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Webとリアルの橋渡し

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なにかの物事に取り組むとき、ひとつの側面だけに注目しているとうまくいかないことが多いように思います。

モノを売るにしても、つくる人・流通させる人・買う人など、いろんな人の視点を加えることで、できることの幅も広がっていく。

そして人から場に目を向けると、今度はWebとリアルというふたつの側面が見えてきます。

株式会社コマースデザインプロダクト(以下、コマース)は、このふたつの架け橋となるような事業を展開している会社。東京・八丁堀のビルに事務所を構えています。

今回は、ここで働くWebデザイナーとシステムエンジニア、Webディレクターの募集です。

柴田先生 事業の主軸となっているのは、ショッピングセンターのWebサイトに特化した管理・更新システムの開発・販売。

システムの名を「SES(Shoping Effective System)」といいます。

今年の1月に入社したばかりだというスタッフの山本さんが、その概要について教えてくれました。

P1090077 「スマホの簡単な操作だけで、各店舗の店長さんが自らWebサイト上の情報を更新できるシステムを販売しています」

「たとえば、このリモコンが商品だとします。まず商品の写真を撮影し、商品名や価格、カテゴリなどの項目を記入します。あとは、更新ボタンを押すだけです」

まるで個人ブログを更新するような、簡単な操作。実際にWebサイトを見てみると、たしかに先ほどの投稿が反映されている。

リモコン更新画像 さまざまなお店が集まっていることがショッピングセンターの魅力のひとつではあるけれど、個人店と比べると、同じ空間のなかで店舗同士が均質化してしまいがちなのが欠点でもある。

売り場にいる店長自らが発信することで、生の空気感がより伝わり、お店ごとの独自性も出てくるという。

さらに、更新された情報をデータベース化し、自動でWebページを再編する機能もある。登録内容に応じて、「シーズン特集」や「SALE一覧」など、商品の情報が複数のページに自動で組み込まれるので、情報量が増えるほど、お店とユーザーとの接点が増えていくそう。

館内サイネージとも連動し、通りすがりのお客さんが来店するきっかけづくりも担っている。

fサイーネージ ほかにもメルマガやLINEでの情報発信をしたり、商品のWeb人気投票システムやシーズンごとの特集ページを作成したり、基本のシステムと関連づける形でWebサイトを構築していく。

そのなかで山本さんは、バナーや特集ページなどの作成を担当しているそうだ。

「今は先輩方の業務のサポートをしています。みなさんのお仕事ぶりを見ながら、学ばせていただいているところです」

大学では経営学を学び、4年の秋にコマースでインターンを経験。ものをつくる仕事がしたいと思い、Webデザイナーに興味が湧いたという。

「半年間、Webの専門学校とダブルスクールで通って、コーディングを学びました。まわりは会社名で仕事を選ぶ人も多かったですが、わたしは自分のやりたい仕事で生きていきたいなと思って」

その後、新卒で一度別の会社に就職したものの、離れたことでコマースのよさを再認識した山本さん。

どこがいいと感じたのか、聞いてみた。

「求人のページを見たときに、アットホームな会社だなと感じたんです。それは今でも感じるいいところですね」

真面目な会議の写真が表示されたかと思いきや、イベント時のくだけた写真や、スタッフ紹介のページも面白い。ブログでも、少し専門的に踏み込んだような内容から日々の何気ない一コマまで、さまざまな情報をざっくばらんに発信している印象を受ける。

20160319 ただ、アットホームな雰囲気だけを想像していると、入ってみてのギャップは大きいかもしれない。

決してゆったりしているわけではなく、むしろ少数精鋭のチームワークを活かしたスピード感のある環境のようだ。昨年は、1日ごとのスケジュールを組み、2ヶ月間で約4000ページのサイトを作成したこともあった。

山本さんが紹介してくれたのは、毎年1月の3日間、パシフィコ横浜で開かれるSCビジネスフェアでのこと。

「ショッピングセンター業界に関わる企業の方々が集まるイベントで。入社してすぐに、自社ブースでSESの説明をすることになりました。人になにかを説明するのは得意じゃないので、Webにうとい母を相手に、練習をしたりもしましたね(笑)」

当日はどうでしたか?

「思っていたより声をかけることができて、やればできるんだという自信になりました。振り返ってみても、いい経験だったなと思います」


ここで、横で聞いていた代表の鈴木さん(写真左)が一言。

「人をちゃんと見た上でのことですが、うちでは『新人だからこれはまだ早い』ということはあまりないんですよ。成長するには実体験から学ぶのが一番の近道なので」

P1090122 少しお話ししただけでも、全身にエネルギーが伝わってくるような方。31年前、後のことはあまり考えずにこの会社を立ち上げたという。

「当時勤めていた会社は規律が厳しくて、窮屈な環境でした。それなら、自分でつくろうと思ってはじめたんです」

紹介された行政書士の方に社名を聞かれ、ようやくどんな会社にするかを考えたそう。三日三晩悩んだ末、“新しい商業、新しい経営をデザインする会社をつくりたい”という意味を込めて、「コマースデザインプロダクト」と名づけた。

