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宿を受け継ぐ

いつか地方で暮らしたい。自分で生業をつくって、生きていきたい。

そう考えているのなら、神山で宿をやってみるのもいいと思います。

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徳島県神山町。

周りを山で囲まれるこの町には世界中から移住者が集まり、さまざまなプロジェクトが生まれています。

ここに2年前、WEEKという宿ができました。

町に馴染みはじめたWEEKは、今、あらたなフェーズを向かえています。

今回募集するのは、はじめは雇われて働きますが、いずれこの宿を受け継いで自分の生業にしていく人。

おすすめは夫婦やカップルで一緒にはじめてみること。

すでにある場所や関係があるところからはじめられるので、地域で生きていくことを考えている人には、とてもいい機会だと思います。



徳島市内から車を1時間ほど走らせると、神山に到着。この日は山の緑がまぶしく感じるくらいよく晴れていて、思わず深呼吸をする。

この春神山にオープンした食堂で腹ごしらえを済ませたあと、WEEKへと向かいます。

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古民家を改修した食堂棟と、すぐ下を流れる鮎喰川を望む8室の宿泊棟からなる宿。

川の音を聞きながら、まずは女将としてWEEKをつくってきた樋泉さんにお話を伺います。

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「東京生まれで東京育ち、就職も東京でしました。宿に関わる仕事はしたことがなくて。あ、今思い出したけど、学生のころ休みに山小屋で働いていたことがありました」

淡々と話をしてくれる樋泉さん。神山に来たきっかけは、日本仕事百貨で募集をしていた神山塾だった。

半年間の神山塾を終えると、元々いた場所に戻る人もいるなかで、樋泉さんはここに残ることを選んだ。

「四季を見てみたい、もうちょっといたいなって思ったんです。つい居心地がよくて、もう6年になりますね。自分の中ではまだ移住者という気持ちがあるけれど、少しずつこの町の感覚になっているかもしれません」

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「もともと旅が好きで、いつか私も迎え入れる側になりたいっていう気持ちはなんとなくありました。宿業というよりは、家族や友人が訪ねてくる拠点をつくりたいと思っていて。岩丸家のようになれたらいいなって」

岩丸さんの家には、神山塾の塾生が下宿でお世話になる。塾生のほかにも、神山を訪れる人を気さくに招いてくれて、一緒に食卓を囲む。

普通に旅をするだけでは味わえない、地域への入口になっているような場所。

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「住んでいる人も訪ねてくる人も、おもしろいんです。田舎だから刺激がないと言われることもありますけど、毎日のように思いもよらない出会いがありますよ」

宿泊者や地元の人を交えた夕食会やイベントの開催など、WEEKでは人が交わる機会を積極的につくってきた。

ときにはお客さんをゲストに、イベントをつくってしまうこともあるんだとか。

「せっかくつくるなら、神山らしい宿にしようと思って」

神山らしい宿、ですか。

「宿のお客さんは町の取り組みを学びに来るかた、新しい働き方を試すかた、この宿そのものを目的に来られるかたなどさまざまです。みなさんが喜んでくださるのが神山の人たちとの交流なんですね」

「この町のいいところって、地元の人も移住者も、いろんな人が混じり合っていることの気持ちよさだったりするので。このオープンな雰囲気を体感できる宿にしたいと思ってやってきました」

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この2年でたくさんの人が訪れる場所になったけれど、すべてが順調というわけではなかったそう。

「私も、当時のスタッフも宿業はみんなはじめてでした。まっさらなところから、あたらしいことを試してきたんです。やっぱり想像と違うこともたくさんありましたね」

チェックインのときにどう説明すると、心地よく過ごしてもらえるのか。部屋にはどんなものを用意しておくといいのか。1つ1つを試しながらやってきた。



今は樋泉さんを中心に、パートの人に手伝ってもらいながら運営をしているところ。

この1年間で、それまで関わってきたスタッフはWEEKを離れ、それぞれが目指していた次のステップに進んでいったんだそう。

精進料理の世界に進んだ人や、地元に戻って子連れでもいけるカフェを開いた人。WEEKで働きながら自分でもカフェの出店をし、最近独立した人もいる。

「料理やデザインなど、宿業にプラスアルファで試したいことがある子が集まっていました。おかげでいろいろなことが起こる場所になりましたよ。それぞれにとっていい通過点になっていたらいいなと思っています」

