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ツナガリ・クリエイター

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「“秘書兼広報”って、肩書きだけ見ると業務スタッフだと思うでしょう。でも全然そんなことはないんです。僕は、社内外で関係をつくっていく“関係性クリエイター”だと思っています」

今回募集する「秘書兼広報」の仕事について、エイトブランディングデザインの代表・西澤さんは、こんなふうに話しています。

エイトブランディングデザインは、その名のとおりブランディングを専門に行うデザイン会社。

川越のクラフトビール「COEDO」や、抹茶カフェ「nana’s green tea」は知っている人も多いかもしれません。どちらもエイトブランディングデザインが手がけました。

ブランディングデザインは、良いものをより良い形にデザインし、多くの人に伝えていくためのもの。企業のコンサルティングからはじまり、ブランドコンセプトの開発、ロゴやパッケージなどのデザインまでトータルに行います。

今回、秘書として西澤さんの仕事を間近に見ながら、社内外のコミュニケーションを円滑にしていく仕事と、メディアやイベントで社外に向けて発信を行う広報の仕事、両方を担う人を募集します。

どちらの仕事も根本にあるのは、良い関係性を築くこと。

それは、目に見えないものを汲み取って形にしていく、クリエイターのような仕事だと思いました。

 
東京・表参道。青山通りから一本入った閑静な通りに、エイトブランディングデザインのオフィスがある。

代表の西澤さんが会社を立ち上げて、今年で13年目。親しみやすい関西弁で、テンポ良くお話が進む。

「お客さまのブランドをお客さまと一緒にデザインして、元気よく活動してるんだっていうことを社会にうまく伝えていくのが僕らの仕事です」

エイトブランディングデザインの特徴は、パッケージやロゴのデザインといった部分的な仕事をしないこと。分業が一般的なデザイン業界ではめずらしく、ブランディングに関するデザインを丸ごと担当し、最初から最後までクライアントと並走していく。

「僕は、一面的にデザインを使っても、会社や商品って良くならないと思うんです。全部が良くなってはじめて、ブランドは良くなるんですよ」

その考えがあるから、コンペにも参加していない。

「たとえばコンペで出された課題に沿ってデザイン案を考えたとしても、そもそもの課題設定が間違っていたら意味がない。そうじゃなくて僕らは、何が課題なのかという根本から一緒に考えていきたいんです」

クライアントと直接向き合って、長い付き合いをしたいから、広告代理店の下請けもやっていない。

エイトブランディングデザインの仕事は、クライアントと一緒に会社の強みや弱みを洗い出し、数ヶ月かけて戦略を立てるところからはじまる。とことんクライアントに寄り添い、埋れている会社の魅力を一緒に引き出していく。

「重要なのは、デザインの裏側にある考え方なんです」

デザインの裏側、ですか。

「ロゴやパッケージという目に見えるデザインは、その裏にある考え方を具現化したもの。デザインの根っことなる考え方からお客さまと一緒に練って、二人三脚で進めていくんです」

戦略づくりを終えてデザインの工程にたどり着いても、そこからの道のりもまた長い。

1つのロゴに対して、最初のドラフトをまず100案出す。その中から絞り込んだ数案に対して、具体的な形の検証がそれぞれ100案。さらに絞り込んだら今度は色の検証が100案。

膨大な可能性を検証しながら、デザインを開発していく。社内のデザイナーたちのクリエイティブを集合させ、最後に残った1案が世の中の目に触れる。

西澤さんのお話を聞いていると、普段目にするデザインの裏には、たくさんの仕事や思いが詰まっていることを実感する。

「クリエーションというのは、100案出して、99案は否定される仕事なんですよ」

「だからこそ、最後に残った1案が光るんです」

今回募集する秘書兼広報職では、そんなブランディングデザインの仕事を理解することが大切になる。

「デザイナーにはめちゃめちゃ仕事があって、会社全体はフル稼働です。デザインが大好きな集団だから、ひたすらつくり続けています。社風はのんびりではなくて、前進あるのみって感じ(笑)」

「そういう空気感だから、秘書兼広報職の人の働き方にも工夫が必要だと思います。決められた範囲だけでなく、どんどん自分で仕事を見つけて、動いていってほしい」

具体的には、どんなふうに働くことになりますか。

「秘書の主な仕事は、社内外の関係づくり。今は、僕がスタッフやお客さまと打ち合わせするときのスケジュール管理をしてもらっています。広報のほうは、会社と外をつなぐ役割なので、僕らの活動の意義が多くの人に伝わるように、メディアやイベントを通して世の中に働きかけていきます」

