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教育のある町で

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

福島県の西の端、新潟との県境に只見(ただみ)という町があります。

周囲を切り立つ越後山脈などの山々に囲まれて、古くから “秘境”と呼ばれてきた町です。盆地のため夏は暑く、冬は里でも2、3メートルの雪が積もります。

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95%が山林という只見では、全国の離島や山村地域と同じように人口が減り、若者が町を離れていってしまうという問題を抱えてきました。

全国で毎年50校近くが廃校になっているという高校の現実は、ここ只見でも他人事ではありません。

県立高校がひとつなくなるだけで、転出者が増え、億単位の経済効果を失ってしまうとのこと。ただ、裏を返せば人が集まる魅力的な学校ができれば、地域が抱えるお金・高齢化などの問題も解決できるかもしれないということ。

そんな取り組みをしているのが「高校魅力化プロジェクト」。島根や沖縄など全国に広がっていて、只見町でもはじまろうとしています。

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このプロジェクトのポイントとなるのは、寮をつくることで町外の生徒を集めること。そして公営塾をつくることで地域の学力を底上げすること。さらに公営塾で「地域学」を教えることで地域とのつながりをつくっていくこと。

今回はこの公営塾のスタートアップから携わるスタッフを募集します。

日々の学習のサポートや進路相談などを基本に、生徒の生活に寄り添った指導をしてほしい。思いがあれば、教員免許を持っている必要はありません。

気になった方は続きを読んでみてください。



東京から新潟方面へ電車を乗り継いで2時間。途中の小出駅で「絶景の秘境路線」と呼ばれる只見線に乗り換えます。

電車は1日に3本。乗り遅れると大変です。

ガタガタと揺れる車窓は、だんだんと田園風景から人の気配のしない濃い緑の渓谷・破間川へと変わっていく。

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あまりにも美しくて、窓を開けると、夏だというのにひんやり。いくつもの長いトンネルを抜けて、東京から約4時間弱でようやく只見駅へと到着しました。

「只見は雪がとにかく降るところなんです。豊富な雪どけ水は水力発電や農業に使われています。夏になると川辺に霧が出て、朝なんかなんとも美しいんですよ」

只見町を案内してくれたのは、町の教育委員会・高校振興対策担当の酒井さん。

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雨の降るしっとりとした川辺には、この日もうっすらと霧が出て幻想的でした。

2014年にユネスコからユネスコエコパークに認定された只見。

ここでは人々の暮らしと雄大な自然が深く結びついている。きびしい自然に閉ざされた地域で育まれた民芸品や伝統芸能は、今でも大事に受け継がれているそう。

案内いただいている酒井さんは只見町出身の方。

一度は進学のために仙台に出たものの、就職で戻ってきて以来ずっと只見で暮らしている。子どものころは野球やクロスカントリーが得意なスポーツ少年だった。

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酒井さんは今、只見町にある唯一の高校・福島県立只見高校の振興事業を任されています。今回の公営塾も教育委員会による事業の1つです。

「普通は市町村の教育委員会というのは県立高校には関わらないですよ。ただ、只見町ですと高校の存続が地域の将来に関わってくるんです」

只見町が只見高校の振興事業に力を入れはじめたのは今からおよそ15年前のこと。

1学年36人という定数を3年連続で下回ると、分校化・ついには廃校というルールを福島県が定めたことがきっかけになった。

町から高校がなくなると、高齢化は進み、町の経済にも影響が出てしまう。

そこで、当時から少子化が見込まれていた只見町は、“山村教育留学制度”というものをはじめる。これは、町主導で県内外から只見高校への入学者を集め、只見高校に3年間“留学”してもらおうというもの。

留学したいと思える学校にしようと、酒井さんたち教育委員会が行なってきた只見高校魅力化の取り組みを教えてもらいました。

まずは、有名進学塾と連携した勉強合宿や公務員試験の対策といった進路にまつわる学習指導。食費だけで入れる学習寮に、帰省や部活動にかかる費用の補助。海外短期留学の実施もしています。それに加えて只見ならではの自然体験アクティビティなどいろんな環境を用意してきたそう。

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普通の県立高校として、ずっと前からこういった取り組みをしてきている地域は他にはないといいます。

