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旅好きの
旅好きによる
旅好きのための発信基地

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

旅って面白い。

休日のドライブも旅だし、世界一周の旅に出る人や、人生を旅になぞらえて語る人もいる。人に出会ったり、美味しいものを食べたり、忘れられない景色を見つけたり。ときには道に迷ったり、災難な出来事に見舞われることも。

良いことも悪いこともひっくるめて、旅には人を惹きつける力があるのかもしれません。

今から11年前、そんな旅のお供として「トラベラーズノート」は生まれました。

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牛革素材のカバーと中紙を組み合わせた、シンプルなつくり。収納ポケットを増やしたり、質感の違う紙を入れたり、カスタマイズしていく楽しさを味わえるノートです。

このノートをつくっているのは、東京・恵比寿に本社を構える株式会社デザインフィルのトラベラーズ事業部のみなさん。トラベラーズノートを中心とするプロダクトブランド「トラベラーズカンパニー」の企画開発のほか、東京駅や中目黒、成田空港に実店舗である「トラベラーズファクトリー」を展開し、旅にまつわるさまざまな商品を販売しています。

今回は、東京駅構内と中目黒の店舗で販売スタッフを募集します。

雨のなか、中目黒駅の南口を出て路地を歩く。駅前の賑わいと住宅街の静けさがちょうど交わるような場所に、トラベラーズファクトリーの四角い建物が現れた。

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店内にはトラベラーズノートのほか、筆記具やステッカーなど、さまざまな商品が並んでいる。

この場所はもともと築50年ほどの紙加工工場だったそうで、什器や小物もアンティーク。周囲のまちなみからは浮き立つような雰囲気がある。

「ありがたいことに、遠方からここをめがけて来るお客さんもいらっしゃって。海外からのお客さんも増えているんです」

そう話すのは、トラベラーズ事業部長を務める飯島さん。

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「ここで出会った方同士が仲良くなって、Instagramをフォローしあったり。旅先のゲストハウスのような光景がここに生まれつつあります」

店内ではコーヒーや菓子類も提供しており、2階のスペースで飲食できる。その場で手紙を書いてすぐに送れるよう、郵便箱も設置。2〜3時間、のんびりとここで過ごす人もいるという。

「多くの方は、すでに使っている自分のノートを持って来ていて。最近旅した場所のこと、ノートの使い方。いろいろと見せてくれるんです」

自身もユーザーとしてノートを使い続けている飯島さん。薄い紙のノートには、思いついたことをどんどん書き留め、画用紙のノートには1週間に1個イラストを描くことを課題にしているそう。

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そのノートを見せるということは、頭のなかを覗かれているようで気恥ずかしい。けれども、なぜか見せたくなってしまうんだとか。

「ノートって、ジーパンとかと一緒で、使うほどに価値が上がっていくものなんです。愛着が湧いてくるんですよ」

「筆跡とか、コーヒーのシミを見て『あそこのカフェで考えごとしてたな』とか。そういう懐の深さというか、使えば使うほど味が出るアナログの良さを大事に伝えていきたいし、残していくべきものだなって思いますね」

トラベラーズ事業部の母体である株式会社デザインフィルは、長年紙製品の卸販売を中心に文房具を扱ってきた会社。「トラベラーズカンパニー」のほかにも「ミドリ」や「ノックス」などの自社ブランドを展開し、いずれも根強い人気を誇っている。

商品企画に携わっていた飯島さんは、11年前にトラベラーズノートをつくった。

「自分たちが本当にほしい形を追求したいなっていう想いがあって。コンセプトより何より、単純に旅が好きだったんです」

発売から3年が経ち、ひとつの転機となったのが、南青山の複合文化施設「スパイラル」で開催したイベントだそう。

「自分たちで空間をつくって、はじめてお客さんに直接販売する機会だったんです。そしたら、思いがけずたくさんのお客さんが来てくださって」

「『こんなふうに使ってますよ』とか、『生活が変わりました』っていう声を直接聞けて。なんていうんだろうな、すごく感動したんですよね。つくることの意味を突きつけられた、というか」

つくることの意味。

「それまでお客さんと触れ合う機会はほとんどなかったんです。そこではじめて、つくったものが人の心に影響を与えているんだっていうことを知れましたし、『あの人は喜ぶかな?』と顔が浮かぶようにもなりました」

と同時に、自分たちの場所がほしいとも思った。

そして6年前、中目黒に念願の実店舗「トラベラーズファクトリー」をオープン。

お客さんとの距離がぐっと近づいたことに加え、ニューヨークのACE HOTELや香港のスターフェリーといった海外企業とコラボしたり、旅にまつわる本や音楽のイベントも開催できるようになった。

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「場があることによって、やりたいなと思っていたことが実現しやすくなってきて。ついこの間は、雑誌『オズマガジン』の編集長とのトークショーをやったり、『tokyobike』さんと一緒に中目黒のマップやオリジナルの自転車もつくりましたね」

できることの幅は広がってきたし、店舗数も3店舗まで増え、認知度も上がってきた。

それでも一貫してこだわり続けているのが、手づくりであること。

「年に一回、『トラベラーズタイムズ』っていうフリーペーパーをつくっていて。文章はぼくが書き、デザインも同じチームのデザイナーが一人でやっています」

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「それがボトルネックになることもあるんですが、これ以上広がることが本当に自分たちのやりたいことなのかな、っていう気持ちがあって。常に自分に問い直しながら進めていますね」

