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「床材」と聞いて、どんなものを想像しますか?
家庭用のカーペットを思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも、実は日本であまり知られていないだけで、まだまだ発見されるべき魅力があるようです。
OSHIMAPROSは、ドイツやベルギー、デンマークをはじめとする欧州・北米でつくられた質の高い床材をセレクトし、オフィスやホテル、アパレルショップなどの空間を提案しています。
一口に床材と言っても、タイルカーペット、LVTという塩化ビニール素材、ゴム床材など、種類は多彩なんだそう。
日本ではまだ馴染みのないものも多いけれど、言い換えれば、これから広まっていく可能性を秘めているということ。
今回は、OSHIMAPROSの東京事務所で働くセールススタッフ、カスタマーサポートスタッフ募集します。
東京・目黒。
JR目黒駅を出て坂をくだり、川沿いの道を歩いていく。
住宅街の一角に、OSHIMAPROSのショールーム兼オフィスがある。
中に入ると、室内の壁にはまるで大きなアート作品のようなカーペットがディスプレイされている。
「まだまだ日本では注目度が高いとは言えませんが、床材は空間演出に欠かせないインテリアなんです」
そう話すのは、代表の大島亜季子さん。
OSHIMAPROSは、1987年に大島さんのお父さまが立ち上げた。きっかけは、独立前に船舶業界に勤めていたとき、輸入モノの床材に強く惹かれたことだったそう。
4年前に家業を継いだ大島さんも、子どものころから海外のインテリアデザインに興味を持っていたという。
大学卒業後、大阪にあるカーペットメーカーで経験を積んだ後、OSHIMAPROSに入社。
10年ほど前に都内で自宅兼事務所を構え、お客さんが一人もいないところから新規開拓をはじめた。
そこから少しずつ依頼をもらえるようになり、場所を移転するごとにショールームの規模も大きくしていった。
当時から変わらないことがあるという。
「私たちは、自分たちが驚いたり、かっこいいと思うものしか扱いません。そういう視点でセレクトして、インポートの床材を提案しています」
驚くような商品って、一体どんなものだろう。
実際に紹介してもらう。
「たとえば、デンマークの『ege carpets』というブランド。彼らは“create more than carpet”というフィロソフィーのもと、革新的なデザインを打ち出していて、ヨーロッパでは流行の先駆者的としての役割を担っています」
なかでも、写真のカーペットは、フランスのファッションデザイナーのクリスチャン・ラクロワとコラボレーションしたもの。
1900年代のファッションと自然の風景などからインスピレーションを受けた大胆で幻想的なデザインになっているという。
「見慣れないデザインで、お客さまがどう取り入れていいかわからないと思われる場合もあるけれど、一部分に使っていただくだけでもアクセントになるんです」
「少しずつ空間に取り入れていったら、お客さま自身だんだん床材で遊ぶのが面白くなって、ほかの商品にも興味を持ってもらえることがありますね」
そのほかの商品も見せてもらう。すると、素材のニュアンスが一般的なカーペットと少し違うものもある。
聞けば、表地には漁業用の網をリサイクルしたもの、裏地にはペットボトルのリサイクル材が使われているという。環境にも優しいデザインだ。
OSHIMAPROSでは、こうした商品を数多く取り扱っていて、ショールームにはたくさんのサンプルを用意している。
毎年、ヨーロッパまで足運び、現地のメーカーとのコミュニケーションを通して、ラインナップを更新しているそうだ。
「日本だと“カーペットはふかふかしたものが良い”という選び方が一般的。でも、選択肢があれば、よりファッション感覚で楽しんでもらえると考えています。私たちが提案したいのは、トレンドをつくるようなエッジーなもので、なおかつ長持ちするもの」
「まだ広く知られていない床材の価値観や、こういうものがあるんだという驚きを、お客さまにも味わってもらいたい。『OSHIMAPROSなら必ず良いモノが見つかる』とお客さんに思ってもらえるように常に心がけていますね」
お客さんのなかには空間づくりのヒントを探している人も多いそう。今までにない選択肢を広げるOSHIMAPROSに寄せられる期待感は大きいもの。
そんなお客さんの期待に応えるためには、さまざまな商品のなかから物件に合う商品を選ぶことが大事になる。
セールススタッフに求められるのは提案力。
セールススタッフの仕事は、設計士やデザイナーから問い合わせを受け、カタログやサンプルを持参して打ち合わせをするところからはじまる。
一つひとつの物件に合う商品を提案するためには、どんなことが必要になるだろう。
続いて話を伺ったセールススタッフの大西さんは、仕事で意識していることを教えてくれた。
「お客さまが思い描くイメージよりも一歩先の提案ができるようにすることを、常日頃心がけています」
