求人 NEW

「ちょうどいい」をつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「僕らは一般的な最高のものをつくるというよりも、そのお客さんにとってそのとき一番うれしいものをつくりたいんです」

そう話すのは株式会社アカンプリッシュ代表の松本さん。

アカンプリッシュは、飲食店、オフィス、クリニック、住宅などさまざまな空間のデザイン提案から施工まで幅広く行なっている会社です。

IMG_3892 建築の世界とはまったく縁のなかった松本さんが、会社を立ち上げたのは今から8年前のこと。

ここで今、会社をさらに骨太にしてくれる設計・デザインと施工監理スタッフを募集します。2職種で分けてはいるけれど、できることならどちらも味わってほしい。

スタッフの数は10名に満たない規模ながら、仕事の90%以上がお客さんや知人からの紹介でつながっていくというアカンプリッシュ。

設計の前のヒアリングから引き渡しまで携わり、お客さんごとに違う「ちょうどいい」をかたちにしていく仕事は、きっとたくさんの「うれしい」に出会えると思います。



訪れたのは東京・恵比寿駅。

平日の昼間でもにぎわう駅前を少しいったところに、アカンプリッシュのオフィスはありました。

待っていてくれたのは、代表の松本さん。

P1050537 「自分の話をするの苦手なんですよ。今日は頑張って話します」

今回で3度目になる取材なのだけれど、まだまだ慣れない様子。人懐こい笑顔で照れながら話しはじめてくれました。

もともとソムリエをしていた松本さん。修行に出てきた東京で、フレンチレストランのホール・キッチンスタッフをしていたそう。いつか自分のお店を持ちたいと考えていたけれど、人気店でも、実力派のシェフの店でも出てきては消えていく飲食業界の現実を目の当たりにします。

その後、長く続く店づくりのために経営を学びたいと、飲食店の経営コンサルタントの会社に転職。そこでは新規店舗の立ち上げ支援や、立て直し、人材教育などをしていたそう。

ここでの気づきが、後のアカンプリッシュにつながります。

「いくつか店舗を立ち上げていくときに、工務店さんとのお付き合いがありました。そのやりとりの中で、工務店側にお客さんである施主の視点が抜けていることが気になったんですね」

お客さんの視点ですか?

「そう。たとえば分からない専門用語を多く使ったり、店舗のデザインレイアウトひとつとっても、デザイナーから見ていかに格好いいかというのが優先されてしまっていたんです」

「その結果、できあがると『なんでこんな邪魔なところに飾りをつくったんだ』とか『使う頻度が高いのに弱い素材だな』って不満に感じてしまったりした」

松本さんはご自身がサービス業経験者だったからこそ、物足りなかったんだと振り返る。

「僕がフレンチをやっていたときは、『おいしいお肉とワインを持ってきて』って言われたら『今このお客さんはどんな体調だろう、服装はこんな感じか、年齢はいくつくらいだろう』ってよく見るんです。 それからその方に合わせてメニューを組み立てワインを出す。よろこんでもらえたら、僕らの勝ち。そういう仕事をしてきた」

「お客さんあっての仕事は本当のニーズを汲みとってあげないと。あれもこれも指示を出されて、リクエスト通りの答えを出すというのはあんまり粋じゃないですよね」

目の前のお客さんにとっての「うれしい」はどこにあるのだろうと考える。

松本さんがつくりたかったのは、リクエストされなかったとしても、お客さんの本当に求めていることを考えて手を差し伸べる会社。

そんな想いでできたアカンプリッシュでは、ときには業界の「あたりまえ」もあらためて見直してみる。

P1050701 たとえば提案の段階で、正確な見積りは必要なのだろうか。はじめはおおよその金額でも良いから、スピーディーに提出することでプロジェクトを推進させるほうが先決なんじゃないだろうか。

棚の取り付けが途中で追加になったとしても、ものを飾りたいだけなら簡易な留め方で、デザイン性を落とさず、工期だって短縮できる方法もある。

「フル&ハイスペックにできるかもしれないけれど、時間やお金がかかるし、そこまで求めているお客さんばかりじゃないんですよ。良いものをつくれる知識や経験はとても大切ですが、これまでの常識にとらわれすぎると、本当は必要ないところまでこだわってしまうこともあるんです。力を入れるときと、抜くときのバランス感覚が大切だと思うんです」

「本当のニーズはなんなのか。違うことで代替えできるものじゃないのか。お客さんごとに『ちょうどいい』収まりどころがあると思っていて。一緒に考えていくことで一方通行のデザインじゃないいろんな提案ができるでしょうし、それはこれからの僕らの力になると思います」

自分たちでは気づけなかったアイディアを、予算やこだわっていることまで汲んで提案してくれたら、たしかにうれしいと思う。

内装のデザイン提案から完成まで管理する一貫したワンストップサービスは、常にお客さんを感じることができる。規模は大きくないけれど紹介が途切れないのは、お客さんも一緒にアカンプリッシュとのものづくりを楽しんでいるからなのかもしれません。

