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暮らしの数だけある答え

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もっと暮らしやすく、もっと自分らしく。

その人の好みや体型、ライフスタイルに合わせて着る服が変わっていくように、住まいだって変わっていってもいいんじゃないか。

お金をかけなくても、中古物件のリノベーションという方法で、そんな暮らし方を可能にしている会社があります。

施工事例 取材したのはアポロ計画。九州でリノベーション業界を牽引してきた、松山真介さんが代表をつとめるデザイン会社です。

“デザインのなんでも屋さん”というスタイルではじまったアポロ計画は、今では建築事務所、不動産・建築業という顔も持っています。

今回は、住宅や店舗のリノベーションを担当するリノベエステイトと呼ばれるチームで働く人の募集です。

リノベエステイトがデザインする住まいは、個性的で似たようなものがありません。それはきっとそれぞれ住まう人が違うから。

お客さまがそのとき何を大切にして、どんな生き方をしたいのか。一組ごとに違う人生に寄りそうリノベーションは、型にはまらない楽しさがあるように思いました。

福岡空港から地下鉄に乗って博多、天神駅を過ぎてすぐ。大濠(おおほり)公園駅のちかくにアポロ計画のオフィスはあります。

福岡の中心地には自転車でも行けるとあって、住むにも働くにも人気のエリアです。

アポロ計画の自社ビルは以前の取材のときとは少し変わっていて、卓球場だった1階部分に今はレストランが入っている。

IMG_4337 代表の松山さんは、リノベーション住宅推進協議会の九州部会の会長もつとめている。どんな人だろうと少し緊張していたのだけれど、会ってみるとおだやかそうな人だった。

IMG_4396 (1) 2階の建材のショールーム兼打ち合わせスペースで、さっそくお話を伺うことに。

「日本では家を買うことが人生の目的になりがち。二回以上住み替える人ってほとんどいません」

たしかに、“一生に一度の買い物”という表現をよく耳にしますね。

「なぜかというと、新築の資産価値をMAXだとするとそこからは下がる一方だから。住み替えようと思うと損しちゃうんですよ」

だから、新築で販売される物件は平均80点のものになってしまいがち。どの世代、どの家族にもある程度受け入れられる家ばかりが、これまではつくられてきた。

「でも、家族のかたちも働きかたも変わってきている。子どもを持たない夫婦や自宅で働く独身男性に、3LDKのファミリータイプの住まいは合わないだろうし、だったらリビングを大きくとって開放的なものにしたほうが良かったりする」

「中古物件のリノベーションなら、それぞれのライフスタイルに合わせた設計が新築よりも安くできます。デザインによって空間的価値を高めることで、資産価値が落ちない建物にできれば、家に縛られない人生が送れる。家は住まい手の生き方に合わせて、もっと多様でいいと思うんです」

もともとアポロ計画は、広告のデザインをしたり、ときには商品開発をしたり、広告代理店のような会社でした。

IMG_4388 そこからリノベーション事業がはじまったきっかけは、松山さんが大の引っ越し好きだったこと。

自分のライフスタイルに合わせてカスタムする住み替えは、大学で建築を学んだ松山さんにとって楽しい遊びだったそう。

その後、中古のマンションを買ってリノベーションをしたところ、思いのほか上手くいったため、商売にできると考えた。

「それが2004年のこと。まだ九州にリノベーションの風は吹いていなくて、日本でも黎明期だったと思います」

住まい手は松山さんご夫婦と犬2匹。人がたくさんやってきてホームパーティができる家にしたいと考え、3LDKだった間取りを広いリビングに土間が一直線にのびる個性的な1LDKにした。

松山邸2 (1)

大事にしたのは、“自分たちの暮らし方に家を合わせる”ということ。みんなの平均80点ではなく、住まい手の100点満点がそこにはあった。

「やってみたらコスパも良かったし、流行らせたいと思ったんです」

リノベエステイトでは、まず松山さんが窓口になりお客さまと打ち合わせをする。条件に合った中古物件が見つかったら、担当設計士が空間を設計。そのイメージは、不動産業もできる設計事務所がゼロから新築の家を建てるようなものなのだという。

いくつか設計例を見せてもらうと、一つとして似たデザインのものがない。リノベエステイトの設計士たちは、どんなふうに設計をしていくんだろう。

スタッフとなり6年目、設計から施工管理まで幅広く請け負う村上さんにお話を伺う。

IMG_4368 学生時代は建築を学び、入社前はリフォーム会社で働いていたそうです。

「リフォームの正解は誰が見てもきれいで無難なものなのですが、リノベーションはその人の趣味とかライフスタイルに合わせてオーダーメイドでつくるので、答えがお客さんの数だけあるんです。できあがる物件も十人十色なので、充実感が全然ちがいます」

十人十色の住まい。

「お客さんの年収と家族構成だけ知っていればつくれてしまうものかもしれないけど、僕らはライフスタイルとか趣味とか私生活まで踏みこんでいくんです。それがいいリノベーションにつながると思っています」

お客さんとの付き合い方を聞くと、「とにかくよく話すんです」と答えてくれた。着工までは毎週末顔を合わせ、日々のメールはもちろんのこと、ときにはLINEでも連絡を取り合うほどだそう。

たしかに取材中も、スタッフの方たちの携帯電話が何度も鳴っていた。

「中古物件だからこそ、設計のときには想像もつかなかったものになっていくこともよくありますね」

想像もつかなかったもの?

