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+dなシゴト

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何度使っても元のかたちに戻る、動物型のシリコン輪ゴム。カップラーメンのフタをユニークなポーズで押さえてくれるオブジェ…

デザインが機能的なだけではなく、思わず微笑んでしまうような、驚きやおかしさ、やすらぎのある”プラス”なモノ。

h1 そんなモノを生み出しかたちにしているのが、「+d」というブランドを展開するアッシュコンセプトという会社です。

今回は、アッシュコンセプトが手がけた商品を直接お客さんに届けるリアルな場として生まれたショップ「KONCENT」で働くアルバイトのショップスタッフを募集します。

アルバイトからスタートだけど、働き方次第で社員になれる可能性もあります。

アッシュコンセプトは、デザイナーのアイデアを世の中に届けるために、マーケティング、プロダクション、色・材質、パッケージなどあらゆることをサポートしながら、一緒に商品をつくっている会社です。

ブランドを丸ごとデザインする仕事も手がけていて、これまでコンサルティングをしたブランドは、全部で33。「+d」の商品も、様々なセレクトショップで扱われ、広く知られるようになってきました。

h2 そうしたなかで、「KONCENT」というお店は、モノを創る人と造る人を、そして使う人をつないでゆくデザインのプラットホームとしてつくられました。

本店は東京・蔵前にあり、続いて湘南T-SITE、nonowa国立にお店ができた。今年の11月にはBunkamura渋谷に4店舗目のオープンを予定している。


どんな仕事なのか、実際に訪ねて話を聞いてみました。

藤沢駅からバスに乗り、夕暮れどきのうっすらピンク色に染まる湘南T-SITEに足を踏み入れる。

ここはTSUTAYAを運営するカルチュア・ コンビニエンス・クラブがプロデュースする、本と雑貨のライフスタイル提案型商業施設。

二階にはオープンな休憩スペースがあり、そのすぐ隣に「KONCENT」のお店がある。

まるで色々な国のデザインを集めたミュージアムショップみたい。でも、実はここに並んでいる商品のほとんどは、アッシュコンセプトが手がけたものなのだそう。

「9割はアッシュコンセプトが手がけた商品です。ぱっと見、商品やカテゴリーが全然違うように見えて、実はほとんど自社製品って面白いですよね。」

h3 そう教えてくれたのは、店舗の統括管理や新店立ち上げなど、ショップに関するさまざまなことを担当している中森さん。

実は、社内で、リアルなお店を持ちたい、と最初に言い出したのは、中森さんだったそうだ。

「10年前に医療器具の営業職からこの仕事に転職して、それからずっと営業の仕事をしてきました。10年経ったときに、代表の名児耶(なごや)に、『何かやりたいことはないのか』と聞かれて、『そうですね、店やりたいですね』って。」

営業の仕事で対面できるのは、仕入れてもらうショップまで。いちばん最後に自分たちの商品を受け取るお客さんのところまでは見えなかった。

自分たちでつくったものを自分たちの手で売れば、お客さんの声を直接聞くことができる。

商品の改良や新しいアイデアなど、売り場の声を生かすことで、新しい商品が生まれても面白い。

そんな想いからお店をつくることになり、蔵前に物件を見つけて一号店を開いたのが、今から3年前のこと。

最初の1年は、中森さん自ら店舗に立って接客をしていたそうだ。

お店をはじめたことで、はじまりから終わりまで全て見えるようになった。

だからこそ、中森さんは、お客さんと直接出会うことができる「KONCENT」という場をとても大事に思っている。

h4 それにしても、これまで、蔵前、湘南、国立と、雑貨のお店を出すにはちょっと独特な場所を選んでいるような気がするのだけど、何かお店を出す場所へのこだわりはあるのだろうか。

「選ぶ基準は、文化のあるところ、ですね。蔵前はもともと下町なので情緒があります。最初が蔵前だったので、これからも他がやらないような意外性のあるところに出していきたいね、と。そんなとき、湘南T-SITEができるということを知って、ここなら文化を育めそうだなと思いました。国立は、新しい線路ができるにあたって高架下のスペースを有効活用していくプロジェクトがあると知って、国立だったらイメージわくよねって。」

国立市は、国立の一橋大学を中心とした文教地区。キャンパスへと続く並木道には、小さなレストランや小物屋さんも点在していて、のどかだけれど文化的な、独特の雰囲気がある。

「お店だけで完結するのではなく、街の一部としてありたいという考えが、KONCENTにはあって。国立には大きな商店街もあるそうなので、お客さんとも近所のお店ともつながって、街ぐるみで。街のなじみのお店になれたらいいなと思います。だから、お客さんとフレンドリーに交流を図れるような人にきてもらえたらいいな。」

h5 そう話すのは、4月から国立店の店長になった村上さん。

村上さんは、目がきらきらしていてエネルギッシュな方。きっとこれからお店の顔になるんだろうな、と想像できる。

「楽しみですが、わたしでいいのかな、という気持ちもあります。実はあまり、人をまとめたりできるようなタイプじゃないのです。」

と言うけれど、取材の間にも、スタッフの方たちに頼られている姿を何度も目にした。

そんな村上さんは、入社前からアッシュコンセプトのことが好きだったそうだ。

「きっかけは、デザインを紹介する動画番組でした。その番組のなかで、代表の名児耶が、+dの商品『UKI HASHI(ウキハシ)』を紹介していたんです。」

「UKI HASHI」は、先端が浮いているユニークなかたちの箸。これを使えば、箸置きがなくても箸がテーブルに触れずに済む。シンプルだけどアイデアのある商品。

h6 ところが、この箸にはひとつ問題がある。それは、ちゃんと向きを揃えて置かないと、箸の先がテーブルについてしまうということ。

どうしてわざわざ、そんなかたちをしているのだろう?

