イベント

2.10 Sat
働き方を考える視察ツアー
働き方を考える視察ツアー 徳島・祖谷編

仕事の選択肢が多様化してきたように、働く場所や、働き方の選択肢も広がりつつある今。実際に職場や地域を訪れて、間近に見ながら働き方について考えるツアーです。

※このイベントは終了いたしました。

※このイベントは申込期間が終了しました。お申込ありがとうございました。

移住する理由にもいろいろあると思います。

自然豊かな場所で暮らしたい、という方もいらっしゃるでしょうし、暮らしと職場を近づけたいとか、人の魅力に惹かれて、という方もいるかもしれません。

四国の真ん中、祖谷はそのどれにも当てはまる場所だと思います。さらにここが特徴的なのは、日本の田舎の原風景が残っている場所だということ。

1971年にアレックス・カーさんは、この場所に惚れ込み、夢をみました。

「日本の田舎の美しさを残したい、伝統文化に根ざした環境にやさしいコミュニティーをつくりたい」という夢です。

今回のプログラムでは、そんな祖谷を訪ねます。日本仕事百貨のナカムラケンタも同行します。

はじめて四国を訪れたのは大学生のころだったかと思う。友だちと車で瀬戸内海の島々に向かった。そのときとても印象的だったのが、美しい四国の山々だった。

夜0時に東京を出発して、ほとんど不眠不休で車を走らせる。明石海峡大橋を渡り、淡路島を過ぎて鳴門海峡を渡ると、何かが変わったことをおぼえている。もしかしたら寝ないで運転していたから疲れていたかもしれない。やっと四国に上陸して安心した、ということだったかも。

そのとき印象的だったのが、見上げた先にある四国の山々だった。

とても美しく、神々しいようにも感じた。

そして、またここに来たい、訪れるのに違いない、と思った。

その山々の向こうにあったのが、何度もお伺いしている神山町であり、剣山であり、そしてさらにその奥にあるのが祖谷だった。

祖谷は四国三郎とも言われる吉野川の上流域にある。河口では海のように広い吉野川も、三好市のあたりで大きく南に進路を曲げ、次第に人が近づくのを拒むような深い渓谷となっていく。

その支流である祖谷川の先に、今回のプログラムの目的地である祖谷がある。

まさに四国一の秘境と言える場所。

はじめて訪れたときに感じたのは、そんな深い山々に守られているところだということ。今でこそ電車や車で訪れやすくなったものの、昔は訪れるのにも大変な場所だったに違いない。近づく人も少なかったかもしれない。

とはいえ、多くの観光客が訪れる「かずら橋」のあたりは、なんだかテーマパークのようだった。

ひっきりなしにやってくる観光バス。渓谷を切り取ってしまうように架けられた大きな橋。大型バスも駐車できるように建築された巨大建造物が谷底から天空にそびえたっている。

それを横目にクネクネした細い道をさらに進んでいくと、すれ違う車は極端に少なくなり、山奥にひっそりと佇む1軒の茅葺の家があった。

今回のプログラムは、祖谷を拠点に活動する株式会社ちいおりアライアンスに呼んでもらったのがきっかけ。

ちいおりアライアンスは、空き家となっている古民家を活用した宿泊事業を軸に、地方の美しい風景や伝統的な生活様式を持続可能なものとして残していこうと考えている会社。

はじまりは今から40年ほど前のこと。アレックス・カーさんが祖谷に古民家を購入した。

アレックスさんが辞書で調べていたら、小さな竹の横笛を意味する古い漢字「篪」を見つけた。これに草葺き屋根の家を意味する「庵」をつなげて、この古民家を「篪庵」と呼ぶことにした。当時、アレックスさんは趣味でよくフルートを吹いていたそうだ。

篪庵は、元禄時代(1699-1720)に建てられたもので、大きな梁は囲炉裏の煙でいぶされて黒光りし、畳を敷かない板張りの床は鏡のように磨かれて、外の明るさをぼんやりと部屋の中に引きこんでいる。

そして現在、この篪庵は一日一組の宿泊施設として、ちいおりアライアンスによって運営されている。

アレックスさんはどんな思いで、この場所を見つけたのだろう。ちいおりアライアンスで働く村松さんは、こう話してくれた。

「アレックスに教わった言葉として好きなのは『見立て』です。お茶の世界の言葉ですけど、たとえば、これはグラスですが、花瓶やペン立てに使ったりだとか。ちょっと違った使い方をする、ということ」

「たとえば現代では鬼瓦などの手づくりの瓦は生産もされないですし、もしひとつあっても昔こんなものがあったんだな、と思う程度。でもアレックスはそんな昔の瓦の一枚をお皿のようにつかったりします。食べ物を乗せると、機能としてはお皿なのですが、食卓の上で歴史を語るようなものにもなったりする、と話すんです」

アレックスさんにしてみれば、篪庵もまた見立てなのかもしれない。

古民家だったものを目の前にして想像を膨らませる。

古いものに残る良さを活かしながら、ただ鑑賞するだけのものにせず、今の生活の場、道具として少しずつ形やあり方を変えていく。そうすることで、歴史や伝統が現代に生き残り続けることができる。

