※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「スタッフの体験談なんですが、勤めていた店舗で、5年以上のお付き合いがあった顧客様がいたんです。途中、店舗移動があり、ブランドや取り扱うテイストが変わっときがあったのですが、あなたからおススメしてもらいたいとわざわざいらして下さったんです」「一方で、私自身の前職での経験ですが、仲良くさせて頂いた店舗を離れてもばったりとお会いすると、お互いに名前で呼び合えるつながりがあります。とても光栄で、温かい気持ちをもらえます」
そう話すのは専務の八百さん。
お客様として向き合う以上に、人と人とのつながりとして向き合う。そんなつながり方を、直接顔を合わせないインターネット通販会社で実現しようとしています。
今回はその中心を担う、チームメンバーを募集します。
イメージとして名前をつけるなら、「おもてなし」職。
一体どんな職になるのでしょうか。株式会社ワンピースさんの話を伺いました。
兵庫県加古川。こちらにワンピースの本社があります。
専務の八百さんが迎えてくれました。
以前、スターバックスでマネージャーをされていたこともある八百さん。
話を聞いてみると、今回の募集はそのときの体験が活かされているとのこと。
最初に、会社のミッションをあらためて話してくれました。
「私たちのミッションは、『人々の毎日を、喜びや感動、幸せに溢れた世界にする』です」
このミッションを成し遂げるために、チームのみんなで話し合ってきた。
私たちに何ができるのか、何をするべきなのか、何をしたいのか。
そんなときに、八百さんは前職のスターバックスでの経験を思い出す。
「スターバックスのミッションは、『人々の心を豊かで活力あるものにする』ことでした。従業員とお客様という関係ではなく、人と人とのつながりが生まれ、育まれていく楽しさに何より夢中になりました」
そんなつながりが生まれ育まれていくと、名前で呼び合えることはもちろん、お互いの近況報告や旅行のお土産の交換もあった。さらにしばらくお会いできないときは心配してしまうことも。
「自分がお店を離れても、ばったりとお会いするとお互いに名前で呼び合えることがありました。そんなつながりがとても光栄で、温かい気持ちを頂いていました」
そんな体験を思い出し、ワンピースというチームでは何が出来るか、何をするべきか。
接客と向き合ってきたスタッフの話や体験も聞きながら考えていくと「おもてなし職」が目指すべき方向が見えてきたと話します。
「人と人とのつながりを生みたい、育みたい。それが今回の新しいチームのコンセプトの種だと考えています」
人と人とのつながりを生み、育む。
それは具体的にどんなものでしょうか。
「たとえば、インターネット通販だと電話やメールでお客様と対峙することがほぼ100%です。そんな環境を目の前にすると、常識的に考えて対面でお会いする以上のつながりなんて生み出せるはずが無い、と考えると思います」
「実際に働く側ともてなされる側、どちらにおいても多くの人たちがあきらめているようです」
インターネットの接客だからこそあきらてしまう。
「そこに疑問を感じているんです。チームの中にはもてなす、もてなされるといった体験をしてきたメンバーがいます。出来ない理由ではなくて、出来る方法を考えたいと思ったんです」
実際に、どんなイメージがあるんでしょうか?
「まだまだ構想の段階ですが、例えば私たちのチームメンバーがとある場所に集まっている。あるいは、日本中のそれぞれの場所でお客様からかかってくるお電話を待ちかまえている。電話の相手は、どの服にしようか悩んでいらっしゃるお客様。着こなす自信がない。でも気になる。そんな悩みを抱えているお客様です」
そこで、いつも相談にのってもらっているスタッフに電話をしてみる。
自分の持っているワードローブも、私の体型までも知っている、信頼を寄せているスタッフに。
そして、話が始まり一着の相談から話に花が咲く。電話は、30分でも1時間でも2時間でも続く。
「あちこちにそんな話の花が咲き、電話の向こうにいる人々に笑顔が溢れる。電話だけじゃなく、場合によっては動画でのやりとりの可能性もあると思っています。今のITの進化のスピードなら、もっともっと新しいチャレンジが出来るかもしれない」
そんなことをより深く考えるようになったきっかけに、あるスタッフの存在がありました。
接客でのおもてなしはまさに一流、と八百さんが紹介してくださったのは信川さんです。
とあるアパレルブランドで、個人としてもチームのリーダーとしても大活躍だったそう。
「以前勤めていたアパレルブランドでは、5年以上のお付き合いさせて頂いた顧客様がいました。私がブランドを離れ、取り扱うテイストが変わってもあなたからおススメしてもらいたいと、来て下さっていました」
わざわざ遠方からいらっしゃるお客様。仕事の帰りに寄っていただいて、ささやかな会話をしていただける方。そこには「売る・買うではなく、人と人とのつながりがあった」そうです。
そんな人と人とのつながりを生み、育めた理由は何でしょう。
「一言で表すなら『興味』だと思います」
興味。
「たとえば、その方がどんな服を持っているのか、というところにとどまらず、どんな嗜好なのか、どんな毎日なのか、どんな家族構成なのか、さらにはどんな夢があるのかまで知りたいと思いました」
「でも大袈裟な話ではありません。そこまで知り得てはじめて、一枚のおススメを提案できるんです」
お店の売り上げや流行りを意識して売るのではなく、まずは目の前の人に興味を持ち、『知る』ということに徹底する。
一見したら遠回りに思われるのかもしれないその姿勢が、ものを売ることの根底にある、人とつながる喜びを築きあげているのかもしれない。
それにこれは売るためのテクニックという感じではない。それくらい相手に興味を持つこと、仕事が充実してくるように感じる。
八百さんも、信川さんの姿勢を目の当たりにした事があるそう。
「わたしも話していたら、思わず悩みを打ち明けてしまいました(笑)」
今回の募集が形になれば、「接客」というつながり以上の関係が生まれるのかもしれない。
そういった関係が生まれるなかで、どういったことに取り組んでいきたいですか?
