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編集とクリエイティブで
街を変える
「場生む」シゴト

よい街って何だろう。よい商品って何だろう。

「自然あふれる街?それとも交通が便利な街?」「長持ちする商品?それとも売れる商品?」

場所によっても違うし、人によってもいろんな視点があると思います。

そのなかでも、リベラルな姿勢を大切に、企業や社会の課題を解決しているのが、株式会社バウムです。

あるときは飲食店のコンセプトを考え、同じ日に街単位の戦略を考える。あるときは商品のネーミングをすることも、楽曲をつくることもあります。

物理的なものに限らず、人の存在やアイデアに触れ、何かしらの変化や行動を引き起こすものを「場」と捉え、その「場」を通してよりよい未来をつくる。そのため、バウムが手がける仕事は多岐に渡ります。

たとえば丸の内仲通りのフラッグのメッセージ、リンゴのお酒「SON OF THE SMITH」のネーミング、コロナ禍に多くのお店で使われたコロナ対策ポスターなど。知らぬ間にバウムの仕事に触れていた、という人も多いのではないでしょうか。

今回は2つの職種を募集します。ひとつはメディアの企画・構成などあらゆる業務を担うエディター。もうひとつは、プロジェクトをまとめるディレクターオブプロジェクトアンドプレイス。

固定観念にとらわれることなく、多角的にものごとを考える姿勢が求められる仕事です。

 

日本仕事百貨のオフィスのある清澄白河から電車に乗ること25分。東京メトロ銀座線の外苑前駅で降りる。

バウムのオフィスは、駅から6分ほど歩いた場所。ワタリウム美術館の横に位置するビルの4階にある。

エレベーターが開いてすぐに目に入るのが、大きな本棚。パーテーションのように機能していて、手前が打ち合わせスペース、奥が執務スペースになっているみたい。

はじめに話を聞いたのは、代表の宇田川さん。

バウムは、宇田川さんが12年前に立ち上げた会社。

「小学生の頃の夢は区役所の街づくり推進課でした。街を歩く日プロジェクトや児童館を巡るプログラムに参加したり、インフラ整備ではなく楽しみ方を提起するかたちで街への視点の変化を促す取り組みに、夢中になって」

アイデアひとつで、社会の価値観を変えられるということに可能性を感じた宇田川さん。宣伝の会社に就職した後、独立してバウムをつくった。

実際にはどんなふうにプロジェクトが組み立てられていくのだろう。たとえばと教えてくれたのは都心部の再開発事業。具体的な街の名前は公開できないけれど、誰もがよく知る有名な街だ。

開業当初からあった大型施設が入れ替わり、商業施設も完全リニューアルすることに。新たな施設では、イートインや買い物など食を楽しめるエリアのほか、ワークプレイスもつくられる。

集客のメインターゲットは定まりつつあったものの、より解像度を上げてアプローチできるようにしたいという相談をきっかけに、バウムもプロジェクトに加わることになった。

「再開発をすることで、どんな未来をつくりたいのか。この街にとって、いいことってなんだろう。そのいい状態をつくるのに必要な人たちってどういう人たち? 今いる人たちとどう違うんだろう? そんなふうに考えていきます」

デベロッパーも施設単体の利益ではなく街全体との相乗効果を考えている。だからこそ複合型施設にどんな人が集まるかで、街の未来も変わっていく。

「ビルを建てるのはもちろん大事だけれど、再開発後の未来にはどういう人たちがいて、どういう営みがある街にしていくのかを想像するのも大切です。短期的な経済的成立性も重要ではあるけれど、10年、20年たったときの持続可能性と必ずしもイコールではなかったりする」

以前に定められたターゲット像の定義は抽象的な部分があり、取り組む人によって解釈が変わってしまう可能性があった。

「たとえば、そのターゲットになる人たちは、いまどこにいるんだろう。平日の過ごし方、週末の過ごし方。子どもはいるのかいないのか、子どもがいたらどういう日々を過ごしているのか。具体的な暮らしの仮説をつくって、検証して、イメージをつくっていきます」

戦略的なターゲットを定めて、クライアントとともに実現していく方法を考えていく。

そこで、施設レベルではなく、街全体に関わる季節の行事と、街の変化を伝える街メディアの開発に取り組むことに。

「その街は知名度も高く、出来あがった街のイメージを持たれがちなところがあって。再開発を通して、日々起こる新しい動きをつぶさに伝えていくことで街の変化を戦略的に導いていくことを考えています」

街で働く人や集まる人について取材し、紹介することで、エリアに関わる人たちの視点やあり方を知るきっかけをつくっている。

たとえば、未来的なコンセプトでリニューアルされた公園の設計者にフォーカスした記事。リニューアルした美術館の学芸員の仕事に迫る記事。街の人が考える、感覚的な街の境界線について描き出すコラムなど。

街をさまざまな視点から切り取った記事を読んでいると、「自分ならどう考えるだろう?」とインスピレーションがわいてくるような気がする。

今回エディターとして新しく入る人は、こうした街のブランディングに関わるオウンドメディアの運営に携わり、全体のディレクションを担うことになる。

「基本的に街のことに関わるメディアがほとんどなので、街とか都市論みたいなことへの静かなる情熱がある人に向いている仕事です」

「一般的なWEBメディアだと、何人に届いたかってところが目標になってくると思うんですけど、数字は手段のひとつであって、目的ではない。たとえば、街を訪れる層を変えていって、街を長期的に変化させていく、とか。街の未来に必要なメディアを考えてつくっていける人がいいと思います」

