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どんな人生だっていい

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「みんな、自分はうつ病にはならないと思っているんですよね。ガンにはなるかもしれないと思うのに。うつ病もガンと同じ、どんな人でもかかる可能性のある病です」

たしかに“うつ病”と一言で言っても、そのきっかけや深度、症状は人によって本当にさまざま。

気分がひどく落ち込んだ経験が誰にでもあるように、自分と全く関係のないことではないのかもしれません。

実際に、日本のうつ病の患者と予備軍は1000万人を超えるといわれるほどです。

ここ数年でうつ病の人へ向けた復職支援所が倍増するなか、株式会社リヴァは独自のサービスで社会復帰支援を行ってきました。

liva01 回復後のほうが素晴らしいと思える人生を実現できるように。

職場復帰を目標とするのではなく、その人自身が自分らしい生き方に気づいて、なりたい方向へ進めるように支援しています。

大切にしているのは、どんな生き方があってもいいという価値観。

そのためサービスの利用者と関わる復職支援コーディネーターは、経歴や資格よりも、自らの様々な人生経験を活かせる仕事だといいます。

嬉しいことも苦しいことも経験しているからこそ、人と分かり合えるものがある。人生のベテランさんを募集します。

 
リヴァは東京の高田馬場・市ヶ谷・御茶ノ水の3カ所に事業所を展開しています。

この日は、御茶ノ水事業所近くのカフェテラスで、代表の伊藤さん(写真右)と復職支援コーディネーターのKさんに話をうかがいました。

Kさんはリヴァの元利用者ということで、本人のご希望で名前を伏せてご紹介します。

liva02 伊藤さんは1年前の取材からすこし雰囲気が変わって、ワイルドな風貌に。代表という肩書きを気にさせない、いつも気兼ねなくフラットに話してくれる方です。

伊藤さんがリヴァを立ち上げ、社会復帰支援サービスをはじめたのは2011年。

従来の職場復帰のみを目的とし、企業と利用者の中間に立った支援サービスとは異なり、リヴァは利用者側に立ち、その人に合った生き方を選択できるような支援を行ってきました。

プログラムは自己分析・集団認知行動療法・疾病理解・ウォーキング・農作業・キャリアデザイン・協賛企業へのインターンなど、多種多様。

そして利用者は学校の授業のように受け身で望むのではなく、自らの意思でプログラムを取得するようにしています。

「回復へ向かうには何をしたらいいのかをコーディネーターとすり合わせながら、最終的にはご本人が決めて受けていく。結果がどうかはコーディネーターが確認していく必要があるけれど、基本的には自分で考えて自分で行動してそれに対して自分で責任を取るっていうのがうちのスタンスです」

その姿勢は真に利用者を思ってのこと。

ストレスの対処法や体調のコントロールの仕方を身に付け、利用後も自分をマネジメントしていけるように。そして、本当に自分に合う生き方に気づいて歩き出せるように。

利用者の自立を目指しています。

liva03 うつ病に特化し、こういったプログラムを提供しているところは数少ない。

これまでリヴァを利用して社会復帰した人数は2016年7月末時点で392名。社会復帰後、半年後も勤続している割合は83.9%だといいます。厚労省が発表している「うつ病の再発率は約6割」というデータを見ても、かなり高い結果を出している。実際に、病院のお医者さんに実績を伝えると驚かれるのだそうです。

従来の形に捉われない、新しい社会復帰支援サービスを提供してきたリヴァ。だんだんと志のある若い人材が集まっています。

ところが、この仕事ならではの悩みも増えてきた、と伊藤さん。

「最初のころは柔軟性と機動力のある仲間がほしくて、若くて想いを持っている人たちが増えていきました。ただ最近は組織がすこし若くなり過ぎて、バランスが悪くなってきたかなと感じるようになってきたんですね」

「そして一番は利用者さんと関わるコーディネーターの話で。うつ病になって頑張ろうとしている人に対して、挫折をしたり苦労したりいろんな経験をしてきた人のほうが言葉に重みが増すというか。年齢が違うだけで、同じことを喋っても伝わり方が違ったりするんです」

liva04 コーディネーターは日々支援業務を行うためにも、利用者といかに信頼関係を築けるかが重要だといいます。

そのためサービス開始直後はプログラムへ進む前に、まずは利用者の話を聞くことからはじまる。

「一番最初の段階で、この人は信頼できるかどうかが判断される。ちゃんと話を聞いて受け入れてくれたっていう感触があれば、ここで復帰に向けて頑張ってみようかなという気持ちになると思うんです」

利用者の層は20代〜50代と幅広く、とくに30代と40代が多い。

若い人でも話を聞くことができるだろうけれど、もし自分が利用者になったと考えたら、たしかに経験値の高そうな人のほうが安心できると思う。

「年齢にかかわらず、いままでやってきたことや人生経験を活かしながら違うことをしたいという方に来ていただきたいなと。もちろん自分の経験や価値観を押し付ける人はごめんなさいです。いろんな考え方・生き方があるよねというスタンスを持ちつつも、自分の経験をひとつの判断材料として使ってねっていう人がいたらいいですね」

