういうことをはじめたから、いまこの仕組みがある』と思ってくれるような。既存の延長線上じゃない、新しい当たり前になることをつくりたいと思っています」

最近、耳にするようになった「ホームインスペクション」や「住宅診断」という言葉。

住宅の専門家が、建物の欠陥の有無や劣化状況を確認し、改修すべき箇所があったときには、そのタイミングや必要な費用などを第三者の立場からアドバイスすることをいいます。

もともと日本に存在していなかったホームインスペクションの普及に大きく貢献してきたのは、個人向け不動産コンサルティング会社のさくら事務所です。

創業者の長嶋さんや代表の大西さんはNPO法人「日本ホームインスペクターズ協会」も設立し、ホームインスペクション業界全体の育成・普及に尽力しています。さくら事務所はそのホームインスペクションを主軸に、フロントランナーとして業界に新しい仕組みをつくりあげてきました。

sakurazimusyo01 そんなさくら事務所が総合不動産コンサルティング業として今年から新たに力を入れはじめたのが、不動産仲介・コンサルティングサービス。

建物や不動産、マネー、マンション管理など様々なスペシャリストを擁する会社として、仲介以外にも、不動産の総合的なコンサルティングを行なっています。

今回募集するのは、不動産仲介とコンサルティングを担当する人です。

目の前の人ときちんと向き合う仕事がしたいという人。新しい不動産業界を一緒につくりあげていきたいという人。そんな人は、ぜひ続けて読んでください。

 
東京・渋谷駅を降りて西口の歩道橋を渡る。さくら通りの坂道を上がってしばらくすると、さくら事務所のオフィスに到着します。

扉を開けると、なかは保育園のような空気感。ご相談にくる方のお子さまも安心できそうな、かわいらしい部屋がいくつもあります。

sakurazimusyo02 その一室で、さくら事務所のみなさんに話をうかがいます。

最初は、代表の大西さん。とてもフレンドリーな方で、取材中何度も素敵な笑顔を見せてくれました。

まずは、仲介サービスに力を入れるようになった経緯についてうかがいます。

sakurazimusyo03 さくら事務所のはじまりは1999年。

情報の不透明さなどの不動産業界に対する問題意識から、現会長の長嶋さんが日本初の個人向け不動産コンサルティング会社として創業したという。

そのなかで新たにはじめたのが、先進諸外国では当たり前のサービスとなっていたホームインスペクション。これを日本流にアレンジし、全国普及に力を注いできた。

「おかげさまで、いまでは『さくら事務所=ホームインスペクションの会社』と認知いただいています。だけど、それはひとつの手段なんですね。本来は生活者を不動産全般に関してサポートさせていただきたいという想いがあって」

「とくに私が役員に就任した4年前くらいから、原点回帰して、消費者に必要なサービスを業界をまたいでつくっていきたいという強い想いがありました。ちょうどそのころ、田中歩くんと知り合って一緒にいろいろと話していたんです」

執行役員の田中歩さんは、不動産売買のコンシェルジュとして仕事を行なう「あゆみリアルティーサービス」の代表でもある。大手銀行を経て、会社を立ち上げた。

田中さんも同様に、業界に対する問題意識を抱えていたという。

「不動産業界のとくに仲介業者って、第三者として間に立つ人間にもかかわらず、現状ではほとんどがお客さま主義じゃないんですよ。右から左に流してお金が得られるゲームのようなルールだから、何も考えないで済んじゃうのが事実としてあるんです。だけど、そんなことをやっていたら絶対みんなが悲しい目にあうわけです」

「だから、そこをもう一回ちゃんと定義し直して、エージェントとして適正なコンサルティングをやっていこうと。そうすれば、売主も買主も、不動産も僕らも、みんなが幸せになるよねって」

sakurazimusyo04 その後、田中さんはさくら事務所に参画。仲介部門を立ち上げ、リーダーを務めている。

この部門では不動産仲介を中心に、第三者の立場から総合的な不動産コンサルティングを行なっている。

「不動産取引ではいろんなことが起こるので、その一つ一つを解決するための仕事をしているって感じなんです。だから一般的な不動産屋さんがやっているような売買や賃貸の仲介の仕事もするし、そもそもマイホームを買うべきかといった相談からはじまることもあります」

「ほかにも、相続をどうしたらいいのかとか、空き家をどうするべきかという相談を受けて、解決法を提案する。そんなふうに、不動産に関することの全般に携わっています」

また、さくら事務所に在籍するホームインスペクションや保険・ローン関係のスペシャリストをつなげることで、専門的な相談にも対応している。

実際にはじめてみると反響は大きく、これまで多くの人が困っていたということをあらためて感じたという。

sakurazimusyo05 なかでも一番多い問い合わせは、住まいを購入する際の相談。

「まだ何も決まっていないけど、どこから手をつけていいのか分からないので、専門家からのアドバイスを聞いた上で物件選びのポイントを絞りたい」という方から「すでにいくつか物件が決まっていて、本当に大丈夫か相談したい」という方まで。

案件によって家族構成や年齢なども変わってくるため、そういった状況や背景を踏まえつつ客観的なアドバイスをする。

「そこで必ずやることが2つあります。ひとつは、はじめに『なぜ買いたいのか?』という話をすること。買う理由を整理するんですね」

たとえば、両親がせっかく近くに家を持っているのに、ひとり息子の方が家を買えば、将来に両親から家を相続したときに空き家を持ってしまうことになる。

ほかにも、知り合いが家を買ったから、賃貸料を払い続けるのがもったいないからといった理由だけだと、後々後悔する結果になるかもしれない。

そういったことがないように、マイホーム購入の理由を洗い出して整理する。

「もうひとつは、人生の資金計画をします。家を買うとき、大体の方がお金を借りることになります。人生の三大支出って教育費と住宅費と老後の生活費なんです」

「たとえば、収入はどれくらいで、何歳で定年を迎えるのか。転職はするのか。それだけでなく、子どもが塾に通うかもしれない。老後にはいくら必要なのか・・・。それをきちんと考えず住宅だけに収入をかけてしまうと、家計が赤字となってしまい、金銭的に苦しい生活を送ることにもなりかねません」