飲食店やオフィスデザインのコンサルタント業からはじまったアカンプリッシュには、今では店舗、クリニックなど、様々なお客さんからの依頼が増えてきています。

IMG_3841 そんなアカンプリッシュは今、どんなタイミングにあるのだろう。

「人間でいうと中学生か高校生くらい(笑)。いろいろできることが広がりつつあり、チャレンジ次第でまだまだ成長できる。もっともっと質を上げていきたいし、やれることを増やしたい」

成長を加速させてくれるような、会社の中核を担っていく人や、これまでの経験をフルに活かしながら様々な業態にチャレンジしたいという人が来てくれたらうれしいそう。

「一緒にオトナへ成長しましょう」と笑う松本さんには、まだまだ成長していける会社の姿が見えているようでした。



ちょうど施工中の美容クリニックの現場がすぐ近くにあるそうで、みんなで移動することに。

まだまだ資材がむき出しのフロアの中でお話しをしてくれたのは鈴木さんです。

P1050685 鈴木さんはハウスメーカーの営業などを経て、アカンプリッシュに入社しました。まっすぐ目を見て話をしてくれます。

担当したという賃貸マンションの話をしてくれた。

「リノベーションのご依頼だったんですけど、オーナーさんは部屋の雰囲気をガラリと変えたいとおっしゃっていました。壁を壊して間取りを変えてもよかったけれど、その後の賃貸収益を考えるとそんなに予算が出せないんですね」

「そこで、アパレルの店で使うような印象的な壁紙に貼り替えるという提案をしました。あとは備えつけの照明を新しくしようとお話しして。デザイン性と費用のバランスが大事ですよね」

漠然としている依頼でも、そのお客さんにとって背伸びをしない「ちょうどいい」をさがして提案をしていく。予算の中で希望が叶えられると知ったオーナーはとてもよろこんでくれたそう。

担当になるということは、お客さんのお話しを聞きながら、工期・資材・職人はもちろん予算の管理もしていかなければなりません。

P1050571 その知識はどのようにして得るのでしょう?

「まずは、自分で調べて考える。そのあとはうちにはオフィス・店舗・住宅の内装を経験してきた人間がそれぞれいますし、お世話になっているパートナーの職人さんたちも聞いたら教えてくれますよ。働きながら蓄積していくんです。自分もやれることがどんどん増えてきている実感があります」

鈴木さんはどんな人と働きたいですか?

「知ったかぶりをしない人。素直に話を聞く人かな」

P1050673 アカンプリッシュでは案件の業種がかたよらないのも特徴。 自分の頭で考えたり、さまざまな工程で職人さんたちから話を聞く機会が多いと思う。そのつど知らないことを知っていけば、きっと自分の力になっていくと思います。



続いてご紹介したいのは鈴木さんに施工監理を教わったという、喜多さん。

P1050546 喜多さんはもともと建築の設計をしていた方。以前勤めていたドイツの設計事務所では、設計士が複数人いるような大規模建築の設計をしていました。

ひとりの裁量が大きな仕事を求めて、独立も視野に入れ帰国したときにアカンプリッシュを知ったそう。設計もでき、施工現場にも出られる。何より自分の裁量で自由に働けるのがいいという。

「有名な設計事務所に入るとボスの言う通りにしないといけないから、それは絶対に嫌だったんです。大手すぎても分業になってしまうので、そうじゃないところで、気の利いたところがあるかなと思ってたらあったんですね(笑)」

全員フルフレックス制のアカンプリッシュでは、一人ひとりが自分のペースで仕事をしている。関係するスタッフやお客さんに不便をかけなければ、好きなときに好きな場所で仕事ができる。

一方で、ひとりの責任はおのずと大きくなる。それをストレスに感じてしまったり、きちんとスケジュール管理ができない人には難しいかもしれません。

自由な働き方の根っこには、一人ひとりがプロ意識を持って働く雰囲気があるのだと思います。

ふと現場にいる姿が気になったので、作業服は着ないのか聞いてみた。

「うちはそういうのは無いんです。こういうところは設計事務所に近い雰囲気がありますね。ペンキがつくこともあるけど、ダサい靴なんて履くもんかですよ(笑)」

2016-02-13 10.39.58 横にいた松本さんが笑います。「締めるときは締めるけど、今はこのやり方が一番パフォーマンスが高いと思うんですよね」とのこと。

取材していて感じたのは、異業種からやってきた代表・松本さんならではの自由で粋な雰囲気。アカンプリッシュのスタッフの中にも息づいているように思います。



本当にお客さんが求めている「ちょうどいい」答えを提案してあげる。気の利くスタッフたちは、任された仕事を自分らしく大切に育てているように思います。

お客さんの本当に大事にしたいものを一緒に考え、かたちにする。自分らしく働けそうだと思ったらぜひ応募してみてください。

(2016/6/24 遠藤沙紀)