求人 NEW

マイペースに、とことん
ちょっと内気で
知りたがりな人たち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

子どものころは、心ゆくまでじっくり取り組めたことも、結果や効率を求められる社会ではなかなか難しい。そんな場面がたまにあります。

好きなことや気になったことについて、もっと深めたい。

そんな気持ちを大切に働いているのが、東京建築PLUSのみなさんです。

東京建築PLUSは、店舗やオフィスの内装設計や施工管理を手がける会社。

この会社のスタッフは、文章を書いたり、写真を撮ったり、服をつくったり。仕事以外の時間も大事にしている人たちばかりです。

今回は施工管理者を募集します。決められた納期のなかで円滑に工事が進むように、設計者や職人とコミュニケーションをとりつつ、空間をつくっていきます。

一人ひとりの「好きなこと」が、プライベートを充実させるだけでなく、いい仕事にもつながっていくような環境だと思います。

 

都営三田線白山駅で降りて、駅前の大通りを歩く。

一本脇道に逸れると、そこには本屋や酒屋など、昔ながらの商店が立ち並んでいる。学校帰りの学生の姿も多い。

やがて駅から3分ほど歩いたあたりに、青いタイル張りの建物が見えてきた。

東京建築PLUSの事務所は、ここの2階。外からは様子がわからない。階段をのぼると、壁一面に本が並ぶ空間があらわれた。

「週末だけ本屋をやっているんです。もともと本が好きで、事務所を移転してくるときに、何かまちにひらけた場所をつくろうと思って」

そう教えてくれたのは、代表の中里さん。

中里さんが設立した東京建築PLUSは、今年で8年目。

リピーターを中心に、店舗やオフィスなどの内装設計や什器製作、施工管理を請け負ってきた。

「少しずつ組織になってきているなって。先輩が新しく入った子を育てたり、若い子たち同士で教えあっていたり。そういうのは見ていて楽しいですね」

「会社の雰囲気としては、少しゆったりというか。みんな内気かもしれないです(笑)」

中里さんの会話のテンポも、ちょっとゆっくり。一つひとつのことについて、じっくり考えながら答えてくれている感じがする。

「せかせかした人が多い業界ではあるんですけどね。内装工事だと、お店を休まずに工事をしたいお客さんも多いので、工期はだいたい1週間から1ヶ月。時間もタイトなんです」

そのなかで“ゆったり”を大切にできているのは、どうしてなんでしょう。

「ちゃんと考えることで、結果的に時間のロスを減らせているからですかね。現場での変更って、どうしても出てくるんですけど、それで計画がずれるとまた調整が必要になってくるので。極力なくすように、事前に細かいところまでしっかり考えるようにしています」

「私たちの仕事って、因数分解していくようなものなんですよね」

因数分解していく?

「工事の計画をたてるときに、細かく一個一個、個別のパーツにしていくんです。たとえば、この建物にはこういう壁が必要で、その壁をつくるにはこんな材料が必要で、とか。それを踏まえて、職人さんに工事の依頼をしていく」

「建物がどうやってつくられているか知っていると、細かい部分も指示できてスムーズに進むんです。追求していくうちに、左官屋さんが使う材料や道具のことまで教えてもらうようになりました。知れば知るほど面白いですね」

現場で職人さんの作業を見たり、つくりかたを教えてもらったり。経験を重ねるほど、空間づくりの知識は増えていく。

「急に2段飛ばしするような成長はできないけれど、一つひとつ覚えていくことでだんだん見え方が変わっていくのが、この仕事の醍醐味ですかね。だから、スタッフにはたくさん現場に行って、どんどん経験してもらっています」

 

「中里さんは、なんでも徹底的に知ろうとする。もう本当にすごいんです!」と興奮まじりに話すのは、入社2年目の林さん。

前職では洋服の生地を売る仕事をしていて、建築業界は未経験だったそう。

「もともと、ものづくりに興味があったんです。とはいえ、何かアイデアを考えたり、自分で手を動かしたりすることは苦手で。だったら、ものをつくっている人たちをお手伝いしたいなと思ったのがきっかけです」

施工管理の仕事は、お客さんとの打ち合わせから始まる。要望をもとに予算を決め、施工図に落とし込んでいく。

「施工図を書くのはまだまだ時間がかかります。数字に弱いので、長さの計算や空間把握に苦戦していて。施工図って、すごく細かいんですよ。ここに扉があったら、その扉をつけるための金具のことも把握した上で書かないといけない」

「迷惑をかけない程度に、自分のペースで進めている最中ですね。先輩から急かされることもないですし、一つひとつ丁寧に教えてもらえるのがありがたいです」

施工図ができあがったら、電気や水道、左官屋など、各分野の職人さんを手配。工事が始まれば、現場に入って進行管理を担う。

工事の最中に、突然設計者から変更の連絡をもらうこともよくあるそう。

「この前担当した案件は、かなり多かったですね。施工する順番って、左右どっちに扉が開くかだけでも変わってくる。日ごとに現場は進んでいくから、ときには職人さんがつくってくれたものを壊してもらう必要もあって」

