※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「インテリア」という言葉からどんな働き方が想像できますか。インテリアデザイナー、コーディネーター、空間デザイナーなど。空間にまつわる仕事を連想すると思います。
けれども、仕事は縦割りからすべてを横断して考えられるようになっています。
雑貨販売から家づくりまで暮らしにまつわる空間すべてを提案したい。そんな思いを形にしているのが株式会社コージーライフです。
今回はここでの家具スタッフを募集します。
商品を売ることはもちろん、自社での企画やレイアウトの設計など、仕事は多岐にわたります。さらに、来年は会社全体のリブランディングも予定しているとのこと。
そんな変化の節目のなかで、暮らしにまつわる空間を考えていけるまたとない機会だと思います。
稲毛海岸駅からバスに乗り継ぎ約10分。バス停から工業地帯を歩いていると、緑に囲まれた建物が見えてきた。
平日にも関わらず、駐車場はたくさんの車がとまっている。洗練された外観がひときわ目立ちます。
はじめに迎えてくださったのは代表の並木さん。
「TIMBERYARD(ティンバーヤード)をオープンして今年で20年が経ちました。ありがたいことに、平日でも併設しているカフェの利用などで賑わいがあります」
敷地内にはインテリアショップ「TIMBERYARD」をはじめ、住宅建築部門「ティンバーヤードハウス」やティンバーヤードセレクトの家具や照明でコーディネートされたモデルハウス、カフェや多目的スペースも揃えています。
上質な暮らし提案している株式会社コージーライフ。さかのぼると、お店の歴史は大正13年に創業した並木木材からはじまります。
「最初は、秋田材の専門問屋としてスタートしました。私はその3代目として事業を引き継いだんです」
「ただ、輸入材の会社などで経験をつんでいくなかで住まいづくりへの疑問や流通業としての課題にぶつかりました」
それは、自分自身が家を建てようと思ったときに相談に行ける場所がないということ。
「また、流通業をしていると海外から商品にまつわるさまざまな情報も入ってきたんです。とはいえ、直接お客さまへ伝える手段がなかったんです」
そこで、住まいづくりをしていく為に、直接話ができる場所としてオープンしたのがTIMBERYARDでした。
「ただ、はじめは思うようにはいきませんでしたね。まずは存在を知ってもらう難しさに直面しました。その頃はSNSなどありませんから、一人一人のお客様を大切にして口コミに頼るしかなかったんです」
さらに、北欧に出張へ行ったときのこと。
「取引先の社長宅に招かれて聞かれたことが、『ヒロシのアイデンティティーは何?』『日本の文化って何?』でした。正直、未熟者の私ははっきりと答えられず恥ずかしい思いをしましたね」
そんなできごとをきっかけに、TIMBERYARDでは日本人が忘れかけている、良いものを長く使うといった精神や、無駄のないシンプルな商品を提案したいと思うように。
そこで形になったアイデンティティーこそ、『シンプルで長く使える本物』を提供するということでした。
創業から変わらない想いを大切にしながらも、より多くのお客さまに知ってもらえるよう努力し続けているTIMBERYARD。
同時に、いろんな出会いも生まれてきたそうです。
「取り扱う家具もフリッツ・ハンセンやカール・ハンセンなど、自分たちの理想とする家具を扱えるようになっていきました」
「日々を豊かにする雑貨から生活そのものを形つくる住宅まで提案できる幅の広さは、ここだからこそ可能とする働き方だと思います」
どうしても今日の業種では「家具・インテリアショップ・住宅」と、肩書きや働き方で専門業を区切ってしまいがちな気がします。
けれども、どれも空間をつくる仕事には変わらない。
すべての仕事を横断できる環境にすることで、これまでできなかったことも可能になることは多いはず。
「そうですね。だから、インテリアの勉強を住宅スタッフがすることもあれば、住宅の勉強をインテリアショップのスタッフがすることもあります」
「家って、本当はトータルで考えたほうが素敵な空間になると思うんです。ファブリックだったり家具だったり雑貨だったり。空間全体をトータルで販売するので、TIMBERYARDのショップスタッフは仕事の幅が広いんです」
今回の募集は、家具専門のショップスタッフ。
そうなると、家具がある空間をどう仕上げるかということに興味がある人が向いているのかもしれません。
「やっぱり、良いものは小手先じゃ売れない。自分たちが実際に使ったり触ったりするだけで、モノを売るときに出てくる言葉って変わるんです。だから、スタッフにはできる限り商品を使ってもらったり、勉強してもらったりしています」
さらに、時代が変わっていくなかで何を提案できるのかという課題もあると話します。
「ネットでほとんどの事がまかなえるなか、家族の団らんや安心できる場所としての家での過ごし方の重要性はより増してくると思うんです。そのなかで、空間を提案する仕事はより重要な役割を担うと考えています」
続いて話を聞いたのは広報企画を担当している西山礼美さん。
建築などの勉強はしていなかったものの、25のときに起業を経験し、現場で知識を身につけたそう。
「そのなかで、15年ほど前にコージーライフとご縁があり、住宅部門を1から手がけてきました。今ではイメージしていたティンバーヤードらしいの空間を提案できるようになりましたね」
ティンバーヤードらしいの空間、というのは?