「私たちの側には、ワンピースで取り扱っている服がたくさんあって、それを使いながら、お話もしたいです。リアルの店舗でおもてなしをしていたとき、よく自分たちのお店以外の商品も話題に出しました。その方のオシャレにより磨きがかけられるのなら、もちろんブランドは問いません。そんなおもてなしも、WEBならもっともっとやり易い」
実際に、どんな人が向いているのでしょうか?
「人が大好きな人。唯一の条件を挙げるなら、これだと思います」
「もちろん、新しい事にたくさん挑戦することになるので、たくさん失敗できる人。枠組みにとらわれず、でも人とつながるために一心になれる人。欲を言えば、そんなチームでメンバーの力を最大限引き出すことのできる人。それは絶対の信用と信頼が出来る人と言いかえられます」
自分で考えながら働く仕事ですね。
「そうですね。自分はどうしたいか、それが求められています。なので、特に何かやりたいと思っている人にとってはとても恵まれている環境だと思います。社長に相談しても『そんなのできない』と言われるのではなく、『どうしたらできるか』考える機会を用意してくれます」
今回の取材で、参加して下さったもう一人。
以前の取材時にもお応え頂いた、otonaブランドディレクターの大西さん。
大西さんも、とある体験がとても印象に残っていると話してくれました。
「毎朝あるコンビニに寄ってから出社するんです。自宅から会社までには様々なコンビニが何件もあるんですが、私はある一つのコンビニに必ず寄るようにしているんです」
それはなぜですか?
「オーナーご夫妻がすごい感じのいい方なんですよ。仕事上何冊もファッション雑誌を買うのですが、その雑誌を購入する際に『いつも、ありがとうございます。もしよろしければお取り置きもできますし、ないものもすぐに取り寄せますね』と話してくれて」
「いろんなコンビニはあるんですけど、そこまで言ってくれるところなんてないんですよね。いい接客を朝から感じるととても気持ちがいいですし、また通いたくなります」
そんな大西さんは、とあるブランドの店長さんともう6年以上のお付き合いがあるそう。
なぜ6年近くも彼女の元に通うのでしょうか。
「コンビニエンスストアのオーナー夫妻と同じように、人と人とのつながりを感じるんです。一人の人間として、とても大切にしてもらえている。そんなことを電話一本からでも感じられるんですよ。そんな関係が心地良くて、休みになる度に足を運びます」
そんな個々の経験や体験、チームのメンバー同士の想いが重なり、今回の募集に至ったという。
面接は、八百さんが担当するとのこと。最後に応募を検討して下さる方々にメッセージを。
「私の個人的な人生のミッション。それは、『世界中の人々が、自らの意志で、自らの人生を切り拓いていけるようにする』ことです」
「私たちと出会い、私たちの仲間になって下さったら何よりですが、一人ひとりの方の人生が、それ以前より少しだけでも、豊かになれば。そんな想いでお会いしたいと思っています」
仕事は与えられるのではなく、好奇心に衝き動かされて自ら求めるものだと思います。
株式会社ワンピースが求めていることは、まだ見ぬ働き方をかたちにする、複雑な仕事かもしれません。
けれども、肩の力をぬいて人と人とのつながりを生みだし、育む。まずはそのつながりの生み方・育み方を考えることからはじまるのかもしれません。
そのために求められている仲間は、あらゆることに興味が持てる人だと思いました。
目の前の人にたいして何が出来るか。そして、何をしてあげたいか。
それをとことん考えることで生まれる喜びがあると思います。そしてそんなやりとりをしていれば、自ずと仕事にもなっていく。
とても自然なことです。
けれども、インターネットではまだまだ未知の領域。
こんな姿勢に共感して、一緒に新しいことに挑戦したい方を募集しています。
(2015/10/30 浦川彰太)