やりたいこと、好きなことを、自分たちの手でやる。

そんなスタンスが伝わってくる。

革製のノートカバーをタイのチェンマイでつくることになったきっかけは、「チェンマイに行きたかったから」だと話す飯島さん。出張なら堂々と足を運べるし、毎年訪ねることで、工房の夫婦とは家族のような付き合いになっているそう。

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お店で出しているコーヒーにも、ストーリーがある。

「徳島に、アアルトコーヒーというお店があって。うちのスタッフが豆を取り寄せていたんですね。で、夏休みに4人でドライブしたんです。大阪京都を回って、最後に徳島へ」

お店に入ると、たまたま空いていて、店主の庄野さんただひとり。東京からわざわざ会いにきた飯島さんたちを温かく迎えてくれた。

「いろいろ話していくなかで、『トラベラーズブレンドをつくりましょうよ』『いいね』って話になったんです。帰りの車に乗って、わあ、これだと思って」

「会いたい人に会って、そこで何かが生まれる。そのうれしさを忘れちゃいけないし、デスクワークだけでもいけない。ぼくらはスタッフである前にトラベラーですからね」

仕事と遊びに明確な線引きをすることなく、どんなときも旅を楽しめる人のほうがこの環境には向いているんじゃないかと思う。

続いて、東京駅のお店で店長を務める齋藤さんにも話を聞く。

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「与えられた仕事をただこなすんじゃなく、商品のバックグラウンドや魅力をどれだけ汲み取ってお客さんに伝えられるか。個人的にはそこを特に意識していますね」

店長としての齋藤さんの仕事は、接客とスタッフのマネジメントが中心。

今回募集する人も、飯島さんの話にあったようなストーリーをスタッフに共有したり、つくり手の熱量をお客さんに伝えることも求められる。

「海外から来た方で、たとえ流暢に会話できなくても、ノートが間にあるとコミュニケーションできるんですよね。これすごい!楽しいね!っていう、心と心のやりとりができるんです」

ノートがあれば、どこまでもつながれる。

齋藤さんは、あるお客さんのエピソードを紹介してくれた。

「海外留学する友だちにプレゼントしたいということで、その方にどういうものが合うかを一緒に相談しながら、ギフトラッピングしてお渡ししたんです」

後日、そのお客さんが再びやってきたという。

「ご自分のノートのカスタマイズで来てくださったんですが、留学したお友だちがエッフェル塔とノートを一緒に写した写真を見せてくれたんです。おすすめしたノートが生活の一部に溶け込み、印象的なシーンをその人とともに過ごしていることがすごいなと思って」

旅人とともにノートが世界中を旅していると思うと、なんだか感慨深い。

しかも、またここへ帰ってきてくれるんだもんなあ。

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「スタッフ間でも、ぼくらは現場で生の声を聞けますし、飯島のような企画・管理のスタッフもつくり手側の想いをちゃんと伝えてくれるので。全体的にコミュニケーションの濃度は濃くて、働きやすい環境ではあると思います」

旅やノートが好きというのも大事なポイントだけれど、トラベラーズ事業部は少人数体制だし、コミュニケーションをとても大切にしているように感じる。

飯島さんが「ゲストハウスのような場所」と話していたように、販売店の接客スタッフというよりは、宿のようなホスピタリティも求められると思う。

最後に話を聞いたのは、トラベラーズ事業部本部スタッフの照屋さん。

オリジナル商品の生産管理や発注、各店舗のマネジメントなどの役割を担っている方だ。

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もともと「ミドリ」ブランドの生産管理や営業を担当してきた照屋さんは、昨年の夏にトラベラーズ事業部へと異動してきたそう。

とはいえ、トラベラーズノート自体は10年来のヘビーユーザー。使い込まれたカバーの質感が、その年月とこだわりを物語っている。

「昔からみんなと同じものを使うのがなんとなく嫌で。このノートもわざとサンドペーパーをかけて、スウェードみたいに毛を立たせてるんですよ。そんなふうにカスタマイズできる余白が面白いなと思って」

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「それから、いざ異動してきて思ったのは、嘘がない商品だなってことで」

嘘がない。

「飯島をはじめ、つくってきた人の話してること、考えてることと、できあがっているモノに嘘がない。ひとつの軸が通っているというか。それはここの魅力だと思いますね」

たしかに、これまでの11年の歩みを見る限り、一つひとつ着実に形にしてきている感じがする。

ノートを生み出し、場をつくり、海外までつながりはじめている。

でも、「まだまだ完成途中なんです」と飯島さん。もしかしたら、旅と同じように完成するものではないのかもしれない。

最後に飯島さんがこんなことを話していました。

「イベント自体は楽しくても、それにまつわる仕事は面倒なこともたくさんあるし、突然企画が入れば普段のペースが乱れたりもする。正直、大変な仕事は多いですよ」

「旅も同じで、ハプニングはつきもの。でも、旅先でふらっと入ったお店で温かく迎えてもらえると、それだけで旅全体がOKな感じになったりするじゃないですか。たとえば、目と目が合ったときに笑顔を返すとか。そんな感覚を大事にしてくれる人に来てもらいたいですね」

旅好きの、旅好きによる、旅好きのための発信基地。

ハマる人には、たまらない空間なんじゃないかなと思います。

(2017/9/12 取材 中川晃輔)

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