「そういうときに『ここやり直してください』って伝えるのは、少し負担ですね…。職人さんから、強い言葉を言われることもあります」 

それは大変そう。現場に行くのが怖くなってしまいそうです。

「でも、そんなときも、休憩に入ったらいつも通り話しかけてくれるんです。工事の関係上仕方のないことがほとんどだから、引きずらなくていいんだって思うようになりました。その瞬間は落ち込むんですけどね(笑)」

「それに、職人さんって一番働いている人だと思っていて。自分の体、腕一つで、頼まれたことをしっかり期限内に納めている。真面目で誠実な職人さん一人ひとりについて知っていくのが好きなんです」

林さんは、職人さんの技術や人柄に興味があるんですね。

「一人ひとりの性格をよく理解して、この人はこう言ったら嫌がるだろうなとか、こうお願いしたら気持ちよくやってくれるかなとか、そういう観点からも考えることは多いですね。『こうやってください』って、押し付けるような言い方もできるけど、それではいい関係はつくれないと思うんです」

コロナ禍を通じて、リモートワークを導入したこともあった。けれども、人の温度感や言葉のニュアンスなどは、対面しないと伝わらないものもある。最近は以前にも増して、実際に顔を合わせることを大事にするようになったのだとか。

施工管理者は、建築や空間のことだけでなく、人に対しても興味の尽きないような人が向いている仕事なのかもしれない。

 

日本仕事百貨での募集を通じて今年の4月に入社したばかりの今井さんも、好奇心を大事にしている人。

「小さいときから、地図を見るのが好きでした。いろんな建物や歩道、まちなかの構造物や道のつながりを見るのが好きで。それで、まちをつくる人になりたいなって思ったんです」

大学では都市環境について学んだものの、いざ仕事にすることを考えたときに迷ったそう。

「大きい会社だと大規模な案件が多いから、建物ひとつにしても、自分のできる範囲って狭いんじゃないか。でも、それ以外でまちづくりに関われる仕事ってなんだろう?って思って」

就職先を探しているときに、たまたま日本仕事百貨の記事を読んだ。

「まず、本屋を運営している建築の会社って面白そう、と思って。それに、建物ができるまでの一連の流れに携われるのも魅力だなと思いました。現場に行くと、初めて知ることが多くて。これってこんなふうにできているんだって、毎回すごく新鮮です」

「たとえば学校の昇降口とかも、段差をつくるためにまず土台をつくって、その上に床をつくっていく。それが違和感なく、きちっとおさまるような工夫がされていたりとか」

壁や床、扉…。何気なく目にしている内装も、つくり方を知れば見方が変わる。ひとつを知ると、その先をもっと知りたくなっていくんだろうな。

「最近、打ち合わせから関わっていた工事が終わったんです。壁や天井が真っ黒、窓も塞がれた暗室みたいな研究室を、明るい会議室と執務室に変えるっていう案件で。図面と現場を見比べながら、少しずつ壁を明るくしたり、照明をつけたりして」

「工事中にも仮の照明をいくつかつけるんですけど、それだけだと薄暗いし、寒々しい感じになってしまって、どうしようかって。でも、配線工事が終わって照明をつけたら、すごく綺麗だったんです。いい場所になったなあって思ってうれしかったですね」

入社してからは、中里さんや先輩スタッフから学んできた今井さん。会社では、本の話で盛り上がることが多いそう。

「施工管理の仕事をしつつ、本屋の店番をすることもあります。最近、フリーペーパーもつくったんですよ」

本やイベント、まちのお店の紹介文。ところどころに写真やイラストも挿し込んである。

全部今井さんが担当したんですか?

「そうですね。本を読むのも好きだし、写真を撮ることや、イラストを描くのも好きだったので。趣味や特技を活かした作業にも取り組めるのは、バランスがとれていいなって思います」

文章を書いたり、写真を撮ったり。ここでの仕事と両立して、個人事業主として服をつくっているスタッフもいるそう。

仕事以外の時間も大切。

中里さんも、同じようなことを言っていた。

「仕事が順調でも、それで心のほうが一緒に喜ぶかっていうとそんなこともない。ときにはもっと不安になることもある、っていうか。不思議なんですけどね」

「小説ってレベルじゃないですけど、感じたことを文章にしていたこともありましたね。言葉で表現するのって、なんかロマンチックでいいなって。最近は、丸い座布団に座ってぼーっとしたりとか、親と出かけたりとか。そういう時間があるのが、すごくいいなと思います」

一歩踏み込んで、もっと知ろうとする。

各駅停車に乗って、道中気になるところで降りて、確かめながら進んでいくような。東京建築PLUSのみなさんは、知りたい気持ちと余白を大切にしながら、働いているんだと思いました。

(2021/7/8 取材 杉本丞)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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