購入目的と資金計画の整理。このふたつは家を購入する人にとって絶対に必要なことだけれど、不動産業界では一般的にはあまり行なわれていないという。

たしかにこういうサービスを知らなければ、自分も家を買うとき、相談するのは経験者や家族くらいかもしれない。

「不動産売買って大きい買い物なので、専門知識を持った専門家がサポートできるとトラブルや失敗する方も少なくなると思うのですが、現状あまりそういったサービスを提供している会社は少ないです」

「専門家がアドバイスしないと、消費者の方だけではトラブルが潜んでいるポイントにはなかなか気づけません。そうすると、不動産をめぐってすごく不幸なことが起こる可能性が出てくる。できる限りそういったリスクを未然に防いでいただけるように、さくら事務所では商品化しているんです」

sakurazimusyo06 代表の大西さんは、この仕事を「不動産のかかりつけのお医者さん」と話していた。

売上のために無理な手術や必要ない薬を勧めたりはせず、本当に必要な処方だけをしてくれる。いつでも気軽に相談できて、自分のことをちゃんとわかってくれるような存在。

「ずっと長いお付き合いをしたいですね。仲介をお手伝いして終わりじゃないですから、たとえばこんどは相続されるときにも、そのお子さまが大きくなられたときにもご相談いただけるような。いろんなライフステージのタイミングで、一人ひとり事情や背景、ニーズも違うなか、それぞれにしっかり対応できるエージェントにならないと」

知識や専門スキルだけでなく、目の前の人と向き合うコミュニケーション力、それと人間力が必要だという。たとえば相続に関する相談では、生々しい話も少なからず絡んでくる。

できる限り蓄積したノウハウを体系化し、提供サービスとしてパッケージ化していくとはいえ、個人的なキャラクターや人間力による部分も大きい仕事だと思う。

sakurazimusyo07 大変なことが多い一方で、よろこびも多いという。

「お客さまとスカイプで相談することがあるんですね。そのあと、こちらからお礼のメールを送るんですけど、そのお返事のメールで相談の感想をラブレターみたいにぎっしり書いていただいたこともありました。『次また何かあったら田中さんに絶対相談します!』みたいに(笑)。ほんとうにうれしいですね」

となりで話を聞いていた兒嶋さんも話してくれた。今年入社した方です。

「やっぱりお客さまって、不動産にまつわることで何かしら困っていらっしゃるんです。どこに相談してもピンとこなくて、さくら事務所に来ましたって。そんな方と1時間ほどお話して、不安を解消するためのポイントをアドバイスすると、ほっとした表情をして明るくなって。そういうのを見ると『あ、なんかいいな』と思えて」

sakurazimusyo08 兒嶋さんは建築を学んでいた大学を卒業後、リフォーム会社に就職。その後、より広く建築・不動産を学ぼうと退職し、前回の日本仕事百貨の募集でさくら事務所に入社した。

もともと代表の大西さんとは、学生のころに担当していたプロジェクトで知り合ったそう。

人と不動産のよりよい関係に取り組む会社の姿勢や、田中さんの存在が入社の大きな決め手だったという。

「社外に行くと『田中さんの下につけるなんて、いいよね』って話をされるんです。お客さんにも、社内外の人に対しても誠実な人で。仕事でも、人としても自分の手本にしたいなって」

はじめは田中さんについて回りながら、いまはだんだんとひとりでやる仕事領域を増やしているそう。ほかにも、大西さんのもとマーケティング業務を行なっている。

sakurazimusyo09 この仕事にはどんな人が合うのだろう。

そう聞くと、田中さんが「いまを認識できる人」と答えてくれた。

「不動産の仕事っていろんな人と会うし、いろんなことが起こります。過去の記憶に縛られずに、いま起きている事実を冷静に受け止めて、整理して、臨機応変にきちんと応えていく。それは自分に対してもそうで、過去のつまらないことにウジウジするような人はエージェントになれないです」

その話を聞いて「やっぱりいいですよね、この仕事って」と大西さん。

「経験を積めば積むほど、経験値があがるし、人間力もついてくる。そうやって成長した人たちが、雇用形態や一律な会社側のルールに沿えなくて辞めるっていうのはつまらないじゃないですか。なので選択肢として、この先独立してパートナーになってもらってもいいし、役員を目指してもらってもいい。うちには事実上定年はないし、出産・育児や介護にともなう在宅勤務との組み合わせとかもできて、かなりフレキシブルな会社です」

「いろんな選択肢がありますので。とにかく自分の力を社会に活かしたいとか、誰かによろこばれることをしたいという強い信念のある方に、経験・年齢は問わず、エントリーしていただきたいと思っています」

sakurazimusyo10 はじまったばかりの仲介部門はまだまだ発展中。学ぶ姿勢だけでなく、自らアイデアを出し、一緒につくりあげていこうとする心持ちが必要だと思います。

まずは一つひとつ、目の前の人としっかり向き合う。そうしていくなかで人と不動産の幸せな関係を築き、日本の新しい不動産業界を形づくっていける仕事だと思います。

(2015/7/16 森田曜光)