「以前担当した物件なのですが、階段の基礎部分のコンクリートにすごく味があって。最初はそれを木枠で覆ってしまおうと思っていたのですが、あえて土台を活かして踏み面だけ木製の階段にしたらどうでしょうと提案しました」

階段写真1 (1)

「解体した現場をお客さまと一緒に見て、臨機応変に対応していくんです。その結果、ふつうの戸建てではありえないような、とてもとがったデザインができて。お客さまもよろこんでくれました」

一世帯ごとのイメージや好みを汲んで設計提案をしていくから、お客さんもこだわる方が多いようだ。

ときにはお客さんのほうから建材などについて専門的な提案をされることもあるそうで、勉強は常に欠かせない。

「リノベエステイトでは分業があまりないんです。ほかの会社だと設計、営業、現場管理と担当者が分かれるところを、ここでは全部やることが多いので成長は当然早いです」

DSC06713 スタッフは1件あたり3〜4ヶ月のスパンで、少なくとも年に6、7件ほどを受け持つようになるそうだ。

今回募集する職種は、設計と施工管理に最初は分かれているけれど、いずれどちらかに移ることもありだし、村上さんのように両方できるようになっていくことも考えられる。

新しく入る方に、リノベーションの知識がなくても大丈夫なのでしょうか?

「何件か担当すると、リノベーションのやり方がある程度分かるようになりますよ。この仕事は知れば知るほど勉強することも増えるので、常に自ら勉強しないといけません。だから、意欲のある方に来て欲しいですね」

ほかにも、ここで働く上で大事なことはありますか。

「あとはお客さんとのコミュニケーションを楽しいと思えること。コミュニケーションをとるほど打ち合わせも潤滑に、建物もいいものになりますから」

村上さんと別れたあとは、松山さんの運転で中央区のはずれにあるマンションの施工現場を見せてもらうことに。

工事中の室内にはいると、真っ赤な和室と壁一面がアーティストによる壁紙で覆われた個性的な空間が広がっていた。壁一面に収納できる棚がつくりつけられてもいる。個人宅なので、ここでは写真をお見せできないのが残念です。

このお宅の設計を担当したのは、スタッフとなって1年あまりの小西さん。今日は現場の施工管理としていらっしゃったそう。

IMG_4417 「ここはもともとお客さまが15年くらいお住まいだった家なんです。美術書やフィギュア、あとは絵画や映画のポスターのコレクターで、マニアックなものが好きなとてもおもしろい方なんですよ」

なるほど、個性的なお部屋はお施主さんのイメージにぴったりのよう。

「今回は工事前のお宅も見せてもらうことができて、イメージがわきました」

小西さんはこの物件を設計するにあたり、全部で10数案もの設計案を提案したと教えてくれた。今は住宅のほかにヨガ教室の設計なども担当している。

_DSC5754 働いていて大変と感じることはありますか?

「中古物件なので、すでに動かせないパイプや壁があったり、毎回現場ごとに条件が違うところですね。施工管理は職人さんと頭をひねりながら、デザインや金額や時間が収まるように挑戦していきます。それは毎回大変です」

IMG_4427 あとは騒音などで迷惑をかける近隣住民に対しては、ものすごく気をつかうとも話してくれた。

ここで働くよさってどういうところでしょう。

「正解がいつも違うので、型にはまらない家づくりができる。自由度はありますね」

「あとは松山社長のもとで、お客さんに合った空間づくりの勉強ができることじゃないかな。松山さんはめちゃめちゃ働き者ですよ(笑)。天才だと思います」

DSC06703 となりで苦笑いしていた松山さんにも、リノベエステイトの今後のことについて聞いてみる。

「僕らがこの事業をはじめたころに比べて、リノベーションが関わる仕事は本当に増えました。僕らは原点に立ち戻って、リノベエステイトらしさを追求する段階にあると思ってます」

リノベエステイトらしさ。

「僕たちはデザイン会社でもありつつ、設計士と宅地建物取引士がコンビで物件を探す不動産会社でもあります。まちの不動産屋としてのノウハウを深めるためにも、できるだけ商圏は福岡市周辺にしぼった地域密着型でありたい。エリアが狭ければ、何か問題があったときにすぐにお客さんのところにも行けますしね」

今は主に住まいを設計することが多いけれど、今後はリノベーションがらみの店舗やビルの運営、まちづくりに関わるようなことも視野に入れているそうだ。

IMG_4436 最後に、松山さんはどんな人と働きたいか聞いてみました。

「うちはデザイン会社としてスタートしているので、デザインや建築が大好きな人。僕はいつもみんなで建築を見に行きたいと思ってます」

「それから、お客さまや物件にとって、もっといい正解や可能性があると追求する人。いつも徹底的にゼロから考えるので、自分の型にはまらず挑戦できる人がいいですね」

アポロ計画のリノベーションは、見たことのない正解を探しつづけることなのかもしれません。

平均点ではなく、最高点を目指す。楽しめそうだと思えたら、ぜひ応募してください。

(2017/1/23 遠藤沙紀)