求人 NEW

自らデザイン、自ら制作
自分たちの手でつくる
新しいブランド

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「お客さまが望むものをつくり、よろこんでもらえる。そして自分たちが考えてデザインしたものを世に出すことができる。それがうまく噛み合ったとき、仕事がすごくおもしろいんですよ」

そう話してくれたのは、MATELIER(マテリエ)株式会社代表の大住さん。

MATELIERは創業以来、スチールやステンレスなどの金属を中心に、他素材も組み合わせた階段や手すり、インテリア家具などをつくり続けてきた会社です。

お客さんの「こういう感じのものがほしい」というイメージを形にしていく。高い技術とディテールにこだわる細やかな感覚で、多くの仕事を手がけてきました。

根底にあるのは、『自分の手でつくったものを世に出したい』という強い想い。

今回は、MATELIERでものづくりをしていく人を募集します。



京急・糀谷駅の改札を抜けて、賑やかな商店街を進んでいく。

歩いて10分ほどで見えてきたのが、MATELIERの事務所兼工場があるマンション。

ここは大田区が管理している工場アパートと呼ばれる建物で、1階と2階が工場、3階から上は住居となっている。

駐車場の隣にある大きな扉から、おそるおそる中に入る。

すると、さまざまな機械がずらりと並ぶ作業場が現れた。

一見普通のマンションに、こんな工場があるなんて。なんだか不思議な空間。

ここで話を聞いたのが、代表取締役の大住豊さん。

「大学では会計を専攻して、卒業後は工場経理として働いていました。ただ裏方として製造工程の全体をフォローしていくうちに、『形あるものを生み出す安心感っていいな』と強く感じるようになったんです」

「メーカーに勤めたんですが、やっぱり自分の手でものづくりをして、自分の名前で仕事をしたいと思って。仕事をやめて3年くらい修行をして、2004年にMATELIERを立ち上げました」

創業当時から、一流建築家が設計する建物の家具や階段、手すり、門扉、壁面装飾などの建築向け意匠金物や、インテリア・エクステリアの設計・制作・施工を手がけてきた。

依頼は主に、建築設計事務所やゼネコン、工務店などが多く、個人のお客さんもいるそう。社員は現在3人で、それぞれが設計から施工まですべての工程に関わっている。

仕事の幅もさまざま。細かい設計まで指定されることもあれば、「こんな感じのものがほしい」という抽象的なイメージからデザインを任されることもある。

ここで大住さんが見せてくれたのが、1枚の写真。

「たとえば、これはあるアメカジブランドのオーナーさんの家なんです。当初は螺旋階段にすることを渋っていたんですが、できたものを見たらすごくよろこんでくれて。家を訪れる人も、この階段を見たら驚いているそうです」

1本の曲線に沿って踏板が浮かんでいるような、不思議な構造。たしかに、こんな階段が家にあったらびっくりすると思う。

今でこそ、デザインをある程度任せてもらえる仕事が増えてきたけど、最初からそうではなかったという。

「昔は取りたい仕事が2割、取りたい仕事をするためにする仕事が5割、日銭を稼ぐ仕事が3割、っていう感じでしたね。なんでもいいから溶接してこい、みたいな仕事も受けていました」

「ものをつくるって簡単なんですよ。材料を用意して手を動かせばいいんだから。でもそれが世に出たときに評価されるかどうかは別。ものすごくハードルが高いんです」

お客さんから出される要望に対して、その期待値を越えることができるか。コツコツと積み重ねてきた努力が、ようやく会社としての評価にあらわれてきているところ。

「今はおかげさまで日銭を稼ぐ仕事はなくなりました。会社として次のステップに進めると思っているんです」

次のステップ?

「自分たちがつくるものをブランディングしていきたいと思っていて。つくったものが会社や個人の名前と一緒に世の中に出るようになったら、すごくおもしろいじゃないですか」

今はどれだけ良いものをつくれたとしても、建築設計事務所やゼネコンから仕事を請け負っているため、クレジットに会社や個人の名前が出ることはほとんどない。自分たちの名前をのせたものを届けるためには、エンドユーザーと直接コミュニケーションをとることが必要になる。

そのためにつくろうとしているのが、階段や家具を販売するショップと、工房が一緒になった場所。

今はその構想が実現できる場所を探しているところで、見つかり次第はじめたいそう。

「バーチャルな時代に、汗を流して油まみれになってつくる姿を見せる。そしてお客さんにも仕上げ部分などを体験してもらって販売できたら、興味を持ってくれる人は必ずいると思うんです」

「苦しい時期もありましたが、これからさらにおもしろいことをしていけると思っています。違う畑から来てくれるのも歓迎だし、一緒に次のステップをつくっていけたらいいですね」

