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自分の趣味やライフスタイルに合わせて、自由に住まいを変える。リノベーションという選択肢が、いまでは馴染みのあるものになってきたように思います。
それでも、まだまだ浸透していない。
リノベーションをもっと日本中に広め、自分らしい暮らしを楽しめる社会にしたい。
そんな想いをもって、成長を続ける会社があります。
リノベる株式会社は、中古マンションの物件探しから設計、ローンの借入、施工管理、引き渡しまで、ワンストップでリノベーションをおこなっています。
数多くの物件を手がけ、全国各地にショールームを展開するなど拡大を続けるなかでも、大事にしているのは、お客さま一人ひとりの要望に応えていくこと。
今回は、お客さまのライフスタイルに合った空間をデザインする、設計スタッフを募集します。
渋谷駅から明治通り沿いをまっすぐ歩いて行くと、リノベるのオフィスが入ったビルにたどり着く。階段を降りると、広々としたエントランスが現れ、ショールームのすぐとなりにオフィスがありました。
お話をうかがったのは、人事部の原尾司郎さん(写真左)と、設計事業部で東日本マネージャーを務める安江浩さん。
原尾さんは、前職ではIT業界の人材紹介会社のベンチャーに勤め、4月からこの会社で働きはじめたそう。
「多くの会社の企業理念を見ていくなかで、自分自身も会社のビジョンに共感して働きたいと考えていたときに、リノべるに出会ったんです」
一体どんな会社なのか、伺っていくことに。
リノベるは、代表の山下智弘さんが2010年に立ち上げました。
立ち上げのきっかけとなったのは、山下さんが大手ゼネコンに勤めていたときに出会った一人のおばあさんとのエピソードでした。
「あるプロジェクトで新しく住宅を建てるため、山下は居住者の方に立ち退きをお願いしていました。けれど、一人のおばあさんだけが『なくなった旦那さんが買ってくれたこの家は、いつか子供や孫が帰ってくるときのためにある』と立ち退きを拒んだそうで」
山下さんは、おばあさんの買い物やマッサージに付き添うなどして、何とか理解してもらった。
けれど、新しい住宅ができて現場を見に行ってみると、建物を前におばあさんが泣いていたそう。「大事にしてきた家が様変わりしてしまった」と。
自分が良いと思ってやった仕事が、人の幸せを奪ってしまった。価値観を揺るがされた山下さんは仕事を辞め、世界を放浪する旅に出たといいます。
旅のなかで目にしたのは、自分で部屋の壁を塗装したりと、住まいを自由にリノベーションして暮らしを楽しむ人たちの姿でした。
一方日本はというと、壁に画鋲もさせないような賃貸住宅ばかり。
「どうにかして日本でも、住む人それぞれに合った家を提供できるようにしたい」。
そう考えるようになった山下さんは、一般の人にもリノベーションに触れ合える環境をつくろうと、リノべるを立ち上げました。
創立以来拡大を続け、現在スタッフは140名。全国に展開するショールームは20店舗に及ぶ。11月には、あらたに2店舗がオープンするそう。
「リノベーションをするいろんな会社があるなかで、うちが一線を画しているのは、リノベーションをビジネスとして成立させようとしているところだと思います」
「我々が思っているビジネスというのは、ワンストップリノベーションのサービスを、住宅を買うときの選択肢の一つにすることです。多くのお客さまにサービスを提供できる環境をつくりたい。そのためには我々が大きくなる必要があるという考え方なんです」
リノベーションという選択肢を広げ、日本の暮らしを画一的でない豊かなものにしたい。
その目的のために、以前は事業を拡大していくことが優先されるあまり、多くのスタッフが辞めていった時代があったそう。
いまは、ともに働く人が会社のビジョンに共感できるかを重視して、組織の基盤をつくりつつ、目的実現のためにとことん目標をこなしていっているといいます。
「不動産業界の新築物件数は年間でおよそ1万戸に及びます。つまりリノベーションする件数も、それと同じ母数がなければ選択肢としては成立しないと思っていて。新築を建てる数も減っていくけど、それに乗じて僕らが手がける件数も増えていかないと意味がないんです」
毎年、目標設定の数字を刻んで、昨年は350戸のリノベーションを手がけたといいます。
「僕らはWebやテレビなどメディアで情報発信をする、面での勝負はもちろん、いちばん強めているのは、点での勝負なんです」
点での勝負。
「面にするのは、知るという情報でしかない。それが体験に変わるのは、一対一での世界。お客さま一人ひとりに対応していくことで影響が広がっていくと思うんです」
体験に変わるというのはどういうことなのだろう。
空間づくりをしていく設計の仕事について、東日本マネージャーの安江さんに伺います。
これまで、建築事務所でのアルバイトや、注文住宅を扱う会社、オフィス設計をする会社などで経験を積んできた安江さん。
「夢を持って建築をはじめたんです。でも、設計事務所って一人でやりださないといつまで経っても下働きみたいなところが山ほどあるんだろうなと実感して」
「オフィスの設計をする会社も、あまりユーザーの顔も見えないし、なるべくお金をかけずにレイアウトをつくって終わりみたいなものが多くて、自分のやりたいこととは違うように感じました。もう一度、住宅系でデザインを活かして何かしたいと考えていたんです」
ほかにもいろんな会社があるなかで、どうしてここだったんでしょう?