「そしてやっぱり想いを持っているかが大事です。いまの世の中に違和感があったり、こんな社会をつくりたいと、口だけでなく手もちゃんと動く人。自分はこう動くんだっていう人。そんな方に来ていただきたいです」

 
こんどはリヴァの元利用者でもあり、現在コーディネーターを務めるKさんに話をうかがいます。

liva05 Kさんの前職はシステムエンジニア。10年ほど勤め、3年前にうつ病を発症しました。

「自分はうつ病にはならない」。Kさんもそう思っていたそう。

いまは笑顔で話をしてくれるけれど、当時はとてもつらく、家から出られない日が続くこともあったといいます。

最初は元の職場へ復帰することを考えていた。リヴァのプログラムを通じて自分を見つめ直す機会が増えたことで、転職を考えるようになったといいます。

そして、自分と同じようにつらい経験をする人をひとりでも減らしたいと思うようになり、リヴァに入社することになりました。

liva06 リヴァでは元利用者の人がスタッフになるのはよくあること。

Kさんも、利用する側から支援する側になってみて、どうでしたか?

「利用者さんは真面目な方が多くて、取り組みがすごく真摯なんですね。そういう一生懸命な姿を見ると、単純に自分のモチベーションが上がるし、その人に何かプラスになることを一緒に考えていきたいって思える仕事だなって思います」

「ただ、はじめは全然うまくいかなくて。自分がここで元気になった経験を相手に当てはめちゃうことがよくあったんですね。こうすればよくなるはずなのに、なんでやらないんだろうって、サボりがちな利用者さんにイライラしちゃったりして。押し付けてしまいがちな考えを脇に置くのってなかなか難しいと、いまでも思います」

利用者のなかには真面目にプログラムを受けなかったり、遅刻を繰り返したり、連絡もないまま休んだりする人もいる。

相手によくなってほしいという思いが強いがゆえに、感情的になってしまうことも。それでも「じゃあ次はいつにしましょう」と丁寧に対応していく必要があるといいます。

「正直、ストレスたまると思いますよ」と代表の伊藤さん。

「でも、イライラしたところで誰も得しないじゃないですか。本人に気づいてもらうしかないですよ」

liva07 きっと期待しなければ楽なんだと思う。けど、相手を信じることからはじめなければ、この仕事はできないとも思う。

なかなかに根気強さが必要な仕事です。

ただ一方で、難しい人ほど変わったときの感動は大きい、とKさんは話します。

「もう滅茶苦茶な利用者さんがいたんです。プログラム中は寝ちゃうし、自分がやりたくないことには一切やる気を出さない。僕はその人にはたくさん課題があると思っていたし、他の人にとっても扱いづらい人だったと思う」

「けどよくよく話すと、キラキラした目で『こんなことやりたい』『次はあんなことやりたい』ってたくさん話してくれた。それに気づいてからは、その人の話をひたすら一生懸命に聞くようにして。いまは会社を立ち上げようと頑張っているんです。会社ができたら声かけるよって、僕に話してくれていて(笑)」

この方は3ヶ月でリヴァのサービスを卒業していったといいます。

たった数ヶ月で、大の大人が変わるものなんですね。

「この仕事をしていると、人はいくつになっても変わるときは変わるんだなって思います」と伊藤さん。

「たしかに腹が立ってしまうようなことはいっぱいあります。でも、ご本人だってずっとそれでいいと思っているわけではないですから。どこかのタイミングできっと前に進めることを信じて、粘り強く支援し続けるっていうのが大事だと思います」

liva08 うつ病に関わる仕事と聞くと、どうしても病気のもつ暗さなど、ネガティブなことを想像するかもしれません。

けど本当は、人が人生に前向きになる瞬間を目の当たりにする、とても明るい仕事です。

そして、まだまだこれからも世の中に求められる仕事だと思う。

復帰支援のノウハウを地方へ伝えるフランチャイズ展開。自宅にいながらもプログラムを受けられるようなバーチャルネットワークサービス。リヴァができることはたくさんあるといいます。

また、うつ病の人の支援のみならず、社会に向けて自分らしい生き方に気づく機会を提供することを伊藤さんは思い描いています。

「たとえば地方へ行くと本当においしい食べものがありますよね。それをカフェで提供して、お客さんは食べながら、魂込めてつくっている生産者のことを知ることができる。気になったら会いに行ったり、インターンや仕事もできるようにして」

「たまたま入ったお店をきっかけに自分の人生が変わるような。そんな偶然が起こる仕掛けがつくれたら面白いんじゃないかと考えているんです」

こうしたアイディアも、フランチャイズ展開も、強く推し進められる人が社内にはまだまだ少ない。

もしコーディネーターの仕事だけに満足できない人がいたら、代表の伊藤さんと一緒に新規事業開発などにも携わってほしいといいます。伊藤さんも、やる気があれば経営についても一生懸命教えたいとのこと。

誰もが自分らしい生き方を実現できるように。

その想いに共感したら、ぜひ応募してほしいです。

(2016/8/30 森田曜光)