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いいものみっけ!

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古くは奈良時代から「伊弥頭(イミズ)」と呼ばれていたとされる、歴史と伝統ある街、富山県射水市。

日本海に面したおだやかな風景から、近年ではドラマや映画の舞台となり、観光地としても脚光を浴びはじめています。

そんな射水市が、地域おこし協力隊をはじめて募集します。

imizu01 射水市が注目されるようなったのは、ここ数年のこと。まだ掘り起こされてない射水市のよさが、たくさんあると思います。

外からの目線で、まずは新たな魅力探しから。情報発信を中心に、移住促進につながる様々な取り組みをしてもらいます。

 
東京駅から北陸新幹線で約2時間。富山駅から2駅の小杉駅に到着すると、射水市役所の方々が迎えてくれた。

市役所に移動し、港湾・観光課の片境さん(写真左)と政策推進課の中川さん(写真右)に話をうかがう。

imizu02 射水市の人口は約94,000人。これまで横ばいで推移してきたものの、富山市や高岡市にはさまれたベッドタウンということもあり、高齢化は他市町村に比べゆるやかであるが、お年寄りが増え、だんだんと空き家が目立ちはじめているという。

とくに海に面した新湊地区では顕著に表れている。そんな状況を何とかしようと、このあたりに住む方々が地域団体をつくり、イベント開催や地域情報冊子の作成など、さまざまな活動を行っているという。

「射水市には、移住や二地域居住を検討されている方に向けて、空き家を改修した生活体験施設がありまして。その管理・運営を地元のNPO団体さんに委託しています。移住に関して力を入れていらっしゃって、射水市も連携してやっていこうということで、地域おこし協力隊の方を募集しようと」

まだ広く知られていない射水市のいいところを県外に伝えたり、新たな魅力を発掘したり。

地域イベントに参画するなど、すでに様々な取り組みを行っている地域団体との連携もあり得るそう。

「地域に入って、実際に住んで感じる生の意見。射水市はこんないいところだっていうことをまず発信していただきたいです。移住フェアのようなセミナーにも参加して、率先して市の魅力を発信いただくなど、積極性を一番に求めたいと思っています」

 
北は富山湾、南は山間地域の射水市。この街にはどんないいところがあるのだろう。

射水市観光協会の事務局長、春日さんを訪ねた。

imizu03 地域おこし協力隊に加わる人は、春日さんをはじめ観光協会の方々と連携して仕事をするようなこともあるかもしれない。

観光協会は地域情報サイト「きららか射水 観光NAVI」の運営のほか、イベント企画や観光客の誘致など、精力的に活動してきたという。

なかでも最近力を入れているのは、“射水市ならではのもの”の発信。

たとえば、特産品の「白エビ」は富山湾でしか獲れないめずらしい食材だという。

「富山湾のなかでも、射水市の新湊漁港が一番獲れるんです。紅ズワイガニもあるので、白エビと合わせて『新湊紅白丼』というのを地元割烹料亭や寿司組合の方などの協力のもと情報発信したところ、すごく好評で。全国的ネットのマスメディアにも取りあげていただきましたね」

富山湾は「天然のいけす」といわれるほど。白エビのほかにもたくさんの魚介類が獲れるそうだ。

射水市の新湊では富山湾に面した漁港があるため、水産資源は豊富。南部地区の平野では米が、里山では果物や山菜がよく採れるという。

「射水市では、新湊をはじめとした水辺エリアを重点的に情報発信しています。なかでも新湊にある内川という地域は、川沿いに漁船が停泊する昔ながらの原風景が残っていて、非常に風光明媚なところで。最近ではCMや映画、ドラマのロケなど、多くのメディアに取り上げられているところです」

imizu04 内川は「日本のベニス」とも呼ばれ、最近話題の地域。

この内川を中心としたエリアで、県内最多の13本の曳山が町中を練り廻る「新湊曳山まつり」を題材にした映画が、来年1月に公開されるという。

imizu05 万葉集にも登場する「射水」の地名。古くから続く伝統的な祭りが多いという。

「射水市には150以上の獅子舞がありまして。海辺のまちの獅子舞と里山の獅子舞とでは、様子がまったく違うんですね。漁師町の海辺エリアの獅子舞は非常に荒い動きで火なども使ったりして、見る人を楽しませる。里山エリアの獅子舞はゆったりした動きなんだけど、趣向をこらしてやっている」

「射水市は10年前に5つの市町村が合併した経緯もあって、意外と地域によって違いがあるんです。同じ射水市と言えども、海辺と里山では言葉も非常に違っていて、面白いですよ」

imizu06 「里山といっても、山奥のすごく田舎なところではないんですよ。富山市も高岡市も近くて、非常に生活しやすい。便利で田舎すぎない地方都市というか。そういうところに移住したいと思う人にとっては、生活しやすいんじゃないですかね」