「面接のときに山下が言ったんです。日本の住宅業界は、一部のこだわりのある人が求めるようなものか、メーカーや建売の住宅みたいな決まりきったもののどっちかに偏っていると。そうではなく、『セレクトショップのように、みんなが楽しめるものを住宅業界に取り入れたいんだ』と言ったのを聞いて、自分にすごく合うなと感じました」
実際に働いてみてどうですか?
「最初は大変さもあったけれど、設計事務所だけの閉じた世界でやっているのではなくて、文化として世の中に広めていく取り組みができるように感じられたから、モチベーションが違いました」
いま会社全体で大事にしているのは、お客さまのライフスタイルに添って設計をしていくことだそう。
「休日はどんな過ごし方をするのか、何をしているときがその人にとって幸せな時間なのかを知るように努めています」
実際に安江さんが手がけた事例を紹介してもらうことに。
お施主さんは料理が好きで、フードコーディネーターの仕事をしている方。
「部屋の中央に大きなキッチンを据えて、料理をしながら全体が見渡せるような家づくりにして」
ほかにも、お客さまそれぞれに合わせて設計をしているそう。趣味のボルダリングを楽しめる壁にしたり。自転車が好きだったら、自慢の自転車をかけられるようにしたり。
「幸い僕らは件数も重ねているので、そのぶん多様な種類の事例があります。スタッフ同士で自分が手がけた案件を発表して、事例を共有する場をつくったりしていますね」
そうしてスタッフ同士でコミュニケーションを取り合って、それぞれの引き出しを増やしていっている。
この仕事はどんなところが大変ですか?
「設計の仕事は多岐にわたるので、ときには細かなことの伝達がきっちりできていないということも出てきてしまって。お客さまとの間で齟齬が生じやすいという大変さはあります。そうしたことを防ごうと、工事中にかならず何回か連絡をとるなど徹底していますね」
解体工事をしてみて、はじめて家のつくりが判明することもあるから、施工がはじまってからも設計担当は関わるという。
「入って1年ぐらいのころに手がけた世田谷にある物件では、解体してみたら、天井のRC造が勾配屋根のように斜めになっていて。屋根裏のような大きな空間が出てきたんです」
「お客さまにも工事の途中で来てもらって。天井を閉じることもできるけれど、あえてこのまま天井を高く見せたほうが気持ちのいい空間になると思います、と提案をして」
壊す前はごく普通のフラットな天井だったのが広々とした空間に変わり、お客さんにも喜んでもらえた。
デザイナーの仕事のなかで、お客さまとの密なコミュニケーションが重要になるようです。
さらに、顧客満足度委員会というものがあり、安江さんはその委員長なのだとか。
「件数を拡大するために数字は追っていたんですけど、拡大することによって工事がうまく進んでいないような状況が出てきて。つくったものに対しても、本当にお客さまは喜んでいるのか?と振り返るようになったんです」
初回の打ち合わせ後、契約後、竣工後、工事から6ヶ月後と、過程ごとにアンケートをとっているという。
「それぞれの段階でどういった不満がたまっているのか、というところも吸い上げをしています」
年に一度開催されるという全社会では、お客さまからのアンケート結果を全社員に向けて発表する。
そのときの様子を原尾さんが話してくれました。
「私なんかは人事部で、そういう機会がなかったら設計の人たちと距離を感じてしまうと思うんです。でも、共有する機会があるから、いまこんな意見に対して向き合っているんだということがわかる。一体感を感じられる場面ですね」
そうやって、スタッフ一人ひとりが会社の思いを共有して、日々の仕事に気を配っていけるようになるかもしれません。
最後にどんな人に来てほしいか、おふたりに聞いてみます。まずは安江さん。
「設計の話でいくと、日常の身のまわりに溢れるものをどうデザインして、豊かなライフスタイルをつくっていくかということに関心のある方がいいかなと思います」
「あとは、お客さまのよろこぶ顔が見られるような関係性を築いていきたいと思う方ですね」
原尾さんはどうですか?
「リノべるの一員としてみたときにも、同じようなことが言えると思います。仕事や生活をしていて、相手のことを思いやって行動できる、そういう気持ちのいい人。自分の仕事が誰のためにつながっているかを考えられない方は難しいかな」
自分の仕事が目の前の人のためにつながっていること、会社全体が大きな目標に近づいていくこと。その両方を実感できる働き方になるんだと思います。
同じ方向を見て、ともに成長したいと思えたら、応募を考えてみてください。
(2016/10/26 後藤響子)