「今は寮に入りきらないほど留学希望者がいまして、増設してるところです。今後は1学年20名ずつの留学生を受け入れていこうと思っています」

なんだか十分魅力化の効果は出ている気がする。ここに公営塾を上乗せする意味はどこにあるんでしょうか。

「そうですね。ただ、地元の子は減っていってるんです。もうちょっと受け入れをしていかないと」

「大きな理由の一つに、只見には学習塾がないんです。大学進学を希望する地元の子は学習環境の整った進学校に通学するために、会津若松市内に下宿する子もいる。そういった子も地元で希望の大学へ進学できるように、勉強のサポートもしていきたいなと」

各学年2クラスしかない只見高校は、4年制大学や専門学校への進学者、就職希望者が一緒に授業を受けることもある。そのため習熟度別の授業を行なうなど、学力の底上げができるような取り組みも地道にしてきたそうだ。

ここからさらに、只見の子どもたち一人ひとりに合わせた学力を高める場所を提供したい。

高校での日々の学習の助けとなるような公営塾の構想は只見町の中では数年前から生まれていたそう。ここに、“高校魅力化”を全国で進めている団体PrimaPinguinoが加わることで、今回公営塾が形になることになった。

魅力的な公立の塾というのは、一体どんなものになるのだろう。



教育次長の増田さんにもお話をうかがいます。

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「基本的には塾は個別学習が主ですけど、もう1つは課題解決型地域学。地域にある課題をどう解決していくかを学んで欲しいと思っています」

「個別学習」に「課題解決」と「地域学」。普通の塾では並ばないキーワードが出てきました。

どういうことでしょう。

「個別学習というのは自立型学習。好きな時間に来て好きな時間まで勉強をするといった感じです」

「課題解決型学習の方は『今週は○曜日にやります』といった形で、町で話を聞いて見つけてきた課題、それを解決するにはどうしたらいいだろうとか、そういったことを考える時間です」

今回募集している塾のスタッフは、教科学習に対しての指導が主になる。生徒からの質問に答えたり、学習のアドバイスをしたり。生徒に足りていない学習を補ってあげるような、只見高校の先生と連携した指導をして欲しいそう。

地域学の指導にはPrimapinguinoのスタッフが担当することになるけれども、ときには地域学を手伝うこともある。塾全体で大学のゼミのような雰囲気を目指しているそうだから、生徒からいろんな相談を受けることもあるだろうし、とても距離感の近い付き合い方になると思う。

増田さんは今年で勤続25周年。生まれも只見で、子どものころからずっと地域のことを見てきました。

「夏休みとかは川で遊んだりしましたけど、最近はそういう子どもも少ないね。今はスキーする人も減ってしまって」

「人口は今4500人程ですけど私が学生のころは7000人くらいいました。今1年間で100人ずつくらい減っているんです。それは高校卒業したらみんな地元から出て行ってしまうから」

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大学もなければ、仕事もない。中学・高校を出ると町から若者がいなくなってしまう。どの過疎地域でも問題になっていること。

ただ、この問題を子どものときから考える機会をつくれば、なにか変わっていくのかもしれない。

「地域の問題を公営塾の中で考えると、じゃあ自分が大学に行って何を勉強するかといったときに指針になったりするでしょう」

「生徒が社会に出たときに課題を解決しようとみずから考えて、困難を乗り越える力も身につけられるといいな」

塾というと、偏差値を上げるためだけの場所というイメージがあった。けれども公営塾が目指しているのは、それだけではない。

いつか地域の問題を解決できるような大人を育てること。進学がそんな大人へのステップになるといい。

「一度はここを出たとしても地域に戻ってくる。そんな“ブーメラン人材”を育てたいな」

町のことを考えた記憶は、きっと大人になった生徒の目を只見町に向けるきっかけになると思う。それは地元の生徒、山村留学生も同じこと。

公営塾が育てているのは、生徒たちの只見町への愛着のような気がします。



最後に教育委員会で、酒井さんとともに高校振興の仕事をされている末谷さんにもお話しを伺います。末谷さんは、地域おこし協力隊として現在3年目です。

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国語の教員を目指していたこともあるという末谷さん。只見町の教育委員会の仕事がしたくて只見に来たそう。

