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旅の醍醐味は「ホテル」に

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

有名なスポットを巡ったり、その地の料理を楽しんだり、人との思わぬ出会いがあったり。

そんな旅先の楽しみを「ホテル」でも味わえたら。

疲れを癒すだけでなく、旅の醍醐味を体験できる交流型ホテルがあります。

global-agents01 運営するのは株式会社グローバルエージェンツ。もともとはソーシャルアパートメントを運営する会社です。

ソーシャルアパートメントとは、入居者が自由に使える大きなキッチンやラウンジなど、贅沢な共用部を備えたワンルームマンションのこと。ワンルームの自室では自分だけの時間をつくることができるし、いつも誰かがいるラウンジでは気の知れた人たちと楽しく過ごすことができる。

ひとり暮らしとシェアハウスの両方のよさを実現する新しい居住スタイルとして注目を浴びています。最近では新規物件の入居者募集がはじまるとたった1〜2ヶ月で埋まってしまうほどなんだとか。

そんなソーシャルアパートメントを起点に、住宅併用型カフェや交流型ホテルなど他分野へ事業展開がはじまっています。ホテルは来年から東京や地方都市で続々とオープンしはじめるそう。

今回募集するのはホテル事業で働く人。ホテル一棟まるごとを管理するマネージャーと、宿泊業務を担当するホテル運営スタッフです。

どちらも未経験でも大丈夫。業界の常識にとらわれず新しいものを生み出してきたグローバルエージェンツだから、むしろ経験のない人のほうが合っているかもしれません。

 
東京・根津。谷中と千駄木と共に「谷根千」と呼ばれ、下町情緒あふれる街並みや商店街が人気の、観光にも住むにもよい街です。

グローバルエージェンツが運営するHOTEL GRAPHYは根津駅から徒歩3分。大通り沿いではなく、意外にも閑静な住宅街の中にあります。

もともとは昭和に建てられた旅館の建物で、レトロな雰囲気を残しつつリノベーションされています。

global-agents02 エントランスのすぐ隣にあるのはテラス付きのカフェ&バー。宿泊客以外の人も利用できるから、よく地元の方が犬を連れてゆっくりしているという。
中へ入り、奥へ進むと大きなソファとテレビのあるラウンジが。その隣には12人席のテーブルがあるダイニングと本格的な調理器具が揃ったキッチンがあります。

一般的なホテルではありえない、贅沢な共有スペース。

HOTEL GRAPHYはグローバルエージェンツ初のホテルです。はじめはソーシャルアパートメントが7割、ホテルが3割の割合でスタートし、いまは完全に100%ホテルとして運営されています。

ホテル事業をはじめた経緯を代表の山﨑さんにうかがいます。

「我々は2005年の創業からずっとソーシャルアパートメントをやってきていて、『住む』だけじゃなく『交流』という付加価値を追加した新しい居住スタイルを提案してきたんですね。この“人が集まる場づくり”の力は他の分野でも使っていけるだろうと、ずっと思っていて」

global-agents03 そのなかで浮かんだひとつが、ホテル事業。

最近ビジネスホテルがどんどん増えているけれど、どれも宿泊特化型のホテルばかり。共用部はほとんどなく、単に客室で寝るだけ。

それもいいけれど、ソーシャルアパートメントで培った「住む」×「交流」の場づくりを活かすことで、「泊まる」×「交流」の新しいホテルがつくれるのではないか。

「旅っていろんな楽しみがあると思うんです。観光地に行ったり、食事を楽しんだり。けど、やっぱり人との出会いこそ旅の一番の醍醐味だと思うんですよね」

「旅先で思わぬ人と出会って、会話が生まれて。昔だったらそこで終わりがちだったけど、いまはSNSでそのまま繋がることができて、今度自分の国に来たときに案内できたりする。だから、出会う価値っていうのはより高まっていて。我々が旅先での出会いを体験できる場所をつくろうと」

2013年にHOTEL GRAPHYはオープンしました。

global-agents04 ソーシャルアパートメントの機能を持たせたのは経営面のほかにも、コミュニティの基盤づくりの意味合いもあったそう。まずは長期的に住む人によってコミュニティを醸成し、できた輪に1泊や短期の宿泊者が溶け込む。

「住民にとっては毎日『Where are you from?』からはじまるんです。ほかのソーシャルアパートメントだと入退居する人は月に1〜2人程度。ここは毎日新しい人が入ってくるので、新鮮な会話を交わせて非常に面白い形態だと思います。泊まっていただいた方の評判もよかったです」

だんだんとコミュニティの土壌ができたことで、3年かけてホテルの比率を高めてきた。ホテルの機能が100%になった今、HOTEL GRAPHYのコンセプトを新たに練り直している最中だといいます。

2015年には2つ目となるホテル「ESTINATE HOTEL」を那覇にオープン。2017年2月には3つ目のホテル「HOTEL UNWIND」を札幌にオープンし、さらに今年はもうひとつ京都に新しいスタイルの宿泊施設を開業することも予定しているそうです。

global-agents05 これからより注力していくホテル事業。そこで今回新たにスタッフを募集します。

山﨑さんはどんな人に来てほしいですか?

「あるべき論を持たない人ですね」

あるべき論?

「どの業界にも強い慣習ってあるものだけれど、うちはそこに攻めていきます。全く違う視点で0ベースで物事を考えて、固定観念に縛られることもなく新しい方法で広げていく。そうやってきたから、ソーシャルアパートメント事業には不動産経験者がほとんどいないんです」

「ホテル事業でも理由の分からない慣習的なものから生まれた『あるべき論』は持たないでほしい。オーソドックスなものを提供するつもりはないですから」

じゃあ若い未経験の人でも?

