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田舎に移住し、家を持つ

「いつか地域に根ざして自分のお店を持ちたい」

料理が好きな人なら、夢見たことがあるかもしれません。

でも自分で一からはじめるのは、ハードルが高くて難しい。そう感じる人に、知ってほしい場所があります。

奈良県吉野郡、天川村

山の中腹にある人口1400人ほどのこの村は、数多くの観光資源に恵まれています。


日本の山岳信仰発祥の地として世界文化遺産にも登録された大峯山やレトロな街並みの洞川(どろがわ)温泉街などを目当てに、年間のべ60万人が訪れる。

今回募集するのは、洞川温泉街に村がオープンした「シェアオフィス西友(にしとも)」で、地域の食材をメインに使った料理を考え、提供する人。

すでに2名の地域おこし協力隊が、カフェとコワーキングスペースを運営しています。

今回募集する人にも、地域おこし協力隊として加わり、任期後も村に住み続けてほしいと考えています。


温泉街の真ん中にあるからお客さんもたくさん訪れる場所だし、運営していくための資金も村で用意されている。自分の腕を試すには、絶好の場所だと思います。

この場所で経験を積んで、任期が終わったら、村のどこかで自分のお店を出すのもいいかもしれない。

そんな夢を抱きながら、チャレンジできる場所だと思います。



京都駅から近鉄を乗り継いで、奈良県・吉野方面へ1時間半ほど。その後、さらにバスに乗り換え1時間。峠を越え、いくつものトンネルを抜けて、天川村の入り口にあるバス停に到着する。


降りた途端、周囲に広がる山々に圧倒される。標高が高く、市街地よりも5度ほど気温が低いようで、ひんやりした空気が気持ちいい。

車で迎えに来てくれていた天川村役場の元井さんと合流し、シェアオフィス西友のある洞川地区へ向かう。


バス停や村役場のある中央地区と洞川地区は、同じ村の中でも山ひとつ隔てている。今はトンネルがあるものの、以前は峠を越えて移動していたという。

元井さんは、天川村で生まれ育った。村外の高校・大学に進学し、就職を機に戻ってきたんだそう。

「子どものときは何にもない村やなあと思っていたんですけど、大人になったからわかる魅力ってあるんですよね。天川には、天然の自然林が残っている山があります。その目の前に集落があるのは、全国でもめずらしいんですよ」

いろんな話を聞いていたら、車は15分ほどでシェアオフィス西友に到着した。


1年前にオープンしたシェアオフィス西友は、1階がカフェ、2階がコワーキングスペースになっている。もともと旅館だった空き家を村が借り上げ、デザイナーの方と協力してリノベーションしたそう。

「今は静かですけど、夏の間はずっと観光客の方が来てくださって。この道も車が長い列をつくるし、飲食店の数が少なくてランチ難民が出たり、駐車場がキャパオーバーになってしまうくらい。逆に冬は寒すぎて、全然人が来てくれないのも悩みなんですけどね」

そんな課題の解決に貢献できたら、と村がこの場所をつくった。訪れる人に休んでもらうお店を増やすとともに、すでにあるお店と競合にならない分野で地域全体を盛り上げる起点となるような場所にしたいと考えている。

ここで働く人も地域とうまく関わってほしい。

「面接で話をさせてもらうときには、地域に馴染むことのできる人か、っていうのを重要視しています」

村には、消防団に清掃活動、お祭りやお葬式の手伝いなどの行事がたくさん。そういうところにも積極的に参加できる人なら、村の人と親しくなっていけると思う。

「今、合計で6人の協力隊の方がいて、そのうち2人は家族連れで来てくれています。まだ任期が終わった方はいないんですけど、皆さん住み続ける予定で活動してくれています」



カフェを運営する幸家(こうけ)さんもその1人。3年前に、家族で大阪から移住してきた。


「思い切って、全然違う場所に住んでみたいと思って移住を決めました。ここでの仕事を探しているときに、協力隊のことを知って応募したんです」

幸家さんは、特産品開発の分野で採用になった。

「自分で野菜を育てるところからはじめて、何か天川の特産品がつくれたらなあと思って。今はカフェの仕事と並行してやっています」

実はこの場所、過去には別の協力隊の人が料理を提供していたこともあったそう。ただ、その人が農業分野での採用だったため、そちらに専念するために閉店。建物が空いているのを見て、手を挙げたのが幸家さんだった。