 

次に話を聞いたのは、ディレクターオブプロジェクトアンドプレイスの松沢さん。前職はIT会社で、システム開発のプロジェクトマネージャーを務めていた。

「最近だと、楽曲をつくることもありました。気候変動に取り組む機関から、自分たちが今後つながっていきたい若者に対してどうしたらアプローチできるのか、ご相談をもらって」

環境問題は世代によって認識のグラデーションも大きいため、特にこれまで興味関心を持ってこなかった若い世代にも契機をつくりたいという相談。

どうすれば関心を持ってもらえるだろう。

社内外のクリエイターなどと話し合いを重ねるなかで松沢さんたちが提案したのは、音楽を通して気候変動の問題に触れるきっかけをつくることだった。

楽曲制作を依頼したのは、アーティストのSIRUPとShin Sakiura。どちらも若い世代に人気のアーティストで、里山で自然の音をフィールドレコーディングして曲をつくった。録音したのは、気候変動が進んだ未来には存在しない自然の音。つまり10年、20年後にはなくなってしまう音で曲をつくりあげた。

「出来上がった曲は、いわゆる環境系の楽曲ではなくて、ダンスミュージック。何も知らない人が曲を聞いていいなと思って調べていくと、曲の背景にある気候変動の問題についてリーチできる。そんな仕組みをつくりました」

環境問題を解決したい。その想いをストレートに表現することも大切だけど、巻き込める人はどうしても限られてしまう。

バウムが大切にしているのは、ユーモラスな視点。商品や言葉など、メッセージを受け取った人が楽しいと感じるものなら、自然と心も動くし、行動も変わっていくはず。

メディアやデザインだけでなく、楽曲のプロデュースまで。あらためて多様なアウトプットが求められる環境だと思う。

「本当にいろんな仕事が舞い込んできます。同じやり方や同じスケジュール、同じメンバーでできるわけではないなかで、どうすれば円滑に進められるのか考えることは多くあります」

「わたしの役割はスケジュールや予算を前提としながら、プロジェクトを前に進めることが基本。クリエイティブなスキルを持っているメンバーを集めて、何を提案するか、そのためにどんな調査や検証が必要か、提案が決まったらネーミングはどうするか。そんなふうに話す場を設けてガイドすることが大事なんです」

クライアントをはじめ、社内のスタッフ、一緒に仕事を進める外部スタッフなど、関わる人は多い。電話やメール一つひとつを丁寧に対応する姿勢も求められる。

 

最後に話を聞いたのは、クリエイティブストラテジストの伊藤さん。普段は、プロジェクトの戦略を考える役割を担っている。

入社したのは、昨年の12月。前職では広告代理店に勤めていた。

「幼少期にバレエを習っていて、1年に一回、市の文化会館で発表会をしていたんです。ただ中学生の頃、『芸術は余暇活動で、経済に何も効果がない』みたいな理由で、その会館が取り壊されそうになって」

「『文化や芸術は余暇活動だから、コストカットしましょう』という、ひとつの視点から街をつくるのはどうなんだろうって、その頃から疑問に思っていたんです」

その後、海外に留学をした際、中学生の頃の体験とは異なる光景を見た。パブリックセクターが文化と芸術を前向きに捉えて、積極的に人々が触れる機会を設けていたのだという。そうして徐々に、人に新しい視点を持ってもらえる仕組みと場を作る仕事をしたいと思うように。

「新卒では広告代理店に入社したんです。ただ、キャンペーンセールみたいに、どうしてもダイレクトに売り上げを上げるための見せ方が多くて」

「それはそれで大事な視点なんですけど、自分のやりたかったことはもう少し、いつの間にか何かに興味を持っているとか、知らず知らずに変化が起きているとか。バウムでは、自然と新しい視点をもたらすきっかけづくりがしやすいと感じています」

どんな人と働きたいかと聞くと、「1つの事柄に対して、複数の視点で捉えられる人がいいですね」と、伊藤さん。

ものごとの捉え方ひとつ、見せ方ひとつで、人の行動は変わる。バウムのみなさんの話を聞いて、さまざまな可能性を求めて考え抜くことを大事にしているのが伝わってくる。

最後に、代表の宇田川さんの話が印象に残っています。

「ちょうど昨日、社内でユーモアの話をしたんです。ユーモアっていうのは、その事象に対する深い理解と、少しのいたずら心でできている。いたずら心は、楽しむ気持ちっていうんでしょうか」

「プロジェクトのなかには、シリアスなものもあります。そんなとき、ユーモアが役に立つこともあると思うんです。提案にユーモアを入れて、真面目そうなクライアントさんがGOサインを出してくれるとき、その瞬間が、一番仕事をしていて楽しいかもしれません。せっかく仕事するなら、前例のないこと面白いことをしていく方が楽しいじゃないですか」

本当にいい状態とは何だろう。とことん考えるのは簡単なことではではないと思うけれど、その分やりがいも大きいと思いました。

(2022/10/13 取材 杉本丞)

※撮影時は、マスクを外していただきました。

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