「高校生一人ひとりに町の教育委員会が声をかけ、進路や部活動の話をしたりするんです。この町は教育委員会であっても生徒と触れ合うことが非常に多いと思います」

只見高校魅力化のための振興事業の運営は、学校の先生たちと連携して進めている。イベントは教育委員会も主催するため、只見高校の生徒たちとの距離感はとても近い。

「高校に行くと、先生でもないんですけど『末谷さん今日どうしたんですかー』って子どもたちが普通に声をかけてくれる。これって普通の町ではないことだと思います」

末谷さんは今、山村留学生たちの住む寮で一緒に生活をしているそう。自治組織をつくらせてみたり、その運営費をかせぐための農園も生徒たちに管理させている。それは同時に、地域の耕作放棄地を活用するという勉強にもなっている。

生徒たちの“お兄さん”のようだという末谷さん。

どんな人に来てもらいたいか聞いてみます。

「生徒を怒れる人。ほめるのは誰でもできるんだけど、怒ることってすごく難しい。しかも怒りっぱなしではなくて、そのあとのフォローまでできる人。ここでは、ただ勉強を教えればいいということではないので」

ときには距離が近すぎて疲れてしまうこともあるようだけれど、生徒を大切に思う気持ちが伝わります。



取材後、教育委員会の建物を案内してもらっていると、ある部屋で小中学生向けのサマースクールの準備をしていました。

只見町では、夏休みのあいだ只見高校や福島大学の学生をアルバイトとして雇い、地元の子どもたちの先生になってもらっているのだそう。

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あらためて只見には、町全体で教育しようという濃い空気があるように感じました。

すでにいろんな魅力化がはじまっている只見町で、町の未来のための人を育くむ。気になる方はぜひ応募してみてください。

(2016/9/24 遠藤沙紀)

只見町教育委員会
募集職種 公営塾講師
雇用形態 自治体嘱託職員(地域おこし協力隊)
給与 高校連携型公営塾講師
月給218,000円
福利厚生 ・保険(健康保険、雇用保険、非常勤公務災害補償)
・住居(家賃補助有 月40,000円上限、借り上げ住宅)
・年金(厚生年金)
・各種子育て支援、研修
仕事内容 ・公営塾の講師(教科指導、学習指導、キャリア教育等)
・公営塾運営補助
・生徒指導等
・その他教育委員会業務
勤務地 福島県南会津郡只見町大字只見地内
勤務時間 13:00~21:30(休憩時間各自1時間)
週5日37時間30分勤務
塾の運営により勤務時間が変更となる場合があります。
休日休暇 週休2日制(原則土日)、年間休日約120日、 祝日、GW、年末年始、有給休暇
応募資格 ・教育活動に興味のある方
・田舎(雪国の)暮らしに興味のある方
・若者(生徒)や地域との交流に興味のある方
・三大都市圏をはじめとする都市地域等に在籍し、採用決定後は只見町に住民登録し生活拠点を移すことができる方
・普通自動車運転免許(オートマ限定可)を有する方又は着任までに取得できる方
・パソコン操作ができる方
・地方公務員法第16条に規定する一般職員の欠格条件に該当しない方
求める人物像 ・過疎地域の教育活動に情熱をもって取り組める方
・明るく誠実で生徒の手本となれる方
募集期間 2016/09/30〜2016/10/28
採用予定人数 3名
選考プロセス まずは下記よりご応募・お問合せください
 ↓
書類選考
只見町地域おこし協力隊募集ページから応募用紙をダウンロードし記入後、担当まで送付して下さい。
〒968-0421
福島県南会津郡只見町大字只見字町下2591-30
只見町教育委員会 酒井 宛て
 ↓
面接
※面接に要する旅費は個人負担です。
 ↓
採用

・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
その他 四季の変化が顕著で自然に沿った生活ができます。そんな中で楽しみながら日本の将来を担う人材を育成しましょう。


よろしければこちらもご覧ください。
・只見町山村教育留学HP
http://www.tadami-nk.com/sanson/index.html

・只見高校HP
http://www.tadami-h.fks.ed.jp/

・只見町地域おこし協力隊募集ページ
http://www.tadami.gr.jp/information/2016/09/001601.html

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

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