そんなちいおりアライアンスの活動は、今や祖谷のみならず香川県宇多津町や福井県三国町など他の地域に広がりを見せている。

ただ、目指しているのは宿泊施設を運営することだけではないそう。

「集落全体を持続可能な観光が楽しめる場所として再興していくこと。こう言うと、大それて固いことに感じるかもしれませんが、やっていきたいことは、ただ人間味あふれることです」

今回のツアーの募集は、まさに宿泊施設の運営の次を模索している中、生まれたものだと思う。

空き家が増えているなか、宿にする以外の方法も考えていかなければいけない。新しく移住してくる人がいたらうれしい。

まずは訪れてみないことには、この場所のことはわからない。

村松さんはこんな話もされていた。

「お客さんも自分が求めているものが何かはっきりしているわけじゃないんです。それでも来てみると、なんとなくわかった、という人が多くて。それはゆっくりできたとか、景色がきれいだったとか、じゃなくて、何かの考え方に共感したような、充足感みたいな」

充足感。

「若い人でも年配の方でも同じです。言葉じゃ表現するのは難しいのですけど、あるんです。スピリチュアルというものでもないし、すごい大自然と言うわけでもないし」

「ただ、どことなく昔の地に足が着いた『息づかい』みたいなものを感じるのかな、って思います。多分それが、現代社会の中で、限りなく遠ざかってしまったもの、けれども失ってはならないものだって、どこかでみんな感じはじめているんだと思います」

たしかにここには、日本人が営んできた暮らしの息づかいが残っている。そしてこれからも残していきたいと思えるもの。

もし少しでも同じように感じたなら、ぜひ一緒に祖谷へ行きましょう。

そこで何を感じるかは人それぞれ。ただ、訪れてみてわかるものがきっとあると思います。

概要
日本仕事百貨のナカムラケンタとともに、徳島県祖谷を訪ね、働き方を考える視察ツアーです。現地の様子を見てまわりつつ、働き方を考えるワークショップを行います。祖谷に移住してきた方のお話を聞いたり、地元の方と食卓を囲みながら、ここでどんな働き方ができるのか、一緒に考えましょう。実際に祖谷で働き、暮らしたいと考えている人にもおすすめです。サテライトオフィスや二拠点活動の視察を兼ねていただいてもいいですし、個人や会社の働き方を考えるきっかけにもなると思います。

水先案内人
ナカムラケンタpf

開催日
2018/2/10(土)〜2/12(月)の2泊3日

目的地
徳島県三好市祖谷

参加費
交通費:総額の1/3を参加者が自己負担(現地集合/JR大歩危駅)
食費:14,000円(2泊3日分※ただし1日目の昼食を除く)
宿泊:桃源郷祖谷の山里(宿泊費無料)

※食費は事前にお振り込みいただきます。
※宿泊先では相部屋の可能性があります。(男女別)
※交通費については、各自予約・費用の立て替えをお願いいたします。その際、必ず領収書を取得してください。イベント終了後に株式会社ちいおりアライアンスより、かかった交通費の総額のうち2/3(上限5万円)をお支払いいたします。精算方法の詳細は、お申し込み完了後にご案内いたします。

参加方法
ページ下部の「イベントに参加する」よりお申し込みください。
お申込み後、費用のお振込方法などについてご案内いたします。参加費のお振り込みが完了した時点で、お申し込み完了となります。

申込期間
2017/12/28(木)〜2018/1/19(金)

定員
10名程度
※定員を超えるお申し込みをいただいた場合には、抽選となる可能性があります。

対象となる方
・すべてのプログラムに参加可能な方
・新しい働き方ついて考えたい方
・移住に興味をお持ちの方
・地域で働く場所を探している方
・会社の働き方を見直したいと思っている方
・地域にサテライトオフィスを持つことを考えている方

日程
<1日目>
14:00 JR土讃線大歩危駅集合(昼食は各自済ませておいてください)
14:30 大歩危駅を出発し、地域散策へ
15:00 かずら橋など周辺を散策しながら、西祖谷集落にて空き家見学
19:00 懇親会(祖谷渓温泉ホテル 秘境の湯)

<2日目>
8:00 朝食
9:00 移住者を交えてのトークセッション
11:30 集落の方とそば打ち体験&昼食
15:00 働き方を考えるワークショップ
19:00 郷土料理体験(集落の方と食卓を囲む)

<3日目>
8:00 朝食
10:00 落合公民館にて、ワークショップ成果発表会
12:00 発表会終了後、公民館を出発し大歩危駅へ
13:00 駅にて解散

ワークショップについて
どんな働き方ができるのか、祖谷を例に一緒に考えましょう。いろいろな背景を持った人たちが集まるので、有意義な意見交換ができることを期待しています。

以下の内容を予定しています。
・ナカムラケンタより、働き方についてのトーク
・グループワーク「働きかたを考える」
・各グループよりプレゼンテーション

お問い合わせ
ご質問などがある場合は、こちらからどうぞ。

主催:株式会社ちいおりアライアンス
協力:株式会社シゴトヒト

※このイベントは申込期間が終了しました。お申込ありがとうございました。

日時
2018/02/10
会場
徳島県三好市祖谷
参加費
14,000円 ※交通費別

※このイベントは終了いたしました。

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