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これまで日本仕事百貨では、たくさんのはたらき方をご紹介してきました。それは私たちスタッフが、たくさんの会社を訪問してきたということでもあります。
取材をするとき、まずはぐるりとオフィスを見渡すのですが、スタイリッシュだったり、素朴だったり、会社ごとに雰囲気がちがうから面白い。
感じた雰囲気は、会社のイメージとなって、そこではたらく人たちにも重なります。
今回ご紹介するのはそんなオフィスをつくってきたインターオフィス。
質の良い輸入家具の販売からはじまり、オフィスの家具や内装の提案をしてきた会社です。
取材するのは2度目になる今回、募集するのはデザイン課のスタッフです。
内装設計から家具の選定まで、さまざまな空間をデザインしていくのが仕事です。
前回の取材では、取締役の寺田さんが、設計だけではない色々なデザインをしたいというお話をしてくれました。
デザインできる領域が大きくなっている今、デザイン課の仕事も今までのやり方にとどまる必要はないのかもしれません。
インターオフィスでは、デザインを通して会社のこれからをいっしょに考えていける、そんな人を求めています。
東京・外苑前。
駅の出口を出てすぐのところ、ガラス張りのビルの中にインターオフィスはあります。
青山通りを見下ろすオフィスのなかにはいると、広々とした室内に美しく洗練された家具がたくさん置かれている。さすが輸入家具の会社という感じ。
お話ししてくれたのはデザイン課の羽田(はだ)さん。
現在は家具の提案や、内装の設計をしているそう。
羽田さんはインターオフィスに入るまで、国内の大手スチールメーカーで内装設計などの仕事を10年やってきた。
どうしてインターオフィスに入ろうと思ったのでしょう。
「大手のスチールメーカーだと、会社の規模が大きいのでお客さんの数がとても多いんです。コスト優先の、こなす設計をしているように感じてしまって」
「インターオフィスはクオリティーを売る会社。同じ設計をするにしても、その質がちがうように感じました」
長い間VitraやUSMなどの洗練された輸入家具をあつかってきたことで知られているインターオフィス。
その家具をつかった内装デザインにファンも多いそう。
注文してくれるお客さんは、コストよりクオリティーを求めてくれる人が多いという。
「壁ひとつ建てるにしても、ふつうの壁ではなく、会社のイメージを伝えるためにコストはかけても良いものをつくりたい。たとえば、ガラスの壁を望むようなお客さんが多いですね」
こなす仕事ではなく、もっとクリエイティブな仕事がしたい。
そんな思いで入社した羽田さんは、仕事に求められるもののちがいを強く感じているという。
お客さんがインターオフィスに求めているのは、デザインの付加価値の部分なのかもしれない。
入社したてのころに行ったヨーロッパ研修の話をしてくれた。
「春先にミラノサローネという、ヨーロッパ最大の家具見本市が開催されます。入社したばかりのときに、そこに行かせてもらいました」
「それと同時にメインであつかっているスイスのVitraとUSMというメーカーも訪れました。なかなか行けるところではないですし、勉強になりました」
世界的に有名な家具の見本市に加えて、インターオフィスの研修では実際にメーカーの本社や工場を見てまわるそう。
家具のデザイナーから直接話を聞けることもあるという。
「実際に家具がつくられる過程を見てくると、そのメーカーへの理解度が変わってきます。問題になることの多い値段や納期のことも、自分の中で納得してご提案ができます」
インターオフィスでは、家具のなりたちやメーカーの考え方を知ることをとても大事にしているみたい。
「シンプルに見える部材にも、手間がかかっているんですよ」
そんな話をすると、お客さんもよろこんで聞いてくれるそう。
ビジュアルだけでなく家具のプラスαが見えるから、お客さんも任せたくなるんじゃないかな。そんなふうに思いました。
続いてご紹介したいのは同じくデザイン課の長谷川さん。
インターオフィスに入社して、もうすぐ14年になるという。
実際に長谷川さんが内装設計を手がけたという、インターネットサービスを提供する会社のオフィス統合プロジェクトの話をしてくれた。
「このオフィスの特徴は、いろんなカラーを持ったグループ会社が集まっていることです。各社が共有することになる来客・会議スペースは白いギャラリーにしたいというご要望でした」
白いギャラリーというキーワードをかたちにしていくと、どのスペースからもアートが見えるようなガラス張りの壁になったそう。
オフィスの写真を見ると、明るくて開放的だった。
家具もアートを邪魔しないアクセントになっていて、うまく空間に馴染んでいる。
さまざまなカラーをもったスタッフたちが、アートを囲んでひと息つく。会議室では定期的に変わるアートをきっかけに話がふくらむ。オープンで落ちつく空間にそんな想像がふくらみます。