「料理は出せないけど、カフェならできるかなって。大阪にいるときから、いつかは自分のお店をやってみたいと思っていたんです」

喫茶店のアルバイト経験はあっても、飲食店を一からつくるのは初めて。メニューを考えるところから仕入れまで試行錯誤しながら進め、今年の6月にカフェをオープンさせた。


吉野地域で取れた薬草のハーブティーなど、なるべく地元の食材を使うのがこだわり。

「料理をつくってくれる人も、この地域のものを使ってくれたらうれしいですね。特に、天川でつくられた野菜ってすごくおいしいんですよ。普通の野菜なのに、どれも甘みがあって味が濃くて、みずみずしい。その味を活かしたら、きっとおいしい料理になると思います」

他にも、湧き水で仕込まれた豆腐や、天然の川魚も村の自慢。料理の幅は広がりそうだ。

料理人として働く人は、幸家さんと二人三脚で進めていくことになる。

「それぞれ私はカフェ、新しい方は食事がメインの担当として、メニューや食材はお互い自由に考えていければなって。一緒に店に立つことになるので、キッチンも共同で使いますし、調理の手伝いや接客はサポートし合いながらやっていきたいなと思っています」

幸家さんは、知り合いがいないころから行事に参加するなど、地域に馴染む努力は欠かさなかったそう。今では顔なじみの人も増えて、農業をはじめるときにはいろいろとアドバイスをもらったんだとか。


「田舎に住むってどんな感じなのか、来る前はわからなかったんですけど、実際に飛び込んでみたら距離感がちょうどよくて」

「ここで生まれ育った人は、密な関係がしんどい部分はあるかもしれないですけど、私たちは良くも悪くも途中から入って来た人間。だから強く干渉されることはなくて、むしろ困ったときはすぐに助けてくれるんです」

観光資源のある村だから、村の人たちも協力隊に頼るという感覚ではない。まだまだ自分たちでやっていけると考える人が多い印象なんだそう。

この村の協力隊には、すでにある資源に加えて、より地域が賑わっていくためのアイデアを考えていく必要があるんだと思う。


カフェがオープンしてから、もうすぐはじめての夏を迎える。

「どれくらい混雑するのかまだわからないけれど、忙しくなったらうれしいです。今はまだ村の人たちも様子を見ている感じ。この場所が、観光客の方はもちろん、地元の方にも来てもらって、ほっと一息ついてもらえるような場所になったらいいなと思います」

この場所は村営だから、運営はまた次の協力隊が続けていく。幸家さんは、任期後には念願だった自分のお店をオープンする予定なんだそう。

料理人として働く人も、3年後の仕事は自分で探す必要がある。本格的にお店を持つのか、どこかで働く道を見つけるのかも自分次第。

覚悟はいるかもしれないけれど、この場所で結果を出すことができれば、きっと将来につながっていくと思う。



次にお話を聞くのは、2階のコワーキングスペースの運営を担当している安大(あんだい)さん。昨年の12月に2人で天川村に移住して来た。


「大阪でwebデザインの制作会社に勤めていました。場所にこだわらずにできる仕事がいいっていう思いは昔からありましたね」

もともと天川村にはよく訪れていた。移住先の候補として考えていたときに、協力隊の募集を見つけたんだそう。

現在は、この場所を多くの人に知ってもらうための情報発信や、カフェのメニューなどをデザインしている。

「村として、この場所を流行らせたいということは決まっていても、その方法は自由で。来たときは、『箱ができました、お願いします』みたいな感じでした(笑)」

ひとまずHPをつくろうと試みたけれど、建物自体のコンセプトや、コワーキングスペースのターゲットが、きちんと定まっていない状態だったそう。

ほかの地域のシェアオフィスやコワーキングスペースを訪問して、情報収集や人脈づくりを行いながら、0から考えて場所をつくり上げてきた。「成長を目指し集える場所」をコンセプトに掲げ、シェアオフィス西友のHPも先日ついに公開されたそう。

「役場の方は必要なものは買い揃えてくれるし、可能な限りアイデアを実現させようとしてくれます。料理をつくる人も、仕入れ先とか数量とか、自分で決められる範囲は広いと思います」

現在、まだコワーキングスペースの利用はほとんどない状況。まずは個人単位の利用から、いずれは企業の利用につなげられればと考えている。

「僕も含めて誰もプロじゃないですし、経験もない。ペースが遅いのは仕方がないし、東京や大阪でもコワーキングスペースが広まったのは最近だし。それを田舎で、しかも行政でやるわけですから、ハードルは高いと思います」


「でも場所の雰囲気はいいので、工夫していけば、きっとうまくいくと思います。この環境で当たればすごいことだし、ダイレクトに村の評価にもなりますし」

コワーキングスペースの苦労に比べて、需要が見込めるカフェでは、結果が目に見えるのは早いように思う。

それに、この場所だからこその強みはある。

「ここは田舎でも、観光客の方がたくさん来ます。全然人の来ない場所でカフェをやるのは、どんなに自信があっても心が折れると思うんですよ。でもここは、そういうさみしさは少ないんじゃないかな」

