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リノベーションを贈る

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相手の想いに応えること。

それは仕事の基本であり、重要なことだと思います。

さらに言うならば、相手がまだ言葉にできていないことを少し先回りし、プレゼントを贈るような気持ちで差し出せると、なおいい。贈られたほうは当然うれしいでしょうし、贈った人自身も、相手のよろこぶ姿が次への原動力になります。

株式会社ニューユニークスは、そんな「贈る」姿勢を大切にしているリノベーション会社です。

0-top 会社の特色は?と問うならば、それはお客さんの数だけ広がります。というのも、まずはお客さんと会話するなかで見えてくるライフスタイルや想いをもとに、その人ごとに合わせたリノベーションを実現しているから。

物件探しから設計デザイン、施工、アフターサービスまで。ワンストップで手がけるスタンスは、言わば“100人100色のリノベーション”です。

今回は設計デザイナーとそのアシスタントを募集します。実務経験があるに越したことはないけれど、第一に大切なのは「贈る」姿勢に共感できるかどうか。建築に関係ないことも含め、お客さんに興味を持って関われるような人が向いている環境だと思います。


東京・恵比寿に本社があるニューユニークス。

調べた住所に到着すると、立派なビルが目の前に現れた。受付で取材の旨を伝えて、ネームプレートを受け取る。

乗り込んだエレベーターの扉が開くと、これまた立派なエントランスが現れた。

th_5f_004 どんな人が働いているんだろう。

勝手な想像を膨らませ、そわそわしながら待っていると、スタッフのみなさんがやってきた。

あれ、想像していたよりもずっと若そう…。そんな第一印象を受ける。

「東京に住んで10年ぐらいなんですけど、恵比寿はなかなか慣れなくて(笑)。いつも背筋が伸びる気持ちですね」

にこやかに話しはじめたのは、設計アシスタントの小林さん。

p1330510 大学では都市環境を専攻し、広くまちづくりを学んでいた。

「地域の文化だったり、その土地で大事にされているものを活かしつつ、街を盛り上げることについて興味があって。ミクロよりはマクロなスケールで街を見ていました」

「ただ、就職活動の時期に振り返ってみて、まず詳細なディテールの世界を知らないことには、より広い世界も見えないと思うようになったんです。それ以降は内装デザイン業界の仕事を探していました」

街を良くするために、まずは建物ひとつひとつの内装を良くしていく。なかでも、大学時代に知った“リノベーション”に可能性を見出した小林さん。

ニューユニークスの企業説明会に参加して、印象的なことがあったそう。

「社員の方が登場するのと同時に、その人に合ったBGMが流れるんです。それがかっこよくて。ここで働きたいなと思ったんですよね」

かっちりとした雰囲気も持ちつつ、のびのびと働く。そんな会社のスタンスに惹かれて入社し、設計アシスタントとなった。

実際に働いてみて、どうですか。

「直属のデザイナーのもとで図面やプランを作成したり、実際に物件を訪ねて採寸することもありますし、お客さまとの打ち合わせの場にも同席しています」

1-kobayashi_uchiawase 電話対応もするし、打ち合わせ用にフローリングなどのサンプル発注もする。アシスタントとはいえ、素材や配置を提案すれば取り入れられることもあるという。

なかでも、小林さんが特に面白いと話すのはパースの作成だ。パースは実際の施工をはじめる前に、お客さんにわかりやすくイメージを伝えるのに役立つ。

「パースには限界がないんですよ。『お客さまがそこに住んだとき、どんな景色が見えるのかな』って細かく考えていくと、もっとよくできる部分がどんどん積み重なって見えてきて、やればやるほど楽しくなりますね」

2-pa-su パース作成時には、ヒアリングシートを使う。これは打ち合わせの際に、お客さんの具体的な要望だけでなく、趣味や生活習慣、仕事のことなど、一見リノベーションには関係ないようなことまでを書き取ったメモのこと。

「ヒアリングシートの一言一言を噛み締めながら、つくっています。打ち合わせでパースを見たお客さんがすごい!と言ってくれたときが一番『わあ、幸せだなあ』って思いますね(笑)」

お客さんの話に耳を傾けながら、これからの生活を少し先回りして想像し、形にする。そこに自分なりの提案が受け入れられたら、なおうれしい。

「田村さんも、そうじゃないですか」

そう振られたデザイナーの田村さん。「そうだねえ」と答える。

p1330530 「ぼくの場合は、最初にお客さんから要望を夢いっぱいに聞いた後、今住んでいる家で不満に感じていることとかを聞きますね」

不満を聞く。

「そうすると、もうちょっと奥にある要望をもらえるんです。『そういえば、洗面所でいつも子どもと混み合うんだよ』とか。+の要望と、−をゼロにする要望を両方聞くようにしています」

