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喜ぶ顔を思い浮かべて

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「お客さんが『本当にして欲しいこと』は、言葉通りじゃないこともあると思うんです。困っていることについて、ほんとうの課題解決を探っていく。その個人の人間的な判断がサービスになっていくと思います」

どうして困っているのか、ほんとうの問題を見つける。そうして解決したときに「そうそう、こんなふうにしたかった」と喜んでくれたら何よりうれしい。

ウェブサービス「とりあえずHP」は、そうして生まれました。運営しているのは、ウェブデザインや企業のブランディングを手掛ける会社“それからデザイン”。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 今回はこのサービスをよりよくしていくエンジニアを募集します。

お客さんの声を聞いて、ほんとうの困りごとをみつける。パソコンに向き合うけれども、その向こうにお客さんの喜んだ姿が見えるような仕事になると思います。


京王線の笹塚駅から歩いて10分。

高速道路に沿って歩いてきた道のりからがらりと変わって、オフィスは落ち着いた空間がありました。近々、移転を予定しているそうです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA それからデザインは、依頼を受けてウェブをつくるクライアント事業と自社メディアの「とりあえずHP」2つの事業を展開しています。

「とりあえずHP」って、どんなサービスなんだろう。

会社の代表でもあり、このサービスの企画者でもある佐野さんに話をお聞きしました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「『とりあえずHP』は、パソコンが苦手な方でもきちんとしたクオリティのホームページがつくれて自分で運用をしていけるサービスです。北海道の端から沖縄の離島まで、ときには海外の方にも使っていただいています」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA ウェブの制作というと、すごくスタイリッシュなイメージがあるけれど、こちらは分かりやすいし、なんだか安心する感じ。

「そうですね。とくにまちのお弁当屋さんのような個人の事業主さんを対象としているんです。クライアントワークをしているときに、こんなサービスがあったら助かるだろうなあと思っていて」

きっかけはクライアントワークだったと言います。

「僕らのクライアントワークでは、大企業から個人の事業主さんまでいろんな方から依頼をいただきます。でもどうしても予算が合わず、お断りすることが少なくなかったんですね」

企画、取材、撮影など、何度もなんども打ち合わせをして会社の思いをウェブに落とし込んでいく。必然的に時間も手間もかかる。

「けれどまちのお弁当屋さんがウェブでやりたいことって、大企業がウェブやりたいこととやっぱり違うんですよね。大企業は大掛かりな仕掛けでプロモーションをするけれど、まちのお弁当屋さんは営業時間や求人などの情報を発信するためにホームページが必要だったりする。そういう人がたくさんいることは肌で感じていたんです」

パソコンが苦手でも予算が沢山かけられなくても、クオリティの高いホームページを持ってもらいたい。そんな思いがあった。

「だから地方のお弁当屋さんでも、これならやってみようって思えるような親しみやすい仕掛けをデザインでちゃんとつくりたいと思っていて。管理画面も使う人がわかりやすく直感的に使えるようなデザインにこだわっています」

sole - 1 (2) 今年で6年目になるこのサービスはどんどん会員数が増え、ユーザー数もはじめの目標だった1000人を超えた。中には70代でパソコンが苦手というユーザーさんにも使っていただいているそう。

「やっぱり人に喜んでもらえたとき以上の喜びはないですよね。この仕事のいいところは、毎週のように感謝の声が届くんです。そういった意味では、誰の役に立っているのかすごく分かりやすい仕事だと思います」

つぎの3年間では、ユーザー1万人を目指している。そのためサービスを改良したり、セキュリティの強化やたくさんのアクセスに対応できる経験のあるエンジニアが求められています。


この「とりあえずHP」のシステムをつくったのが堀さんです。今度入る人は堀さんと一緒にやっていくことになるそう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 代表の佐野さんとは、会社を立ち上げる前からの友人なのだとか。

「佐野さんのバンドにドラムとして入ったのがきっかけだったんです。はじめは会社の忙しいときに手伝いに来るくらいでした」

ケーキ屋さんでバイトをしつつ、セミプロのドラマーとして活動。はじめはプログラミングのことは分からなかったそうです。

けれど、手伝いに来ているうちに情熱がでてきたと言います。

「佐野さんは人をわくわくさせるのがすごく上手なんですよ(笑)『これからこういうのが来るらしいよ』『これができたらすっごく楽しいだろうなあ』とか、わくわくすることを少しずつ話してくれるんですよね」

「僕も単純なんで、すっごい面白いかもって思って。実現するにはプログラムっていうことが必要みたい、じゃあプログラムって何だろう、っていうところからはじまったんです」

朝から晩まで本屋に通い詰めて勉強していた。

すると聞いていた佐野さんがそのときのことを思い出したらしく、笑いながら話す。

「プログラム組める人がいたら仕事の幅が広がるだろうなとは思っていて、いろいろ話していたんですけどね。ある日突然『できました』とかって言うんですよ。見てみたら本当にできてる(笑)みんなで『うわ!すごいじゃん!』ってなって」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 何も言わずに進めていたから、ほんとうに驚いたそう。