「人がいないならいないなりに、形を変えていけばいいと思うんです。やっぱり、続くことが大事ですから。これからは改めて腰を据えてやっていきたいので、まずは宿業をやりたいと思う人に来てもらえるとうれしいですね」

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これから先のことを話してくれたのは、代表の隅田さん。

神山にサテライトオフィスを構えるプラットイーズの会長であり、樋泉さんの旦那さんでもある方です。

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「今まで映像の配信や制作を仕事にしてきました。宿業をやったことがなかったものですから、空想と妄想で考えたことを実行してきた2年でした。やってみたら全然違いましたね」

「サービス業はお客さまの都合にある程度振り回されてしまう。労働時間も長くなりがちです。スタッフも時間が思うようにならないのは辛かったと思います。人数が少ないので完全なシフトが組めず、働く日が決められない」

突然予約が入る日もあれば、当日急に頼まれごとをされることもある。目の前のお客さんに合わせて、自分たちのやることは常に変わっていく。

「世の中にあるB to Cのサービスはけっこう振り回されている。逆に考えると、我々が消費者としてサービス事業者を振り回しているということなんですね。お互いにもう少し、幸せな方法論はないんだろうかと考えるようになりました」

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2年間運営方法を考えているなかで、確信したことがあったそう。

「基本的に田舎でやる商売、生業として考えたとき宿はいいと思います。なによりほかの仕事と比べて、収入が安定している。農業や林業、我々がやってきた映像の仕事も非常に不安定なものです。経費をかけたからといって、必ずしもそれが売上に比例するわけではありませんから」

それに比べて、宿でかかる経費は上手くまわせば多くが変動費にできる。つまりお客さんが来ないのに、経費だけがかさんでいくということが比較的少ないそう。

利益率は決して高いとはいえないものの、固定費を下げる工夫をすれば、より継続しやすい生業だということをこの2年で学んだ。

「サービス業で最大の固定費は、人件費です。社員を雇うと、その人を食べさせないといけなくなりますよね。稼働率を上げなければと、頑張らざるを得なくなるんです。追い込まれた状態にならないためには、夫婦で運営していくのがベストの形なんじゃないかと思うようになりました。夫婦で自営であれば自分たちで判断できるし、誰にも影響しないじゃないですか」

自分たちはどのくらいお金が必要で、どれだけ働けばいいのか。

それがわかれば、稼働率を最優先に考える必要がなくなるかもしれない。

週3日は定休日にしたり、繁忙期にしっかり働いて閑散期には休みにすることもできる。つくった時間を利用して、兼業をするのもいい。

「余計なことをせず、ここに来てくれる人たちを丁寧に迎えてシンプルなサービスに徹底していれば回っていくと思います。それをベースの収入にして、自分がおもしろいと思うこと、クリエイティブな仕事や農業をやるのもいいかもしれませんね」

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2年間で確信した、宿を生業にする暮らし。今回はこの生活を実践する人を募集する。隅田さんたちは、やめてしまうんですか?

「この宿は地元の人々の共同出資でできている、言わば地域の営みです。だからこそ、そういった関係性も含めて次を担う世代に受け継いでいってもらいたいと思っています」

WEEKは町民51人の出資を受けてできた宿。町民が株主になっているということは、応援してくれる人がそれだけいるということ。

「地域に入り人との関係も含めて受け継いでいくには時間がかかります。また小さいとはいえ事業を継承するのも大変なことです。出来ることから受け継いでいくことがいいだろうと考えました」

12月までは国の雇用型職業訓練の訓練生というかたちになる。

そのあとも続けていきたいと考えたら、次は社員になって働く。長いと4、5年かかることもあるかもしれないが、ノウハウや人の関係を引き継ぎつつ、ゆくゆくは自分の事業としてこの場所を担ってもらいたい。

「僕はこうした宿をつくりやすく、運営しやすくするためのサポートをする事業モデルみたいなものを確立できないかなと思っています。課題もたくさんありますが、こういう宿が10軒くらいできて、それぞれに個性が出れば、数があることが全員の利益になるはずです」