“暮らし”という切り口では、射水市は掘り起こされてない部分がまだまだ多いのかもしれない。

「何もない」というのはその地に住む人からよく聞く言葉だけれど、外から来た人にとってはかけがえのないものだったりすることもあると思う。

実際に最近でも、地元では当たり前と思われていたことが、外から来た人によって注目されるようになったという。

「新湊漁港では昔からずっとお昼のセリをやっていたんですね。ほかの港ではなかなか見られないことなんですけど、新港漁港は漁場が近いから昼にセリができる」

「ある方から『これにスポットを当てたら面白いのでは?』と提案されて。それから情報発信したり、昼セリの見学ツアーを企画するようになったんです」

imizu07 昼セリのように、新たな魅力が思わぬところに眠っているかもしれない。協力隊の方には観光協会と協力してツアーなどを企画することもやってもらいたいと、春日さんは話していた。

ふたたび、港湾・観光課の片境さん。

「我々に対しても、どんどん意見を出してほしいです。私たちがごく当たり前に思って気づいていないようなことにも、外の目線で『あれ?』って発見してほしい。最終的に観光や移住につながれば、すごく面白いことになると思います」

どんな人に来てほしいですか?

「どこか突出した部分のある人だと面白いと思うんです。こだわりが強い人なら、いろいろ興味を持って自主的に動いていただけるんじゃないかと。今までの私たちにはなかった新しい視点で提案していただきたいですね」

 
地元の方にも話をうかがってみた。

射水市にある県民公園「太閤山ランド」の運営団体に勤めている、山口さん。

imizu08 山口さんは新湊地区の内川に近い場所の出身ということもあって、地域団体に参加して、イベント運営など様々な活動を行っているそう。

その団体に参画することになったきっかけは、前職で作成した地域情報冊子だったという。

「地域の魅力を発信しようというコンセプトで、1年を通して射水市を取材して、冊子をつくったんです。そのなかで団体の方々と知り合って、一緒に面白いイベントができたらいいねって話になって」

どんなところを取材したんですか?

「たとえば内川とか」

やっぱり内川なのかなと思いきや、冊子を見せてもらうと、祭りに情熱を注ぐ方の話や息子さんとふたりでパン屋を営んでいる方の話など、ものすごくローカルな情報がたくさん載っている。

imizu09 山口さんは、取材のため毎日様々な地域を歩き回ったそう。

地道に取材を重ねたことで、これまでは知らなかったまちの新しい顔が見えてきたという。

「内川のほうにもあるんですけど、このあたりは『おんぞはん』って呼ばれる小さな石仏がたくさんあるんです。道を歩いているとよく見かけるんですけど、お花が飾ってあったりするんですよ。『あのおんぞはんって誰が管理してるんですかね?』って、まわりの方々に聞き込みをして」

はじめはそっぽを向かれたり、セールスと疑われて玄関先であしらわれたり。それでもめげずに話をうかがっていくうちに、お地蔵さんを管理している方と出会えた。

「『わたしが毎朝お地蔵さんにお水をやる当番ながや』って詳しく説明してくれて。どこにでもあるような話かもしれないけど、資料を眺めているだけじゃ知ることもなかった。深く人に踏み込んでいくと、すごく面白い話が聞けると思います」

地域の魅力は何も特産品や自然環境だけではない。どんな人がいて、どんなことをしているのか。

「照れ屋で謙虚な地元民には伝えられないこと」を伝えてくれる人に来てほしいという。

「内川は漁師町ということもあって、はじめは当たりが強い人が多かったりするんです。でも実際にお話して相手のことを深く知ったら、すごく心を開いてくれる方ばかりで。本当は内川にもっといろんな人が来て欲しいし、自分たちも何か手伝ってあげたいっていう方もいっぱいいるんです」

imizu10 そんな地域の方々の想いに触れて、山口さんは自分の仕事とは別に、地域団体で活動するようになったという。

「はじめは挨拶回りが絶対必要ですね。新しいことを地域の方と一緒にやるにしても、まずは小さいことからちょっとずつ提案していかないと、反発はあるかもしれない」

「でもパワーのある人は多いですよ。若い人があまりいないんですけど、お年寄りの方々が若い人に負けないくらいすごく頑張っているまちですね(笑)」

 
北陸新幹線が開通してから富山県に多くの観光客が訪れ、射水市も注目を浴びています。

射水市の魅力探し。まだまだ環境が整っていない部分もあって苦労すると思いますが、そのぶん探しがいがあると思います。

ゆくゆくは射水市に興味を持って住んでくれる人が増えるように。そんな仕事をしたいと思った人はぜひご応募ください。

(2015/11/25 森田曜光)