求人 NEW

自らの発想と感性で
全国の食材の価値を最大化
“食”の職人集団

「会社」という枠にとらわれずに、自分のすべてをかけて仕事をしたい。

そう思う人の中で、もし“食”に興味があるのなら、これほど面白い仕事はないかもしれません。

食材の価値を最大化するために。マーケティングという手法で商品の企画開発から流通まで手掛ける有限会社セレンディブが、新たに仲間を求めています。

今回募集するのは、バックオフィスを取り仕切る人。企画開発や流通をサポートしながら、一緒に会社をつくっていくような視点を持った人を探しています。

 

地下鉄の牛込神楽坂駅から歩いて5分。マンションの1階にあるセレンディブのオフィスを訪ねる。

キッチンスペースには大きな冷蔵庫が2つ。棚の上には加工食品が所狭しと並べられている。どれも地方の食品メーカーや生産者から届けられたものらしい。

「うちの会社にはテスト・キッチンがあって、冷蔵庫に入っている食材も好きに料理して食べていいんですよ」

そう話すのは、社長の庄子さん。

「お昼を兼ねてみんなで試食したり、他社のバイヤーたちにも『面白い食材があるから食べてみない?』って連絡したり。この食材はどうしたら魅力的になるだろう?と食の可能性をみんなで考える“工房”でもあるんです」

つくり手である生産者や食品メーカーと、売り手である百貨店や通販会社。その両者をつなげている、とは聞いていたけれど、取材に訪れるまでセレンディブはどんな会社なのかよく分からなかった。

というのも、会社のホームページはないし、取り上げた記事なども見つからない。

一方、業界では全国から知られる存在で、毎日依頼が絶えない。営業もまったくしていないほど人気らしい。

「黒子は表舞台に出たら意味がないでしょ?うちは“黒子”だから存在価値があるんですよ」

ここで、庄子さんが昨年に手がけた商品を見せてくれた。机の上に広げたのは、某百貨店のお中元のカタログ。

これは…ソーセージ!

「ええ、そうやって驚いてもらうのが狙いのひとつなんです(笑)」

つくっているのは沖縄の食品加工会社。昨年の商談会ではじめて会ったという。

良い設備の工場で、良い材料を使って、無添加でつくっている。試食すると、鶏肉を使っているのにパサつかなくて美味しかったそう。

「ものはすごくいいなって。ただ…」

ただ?

「面白みがないというか。今、安心・安全なんていうのは当たり前になっていて、そのなかでお客さまは安いものか欲しいものを選ぶ。けど良い材料を使ってるから安くはならないんです。ということは欲しいと思わせるものにしないと」

「それで、その会社さんの商品の中に白とピンクの色をしたソーセージがあって。並べられた姿からクレヨンを思い浮かんだんです。色とりどりになったら面白いだろうなって」

同時に庄子さんが考えていたのは、その時の注目キーワード“フォトジェニック”。それをテーマに商品を企画すれば、どこかのお中元の企画にハマるかもしれない、という考えがあった。

「クレヨンに見立てたソーセージにして、お中元の商品にしてみませんか?って話を持ち掛けてみたんです」

最初は驚かれながらも、ぜひチャレンジしたいという返事をもらうことができたそう。

ここからはメーカーと二人三脚で商品開発を進めていく。

庄子さんは最初に6色以上揃えることと、赤は必ず入れることをオーダーしたという。

「食べものに入っていて一番うれしいのは赤だから。あと何色ができます?って聞いたら、黒ができると。じゃあ赤と黒の間を埋める色で揃えようって」

様々な食材を試し、色や味の調整を重ねて赤・黄・緑・紫を完成させた。

難関だった無添加という課題も、メーカーからの提案で解決できた。

「商品づくりってメーカーさんの知恵と努力、それと私たちのつくりたい!という熱意以外の何物でもなくて。そうやって完成したものなので、一緒に相談に乗ってくれた小売側のバイヤーも『今回のイチオシはこれ!』と言ってくれるんですよ」

結果、たくさん受注できただけでなく、様々なテレビにも取り上げられたことでメーカーの知名度が上がり、他社からも注目される存在になってきた。

「売れるか売れないかだけではなくて、この商品を見た人たちからメーカーさんにいろいろな声が掛かることが一番の効果だと思っていて」

うちの店にも扱わせてほしいと小売店から問い合わせが来たり、こんな商品もつくってくれないかと相談されたり。

そうしてメーカーの人たちは自信をつけていく。

また次も新しいことをやりましょうと、セレンディブとは継続した関係になるという。

セレンディブが手掛けているのは「食材が持つ価値の最大化」。庄子さんはそう話していた。

「食の世界ってものすごく自由。極論として毒さえ入ってなければどんなことも許されます。見た目や味、組み合わせや食べ方やシチュエーションなど、発想と感性で無限のチャレンジができるんです」

