島宿ノススメ
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
マニュアルか、場に即したやり方か。没個性であるか、キャラクターが生きるか。どこにでもあるホテルか、ここにしかない島宿か。もしあなたが働いていて「自分が自分じゃない!」と思って悩んでいるなら、ぜひこの先も読んで欲しい。
小豆島は牛の形をした島。そんな牛の後ろ足の付け根、しょうゆ蔵が並ぶ場所に「島宿真里」がある。よく知られた宿で、調理と接客のスタッフをそれぞれ募集している。ここで働く人は一人ひとりに個性があり自然体だ。それは今までの経験や技術よりも、求められているのは生活者としての目線だからかもしれない。単なる労働力じゃなく「あなた」を求めている。
四国一の都市である高松から高速艇で45分ほど。穏やかな海に抱かれた島に上陸すると、香ばしいしょうゆの香りがしてきた。日本の多くの地方が疲弊している中、小豆島は活気に満ちている。しょうゆ・オリーブオイル・そうめん・酒など、島には産業が根付いており気候もおだやか。客室が七室のみの島宿真里もまた、毎日多くのお客さまで賑わっている。
もともと宿を営業していたのだけれど、店主の真渡さんは10年ほど前にインテリアデザイナーの方と一緒に今の形をつくりあげた。それから部屋を増やしたり、源泉を掘削したり、社員寮をつくったり。数年に一度の大きなリニューアルから日々の小さな改善の積み重ねまでコツコツ繰り返してきた。来年3月には再びリニューアルしてオープン予定だ!
決して大きな宿ではないけれど、どの部屋も同じ部屋がひとつとしてないしそれぞれに内湯がついていて、母屋は国の文化財指定を受けている。敷地内に源泉があって、今の時期は紅葉を見ながら露天風呂にも入れるし、部屋から見る庭も美しい。
一方でニュービートルカブリオレのレンタカーやルイガノのレンタサイクルがあったり、果実酒で一杯やれるバースペースなんかもある。「伝統的な旅館」というわけでもなく、気持ちのよいサービスと人間味あふれる眼差しを感じるというか。つまり、とてもいい宿なのだ。
旅行をするというのは非日常を求めているのかもしれないけれど、ここで感じたのは理想的な日常というものだった。それが何なのか、スタッフの方たちとお話していると見えてくる。
調理を担当している坂本真也さんは小豆島出身。和歌山の洋食レストランで働いていたのだけれど、忙しい仕事だったこともあり島に帰ってきた。はじめは名産であるそうめん屋さんや料理屋さんで仕事をする。それから10年して真里で働くことになる。ここで働くことも決して楽なことではないけれど、その大変さも含めて納得できる仕事のようだ。
納得感みたいなものは、坂本さんとお話していると伝わってくる。ちゃんと目を見て話してくれるし、肩に力が入った感じでもない。でも仕事に対する程よい緊張感が伝わってくる。
坂本さん曰く、「裏に畑があるので、ときには畑仕事もする。魚もその日に島で獲れたものを毎日選んでいる。そういったことも楽しいこと。」
それにしょうゆはもちろん、オリーブオイル、ゴマ油などもあるから、食材はこの島のものでほとんどいいし、部屋数も限られているから納得のいく仕事ができる。お客様と直接お話することも好きなので、調理だけではなく料理を直接お出しすることもある。そんなときは緊張するけど、料理の感想を聞くことができるから嬉しい時間だ。
島宿での仕事は、坂本さんにとっては違和感のないものかもしれない。
食材も納得したものが手に入るし、料理人にとって最高の環境が整っている。そこから生まれる料理をその日に訪れるお客様に提供し喜んでいただくため、日々精一杯のおもてなしの気持ちでものづくりに向き合っている。畑から野菜を持って歩いてくる坂本さんを見て、なんだかいいなと思った。近くに海や山があることも、人を大事にする島の方々も、ここにいると当たり前のように感じるけれどとても大切なこと。
キンモクセイの香りがして、ふともうすぐ島の太鼓祭りだな、と思ったときに、和歌山では気がつかなかったこの島で生きることの良さに気づいたという。
もう一人、中野菜見さん。彼女は5年前に小豆島に流れ着いた方。もともとデザインを勉強していたので、接客の仕事をしているけど真里のデザイン担当でもある。