それは、デザイナーのこんな想いからだった。

“これは、きちんと揃えることで、はじめて意味を持つデザインなんです。揃えることで、お箸を置く所作まで美しくなるんです。”

その想いを聞いた名児耶さんは、「UKI HASHI」を商品化することを決めたそうだ。

このエピソードを知った村上さんは、衝撃を受けた。

「切り株があったら、座れと言われなくても座ってしまう。そのようなモノに誘われる行動のことを、”アフォーダンス”と言うんです。これはまさにそういうデザインだ、と思いました。」

そして、この商品を商品化することを決めたアッシュコンセプトは、人の行動までデザインすることを大切にしている会社なんだな、と感じた。

大学卒業後は3年間百貨店に勤め、去年、上京するタイミングでアッシュコンセプトが募集していた事務のアルバイトに応募。

実店舗ができるタイミングで、販売経験を生かしてショップスタッフになり、やる気を買われて正社員になった。

h7 「わたしはアッシュコンセプトが好きなので、関わることができれば、事務でも販売でも何でもいいという気持ちでいます。今は、ショップスタッフという立場ですが、大好きなモノだから、自信を持ってお客さんに伝えられるというのが、この仕事の楽しさですね。」

商品が、一見「何これ?」というようなユニークなものばかりだから、分からないお客さんには、できるだけ商品のことを伝えていきたい。

説明しないと分かりにくいということは、逆に言えば、説明すると興味がわいたり、楽しさにつながるものが多いということ。

「一言伝えると、見る目がパッと変わるんです。で、『ちょっと来て!これすごいの!』って、お連れ様を呼んでくれたりするんです。そんな光景が毎日見られます。」

「+dって、生活必需品ではないけど、あることで生活が楽しくなるようなモノのこと。そして、アッシュコンセプトの『アッシュ』はハッピー、ハロー、ホープなど、ポジティブな言葉の頭文字『h』からきています。そういう商品に込められた意味は、売り場のわたしたちが伝えてはじめて、お客さんにも伝わるんです。」

h8 だから、働く人にも商品を好きになって欲しい。自分で触ってみて、使ってみて、感じたことをお客さんにも伝えてほしい。

村上さんの話を聞いて、売り場にいるショップスタッフも、デザイナーや商品開発のスタッフと同じように、モノを使う人の日常に、驚きや楽しさをプラスできる存在なんじゃないかな、と思った。

最後に、アルバイトのショップスタッフ、川瀬さんにも話を聞いてみた。

川瀬さんは、いま大学4年生で、湘南店で働いている。もうひとつアルバイトをしていて、そちらはアパレルの販売職だそうだ。

h7 川瀬さんには、まず、アパレルの仕事と「KONCENT」の仕事の違いを聞いてみた。

「こちらは商品数も多いし、ひとつひとつ想いやコンセプトが違うので、それを自分のなかに落とし込む必要があります。ですから、カタログを見たり、実際に商品を使ってみて、日々勉強しています。」

「あとは、贈り物として買われていく方も沢山いらっしゃるので、ラッピングをする機会が多いですね。形もさまざまだから、色々な包み方があって」

川瀬さんは、どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

「モノに愛着が持てる人。人と話すのが好きな人。楽しく商品を覚えられる人。あとは、自分から行動して提案できる人も、必要なんじゃないかと思います。」

湘南T-SITE店の店長は、商品の並べ方や接客について、色々とスタッフたちのアイデアを試させてくれる方なのだそう。

試してみて、お客さんの反応を見て答え合わせをする。するとどんどん自信がついてくる。言われたことではなく、積極的に自分の仕事を探すスタッフが、増えているそうだ。

村上さんも、国立のお店でも、そうした雰囲気を引き継いでいきたいと言っていた。

最後に、中森さんがこんなことを言っていました。

「ショップスタッフのなかでも、売り場の様子を見ながら、こんな商品があったら、って自分でデザインして売り込んでくる子もいるんですよ。小さい会社なので、色々チャレンジしたら楽しいんじゃないかな。アルバイトも社員も区別するつもりないし。だから、指示待ちではなく向上心のある方に来て欲しいですね。」

h8 この仕事に向いているのは、きっと、働いた時間だけではなく、自分の想いややる気も見てもらいたいと思うような人。

前向きに提案していけば、それを聞いてもらえる環境があると思います。ここで自分なりの”+d”をつくっていけそうだと思った人は、ぜひ応募してください。

(2015/10/15 笠原名々子)