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みんなで掲げる暖簾
チームだからできることを
築100年の町家で

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

ホテル、カフェ、バー、レストラン、本屋さんのようなショップや、ときにはお寺や教会も。

そこが何をするための場所か、という境界はどんどんゆるやかになって、人が集まる場所は多様化してきている気がします。

自由にイベントを開いたり、何かを発信したり。新しいカルチャーを生み出していく。そのために必要なのは、「それ、楽しい!」という純粋な熱量と、共感しあえるチームだと思う。

そういう意味で今の「四季十楽」(しきじゅうらく)には、これから何か生まれそうな、いい予感がします。

四季十楽は、2016年に京都でオープンした町家ホテル。今回はここで働く人を募集します。

接客だけでなく料理もすべてスタッフみんなでやるという、ちょっと変わった職場。オープンから3年が経ち、スタッフのみなさんには、これからもっと挑戦してみたいことがあるようです。



四季十楽を地図で調べると、京都御所と二条城のちょうど真ん中あたり。

最寄りの地下鉄「丸太町」駅から歩くこと15分弱。四季十楽の白い暖簾が見えてきた。

築100年の大きな長屋を改装して、2016年にオープンした全10室のホテル。

中に入ると、窓辺の格子を通して穏やかな外光が差し込んでいる。こうした日本家屋ならではの良さだけでなく、実は随所にいろんなこだわりが隠されているらしい。

建物を案内してくれたのは、立ち上げからこの仕事に携わるリーダーの川上さん。

「四季十楽を運営している長谷ホテルシステムズという会社は、京都市内にもうひとつホテルを持っていて。僕はもともとそっちのスタッフで、このプロジェクトの立ち上げのときに、社内公募で手を挙げたんです」

話を聞きながら川上さんの後について進んでいく。

先ほど暖簾をくぐって入ってきたフロントから、サロンを通り、内側の扉から一度外へ出る。

そこは2棟の建物に挟まれた路地になっていて、両脇に客室の入り口が並んでいる。

「四季十楽には10人のクリエイターの方が関わってくださっていて。たとえばサロンと門扉は建築家の田根剛さん、家具のセレクトは小林和人さん、庭木は西畠清順さんにお願いしたんです」

たしかに、足元には可憐な植物が。

客室にも、ユニークなフォルムの椅子や、壁に掛けられた写真、さりげなく置かれた美術書など、随所にクリエイターの個性を発見することができる。それが、主張しあうことなくうまく調和している。

全部で10ある客室は、部屋ごとに間取りや家具が違い、ベッドタイプもあれば和室もある。

浴槽も、ヒノキ造りだったり、信楽焼の大きな陶製だったり。海外から、インテリアやアートに関心があるお客さんがやってくるというのにも頷ける。

築100年の町家。日々の掃除は別の業者が入るものの、スタッフも日々いろんなところに目を配り、手入れをしながら建物を守っていく。

「それぞれに個性のある部屋なので、予約するお客さまにもイメージが伝わりやすいように、これからHPなどでも工夫していきたいなと思います」

泊まるだけでなく「ここで過ごす時間」も、旅の目的になりそう。

お客さんの9割は海外の方だけど、英語力については必須ではないと川上さんは言う。

「語学力よりも伝えたい気持ちのほうが大事で。英語のメールとかは得意な人に手伝ってもらいながら、適材適所でやっていけたらいいなと思うんです」



そんな四季十楽の日々の仕事について教えてくれたのは、同じくリーダーの児玉さん。

「四季十楽の仕事で特徴的なのは、フロントとかレストランのように役割が分かれていなくて、全員がすべての仕事を担当するということだと思います」

朝の食事づくりから後片付け、フロント業務、観光のための周辺案内、メールチェック、事務作業、夜にはバーカウンターでお酒もつくる。働く時間帯は、シフトによって変動するとのこと。

各々の役割が固定されていないからこそ、状況に応じた「適材適所」を実現しやすいのかもしれない。

「今働いているスタッフも、前職の経験はさまざまなんですけど、視点が違うからこそいろんなアイデアやサービスを生み出していけると思っていて」

四季十楽のスタッフは、アルバイトも入れて全部で10人。

この日は川上さんと児玉さんも入れて5人のスタッフが集まってくれた。

それぞれの詳しい紹介は後に譲るとして、児玉さんから簡単にみなさんを紹介してもらう。

「僕と奥内は、うちの会社が運営していたカフェのスタッフだったんです。マルシェとかライブとかいろんなイベントをやる店で。そこのお客さんでありつつ、イベントのときは出店してドーナツを売ったりしてたのが吉田だったんですよ」

そのカフェでは、スタッフが自主的にイベントを企画したり、自分たちの手で準備を進めたり。

話を聞いていると、なんとも楽しそうなお店だけど、2013に閉店。児玉さんはそのタイミングで一度会社を辞めて、独立の準備をはじめる。

「ただ、やってみると一人でできることは限られているし、カフェで働いていたときみたいに『チームみんなの得意分野を生かしてお客さんを喜ばせる』っていう働き方がしたくて。それで、ここでの仕事をはじめたんです」