「お客さまがどんなことを求めているか。打ち合わせでは、細かいところのニュアンスまでつかめるように意識しています。たとえば『グレー』と一言で言ってもいろんな色味があるので、より空間にふさわしいと思うものを考えていきます」
それから、「このサンプルがいい」と具体的に指定されたとしても、ほかに良さそうなものがあれば選んで持って行くそう。
お客さんの納得いく形にするために、ときには、どの商品を用いるか決定するまでに時間がかかることもある。
けれどその分、得られるものも大きく感じると、大西さん。
「どのプロジェクトも、納品後の空間をできる限り見せてもらえるようにお願いしています。お客さまから『この床材があったからいい空間ができたよ』と言っていただけたときには、この仕事をやっていて良かったなと思いますね」
大西さんは、以前はアパレル業界に長く勤めていて、バイヤーやショップマネージャーの役割も担っていた方。
2年ほど前、OSHIMAPROSに入社した。
「結婚して子どももいるなかで、アパレルのお仕事をしていました。ただ、このまま続けていくのかどうかという気持ちもあって」
「まったく知らない業界に行ってみたい。それに同じ時間を使って働くなら、興味のあることに携わって知識を深めたいと考えて。インテリア業界はどちらにも当てはまるし、人と接するのが好きだったこともあって、ここでの営業職を選びました」
経験がないところからはじめて、大変じゃなかったですか。
「最初は大変に感じることだらけでした(笑)。商品知識は、今も営業の仕事をしながら勉強しているところです。新作を入荷したときには商品をよく確認して、こういうふうに提案していきましょうと、コミュニケーションしています」
大西さんがいちばん苦労したのは、細かな確認事項が多いところだそう。
というのも、商品を選ぶのは設計士やデザイナーだけれど、発注依頼は実際に購入する施工会社から。
「提案の段階で、商品の品番がコロコロ変わることもあります。そうしたときに、施工会社さんまで正確な情報が行き届かないことがあって」
「品番の桁数が多く、一桁間違えるだけでまったく異なる商品になってしまう。設計士さんが最終的に選んだ商品と、発注された商品とで、相違がないように細かく確認する。その辺りは、いまだに神経を使いますね」
一つひとつ丁寧に確認して、品番まで決まったら、次はカスタマーサポートスタッフの役割となる。
どれくらいの面積のカーペットが必要なのか、図面を確認しながら割り出していくのは、プロジェクトを進めていくうえでも大事な仕事。
現在は、入社4年目のカスタマーサポート担当・合田さんが行っている。
合田さんは、そのほかにもホームページの更新やメールマガジンの配信など、プロモーションに関する業務を担っている。
「これから特に求められるのが、ホームページを更新すること。ホームページやメールマガジンの反響から、問い合わせが多くなっていてうれしい半面、今はまだ一部の商品しか紹介できていないんです」
「より多くの商品をアップしてお客さまに広く知っていただきたいと思っているので、新しく加わる方には、こちらの業務もサポートをしていただきたいです」
そう話す合田さんは、もともとインテリアが好きで、以前は建築業界に勤めていたそう。
OSHIMAPROSでは、国内や海外の新しいトレンドを感じながらこだわりを持って仕事ができていると話す。
「以前、海外メーカーの視察に連れて行ってもらって。工場でメーカーの方と直接お話しする機会もあり、あらためて自分たちが扱っているモノの良さを実感することができました」
「そうした経験を活かして、展示会の空間づくりや資料を作成するときも、かっこいいものをつくるぞ!と熱を込めて仕事ができているので、楽しいです」
OSHIMAPROSの商品は、ホテルや空港、オフィス、クルーズ船などで採用されているほか、普段買い物に出かけるような商業ビルやアパレルブランドのお店、百貨店の共有部など、身近な空間にも用いられているとか。
「私自身、休みの日に買い物をしていて、『あれってうちで扱っている商品かも』と、ふと目にする場面が実は多くて。もしかすると記事を読んでくれている方も、どこかで私たちが手がけた床材の上を歩いたことがあるかもしれません」
「カスタマーサポートスタッフは毎回現場を見ているわけではなく、資料をつくったり、関わっているのはプロジェクトの一部です。でも、携わった空間を見ると、いい仕事ができたなと誇らしい気持ちになるんです」
現在、東京事務所で働いているのは、大島さんを含む3人のセールススタッフと、カスタマーサポートの3人。
6人全員が女性で、子育てをしながら働いている方も何人かいるそう。
人数が少ない分、それぞれの仕事量は毎朝のミーティングで共有したり、みんなでサポートし合って仕事を進めているという。
和気藹々とした雰囲気もありつつ、一流の商品を扱っている自負を常に持ちながら仕事に取り組んでいると、合田さんは話していました。
まだ知られていない床材を日本に紹介する。
その一員になりたいと思えたら、ぜひ応募してほしいです。
(2018/01/11 取材 後藤響子)