「何の問題もないです。むしろそのほうがいいくらい。大きなシティーホテルだと完全な縦割りだったりするけど、うちの場合、とくにマネージャーの仕事は多岐に渡ります。お客さんとのコミュニケーション、現場のオペレーション、何十人というスタッフのチームマネージメント。数字も経理ではなく現場のリーダーが取りまとめて業績報告する」

「かなり総合的なスキルが身につくんじゃないかと思いますよ。ひとつの事業のすべてを施設ベースで見るようなものなので。これからホテルが増えていけば、1施設を超えて仕事をやることもでてきます。ホテル業界でもメインプレイヤーになっていこうという思いでやっているので、それだけの気概を持った人に入ってほしいです」

 
実際にホテルを運営する仕事とはどんなものなのだろう。

HOTEL GRAPHYでマネージャーを務める荒島さんにうかがいます。

global-agents06 荒島さんはこれからHOTEL GRAPHYを離れ、新しくオープンするホテルの企画開発を担当する予定だという。そのため今回は、荒島さんの後任となってHOTEL GRAPHYのマネージャーとなる人も募集します。

マネージャーとはどんなお仕事なのか、荒島さんに聞いてみると「司令塔みたいなもの」なのだそう。

「マネージャーに必要なのは、責任感・合理性・行動力の3つだと思います。責任感は、ここは本社と場所が離れていて、これからは地方における開業もあるので、ひとつの建物を自分で見る。自律して物事を進めていくことが大事だし、それができる人じゃないと安心して任せられないです」

「合理性は、山﨑の話にもあった0ベースで物事を合理的に考えていくこと。行動力は当たり前ですけど、アクションを起こさないと進んでいかないので」

前職は大手電機メーカーと、全く異なる業界で働いていた荒島さん。1年半前に入社し、とにかくできることからはじめていったそう。

「お客さんの要望を受けて、客室にバスルームを備えたり。一番大きかったのは、一度インバウンドに100%振ったことですね」

「ここがホテルの比率が上がっていくなかで、どんなコンセプトでやっていくのか、私が来たときには見えなくて。そのとき国内予約サイトを全部切って、海外サイトにフォーカスして、サービスも海外基準に変えて。ある程度形ができてから国内サイトでも予約を再開させたんです」

かなり思い切った決断だったと思う。けど、ターゲットとサービスを明確化したことで、共感してくれるお客さんが集まるようになったといいます。

いまではお客さんの9割が外国人。フランスをはじめ欧米やアジアから旅行客が集まります。

global-agents07 外国人のお客さんが増えたことで、スタッフにも外国人を多く入れるように。韓国、台湾、中国、ベトナム、ドイツ… 母国語以外にも英語と日本語が話せるから、お客さんとフレンドリーに接することができるのだそう。

そんなスタッフと一緒にホテル内でのイベントを企画するのもマネージャーの仕事です。

7月には見晴らしのよい屋上のスペースを使って「静かな、静かな、映画祭」を開催。閑静な住宅街のため、サイレント・ディスコから着想してヘッドフォンを付けて映画を鑑賞したといいます。

スタッフからの提案もあり、大学生アルバイトが毎朝6時には屋上でコーヒーを淹れている。ヨガをしている人から声がかかり、9月からヨガ&コーヒーのイベントにバージョンアップしています。
このほかにも、ラウンジで地元の方の持ち込みイベントが開かれたり。荒島さんは、次に外国人旅行客と日本人が交流できるイベントを企画している。

global-agents08 これまで順調に進んできたように思うけれど、荒島さんはうまくいかないことのほうが多かったといいます。

「なかでも人事は苦労しました。たとえば夜勤体制をつくろうと住み込み体制にしていたけど、スタッフがなかなか定着しなくて。やっぱり住み込みはつらいみたいで。相当苦労して、今年の夏からシフト制に変えています」

人事配置でスタッフと揉めることもあった。そんなときは一人ずつ話し合って解決していくしかない。お客さんのクレーム対応も必ず発生する仕事です。

「すごい苦労したことはいっぱいあった。でも人間って慣れていくし、嫌なことは忘れちゃうものですね」

そう笑いながら話す荒島さん。きっと細かいことを気にし過ぎてしまう人より、どっしり構えられるような人の方が合っているのだと思う。

「女性だと難しいと思われるかもしれないけど、そんなことないですよ。むしろ女性のほうがサービス業には向いていると思う。実際に那覇のホテルのマネージャーは女性なんですよ」

global-agents09 来年には新規事業もはじまるといいます。「住む」「食べる」「泊まる」に次ぐ、新たな分野で。

今後も楽しみな展開をしてくれそうなグローバルエージェンツ。ここで働く人にとってもいろんな可能性が広がっていると思います。

荒島さんは自身のこれからについてどんなことを考えているのだろう。最後にうかがいました。

「これからは新規ホテルの企画に携わるんですけど、もともと企画はやりたかったことなので、この2〜3年でしっかりやっていきたいと思っていて。で、そこから先のことはちょっと複雑な気持ちなんですよ」

複雑な気持ち?

「昔から独立したいと思っていたんです。けど最近思うのが、この会社でやっているほうが面白いなって。山﨑がどんどん新しい世界を拓いていくので、それについて行くほうがいいなと思っちゃって」

それはうれしい悩みですね。

「そうなんです。どうしたものかなと(笑)」

(2017/2/16 森田曜光)