秘書では、西澤さんとスタッフ。広報では、社会と会社。どちらも間に入ってつなげる仕事、良い関係を築く「関係性クリエイター」だ。

「関係性を紡ぐって、時間も労力もかかるんです。デザイナーの僕らは、お客さまのブランディングデザインで手一杯だから、自分たちのことまでしっかり手が回らない」

「だから秘書兼広報の人には、外にも内にも関係をクリエーションしていって、エイトブランディングデザインをブランディングしてもらいたいですね」

これから入る人には、基本的な仕事を覚えたら、どんどんアイデアを出して今の秘書兼広報の仕事を拡大していってほしいんだそう。

「これから会社がもっと成長していくと、いろいろと新しい仕事も出てくると思うので、柔軟に、前向きにやってくれたらうれしいですね」

 
現在、秘書兼広報として働くのが、日本仕事百貨をきっかけに入社した瀬戸さん。

芸大卒業で、仕事の傍らアクセサリー作家としての活動も行っているそう。ちなみに、西澤さんと同じく関西出身。2人の掛け合いについ笑みがこぼれてしまう。

これから入る人は、瀬戸さんとチームで働くことになる。

日々、どんな仕事をしているんですか?

「秘書としては、ミーティングのスケジュール調整が主な仕事です。同時に動いている30〜40案件すべてに西澤が関わっているので、案件ごとに使える時間がすごく限られるんです」

たとえば案件Aと案件Bについて同じ時間にミーティングをしたいと要望があったとき、納期や会社の状況を考えて優先順位を考えたり、代わりの日程を提案したりする。

「私は、相手にとって本当にいい環境や関係をつくるには、見えていない部分を拾うのが大切だと思っていて。言われたことだけを反映するのではなくて、どうすればより良い時間がクリエーションできるかを考えています」

責任のある、難しい仕事だろうなと感じます。

「そうですね。でもそれぞれのデザイナーから状況をヒアリングしたり、相談しながら働いているので、みんなと一緒にやっている感じです」

広報は、新たなブランドが世に出るときにメディア掲載を進めたり、自社で発信する情報を執筆・編集したり。セミナーやイベントの場で、会社について説明をすることもある。

「『ブランディングデザインを世の中に伝える』というミッションはあるけれど、そのために何をするかはまったく決まってないんです。このブランドだったらこの媒体でこういう切り口で表現しようかな、っていうところから全部考えます」

どんな思いでブランディングに取り組もうと思ったのか、なぜこういうデザインになったのか。ブランドに込められた思いを世の中に広く伝えるために、一番良い方法を考えていく。

100案出して1案だけが採用されるデザイナーと、クリエイターとしての心構えは同じ。

「常にトライアンドエラーですよ。たくさん出したアイデアが西澤に一蹴されることもありますけど、それで折れていたらやっていけません。ダメな理由をきちんと学んで、また次のアイデアを出していきます。自由に考え、提案させてもらえる環境はとてもありがたいです」

アイデアを考えるとき、会社全体がどうすればよく回るのか、どんなふうに社会に出していくのが良いのか、を常に意識している。そのためには、言われたことだけを反映させているのではだめなんだという。

「目に見えない関係性や、お互いが話していることを自分なりに解釈して、ベストな表現方法を模索します。それを何度も編集して、世の中に出していったり、社内のみんなに還元していきます」

表には出てこないものを汲み取って、自分なりに形をつくっていく。西澤さんの「関係性クリエイター」という言葉は、そんな姿勢も表しているのかもしれない。

瀬戸さんは以前、通信販売の会社で商品企画や媒体編集の仕事をしていた。

「良い企画や頑張って働いている人のことを、うまく世の中に伝えられずにもったいないなと思うことが多くて。だから、ブランディングデザインから何か学べることがあるんじゃないかと思ったんです」

良いものを世の中に伝えたい、企業やブランドを応援したい。そんなブランディングデザインの根本にある考え方に共感している。

「この職種の人は、会社のコンセプトや働いている人の思いに共感できることが大事だと思います」

「ブランディングデザインの技術的な“デザイン”部分には関わることができないので、おおもとの思いに共感していないと、自分の仕事が何に結びつくのか見失ってしまうかもしれません」

前例がないなか、自分で仕事をつくりながらポジションを築いてくるのは、きっと大変だったはず。

頑張る人を応援したいという気持ちが、瀬戸さんの原動力なのかもしれない。

「とはいえ、ブランディングデザインの一端を担っている気持ちはありますよ」

「ブランドは、完成して終わりじゃなくて継続していくものだから、そのなかで社会とブランドの接点をつくっていく、広報の立ち位置は不可欠なものだと思っています」

毎月のイベントを企画から運営まで担当したり、メディアの集まりに参加したりと、とても能動的に仕事をこなす瀬戸さん。

そんな姿を見て、西澤さんはこんなふうに話しています。

「瀬戸の働き方を見ていて、広報の本質が見えてきたんですよ。『うちの記事書いてください』っていう対メディアの売り込みじゃなくて、社会と僕らのつながりをつくっていく、クリエイターなんです」

ここでつくり出すものは、人間関係。

「編集やライターの人ときちんと仲良くなって、信頼関係を築ける人が、本当の広報。瀬戸が信頼してもらえたら、うちの会社のことも信頼してもらえる。それが最上級の『関係性クリエイター』の在り方だと思います」

(2018/05/24取材 増田早紀)

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