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コト・モノ・人の中心に

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

ブランドの”らしさ”というのは感覚的でとてもあいまいです。

たとえばその”らしさ”というのを”人格”として捉えてみるとどうでしょう。

あの人だったら、こんな雰囲気が好きそうだ。あの子はこんなコトに興味がありそう。

見た目が似ていたとしてもまったく同じ人がいないように、雰囲気や表現の仕方はブランドによって違ってくるように思います。

495three_06 「George’s」をはじめ、「CIBONE」や「TODAY’S SPECIAL」、今年の3月から同グループに統合された「DEAN&DELUCA」など、表情の違うブランドでライフスタイルを提案してきた株式会社ウェルカム

たとえばCIBONEだったら「長く物とつきあうこと」。TODAY’S SPECIALだったら「食と暮らしのDIY」。それぞれのブランドに個性があってコンセプトとなる言葉は違っています。

ウェルカムでは、ブランドの個性や伝えたいことを、物販・行われるイベントや空間デザイン・飲食事業などさまざまな業態で表現してきました。

今回募集するのは、ウェルカムの仕事のつくり方を応用して他社のプロジェクトをコンサルティングするプロジェクトマネージャー。ブランドづくりから空間のデザイン、どんな運営をしていくかという業態開発といったところまで幅広く携わりながら、プロジェクトを進めていきます。

さまざまな業種・業態を扱うウェルカムの業態づくりとお店づくりはいったいどんなものなのでしょう。まずはウェルカムの仕事を知ってもらいたいと思います。


外苑前駅から歩くこと10分ほど。

外苑西通り沿いのビルのなかにウェルカムの本社はありました。

P1010013 (1) まずお話を伺ったのは菅野さん。ウェルカム本社のマーケティング企画チームで、各ブランドの伝えたいことをどのようにアウトプットするかを考えている。

「マーケティングチームと言っても、いわゆる数字や流行を追っているというよりは、モノづくりをしている集団だと考えていただけたらと思います」

495saize イベントや販促物の企画をするときには、どのような表現にすればそのブランドのことがお客さんに伝わるだろうかを考える。

「各ブランドが、社内外のつくり手さん・バイヤー・デザイナー・店舗スタッフといったいろんなコネクションで成り立っています。関わる人に相談しているうちに、結局みんなで一つの商品やイベントをつくっちゃったりするんです」

たとえば、と言ってDEAN&DELUCAの10周年記念の企画のお話をしてくれた。

それは「『食』と『市場』をコンセプトにしているDEAN&DELUCAと『本』とのコラボで何かできないか」という、ぼんやりしたミッションからはじまったそう。

本と食なら「おいしい話」。じゃあ、おいしい話で本棚をつくろう。おいしそうな料理やお店の話が載っている本を知っていそうな人から紹介してもらって、その本を店舗やインターネット上で販売してみたらいいんじゃないか。

つながりのあるブックディレクターの方と相談し合いながら「おいしい本棚」という企画ができた。

こういった企画を形にしていくときも、決して一人でつくっていくのではないのだそう。

「DEAN&DELUCAはいろんな専門店があつまる『市場』というコンセプトもあるので、『じゃあワインボックスに本を入れたディスプレイにしよう』とか『市場感のあるポップはどんなのだろう』とか。売り場のメンバーとも相談しながら、どんな空間にするかということも考えていきました」

「ほかにも、ネット販売を社内のウェブのチームがやってくれたり、外部のカメラマンさんに本を紹介してくれる方たちの取材風景を撮影してもらったり。アーカイブするウェブページのディレクションは社内のデザイナーがやってくれましたね」

495会議画像 (1) いろんな人をチームに巻き込んでいくんですね。

「そうですね。ブランドのイメージを共有しながらチームをつくっていきます。デザイナーと営業が入ったり、販促スタッフや商品のバイヤーが入ったり。つくるモノ・コトによって入れ替わり立ち替わりマーケティングのチームは増えたり減ったりします」

業種・業態が多岐にわたるウェルカムでは、関わる人もさまざま。社内だけでなく、つながりのできた社外の人も巻き込んでいく。マーケティングと聞くとビジネスライクなものを想像するけれど、「聞いて聞いて!」という姿勢で新たな事業が生まれることもあるそうです。

「部署が違ってもみんなで意見しながら手を動かしていきます。こんなにアナログなの?って最初は思うんじゃないでしょうか」

「スタッフはみんなうちのブランドが好きで、こだわりを持っているからコミュニケーションは面倒なくらい密ですね(笑)。いい意味でギャップのある会社だと思いますよ」

たくさんのスタッフが楽しんで「よい」と思えるモノやコト、空間をつくっていけば、お客さんにもきっと伝わる。ウェルカムのマーケティングは「巻き込んだもの勝ちですよ」と菅野さんは話してくれた。


いろんなモノやコトを手づくりするウェルカムには、ブランドごとのデザインや写真、商品などに決まったルールがない。そのブランド「らしい」という感覚的なイメージを共有しながらチームでプロジェクトを進めていく。