つくるなかで大変だったことはありますか。
「このビルには独自の規定があって、好きな位置に壁を建てられないんです」
「花火がきれいに見えるところに会議室をつくりたいと言われても、窓際に壁が建てられなかったり。デザインも大変でしたが、規定の中でご要望に近づけていくという調整が大変でしたね」
手を焼いたのは、ビルの規定とクライアントの要望をすり合わせることだった。
内装設計はすでにある箱のなかで工夫していくことだから、制約も多くて大変なことも多いみたい。
長谷川さんは同じ会社のもう一つ広めの共有スペースも見せてくれた。
「グループ会社が集まるということでシナジー効果が高まるよう、多くのスタッフが集まることのできるオープンなスペースはかならず必要なんです。ここでイベントもおこなわれるようですし、コミュニケーションの場にしたいと思って」
「でもそれだけじゃ勿体ないので可動式のカーテンをつけて、個室として仕切れるよう提案しました」
それは、はたらく場所としてのスペースと、楽しむためのスペースを融合させた新しいオフィスのカタチ。
美しいオフィスデザインを飛び越えて、まったく新しい働き方まで提案しているように感じます。
創業当時からのインターオフィスの目標は、日本企業のオフィスが洗練された使いやすい空間になっていくこと。
多くの企業が機能的で快適なオフィスを目指すことが当たりまえとなった今日、長谷川さんたちスタッフはその使命はある程度まっとう出来たんじゃないかと考えているそう。
それではこれからは何を目指していくんでしょう。
「私たちはオフィスに対する思想も売っているつもりなんですけど、今は思想まで浸透していなくて」
「浸透していない理由には、海外と日本のはたらき方や考え方のちがいもあると思うんです。私たちは直輸入した家具や思想を、いかに日本のオフィスに落とし込むかということを日々やっていて。さらにその次を今後は考えていかないといけない」
質の良い家具をならべて、ステキなオフィスにするだけではない。
海外のはたらき方やライフスタイルを通して見えてくるその先にあるもの。
それって具体的に何なのでしょう、と聞いてみたら「定まっていないんです」とのこと。
「私たちはデザインを通していろんな考え方を提案してきた会社なんです。だから、目指すものをデザイナーが考えていくのが一番の近道なんじゃないかと思っています。そういう意味でいっしょに考えてくれるデザイナーと働きたいです」
デザイナーが考えるんですか。
「たとえばどこでも仕事ができる環境になってきて、オフィスの存在がすごく曖昧になってますよね。そこまでオフィスに投資する価値あるかとか、お気に入りのカフェで仕事すればいいのでは、という意見もある。そのなかでオフィスの存在理由を考えてデザインする、という考え方もありだと思います」
時代が変われば、はたらき方も変わっていく。
オフィスも変わっていくのは自然なことだと思う。
そういえば、以前取材した取締役の寺田さんはこんなことを言っていた。
「建築だけをやるのではなくて、いろいろなデザインをしたいな、という気持ちがあります。みんなが喜ぶにはどうしたらいいかを考えてきました」
建築、プロダクトなど、あらゆるデザインをしてきた寺田さんのように、空間や家具だけじゃないところでも、デザインできるものがあるのかもしれません。
デザイン課の宮野さんにもお話を伺った。
宮野さんは新卒で入社して今年で3年目。
インターオフィスにはめずらしい新卒入社だから、社内でも一番の若手だそう。
今はどんなお仕事をされているんでしょう。
「資料づくりのサポートです。お客様に提案するための資料を考えるところから始めて、先輩とディスカッションをしながら自分で提案できるようなカタチにもっていく。最近ではひとりで任せてもらえるようになってきました」
まずは先輩のもとについたサポート業務から。そう話す宮野さんにどんな環境なのかを聞いてみた。
「20代前半の人がこの会社は少ないんです。だからかすごく可愛がってもらっています。今後どうしたいかという希望もちゃんと聞いてくれますし。アドバイスをしてくれる方もいるので、すごくいい環境で働けているなと思います」
今は家具と内装の両方ともやっているけれど、これからは内装の方に比重を置いていきたいという希望も伝えてあるそう。
手がける案件にくらべ、インターオフィスの規模はそこまで大きくない。若手の宮野さんの意見も尊重される、その分一人ひとりの責任も大きい。そんな職場だという。
最後に長谷川さんにどんな人にきてもらいたいか聞いてみた。
「時代をきちんと感じられる人でしょうか」
変化する時代にあわせて、はたらき方も変わっています。
インターオフィスがやりたいのは、これからのはたらき方をデザインで提案していくこと。
それはカタチとしてのデザインかもしれないし、スタイルとしてのデザインかもしれません。
自由に意見ができる環境で、時代のながれをつくるような面白さに触れたいと感じた人は、ぜひ応募してみてください。
(2015/12/8 遠藤沙紀)