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設計そして不動産へ

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家をつくった夫婦に隣る設計士。

Style&Decoはこんな距離感でリノベーションを行っています。

7 家づくりは、暮らしづくりにつながるもの。

ハウスメーカーや建築士といった“誰か”に与えられるのではなく、住む人自身がつくっていくのだと思います。

お客さんとの顔合わせから、設計、引き渡しまで。リノベーションを一貫して行うEcoDeco(エコデコ)。

運営する株式会社Style&Deco(スタイル&デコ)では設計士とリノベーションコーディネーター(不動産担当)、さらにはその両方を手がけていく人を募集します。
暮らす人と生のやりとりをしながら、不動産物件や設計図を「これですか?」と差し出していく。

そうして、暮らしづくりのお手伝いをする仕事です。

東京・恵比寿。駅から歩いて五分ほどのところにStyle&Decoはあります。

2 Style&Decoは、2006年に代表の谷島(やじま)さんが立ち上げた会社。

当初の事業は建築家の営業代行。

「あるとき知人から『住まいを探しているのだけれど、自分に合った物件が見つからなくて困っている』という相談を受けたんです。」

「新築物件を探し続けるよりも、中古マンションを買って、内装を自分らしくつくりあげた方がいいんじゃない?と提案したんです。それで物件探し、ローンの借入、施工まで。一つ一つ知人と手探りで進めたことが、リノベーション事業EcoDecoのはじまりです。」

3 この8年間で、リノベーションを取り巻く環境は大きく変わったといいます。

「当時はリノベーションという考え方が知られていませんでした。よい物件を見つけても、不動産屋さんに『リノベーションとは?』その説明が必要だったんですね。」

リノベーションはいま、成熟期に入りつつある。

メディアで取り上げられる機会が増えた。家を探す人にとっても、新築、リフォームに並ぶ第3の選択肢として、認知されるようになってきた。

「お客さんにとっての敷居は下がった一方で、求められる仕事の質は高くなったと思います。」

そこで大切になるのが、不動産と設計の重なりを広げること。

「物件探しからローン借入までを担当するのが、リノベーションコーディネーター(不動産担当)です。物件が決まった後は設計士へと引き継ぎます。お客さんによい暮らしをしてほしい。そう考えると、自ずと不動産にも設計にも関心が湧いてくると思います。」

たとえばコーディネーターが内見を行う際。

お客さんからは「この壁壊せるんですか?」「キッチンの場所は移せるんですか?」そんな質問を受けることもしばしば。

4 基本的な質問には、その場で応えることも必要。

だからこそ谷島さんは、自分の仕事の幅をどんどん広げてほしいと話す。

オフィスでは、コーディネーターが購入前の物件のリノベーションイメージに頭を悩ませていると、設計士がひょいと顔をのぞかせたり。コーディネーターが設計士に質問をする姿も見えた。

さらに、コーディネーターと設計士を一貫して手がけるスタッフも現れました。

2013年の1月に入社した岡野さんです。

出身は滋賀県。大学で建築を専攻した後に、大学院へと進んだ。

「大学では、『よい建築とは何か?』と考えて、コンセプトを建物に落とし込んでいく。そうした建築を考えてきました。けれど、体が気持ちいいと感じる建築とはズレがある。どうやら建築だけを学んでも見えてこない。大学院では、総合芸術の道に進んだんです。」

5 その後は、インテリアショップのイデー(IDÉE)で働きはじめる。

色々な部署を回り、接客販売から営業、家具や空間のデザインまで。ありとあらゆる仕事を経験したという。

「店舗で接客販売もしました。『どんな暮らしをしたいんですか?』とたずねることで、ほんとうにほしい家具がわかることもあります。イスを求めてきたお客さんが、ダイニング一式を買うこともありましたよ。」

「また定番の家具で収まらない方には、オーダー家具を提案からデザインまで担当しました。工場検品、納品、メンテナンスも行いましたね。」

10年間働いたときに、自分は長い目でどんな仕事がしていきたいのか。改めて考えると、2つの軸が浮かんできた。

「一つは実際につかう人の声を聞きながら、つくりたかったんです。それから、ライフスタイルのコーディネートをしたいと考えたとき、家具に限らず空間をベースにしたいと思いました。」

そうしてStyle&Decoに出会う。

「雰囲気が元気で、いい空気が流れているなと思ったんです。あまり違和感を感じなくて。」

不動産と設計の両方を手がけたかったという。

「設計士は、すでに物件が決められた中で仕事をしますよね。もちろん、そこでできることは色々ある。けれど物件選びから関われると、より選択肢が広がり、実現したい暮らしにも近づくことができます。」

入社すると、まずは設計を担当する。

「お客さんと接する上で大切なこと、現場で職人さんたちに気持ちよく仕事してもらうこと。そうした点は、これまでの経験がベースとなりました。あとはスケジュール管理や、施工にかかる予算感をつかむこと。お客さんと話しながら、慣れていきましたね。」

設計を担当したお客さんからも、確かな信頼をいただけた。そこで2014年4月から、コーディネーターと設計士を兼任することとなった。

実際にやってみるとどうでしょう?