前職では、戸建ての住宅を扱う会社にいた田村さん。リノベーションとは別ジャンルからの転職だし、もとからデザイナーだったわけでもない。

「デザイナーとして存在する意味があるなと思うのは、お客さまの要望を叶えつつコストを抑えて、全体のバランスをとっていくことです。そこで経験や知識が活きてくると思います」

ニューユニークスのお客さんは、フルリノベーションの評判を聞きつけた若いファミリー層や夫婦が多い。自分たち好みの空間を一緒につくってくれるとあって、いくつもの要望を抱えてくる人も少なくないという。

「ぼくが最初のころに担当した物件のお客さまは、床をこうしたい、キッチンは絶対に交換したいというように、要望が事前に固まっている方でした。ただ、打ち合わせは順調に進んだのですが、いざ見積もりを出してみると予算をオーバーしていて」

そこで田村さんは、キッチン全体を交換するのではなく、吊り戸を取り払うことで開放的にし、天板と腰壁を木製のものに変更。床も白く塗ることで、既存の設備に見えない連続性が生まれるよう工夫した。

3-tamura_buxtuken 「おかげで予算が余ったので、玄関の下足棚の面材を変えて。玄関から廊下、LDKまでを一貫して新しくしました。その方は来客をよく呼ばれるそうだったので、動線全体が統一されていたほうがきっといいと思ったんです」

既存の設備をなるべく活かしてコストを抑えながら、全体としての満足度を高める。

そんなデザイナーに求められるのは、独創的なデザインや内向きの強いこだわりではなさそうだ。むしろ、相手の想いやこだわりと現実の両面を見ながら、その人にとって最適な道を示してあげるような仕事になる。

「プランを立てるときには、必ず3案を出すようにしているんです」

ひとつは、お客さんからの要望にぴったり応えるもの。あとのふたつは、要望を噛み砕いた上で、現場からの意見などを踏まえて「このほうがいいのでは?」という提案を加えたもの。

もちろん、そこにはアシスタントの視点も取り入れられる。

「最終判断はお客さまにお願いしますが、少なくとも選べるようにはしておきたい。3つの案をそれぞれミックスしてもいいですしね」

4-plan まるで、プレゼントのような仕事だと思う。100の想いに100で応えてもらえるだけでも、仕事として十分にうれしい。それが120、130で返ってきたら、もっとうれしいはず。


そんな関係性は、お客さんとの間だけにあるわけではない。現場担当の松田さんが、こんな話をしてくれた。

p1330515 「現場に設計の人が来てくれると、すごくありがたくて。図面だけではどうしても拾いきれない部分があるので、現場の解釈で進めそうなところを『違うよ』って指摘してもらえるとありがたいですよね」

「ずっと現場にはいられなくても、丁寧につくられたパースがあると、職人さんにも伝えやすいんです。納まりが難しい部分も、『こういう感じで納めてください』ってビジュアルで伝えられますから」

5-sekougenba お客さんのためを考えてつくったパースが、現場の人の役にも立っているんですね。

「助かりますね。それでも、実際に現場を解体してみると、想定しきれなかった問題は出てきます。そのときはデザイナーさんとの相談です」

お客さんと現場。予算と全体の満足度。それぞれ相反することもあるこれらの間に立ってバランスをとっていく。

第一に気力がいるだろうし、土日には続けて何件か打ち合わせが入るときもあるそうだから、きっと体力も必要な仕事だと思う。

どんな人に来てほしいですか?

この問いかけに答えてくれたのは、設計アシスタントの袴田さん。

p1330525 「子どもが好きな人がいいですよね。小さなお子さんも多いので、気を配って飲み物を渡してあげるとか、こぼしちゃったときはすぐタオルを取りにいけるとか。細かな気遣いができる人がいいかなって思います」

ここまで聞いてあらためて思うのは、みなさんとにかく人のことを考えるのが好きだということ。

人に何かを「贈る」ときには、相手がよろこぶ姿を想像してがんばるときもあるけれど、何をどうやって贈ろうか考える過程が楽しいということもある。

この会社ではリノベーションという形をとっているけれど、きっとほかのところで働いていても、人と直接関わる仕事をやっている人たちなのだろう。

根本には、常に人への興味があるとも言える。

「ニューユニークスに入ってから、接客っていうのは大きいかなと思っていて。打ち合わせでアシスタントが話す機会はあまりないですけど、お迎えにあがって、エレベーターで上がってくる間に少し話しておいて、打ち合わせに入るとか。そういうことはできますよね」

「お子さんのお話をしたりとか、見積もりした後のお客さまは『見積もり、どんな感じですか?』ってわたしにこっそり聞いたりとか。そんなたわいもない内容でも、設計だけじゃないところでお客さんと関係を深めていく場面はあるように思います」

そういった小さな関わりの積み重ねを大事にしているからこそ、お客さんそれぞれに合ったリノベーションができているのだと思う。

6-100konoegao 贈りもののような仕事がしたいと思った方は、ぜひ応募してください。

(2016/11/14 中川晃輔)