「多少コンセプトは言葉になっていたりするんですけどTODAY’S SPECIALなら『TSちゃんらしい』とか、CIBONEなら『CIBONEくんらしい』みたいな曖昧なイメージをチーム一人ひとりが全部同じように理解できるわけないんですね」

「だから、ブランドの個性や伝えたい部分をきちんと整理して魅力的に『これってこういうことだよね』といってまとめる。そういうブランドのコミュニケーションが重要なんです。それをちゃんとつくっていることがうちの強みだと思っています」

そう話すのは代表の横川さん。

P1010032 小売業の世界ではマーケティングというのはあまり一般的ではないのだそう。ウェルカムでは戦略的にマーケティングという部署を設けてブランドを掘り下げていった結果、業態が多様化したともいえる。

たとえば菅野さんのようにイメージを共有しながらチームでプロジェクトをすすめていく。そういったプロジェクトの中心には必ずブランドのコミュニケーションがあって、そのおかげでブランドの人格がブレることなくモノづくりができるという。

今回募集するプロジェクトマネージャーは、この“ブランドのコミュニケーション”がつくれるということが一番大事なのだそう。

「プレゼンの資料や企画書もコミュニケーションのひとつです。グラフィック、言葉、映像をもちいてブランドの人格の部分を俯瞰で表現できること。自分で全部つくれなくても、どうあったらいいかが想像できたり、それを伝えられるということが大事です。加えて、その人格を磨きあげていけるといいな」

デザイナーやバイヤー、マネジメントするスタッフなどウェルカム内にたくさんプレーヤーはいるから、それをひとつにつなぐ言葉やイメージを持てる人はブランドの核と言える。

社外のプロジェクトであればなおさら、社内外をつなぐブランドのコミュニケーションが必要で、そこを担うプロジェクトマネージャーは必要不可欠。特別なスキルはいらないけれど、デザインやライターの経験やディレクションの経験があるとよりよいのかもしれません。


最後にご紹介したいのは、実際にプロジェクトマネージャーを担当しているデザイン企画室の池田さん。

外部のプロジェクトを担当しているのは、今は池田さんただ一人。新しく入る人は彼の元で仕事を覚えていくことになる。

池田さん画像 池田さんはクライアントとやり取りをするために全国を飛び回っていて、別日にようやく博多駅でお会いすることができた。

さっそく具体的な仕事を聞いてみる。

「かんたんに言うと業態開発をしていくんです。クライアントのつくりたいブランドやお店のイメージを聞いて、社内でどのような店づくりをしていけばいいかをまとめて提案していきます」

「プロジェクトの頭から完成までを社内チームとクライアントと一緒に協議しながらスケジュールも管理していく、調整役のような役割ですね」

社外の仕事の例として、尾道のサイクリスト向け複合施設「ONOMICHI U2」の物販ショップのお話をしてくれた。

495sizeONOMICHI そこはすでに完成していたお店だったのだけれど、よりよくしていくためにウェルカムにコンサルティングの依頼が来たそう。

依頼してくるクライアントはウェルカムの各ブランドのイメージを期待していることも多い。

たとえばCIBONEのようなインテリアの物販と、TODAY’S SPECIALのDIYイメージを足して2で割ったようなお店を求めているとしたら、プロジェクトチームに各ブランドのバイヤーを入れてみる。その上で、ターゲットや土地、カテゴライズが違うお店をつくっていく。

できあがった新しいショップは、DEAN&DELUCAで扱ってきた海外の商品と尾道の商品をミックスさせた、地元の人と旅行者両方が楽しめる物販ショップ。商品の編集の仕方や見せ方は社内のマーケティングと同じようにチームで考えていった。

495u2_02 「お店ができあがったら、次のステップとして効果的なプロモーションやイベントの仕方も伝えていきます」

仕事の幅は広そうですね。

「そうですね。食事メニューや商品の提案だけじゃなく、空間設計といったハードにコンサルティングといったソフトまで」

「ウェルカムには各ブランドで培ったノウハウや他業種とのつながりがありますから、求められればいろんなことをパックで提案できるんです」

その中心にいるプロジェクトマネージャーに必要なことをは何ですか?

「人に興味があるということでしょうか」

「クライアントの業種は化粧品・ファッション・飲食など多岐にわたるので、当然自分の知らない分野の場合もあるんです。そうなったときに人から知らない知識を吸収することを楽しめる人がいいですね」

495three_05 ウェルカムのDNAを注入しながら、クライアントらしさも理解する。

DNAをすぐに理解するのは難しいのだそう。最初は池田さんたちと一緒に共有しながらやっていくことになるそうです。

プロジェクトを進めていく中心には、いつだってチームをまとめる核がいる。いろんな人や業種のあいだに立つやりがいは、そのまま大変さにもなるのだと思います。

自分がコミュニケーションをつくることで、半歩先行くあたらしい業態やお店をつくっていける。今までいろんなブランドを成功させてきたウェルカムだからこそ、さまざまな刺激的な経験ができそうです。

面白そうだと感じたらぜひ応募してみてください。

(2016/5/20 遠藤沙紀)