付き合いのある生産者や食品メーカーは、全国合わせて1000以上。大手百貨店と大手通販会社を販路に持っている。

そんなセレンディブには、各方面から日々さまざまな相談がやってくる。

新商品をつくってみたから意見がほしい、商品をどうやって売ったらいいのか相談したい、新しい販売ツールに載せる商品ラインナップを企画してほしい、などなど。

写真のお寿司も、某百貨店のバイヤーから「これ、商品にならないかな?」と連絡を受けたのがきっかけだった。

つくっているのは大分県佐伯市にあるお寿司屋さん。海外にも挑戦し、ドバイの王族相手に寿司を披露したことがあるほど有名な職人さんらしい。

お客さんを喜ばせようと、お店では鯉の姿をしたお寿司をサプライズで提供していた。

ただどんなに有名な職人でも、流通に乗せる商品をつくれるかは別の話。

そこで庄子さんが現地に赴き、商品の仕立てや表示の作成、規格書づくりなど、流通に乗せるために必要なすべてのことを二人三脚でやりきった。

食材が持つ価値を最大化するために、セレンディブは商品開発だけでなく流通まで手掛ける。

次に話を伺ったのは、マーケティング・マネージャーの桶矢さん。彼はこう話していた。

「食品業界では、やることがどんどん高度になっているんですね。なぜなら食文化は日々成長しているから。けど、やれる人がいなくて、ある意味隙間がどんどん広がっている。そこに僕らは存在意義を見出しているんですよ」

実は、桶矢さんはセレンディブの創業者。庄子さんの先代で、セレンディブの“番頭”でもある。

もともと外資系の企業でマーケティングを担当し、独立後は農林水産省が認定する6次産業化プランナーとして活躍していた。

今は庄子さんに経営をバトンタッチし、庄子さん以上に目まぐるしく全国を駆け巡っている。

「昔は百貨店のバイヤーが自ら外へ出かけて商品を仕入れていたんです。だけど今は効率化のために人手が減って、それができなくなっている」

「それで外部にお願いしているわけだけど、日本って海外のように契約書で一線を引く関係じゃなくて、絡み合う感じでしょ。相手を信頼して任せようみたいな」

つまり、セレンディブなら何かいい提案をしてくれるだろう、という具合に。

「そう、そこをやればビジネスになると思ってはじめたのが、この会社なんですよ」

そう考えると、商品開発や流通だけでなく、セレンディブにやれることはまだ沢山あるような気がする。

自治体と協力して地域ブランドをプロデュースしたり、料理人や一般の人も参加する食のプラットフォームをつくってみたり。

「今の食品業界って、売る場所がどんどん増えて、売り方も変わっていってます。これからいろんなプロジェクトが出てくると思うし、実際にもう声がかかっているんですよ。今度新しい展開をするから相談したいって」

形を変えながらも、一生を通じてやっていける仕事なのかもしれない。

「ええ。食は絶対になくならないですからね」

 

今回募集する人には、バックオフィスの立場から商品企画や流通を支え、将来は社長や副社長を目指してもらいたいという。

とはいえ一人前になるまで時間はかかりそう。1000もの取引先があるなかで様々なパターンにあわせて柔軟に対応する力が必要だ。

職人の世界に近いところがあるかもしれない。仕事をしながら現場で学んでいくことも多いという。

「だから経験とか年齢は関係なくて」と庄子さん。

「唯一必要なのは、食の世界でクリエイティビティを発揮したい!という夢を持ってもらうことかな」

夢を。

「私たちは、きっと世界の最先端であろう日本の食の世界で、常に最先端のことをやっていきたい。だから停滞できないんです。誰よりもアンテナを張って、どんどん上に行かないと」

「仕事に夢を持って、前に進んでいく仲間を集めたいです」

 

夢を見て働けることは素晴らしいこと。ただ、それを実現するには努力が必要だと思う。

最後に話を伺ったのは、オペレーション・マネージャーの濱田さん。一緒に働くことになる方だ。

大先輩の2人に追いつこうと、日々必死にもがいている。

出身は長野。実家が農家ということもあって、これまで県の6次産業化推進協議会や野菜卸の仕事、アンテナショップ銀座NAGANOのバイヤー・アシスタントをしたこともあった。

セレンディブに加わったのは2018年3月のこと。

「2ヶ月後くらいかなぁ… もう無理、やっていけないって(笑)」

何があったのですか?

「作業の手順を覚えたり、マニュアル化すればできるようになると思っていたんです。でも毎回問題が違う」

「それで空回りしていたら、あるとき『本当の問題はどこにあるの?』と社長に聞かれて。考えて仕事していなかった。私がしていたのは仕事じゃなくて作業だったんだなって気づいたんです」

濱田さんが担当している受発注作業は、基本的に百貨店から届いた発注書の内容を噛み砕いて生産者やメーカーに伝える、というもの。

流れとしてはシンプルだけど、生産者は大手ばかりではないので、スムーズにいかないことも多い。

それに濱田さんはまだ生産者と直接会ったことがない。顔が見えないからこそ、うまくいかないこともある。

「『商品はどうやって包んだらいいですか?』とか『そもそも個別二重包装ってなんでしょう?』って聞かれたり。今は気が回るようになって、ここ苦手そうだなって思ったら電話してフォローするようにしています」

積み重ねによって関係性が築かれていく。今では気軽に相談してくれたり、こちらのお願いを聞いてくれたりするという。

「単なる発注作業じゃないんですよね。そこで絆をつくることで、次につながっていくんです」

半年経った頃から少しずつ見える風景が変わってきた。

濱田さんは今、とても楽しそう。

「食の世界ってこんなに広いんだって、いつも思わされます。だから、なんでもやれるんじゃないかな」

 

「仕事は人生の楽しみ」と言えるほど、職人のように打ち込める人でないと難しいかもしれない。代表の庄子さんはそう話していました。

下積みに時間がかかったり、出張が多かったり、大変なことは沢山あるかもしません。

その分、一生をかけようと思えるほど、面白い仕事なのだと思います。

(2018/10/3 取材、2019/5/17 更新 森田曜光)

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