大きなホテルとは違い、スタッフも頻繁に顔を合わせながら仕事をする環境。仕事の連絡事項だけでなく、趣味の話をすることも多いのだそう。

一見たわいもない話で得た知識が、お客さんとの会話に生きてくることもある。

趣味と仕事がつながっているっていいですね。

「暮しが仕事、仕事が暮し、ですよ」

ちょっとあらたまった口調でまとめた児玉さんの言葉を受け、話をしてくれたのは、メンバーのなかで唯一調理の経験がある吉田さん。

「それは京都の陶芸家の河井寛次郎の言葉なんです。私がこの前記念館に行ってきたっていう話をみんなにしていて」

「私たちは普段、お客さんからレストランや観光施設について聞かれることが多いんですけど、まだ行ったことのないところも多くて。距離感とかまわりの雰囲気をつかむためにも、ちょっとずついろんなところへ行ってみるようにしているんです」

とにかく「見どころ」の多い京都。一人で全部を把握するのは難しくても、お互いに情報交換をしながら、チームとして引き出しを増やしていく。

休みの日にどこかへ遊びに行くと、「明日みんなに話そう」というのが楽しみなのだそう。

「ここの仕事は、自分のしたかったことが集まっている感じがします。もともと料理を食べるのもつくるのも好きだったから」

四季十楽の仕事のひとつは朝食の準備。料理家の冷水希三子さんが考えたレシピをもとに、スタッフで切り方や盛り付け方を工夫しながら、お客さんに提供する。

温かいスープや、季節の野菜がたっぷり入ったプレート、フルーツのジャム…。

扱う食材も多いし、盛り付けもとてもきれい。料理未経験のみなさんは抵抗なく始められたんでしょうか?

「最初は難しかったですよ。だから、毎日家でもちょっとずつ練習したりしながら、コツをつかんでいって」

そう話してくれたのは、奥内さん。小さいお子さんを持つお父さんでもある。

ホテル業というと、時間が不規則なイメージもあります。子育て中だと大変なことはないですか?

「家族がサポートしてくれている部分もあるので、負担がないとは言いきれないんですけど…。会社としても、自分や家族の時間を取ることを肯定的にサポートしてくれるから、やれているんだと思います」

四季十楽では、スタッフが休みを取って海外へ旅行に行くことも珍しくないという。

そこでの土産話が、また楽しそうですね。

「日々の業務は、わりと同じことの繰り返しかもしれないですが、スタッフからたくさんの刺激をもらえる環境だと思います。みんな自分の好きなことを仕事につなげるのがうまくて。それぞれのキャラクターを分かり合えているからこそ、適材適所で仕事ができるというか」

それぞれのキャラクター。たとえば吉田さんにとっての“料理”みたいなことって、ほかのみなさんにもあるんですか?

「うーん。達生(たつお)といえば、健康とか?(笑)」そんなふうに紹介されたのは、この日のメンバーのなかで最年少の山本さん。

「伏見から自転車で通っている」「靴のインソールにこだわってる」と、本人の自己紹介よりも、ほかの方から山本さんについてたくさんの情報が出てくる。

普段の会話も、目に浮かぶよう。

「この仕事をしていると、お客さまにありがとうって言ってもらえることがあって。お見送りのとき、たまに『誰々さんにありがとうって伝えて』って、僕じゃないほかのスタッフの名前が出てくることがあるんです。自分が褒められるより、チームが褒められるほうがうれしいんですよね」

山本さんから不意に「いい話」が出てきて、ほかのスタッフも「お〜」と、笑顔に。

「これは、ほんまに…!今まで言うたことなかったけど(笑)」



本当にフラットな関係性なんだな。

最後にもう一度、児玉さんにチームのこれからのことについて聞いてみる。

「たぶんこれから、世の中のカフェとかホテルとか、どんどん垣根がなくなっていくんじゃないかと思っていて。だから、この四季十楽っていう場を使って、もっといろんなことをやってみたいんです」

四季十楽は、祇園や四条河原町の繁華街からはやや遠いところにあり、宿泊するお客さんが近くで食事できる場所は少ない。

会社としても、このエリアをもっと盛り上げていくような仕掛けを考えているところ。

ここを拠点に提案する新しいプロジェクトは「食」なのか、あるいは「音楽」のようなカルチャーなのか。それは、新しく入る人の個性によって変わってくる可能性もある。

「新しい人が入ることで、またこの場所が変わっていくほうがいいと思っているんです」

新しく入る人も、輪の中に入っていくというよりは、一緒にチームの形をつくっていく気持ちでいられるといいかもしれない。

「この仕事ですごい好きな瞬間があって。晴れた日に暖簾を架け替えるんですよ。みんなで脚立に乗って、ちょっとずつ暖簾を抜いていく。そういう一人じゃできない仕事をしているときに、ああなんか幸せやなって思うんです」

はじめは十人のクリエイターが協力して、ひとつのコンセプトをつくりあげた宿。

個性が響きあうから楽しいこと。

これからも、チームの力がこの場所を盛り上げていくのだと思います。

(2019/12/2 取材 高橋佑香子)

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