それから「とりあえずHP」のディティールを詰めるためにも、立ち上げと同時に入社することに。

堀さんが続ける。

「今はクライアントワークの仕事もしながら『とりあえずHP』も見ています。サービスのサポートチームとも、同じフロアで働いているからすぐに共有できる環境で、何か不具合があったらすぐに対応できるんです」

サポートがお客さんからのメールでの問い合わせを受け、すぐにエンジニアに相談できる。風通しのいい環境があるのだな。


お客さんからの質問を受けているのは、カスタマーサポートの北田さんです。

sole - 1 (3) 北田さんは、半年前にカスタマーサポートとしてこの会社に入った。お客様の対応だけではなく、今では「とりあえずHP」の企画や広報なども担当している。

「入ってみてまずびっくりしたのは、感謝されることがすごく多いんです。お客さんのお話を聞いていると、まだまだサービス自体にすごく伸びしろがあるなと思います。こんなふうにサポートをしたいって会社で共有すると、どんどん吸収して反映してくれるんです」

ふだんは別の仕事をしている二人だけれど、サービスに関する問い合わせがあればすぐに相談することもできる。

「このあいだ、お客さんのホームページ上のマップのことで問い合わせを受けたんです」

それはこんなことだった。

グーグルマップにでてくる所在地のところに、詳細が書かれたフキダシがでる。

sole - 1 (4) ここに書いた文章がフキダシから見切れてしまうから、フキダシを大きくしてほしい、という要望だった。

「これはグーグルマップ側の仕様だからしょうがないのかな、と思いつつ堀さんに相談したんです」

すると堀さん。

「グーグルマップなど外部のサービスを利用した機能の場合、機能を変えるのには限界がありますから、すべてを直すのは難しいこともあります。けれど、相談を受けたサポートとしては『できません』とは言いたくないですよね」

なんとかしたいという気持ちがあるから、どうにかできないかと考えた。

「よく見てみると、会社名のところに会社の紹介文も書かれていたんですよ。それなら機能を変えるのではなく『見出しに社名を入れて、コメント欄に紹介文を入れたほうが訪れた人にも見てもらえるのでは』という運用の仕方を提案しようということになったんです」

するとお客さんも「そういうやり方があったんですね」とすぐに試してくれた。

お客さんのほんとうにやりたいことに気づいて提案をする。

「そんなふうにシステムを通して感謝のメッセージをもらうと、みんなで盛り上がります。直接会えるわけじゃないけれど、アンケートや会員数の伸びも使っていただけているということだから、やっぱりうれしいですよね」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 堀さんは、人に喜んでもらえるのがすごく好きなのだそうだ。こんど来る人もそんな人だといいのかな。

「そうですね。『こういうものをつくったら便利だよね』とか、使ってくれる人をイメージして開発できるような人だとすごくいいですね」

「人の話をきちんと受け止めて、一度噛み砕いてから自分の意見を言える人というか。その人の言っていることをなんとしても実現したいなと思う気持ちを感じないときついなあと思いますね」

優しいひとなのだなと思う。

佐野さんにも聞いてみよう。どんな人と働きたいですか?

「僕らはそういうマインドを大切にしているんですけど、ガッツも必要かなと思っていて。ベンチャー企業だし、もっと伸ばしていこうみたいな打ち合わせは毎週やっています。だから、ここに自分の力ものせて一緒に盛り上げようって思ってくれるような人だといいのかな」

誰かの喜ぶ姿がモチベーションになる。

人のために自分の技術を使いたいという思いのある人にとって、やりがいを感じられる場所になると思います。


最後に、それからデザインらしい社員旅行を紹介します。

「ただ単に骨休めで遊びに行こうって感じじゃなくて、毎年文化的な刺激を受けるような場所にいっているんです」

瀬戸内海の美術館めぐりや仙台にお菓子屋さんなど中小企業のブランドデザインを探求する旅など、大人の社会科見学のような企画をつくってるのだとか。

「去年は演劇研修に行きました。劇団をやっている方に演劇指導をしていただいて、みんなで配役を決めて脚本を読むんです」

sole - 1 (5) 「台本を読みながら、どうしてこの相手役の子はこんなセリフを言ったんだろうね、ってみんなで気持ちを考えたりして。ビジネスセミナーみたいなものじゃなくて、遊びながら人の気持ちを先読みする力みたいなのを鍛えようっていうのがあったんです」

こんな素敵な経験も、よりよいものを提供していく肥やしになっているのじゃないかな。

気になった方はぜひ、「とりあえずHP」を覗いてみてください。そこに「喜んで欲しい」という気持ちのある仕掛けを見つけられると思います。

(2015/9/9 倉島友香)