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今、目の前にある宝石は決して当たり前のものではない。採掘されてからいくつもの国を巡り、何人もの職人さんの手を経てここに存在している。
何気なく毎日を彩ってくれていたジュエリーには、込められた想いや物語があることに、取材に伺ってあらためて気づきました。
買い付けからデザインまで、オリジナルのジュエリーをwebと路面店から届けている「Bizoux(ビズー)」。運営しているのは、株式会社ドリームフィールズです。
ドリームフィールズは、女性向けのジュエリーや雑貨、そしてアパレルなどを扱うEコマース事業とオリジナルブランドを展開している会社。
今回はここで一緒に働く仲間を募集します。
10月から銀座に新しくオープンする店舗で宝石を届ける販売スタッフや、webデザイナー、バイヤーなど関わり方はさまざま。
惹かれるものがあったら、ぜひ続けて読んでみてください。
新しく入る人は銀座店や広尾の本社で働くことになるけれど、今回は自由が丘にある店舗を訪ねて話を聞いてきました。
自由が丘の駅からは徒歩5分ほど。開放的でゆったりとした雰囲気の店内はとても居心地がいい。
ここで迎えてくれたのが、代表の関口さんです。
ドリームフィールズの創業は、今から15年ほど前のこと。「Cafe Fragrant Olive」というジュエリーを扱うサイトを立ち上げたのがはじまりだった。
「それまでジュエリー屋さんって、高級でちょっと入りづらい雰囲気のところしかなくて。洋服と同じように、自分の好きなものを毎日気軽に選べるような、親しみやすいお店があったら面白いんじゃないかと思いました」
ジュエリーショップの固定概念を崩そうと、あえてCafeという名前を店名につけた。
根底には、関口さんが大学のころから続けているというダンスで培ってきた考えがあるという。
「ダンスってお客さんがいないとおもしろくないんです。お客さんが喜ぶことを考えて、実現するからこそ踊っているほうもおもしろい。僕の中にはそれが自然な感覚としてあって。商売もそうあるべきなんじゃないかと思うんです」
お客さんからの「こんなものがほしい」という声に応えるために、既製品を扱うのではなく自分たちで商品を企画するようになっていく。すると今度は仕入れる宝石の質にばらつきがあることが気になりはじめた。
ならば自分たちで宝石を買い付けようと、アメリカや香港など各国の展示会を巡った。そこで、日本では見たことのないようなおもしろい宝石たちに出会ったといいます。
「日本って無傷で大きなものほど良いとか、グレードをつけて宝石を売るんです。だけど世界には色むらがあったり、一つひとつ色が違ったりすごく個性的な宝石がある」
「それを見たときにお客さんを喜ばせたいっていうことに加えて、世の中にあるおもしろいものをもっと自分たちで伝えたいなって。ちょっと話が大きくなるけど、人の生き方もいい大学出ていい会社に入るべきっていうグレードのついた人生じゃなくて、自分はこういうふうに生きたいってもっと個性があっていいんじゃないのって思ったんです」
画一的ではない、それぞれの個性を楽しむ。いいと思ったら自分でどんどん動いて実現していく。そんなスタイルは、現在の会社の基本姿勢にもなっている。
今後はwebサイトで販売している宝石に、実際に触れてもらう機会を増やそうと大阪、名古屋、福岡などに5〜7店舗の出店を目指している。
さらに韓国など海外のSNS上でも反響があるので、英語版のサイトをつくったり、お店を出したりと海外への事業展開も行っているそうだ。
まさに第二の黎明期を迎えているドリームフィールズ。
一緒に働いていくなら、きっとこんな人がいいんだろうなと感じたのが小川さんです。
名刺を交換したときに「どの肩書きを名乗ればいいのか自分でもよくわからない」と笑っていました。
たしかに商品の企画・デザインから宝石の買い付け、カタログの作成までBizouxのすべてに関わっている。
「Bizouxでジュエリーをご紹介するときは、お客さまにどんなメリットがあるのかを意識しています。たとえば今夏のカタログは、夏の強い日差しを避ける傾向にある女性が、Bizouxのジュエリーをつけることでギラギラした太陽が少し嬉しく感じられるようにしようと思って作りました」
「宝石と外って相容れないイメージがあるかもしれませんが、宝石って日差しを受けてすごくキラキラ光るので、よりおしゃれを楽しめる。そんなふうに宝石のスペックよりもつけるとどんな気持ちになれるのか、どんなメリットがあるかに重きを置いています」
過去にデザインに関わった経験があるのかと思って聞いてみると、「前職ではアパレルのバイヤーをしていたんです」という意外な返事。
宝石にも詳しくなければデザインをしたこともないし、一眼レフのカメラにすら触ったことがなかったというから驚きました。
右も左もわからない中、デザインの仕事を覚えていったのは職人さんとのつながりが大きかったといいます。
「まずは口頭でどういうものがつくりたいのか、簡単に説明をして細かい指摘をいただくことを繰り返していました。そのうちにこういう情報を渡さないといけないんだとか、こういう部分は絵を書かないと伝わらないんだなとか、現場で学んでいきましたね」