「社員としてやっているあいだは、完全に自由に、とはいかないかもしれません。あとはその人らしいやりかたを見つけてもらえたらいいと思いますよ」

これまでつくってきたWEEKらしさ、みたいなものもあると思います。

「今の雰囲気も、いろんな人が協力してくれてできたものです。それがこの町らしさでもあるので、身を委ねてみるのもおもしろいと思うんです。委ねるのも、自分でつくっていくのもいずれにしても試行錯誤の連続でしょうから新しい人が加わればまた新しい化学反応がおきますよ」

「まとめて言うと、あたらしい形の宿業。観光型ではなく交流型で、あたらしい資金調達と地域との関係で、ご夫婦、またはカップルでやってみませんかという募集です」

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もう1人紹介したいのが南さん。食事棟になっている古民家の大家さんで、この事業にオーナーとして関わっている方。

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南さんの生まれはこの家だけれど、今は徳島市内で暮らしている。

「私の親父がね、全部うちの山から切り出した木材でつくった自慢の家なんですよ。この家が蘇って、町のため、都会から来てくれる人のためになってるのはうれしくってね。町のみんなも期待してる場所やから、みんな助けてくれるのよ」

WEEKができてからは泊まりに来たり、食事会やイベントにもよく参加しているそう。地域のことにも詳しいから、心強い相談相手になってくれると思う。

「本当にいろんな人が来てくれる。日本全国から来る人がここで出会って、また人生を開いていくというかね。私にとっても、人生でいちばん楽しい時間になってますよ」



場所ややり方がすでにあるからと言って、簡単に進んでいける道ではない。周りの人たちやタイミングにあわせて、やわらかく進んでいくことも必要だと思います。

それでもいい予感がしたら、まずはWEEKを訪ねてみてください。あたらしい挑戦の、入口になるかもしれません。


(2017/6/30 中嶋希実)

株式会社神山神領
募集職種 地域活性化コーディネーター(雇用型職業訓練)
雇用形態 契約社員(2017年7月〜2017年12月の間)
正社員登用あり
給与 月給150,000円
福利厚生 ・各種保険(健康保険、雇用保険、厚生年金)
・社宅
・交通費支給(当社規定による)
・セミナー、勉強会補助
仕事内容 新しい働き方を体験できる宿泊施設で情報発信や様々な企画を実現させるコーディネーター業務を通して、宿業を生業とし、地域活性化をコーディネートする人の育成を目的とした雇用型職業訓練です。
・広報、情報発信、フロント業務、一般事務、経営
・ワークショップやイベント、合宿の企画・手配、運営
・宿業全般(調理または補助、食材仕入れ、接客、清掃、ベッドメイク、畑、草抜き等建物の管理)
勤務地 徳島県神山町
勤務時間 7:00〜23:00の間 8時間(休憩1時間)
休日休暇 変形労働制、週休3日(当社が規定する休日)
有給休暇(6ヶ月以降から付与)
応募資格 ・カップル応募(推奨)
・運転免許
・田舎での共同生活や山暮らしに適応できること
選考基準 夫婦(またはカップル)円満であるか
求める人物像 ・夫婦またはパートナーと宿業を生業にしていきたい方
・ワークショップやイベント、地域活動をしたい方
募集期間 2017/6/30〜2017/7/28
採用予定人数 2名
選考プロセス まずは下記よりご応募・お問合せください
 ↓
書類選考
 ↓
面接
 ↓
採用

・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
その他 ・遠方の方はビデオ会議(スカイプ等)で面接します。
・過去にもスタッフを募集しています。よろしければご覧ください。
「試してみる宿」

WEEKホームページ

・WEEKを受け継ぐということについて
WEEKは株式会社として運営しているので、役割や立場を受け継いでもらうということは代表取締役になるということです。
WEEKの運営会社、株式会社神山神領は文中にもある通り、町民50人による共同出資会社ですので、まず株主総会で通常の取締役に任命されなくてなりません。

言い換えれば、50人の町民にWEEKの継承者として認めてもらうということです。認めてもらうためには、実績を残すことや運営手腕に対しての評価もありますが、それ以上にこの地域の人として認められるか、ということが大切になります。

取締役として任命されるために、ある程度浸透された段階で町民の方々にはかるということになると思います。あとはほかの取締役による選任により、代表取締役となります。

共同出資会社においては代表取締役が事実上の最高権限者です。ですからそれが権限も責任もこの宿の主(あるじ)であることだと思います。

さらに、自分も一人の町民株主として参加できれば、一層強固な関係が築けると思います。

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