これからの夢について語る大住さん。積み重ねてきたものに裏打ちされたその言葉には、力強さを感じる。



そんな大住さんと一緒に12年間、会社の苦しいときも良いときも経験してきたのが、佐藤良幸さん。

「役職はプロダクトマネージャーとなっていますが、人が少ない会社なので、やれることはなんでもやるっていう感じですね」

学生時代は工業デザインの勉強をしていたそう。空間デザインに興味を持ち、卒業後は店舗内装の施工会社で10年ほど働いた。

「仕事はおもしろかったんですが、昼間は現場に出て、夜は図面を描いてという生活で、身体がつらくなってきてしまって。職人さんの仕事を見ているうちに、自分で考えて自分でつくる仕事がしたいと思うようになったんです」

そんなときに偶然MATELIERの求人を見つけ、実際に工場を見に行って入社を決めたそう。

仕事は「なんでもやる」という言葉の通り。

依頼主がどういうものをつくりたいのか意向を確認したら、実際にどうしたら形にできるかを考え、CADで図面を作成していく。

溶接、切断などの作業も、可能な限り自分の手で行うそう。設備などの理由で加工できないものは、別の工場にお願いする。

部品が完成したら、現場に運び込み取り付けていく。実際の現場が細かい寸法まで図面と同じようにできていることはほとんどないため、現場で調整しながら組み立てていく。

佐藤さんに印象に残っていることを聞いてみると、こんな話をしてくれた。

「ファッションデザイナーの方から、洋服の展示会で使うハンガーラックをつくってほしいという依頼があったんです」

「単純に真四角の棒をまっすぐつなぐんじゃなくて、斜めにつなぎたいという要望があって。せっかく斜めにするならと、角のラインが一番きれいに見える方法で提案しました」

サンプルを見せてもらうと、たしかに斜めにつながっていて、めずらしい形。

「斜めに切るのは難しいんです。安定しない角度の棒を、つなぎ目の45度を維持して切るにはどうしたらいいか。時間をかけるとコストも上がってしまうので、できるだけ簡単にできる方法を考えました。楽しみながらつくっていた感じですね」

楽しみながら。

「実際につくれるのかを頭のなかで考えて、図面を書いて、その通りにやってみる。そうやって自分が考えたものを手でつくって、合っているかどうかを確認する作業がすごく楽しいんです。うまくいったらうれしいし、たとえ失敗してもいいんですよ。そこから直していけばいい」

サンプルのハンガーラックを手に、微笑みながら話してくれた佐藤さん。つくることが好きな気持ちが伝わってくる。



最後に話を聞いた齋藤亮太さんも、自分で考えるものづくりに惹かれて入社した人。2年前に入社し、すでにいくつかの案件を任されているという。

もともとは京都芸大で陶磁器を専攻していた。焼き物の技術を学んだのち、西陣の帯屋さんに営業として入社することに。

「直接お店に商品を卸していたので、全国各地に行かせてもらいました。店頭でお客さまに接客するのも楽しかったんですが、やっぱり焼き物をしていたころのようにものづくりがしたいと思うようになって」

「単なる作業として手を使いたいんじゃなくて、自分の頭で考えたものを自分の手でつくっていきたい。そう思って仕事を探していたら、ここの求人がすごく光って見えたんです」

陶芸というものづくりにルーツがあるとはいえ、土から鉄、そして営業からものづくりというまったく異なる世界への挑戦。

「最初はものすごく不安で、わからないことだらけでした。たとえば金属の板があって、その上に別の板を立てて溶接するとき、板をまっすぐ立てて溶接しても冷めたときに傾いちゃうんですよ」

えっ!そうなんですか。

「えっ、て思いますよね(笑)。溶接するときは熱で膨張するんですが、冷えて固まるときに収縮してぎゅーっと引っ張られて傾いてしまう。これがやっかいで」

「このくらい傾くかなっていうのを予想して逆に反らせるとか、反対側にも同じくらいの熱量を加えて元に戻すとか。やり方はいろいろあるんですが、どのやり方がベストなのか今でも悩むことは多いですね」

何度も失敗を重ねながら試行錯誤していくうちに原因と理由を知り、それに対する答えがわかるようになってくる。予想がピタッとはまってくるようになると、しめたもの。

「僕も経験がない状態で入ってきました。チャレンジするのに遅すぎることはないので、やりたい気持ちが強いのであれば、1秒でも早くうちにきてくれたらって思いますね。なんだってつくれるようになりますよ」

「自分で考えたものをつくれる楽しさっていうのも知ってほしいし、これからつくっていくショップのスタートアップメンバーにもなれる。今はワクワク感でいっぱいですね」

取材の終わりに、代表の大住さんがこんなことを話してくれた。

「うちのキャッチコピーは、『自らデザイン+自ら制作=世界に一つ!』なんですよ」

「なにかをつくりたい、そして仕事で名前を残したいって思う人だったら、すごくいいところだと思うし、それをしたいと思う人に来てほしいですね」

もちろん評価されるものをつくるというのは、厳しいことも多いと思います。

その試行錯誤の過程も一緒に楽しんでいける。そんなチームの熱量が、いつかMATERIERのブランド力になるのかもしれません。

(2019/6/18 取材 稲本琢仙)

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