バブルの追い風を受けて、すぐに仕事は増えた。当時は証券会社への来客を増やすため、セミナーのプロモーションを手がけて、一時は7社と提携を組んだという。セミナーでは著名な方々との出会いもあり、充実したスタート期を過ごした。

しかし、バブル崩壊とともに業績は谷底に。借金を抱え、自宅マンションを人に貸して会社に寝泊まりするような日々が2~3年続いたそうだ。

「苦しいなかで、ホームページの仕事をはじめました。次第に、人様からお金をいただいてWebを製作するようになってきて。社員も一人、二人と増え、今に至っています」

P1090113 「スタッフが支えてくれるので、あまり憂いを持たずに仕事ができているし、潰れずにこれたのは、お客さまに支えられてきたおかげです。自分が動けるうちにこの恩を返したいですね。今は清々とした、伸びやかな気持ちでいます」

山本さんについて、「期待の星」と称する鈴木さん。

「彼女は、国語力があるんですよね。詳細な指示をしなくてもやってくれる。それは時間の節約にもなりますし、ほとんど一回修正すれば完成するモノを出してくれるので、助かっています」

「今回採用したい方も、クレバーな人がいいです。学歴がどうこうではなくて、無駄なくシンプルに考えられる方。的確に書ける力、話を理解する力が必要だと思います」


そんな鈴木さんが全幅の信頼を置いているのが、チーフデザイナーの大河内さん。

新卒で入社してから12年目を迎え、デザイン以外にもクライアントとの折衝や「SES」の設計・企画など、コマースのほぼすべての業務に関わっており、個人情報の管理責任者でもある。

P1090076 最近では、あるクライアントのショッピングセンターから、「30周年を記念し、地域と一体となって盛り上がれるような仕組みをつくれないか?」という依頼があったという。

「TwitterやInstagramを使って、地域での思い出をユーザーに投稿してもらい、商業施設のサイト内に集約して紹介するんです。それはきっと、地域の人たちと周年祝いや歴史を共有することにもつながりますし、商業施設のよさもそこから見えてくるんじゃないかと考えました」

「地域の方が『あ、これ!』と気になる姿を想像しながらイメージ画をつくって、大まかなスケジュールや見積もりも立てて。そこから派生するポスターやサイネージ用の画像作成、利用規約もつくりましたね」

P1090040 商業施設の域を超えて、地域を盛り上げる。本来なら、そこまでやらなくてもいいことのような気がする。

なぜそこまでやるのでしょうか。

「わたしはモノをつくるのが好きなんですよ。いかにきれいにするかというより、わかりやすく伝え、アクションを促すことを大切にしています。それを考えながら、黙々と作業できるのは楽しいですね」

そんな大河内さんの姿勢を10年以上に渡って見てきた鈴木さん。

「仕事に愛がありますよね。どんな仕事も自分で工夫して、相手にわかりやすいように改善しているんですね」

月に一度行われる店長会議用の資料もつくるというが、はじめのうちは「みなさん、更新してくださいね」という内容のものだった。しかし、それではただの押し付けになってしまう。

途中から、カテゴリ別の更新回数とPVのランキングを作成して載せたり、商品の写真をスマホできれいに撮る方法や、シーズンごとのキーワードなどの役立つ情報を添えるようにした。そうすることで、店長さんたちもより主体的に「SES」を活用するようになったという。

P1090035 「何に時間をかけているかが、その人の実力、生き方、キャリアになります。彼女は口下手だけれども、自分のデザイン力でお客さまから信頼を得てきました。24時間は大げさでも、常に考えていますし、それが習慣になったスタイルを自分でつくってきたのだと思います」

クライアントとして直接関わるのは、商業施設のデベロッパーの人たち。一部上場企業の販促のプロに対して提案をし、納得してもらえるものをつくる必要がある。

「派手で目立つものをつくりたい人には向いていないかもしれません。お客さんのニーズに合わせてデザインをつくってみたい、企画を立ててみたいという方にきてほしいですね。地道に、一個一個成果を積み上げていける仕事だと思うので」と大河内さん。

鈴木さんは、サイネージとの連携や、オリンピックに向けたインバウンドの対応を今後より強化していきたいと話す。

「今までにないサービスをつくっていく面白さが、ここにはあります。うちの会社だけではできないので、いろんな企業さんと協力しながら、点と点をつないでいくことで生まれる新たなサービスもいっぱいあるはずなので。それを一緒にやっていきたいです」

「IT技術や通信環境を生かしたサービスで、リアル社会の課題を解決していく。それがわたしたちの仕事であり、役割かなと思っています」

今は、さまざまな分野をまたいだり、新たな切り口からなにかを発見しようとする人が増えているタイミングなのかもしれません。

Webとリアルという組み合わせ以外にも、コマースが橋をかけることで生まれる可能性はたくさんありそうです。

地道なことも多いけれど、自分の手でつくりあげていきたいと思った方は、ぜひ応募してみてください。

(2016/4/7 中川晃輔)