実家は看板屋さんだったので、昔から「つくる」ことに興味があった。でもこの仕事をはじめたのは、仕事というものは誰に届けるのか?その先を見たかったから。次第に接客もクリエイティブなことなんだな!と感じるようになる。今日やってうまくいったことが、明日うまくいくとは限らない。状況に合わせて、短い時間の中でどこまでお客様に喜んで頂けるか。そういったことを考えるのがとても楽しい。
田舎だから刺激がない、と思うかもしれない。けれども海、空、山といった自然、それに日々変わる季節感。そして毎日訪れるお客様たち。何かをデザインして何千、何万とプロダクトをつくるよりも、お客様一人ひとりに向き合うことはとても刺激的だという。
もちろん今では接客以外にも、真里のデザインの仕事も担当。この宿で働くことは仕事を与えられるだけではなくて、自分でつくっていくこともできる。だからもしやりたい!と思えることがあれば、提案することができるし、真渡さんもそういう提案を温かい気持ちで歓迎している。
これは自分の話になってしまうけれど、最近、「島」や「山」といった場所を訪れると体調がよくなる実感がある。はじめは良い食事を頂いているからだと思った。食材が新鮮であったり規則正しい食生活だったり。でもそれ以上に、そこで生きている人の生き方だったり生活に違和感を感じないこと、これが一番の理由かもしれない。気持ちが健康になるというか。
そうやって体調がよくなるたびに、自分が目指している生き方の価値観って何だろう?と思ってしまう。都市に住んでいれば文化度の高い暮らしは送れるかもしれない。けれどもそれが自分の目指すべき生き方なのだろうか。
ここを訪れて感じた「理想的な日常」というのは、そもそもスタッフのみなさんの日常なのかもしれない。家族があり、島の人々がいて、仕事がある。すべてが連続している生き方。単に生活費を稼ぐだけではない働き方。
店主の真渡さんは「宿泊してお金を頂くのに、ありがとうって感謝されることが多い。こんな商売、僕は知りません」と言う。 宿のサービスに対してお金を頂くだけの関係じゃない。
仕事とプライベートは別。たしかに仕事は遊びじゃないからそう言えるかもしれない。でもここで働いている人はみな自分らしく仕事をしているように思う。仕事のときは息を止めるように働き、休日のときに深呼吸をするようなものではない。その人が生きるように働くというか。
島宿真里が未経験者を歓迎するのも、率直な生活者の目線を大切にしているから。いくらスキルや経験があっても、漫然と仕事をするのはどうか。こういう宿だからこそ気持ちはお客様に伝わってしまうと思うし、何より自分に矛盾なく働くことはとても心地よいことだと思う。
これから真里はますます面白くなっていく。島で一番の眺望を誇る場所で新しい宿をつくる計画もあるし、独立したスタッフを支援して、瀬戸内の島々に真里のような場所が増えていけば、とも考えている。中野さんも「スタッフに合った舞台を用意してくれる職場。もっといろいろ提案していければいい」と言う。
もしこの島で生きているイメージが湧くなら、まずは一度応募してみてはどうだろう。今回は調理と接客のスタッフ募集だけれど、経験がなくても志や思いがあれば大丈夫。この宿には真渡さんはじめ、温かいコミュニティがある。(2009/11/21up ケンタ)
| 島宿 真里 | |
| 業務内容 | 調理、接客 |
| 募集職種 | 調理師見習い 接客担当 ※いずれも正社員(試用期間あり) |
| 給与 | 社内規定に基づく |
| 勤務地 | 香川県小豆島醤油蔵通り |
| 勤務時間 | 応相談 |
| 応募資格 | 調理師見習 は18~25歳位、接客担当は19~30歳位。 高卒以上で普通自動車免許を取得している方。 料理を考えつくったり、人と接するのが好きな方であれば、 調理・接客など未経験でも大丈夫です。 |
| 選考基準 | 一緒に働きたいと思える方。 |
| その他 | 海の横にある社員寮あり。女性が多い職場で島外出身のスタッフも多いです。 |
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。