「私たちが手がける空間は、経年変化を楽しめる本物の素材を使用した心地よい空間、自社で扱うインテリアに合う本物の素材を使い、キッチンなどもオリジナルで製作しています」
「通常、後回しで考えがちな家具や照明などのインテリアを建築計画に先行して決めるなど、インテリアと住宅のふたつの視点から、居住空間を設計できることがティンバーヤードらしさだと思います」
そんなティンバーヤードらしさを提案していく販売スタッフは、ただ家具を売るのではなく、お客様にインテリアのコーディネートをしてあげられるような力が必要になってくると話します。
そう考えると、肩書きや職業にこだわるよりも、ライフスタイル全般が好きな方だと、できることが自然と多くなっていくのかもしれません。
「自分の仕事を好きと言える気持ちや誠意は、ちゃんとお客さまにも伝わっていると思います」
続けて話してくれたのは、 先日はじめたSNSでのできごと。
「先日、フェイスブックのコメント欄に『20年前に木工教室で伺ったことがあります』ってコメントがあって。当時、実はDIYの教室をひらいていたんです。そのときつくったものを今でも大事に使っていると書かれていて。驚きましたし、感動しましたよね」
ただ年数を重ねているのではなく脈々と今につながっていることは、気持ちや誠意が伝わっていたからこそ実現している結果だと思います。
「そうですね。だからこそ、スタッフは扱っているものを自信を持って売ってほしいと思います。知識がないから不安という方も、勉強熱心であればどんどん追求できる環境が整っています」
たとえば、以前多目的スペースにておこなわれたデザイナーのアルネ・ヤコブセンの企画展は、ショップスタッフが中心となり企画されたそう。
「リサーチをするにつれて、ひとつの家具のバックグラウンドがどんどん掘り下げられていって。展示を通して家具に対する向き合い方が変わりましたし、売るときの説得力も増したと思います」
そこで、展示の企画を担当したスタッフの近藤さんにも話を聞いてみます。
今回募集する家具スタッフを担当しています。
「アルネ・ヤコブセンの企画展は、雑貨スタッフと家具スタッフみんなで企画しようっていう話になったんです。ただ、スケジュールがタイトだったこともあり、たくさんの種類の椅子を準備できなかったんです」
「そんなとき、ショップスタッフや代表、大工さんなどみんながアイデアを出してくれて。アイデアが何倍にも大きくなり、結果的にはデンマーク本社の方からも評価をいただけるような展示にすることができました」
部署や肩書き関係なくアイデアを出しあえるし、何かあればすぐに相談にのってくれる。
垣根を越えて活動ができる環境があるんですね。
「そうですね。家具を販売するだけではなく、いろんなことに挑戦させてくれるので、アイデアがあれば思う存分発揮できるんだなって今回のイベントで実感しました」
とはいえ、仕事の中心はあくまで販売の仕事が中心となる。空間のレイアウトを考えたり、家具を運んだりなど力仕事が多くなります。
「裏での努力があってこそだと思いますし、そういった仕事こそ大事な気がします」
たとえば、展示している家具は定期的にオイルを塗ってメンテナンスをしている。
一台ずつ洗ってヤスリをかけ、オイルを塗って。そういった作業は大変と感じるのかもしれません。
「でも、やっぱり良いものを提供したいので思わずこだわってしまいます。このあいだも、4年前から欲しかったテーブルを何度も通いつめて購入を決意していただいたお客さまがいたんです」
「ちょうど今、そのテーブルにオイルを塗っていたところで。テーブルがお嫁に行く感覚ですね」
他にもどういった仕事があるんでしょうか。
「朝は掃除からはじまって、商品の検品やショールームのレイアウトを考えたりします。あとは打ち合わせなどもありますし、雑貨で新しい商品が入荷していたら話を聞いたり、店頭に並んでいる商品をチェックしたり」
「波はありますが、クリスマスのシーズン前や引っ越し前のシーズンは忙しいですね」
接客をしつつ様々な業務が同時に進む働き方は、大変だなと思うことも多いと思います。
「でも、好きな商品を扱うお店で働ける環境は大きいと思います。あとは一緒に働いている同期の存在が大きかったかな。仕事内容も違うけど、彼女がいたことが強かったですね」
「雑貨スタッフとして働く同期は、自分の知らない視点を気づかせてくれます。私は家具や住宅視点で物事を見てしまうけど、彼女は雑貨視点でアドバイスをくれるんです」
気になったことを素直に言い合える関係は、良いものを提案したいからこそ可能にしていると、近藤さんの言葉を聞いて感じました。
まだ見ぬTIMBERYARDを形にしていくために、ブランディングを遂げて、さらなる成長をしていく勢いを感じます。
そんな環境で、会社一丸となって盛り上げていく必要があります。
記事を読んで少しでも興味が湧いた方は、まずはお店に遊びに来てみてください。
雑貨から住宅まで全てを手がけるインテリアショップの一歩先の姿が、ここにはあります。
(2016/10/3 浦川彰太)