「温泉街の一等地に場所を借りるなんて、自分じゃできないことだし。どう捉えるかは人それぞれですけど、腕を試すにはいいチャンスだと僕は思いますね」




この場所だからこその大変さはあると思います。でもそれ以上に、ここだからできることがきっとあるはず。

何より、自分の料理に集中して取り組むことができて、それに対してすぐに反応がもらえる環境が整っているのは、一番の魅力に感じます。

普通なら難しいチャレンジも、ここならできるかもしれない。

天川村、ぜひ一度訪れてみてください。自然が豊かで素敵な村ですよ。

(2018/06/29取材 増田早紀)

奈良県吉野郡天川村
募集職種 天川村地域おこし協力隊員
雇用形態 臨時職員
給与 基本賃金(月額)200,000円
※時間外手当、交通費、その他の手当は支給しない
福利厚生 (1) 社会保険等、厚生年金、健康保険、雇用保険
(2) 天川村が借上げた住居に無料で入居可能。ただし、自らが借上げた住宅賃借料や生活用品、光熱水費、自治会費等は自己負担
(3) 自ら借上げた住居の住宅賃借料については上限3万円まで補助
(4) 業務に必要な物品については、村の負担で用意します
仕事内容 ・隊員の方には、地域の実情に応じて天川村等と連携しながら、都市との交流・地域づくり等をはじめ、地域活性化に向けた支援活動を行っていただきます

・村営施設シェアオフィス西友を拠点として、以下の活動を行っていただきます
(ア)1階部分の天川産食材等を活用した飲食施設、における営業活動(食品衛生管理者の資格を有する方※有していない方については隊員採用後に研修会に参加していただきます)に関すること
(イ)飲食施設及び天川村の情報発信
(ウ)地域行事に係る参加及び協力応援等地域づくりに関すること
(エ)「シェアオフィス西友」担当の隊員と協力し、施設活用した関係人口の構築、地域の活性化につながること

・その他、地域おこし協力隊員は地域活動への参加及び参画を積極的に行うこととします
勤務地 奈良県天川村内
シェアオフィス西友内1階飲食施設
勤務時間 (1) 勤務日数及び勤務時間
標準の勤務日数は1ヶ月あたり22日、勤務時間は1日あたり7時間45分を基本とし、シェアオフィス西友及び飲食施設の営業日・時間に準じます
(2) 休憩時間:1時間
休日休暇 ・勤務を要しない日(休日)は、基本的に土曜日・日曜日・祝日を除く平日2日間及び、年末年始(12月29日~1月3日までの6日間)としますが、業務内容により異なる場合があります。
・休日勤務等は振替対応とします。
応募資格 (1) 住居条件(現在お住まいの住所地)
3大都市圏内の都市地域(※1)又は地方都市(条件不利地域(※2)は除く)にお住まいで、活動期間中、天川村に住民票を異動し、居住できる方
(2) 地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない方
(3) 普通自動車運転免許を取得しており、実際に運転ができる方
(4) パソコンの操作ができる方(Word、Excelなど)
(5) 心身ともに健康で、地域住民と協力しながら活性化活動に取り組むことができるかた
(6) 地域おこし協力隊として任期終了後に移住から定住に向けてステップアップする意欲のある方
(7) 村が求める役割に対し、積極的に取り組む意欲のある方
(8) 勤務する施設シェアオフィス西友内飲食施設に於いて、調理を行い、食事を提供できる方(食品衛生管理者の資格を有する方だとなお可※有していない方については隊員採用後に研修会に参加していただきます)

※1 3大都市圏地域とは
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県及び奈良県の区域の全部
※2 条件不利地域とは
次の①~⑦のいずれかの対象地域・指定地域を有する市町村をいう。
①過疎地域自立促進特別措置法(みなし過疎、一部過疎を含む)②山村振興法③離島振興法④半島振興法⑤奄美群島振興開発特別措置法⑥小笠原諸島振興開発特別措置法⑦沖縄振興特別措置法
求める人物像 ・地域おこし協力隊として任期終了後に移住から定住に向けてステップアップする意欲のある方
・村が求める役割に対し、積極的に取り組む意欲のある方
募集期間 2018/08/13〜2018/09/03
採用予定人数 1名
選考プロセス まずは下記よりご応募・お問合せください
エントリーいただいた方に、送付書類のご案内をします
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書類選考
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面接
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採用

・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
その他 よろしければこちらもご覧ください。
天川村公式ホームページ
シェアオフィス西友ホームページ

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