「やることが色々あって、まず大変になりました(笑)。たとえば不動産の探し方です。宅建は取得しましたが、物件の良し悪しがわかるには、経験を重ねることが必要です。」

はじめて担当した案件では、吉祥寺の物件を見つけた。

代表の谷島さんに何気なく見せると、普通では考えられない好条件の物件だったようだ。急いで物件へ足を運んだ。

谷島さんからは、不動産選びは“宝探し”だと言われるそう。

「物件を条件検索するだけなら、誰にでもできます。一枚の図面から、バルコニーでお酒を飲む姿、子どもが遊ぶ姿。そこではじまる暮らしを妄想して、お客さんに伝えていくんです。」

お客さんの希望に応えるには、色々なエリアを知ることも大切になる。

どんな雰囲気のまちか。買い物はどこでするのか。子どもが遊べる公園はあるのか。考えることは多い。

「一生に一度の買いものだからこそ、責任はつねに感じますね。」

たとえば、と岡野さんは続ける。

「お客さんが、お風呂にこだわりを持っていたとしますよね。古いマンションの浴室は、コンクリートの躯体(くたい)壁で囲まれていることが多いんです。内見のときに『この壁は壊せますか?』と聞かれて間違った情報を伝えてしまうと、望む暮らしが実現できなくなります。適当に『はい』『できると思いますよ』とは言えません。」

「宝探しの妄想と責任ある現実。その両方を抑えたところに楽しさがあると思います。」

6 責任のある仕事をした上で、最後に決めるのはお客さんだという。

「僕らはお客さんの希望をもとに、『この間取りならこういう暮らしができますよ』と暮らしの可能性を示すことが役割です。求められる材料は用意しますが、最後に決めるのは、そこに暮らす人です。」

お客さんが自ら考えること。そこにリノベーションの意味があるのだと思う。

「僕らの提案通りに住むのなら、建て売りを選ぶのと変わらないかもしれません。“家を買った”よりも“自分たちでつくった”という感覚なのかな。自分たちはどんな家で、どんな暮らしがしたいのか。悩んで、ときには家族同士ぶつかって。でも引っ越しを終えて、振り返ると楽しい思い出なんですね。」

ここで岡野さんは、設計を担当した事例を紹介してくれた。

ご夫婦に小さい子どもという3人住まいのUさん。

7. 「お客さんがリノベーションの過程を楽しんでくれたんですね。家づくりは、最初の顔合わせから引き渡しまでに一年かかることもあります。長いお付き合いです。家づくりに伴う家族の成長を『お家探しの旅』というブログに書き、最後は家づくりを一本の動画にまとめたんです。」

ブログには、リンゴ箱を使って収納をつくったこと。家族でお揃いの革スリッパをつくったこと。自分たちも家づくりに取り組んだ様子が伝わってくる。

そして仕上げとなる壁面ペイントは、夏休みに家族全員で行った。

家づくりを通して、家族や暮らしがつくられるのだと思う。

そこで岡野さんは、壁面ペイントをお盆に合わせるようスケジュール管理を進めていった。

リノベーションという家づくりを通して、暮らしづくりに関わるStyle&Deco。

10. どんな人と働きたいのでしょう。

再び代表の谷島さんに話をうかがいます。

「もっと色々なことに取り組みたい。そう思う人にぜひ来てほしいんです。」

設計事務所で実績を積み重ねてきたけれど、不動産にも興味がある。

いずれは独立したいけれど、お客さんはどうやってつくるのか。

「不動産のこと、リノベーションのこと、会社をつくること。営業ってどうやるの?Style&Decoは、次へ進みたい人に伝えていける場だと思います。」

「業界を見渡すと、リノベーションを一貫して行う会社は増えてきました。今後は、“誰と仕事をするか”がより大切になる。一人ひとりの顔が前面に出てくるようになると思います。」

今後は、色々なキャリアプランをつくっていきたいそうだ。

岡野さんのように、不動産と設計を一貫して手がけるスペシャリストを目指す人。

また、過去2回の記事に登場いただいた岡田さんは、設計のプロとして仕事を深めていました。

9 不動産や設計の経験がなくても、ほんとうにやっていきたいと思った人には、ぜひ応募してほしい。

「やる気があれば、働きながら学んでいくこともできます。わたし自身、不動産・建築を学校で学んだり、仕事にした経験はありませんでした。周りの設計士やコーディネーターに教わってきたんですね。どの職種でも、貪欲に仕事の幅を広げていってほしいです。」

その言葉の裏側には、こんな思いがありました。

「誰かに与えられたものではなく、自分の人生は自分でつくる。家づくりと同じです。不動産、設計、経営… アンテナの範囲が広い方が面白いと思います。ワクワクする感覚を共有して、将来は経営も一緒にやっていける。そんな仲間がここから増えていったらいいなと思います。」

向かっていけば応えてくれる。そんな場所がここにはあります。

(2016/3/8 大越はじめ)