自身がデザインしたもので、特に印象に残っていると紹介してくれたのがパヴェリング。
「パヴェ」は石畳を意味し、10種類以上の大小さまざまな石が敷き詰められたBizouxの人気商品だ。
「パヴェリングって、同じサイズ、同じ石を並べるのが普通なんですよ。でもこれはパズルみたいに、サイズが違うものを決められた枠の中に収めないといけないのですごく難しい。職人さんに説明をしながら何度も型を作り直してもらって、出来上がるまでは果てしなかったです」
配色を考えるときにも、実際に石を並べてみると思っていたような発色にならなかったりと試行錯誤を繰り返した。
「大変でしたけど、宝石の性質や色が頭に入っていないとできないものなので、入社してから培ってきたものがここで出せたかなと思います」
小川さんのように自分で学んでいこうという意欲があれば、活躍の幅はどんどん広がっていく。社内のメンバーも、同じように未経験から仕事をはじめて成長していった人ばかりだそう。
「私はいろんなことに興味があるので、やったことのないことも『え!』って思うよりは『やってみたい!』っていうタイプなんです。目の前で起きることを面白がりながらここまできましたね」
「逆にこんなにやるんだとびっくりすることがあるかもしれません。どの役割であっても自分の枠をとっぱらって、まずはやってみることが必要だと思います」
どこか愛おしそうにジュエリーを紹介してくれたのは、販売スタッフの山口さん。
「Bizouxのジュエリーは、シンプルだけどモダンやアンティークなど、ほかのジュエリーとは違うエッセンスが入っています。とても良いものなのに手頃な価格でいて、これから年を重ねても使っていけるのがすごく魅力的です」
物腰がやわらかくて、話していると安心できるような方だ。
これまで、Bizouxのほかにもさまざまなジュエリーショップで働いた経験があるという。
ほかのお店とは接客の仕方も違うのでしょうか。
「ぱっと見ただけでは、既製品を並べていると思いがちだと思うんです。だから初めてきた方には、石がどのように仕入れられて、どんなふうにつくられているかをお話しさせていただいてから見ていただくことが多いですね」
ジュエリーは、すべて天然の宝石を職人さんが一つひとつ手づくりしたもの。にもかかわらず、価格は2万円代からと手に取りやすい。
直に買い付けをして、自分たちでつくっているからこそ実現できることだという。
「みなさん『全部手づくりなの』って驚かれます。そこから興味が湧いて『じゃあ色違いってできるの?』と話が広がることもありますよ」
約1時間ほどかけて、ゆっくりとジュエリーを見ていくお客さまが多いそう。
Bizouxでは、販売スタッフも宝石の買い付けに同行することができる。求める宝石にたどり着くことの大変さやこだわりを肌で感じることで、ジュエリーの魅力をより深く伝えることができるといいます。
「買い付けに行くと、ただ知識として知るよりも理解が深まります。商品への信頼も深まっていくから今まで以上に自信を持って、お客さまにお話しできるようになるんです」
製作側の思いを共有する一方で、店舗からの意見を柔軟に取り入れていく環境もある。
たとえば、これまでBizouxのピアスは小ぶりなものが多かった。けれどもお店を訪れるお客さまからは、大ぶりなものがほしいという要望をいただいていたという。
そのことを提案すると「じゃあ、つくってみよう」と商品化が決まったそうだ。
「必要なことなら、入ったばかりのスタッフの意見でも採用されます。自分たちの意見がしっかりと形になっていくのがうれしいですね」
自分たちが扱うものに愛着を持ちながら、気持ち良く働いている様子がうかがえる。
とはいえ、扱う宝石の種類は通常のジュエリーショップの約3倍から5倍。
自分の言葉でお客さまに紹介できるようになるまでが、とても大変なんじゃないかなと想像する。
「そうですね。石を覚えるのが一番大変かもしれません。でも月に1回は勉強会があって、石を買い付けてきたときのエピソードやデザインのコンセプトを直接小川から聞くことができます。自分で本を読んで勉強したりもしていますよ」
まだ見ぬ宝石に出会うことを楽しめる人なら、この場所を活かして働くことができると思います。
山口さんにお話を聞いたあと、そのまま店内を案内してもらいました。
好きな色や普段身につけるものの好みなどを聞きながら、教えてくれたのはロイヤルブルームーンストーン。
透明度がとても高いのに、時折見える青い光がとてもきれいで思わず見入ってしまう。
「ロイヤルブルームーンストーンは黒いものの上で見たほうが、青い光が見えやすいんですよ。だから石屋さんでも黒い布に乗せているそうです」
「でも実際は肌に乗せるものなので、小川が自分の肌に乗せてしっかりとブルーの色が出るものを選んできているんです」
背景を聞かせてもらうほどに、目の前にあるジュエリーへの思い入れも強くなる。
だからこそ使い捨てるのではなく、長い時間をかけて愛用していきたいと感じました。
世界中から集まった珍しい宝石たち。
その個性的な魅力を伝えながら、ここで働く人たち自身もそれぞれが個性を発揮して、生き生きと働いていました。
まずはこの宝石たちに出会ってみませんか。そこから、自分の世界も広がっていくと思います。
(2016/9/15 並木仁美)