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子どもも大人も
素直に、自分らしく
生きる力を育む場

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

最近、よく耳にする「自分らしさ」という言葉。

それが何か、簡単に答えが出ない人も多いと思います。

もしかしたら、目の前のことに純粋に取り組む子どもたちと触れあうことで、自然と自分らしさが見つかっていくのかもしれません。

キンダリーインターナショナルは、小学生の子どもたちが放課後に通うアフタスクール(民間学童施設)を運営しています。

キンダリーでは日々の遊びに加えて、「起業家になろう!」というコースや、洋服づくりや演劇などのプロジェクト型学習コースなど、子どもたちの未来を生きる力を育む学習も取り入れています。

今回募集するのは、ここで子どもたちをサポートするスタッフ。東京の勝どき、豊洲、明石日本橋にある3つの校舎を行き来することになります。

教育分野の経験は重要ではありません。大切なのは、子どもと一緒に成長していきたいという気持ちです。



都営大江戸線の勝どき駅。

駅前の大きな公園を抜けると幼稚園や小学校があって、子どもたちの声が聞こえてきた。

数分歩くと、教育関連の施設が集まるビルが見えてくる。そのビルの2階にキンダリーインターナショナルの勝どき月島校がある。

中へ入ると、週末のハロウィンパーティーに向けて、オレンジを基調とした賑やかな装飾がされていた。

笑顔で迎えてくれたのは、代表理事の森さん。

「前職で海外企業と仕事をしていたときに、海外の方ってしっかりと自己主張するし、すごく自信があるんだなと感じて。どうして、そんな自信をもった人になるんだろうって気になったんです」

教育に興味が湧いて日本の学校教育について調べてみると、自分が子どものころとほとんど変わっていない。

時代はどんどん変化しているのに、未来を生きる子どもの教育が変わっていないことに、危機感を覚えた。

とはいえ、一から学校をつくるのは時間がかかりすぎる。放課後の学童保育なら何かできるかもしれないと考え、2012年にキンダリーインターナショナルを創業した。

創業当時は遊びから学ぶワークショップなどを通して、子どもたちが自分の好きなことや、強みに気づくきっかけをつくることを重視していた。

「ただ、コロナ禍になって学童保育の需要がすごく減って。あらためて『生きる力』とは何か? どのように生きる力を育むことができるか? など、事業の価値を見直すきっかけにもなりました」

これまでのプログラムは、単発で終わるものが多く、継続的な学びにつながりにくいという課題があった。

そこで新たに生まれたのが、小学1年生から活動できる「プロジェクト型学習」や、小学3年生から始められる「起業家になろう!」というコース。

「起業家になろう!」ではテキストと動画を組み合わせて、自分なりに考えた事業アイデアをアウトプットしながら、子どもたちが自走して学べる仕組みになっている。

「この間、ぶどうとプラレールが大好きな子どもが、その2つを掛け合わせて『ぶどう農園でプラレールを走らせる様子をYouTubeで生配信する』というアイデアを思いついたんです」

「これ、ビジネス的にも面白いと思って。そんなぶどう農園に行きたいと子どもが言ったら、連れて行く親が絶対いると思うんですよ」

森さんは早速、プラレールの組み立てを仕事にしている人とコンタクトをとった。その人とアイデアを思いついた子どもをオンラインでつないで、話を聞く場を設けたという。

「アイデアがどこまで実現できるかはまだわからないけれど、話すことで好きなことを仕事にできると子どもが実感できるし、自分のアイデアが社会に出ていく喜びも得られると思います」

子どもの自己肯定感や生きる力を育む取り組みは、保護者からの反響も大きく、キンダリーに通う子どもたちの数も増えているそう。

「教育の本質って、社会のなかで自分の居場所を自分で見つけるお手伝いをすることだと思うんです」

子どもにとって、自分の想いに真剣に寄り添ってくれる大人がいることは、きっとうれしいと思う。

「内発的動機から活躍できる人を社会に増やしたい。できるかどうかじゃなくて、やりたいかどうかで行動できる人と一緒に働きたいですね。自分の選択肢を広げたいって人には、すごく向いているんじゃないかな」

 

次に話を聞いたのは、入社3年目の岡崎さん。

前職では着物や時計の販売をしていた。自分が本当にやりたいことを考えたときに思い出したのは、学生時代のサークル活動。

「サークル主催の子どもを対象にした図工のワークショップが、すごく楽しかったんです」

子どもと楽しく関われる仕事を探していたところ、日本仕事百貨で出会ったのがキンダリーだった。

子どもたちと日々遊ぶことは楽しかったけれど、トラブルが起こったときはどうしたらよいかわからず、最初は悩んだそう。

「先輩スタッフの対応をそばで見てみたんです。そしたら、大人が『こうしなさい』って解決するんじゃなくて、30分でも1時間でもじっくりと話し合う時間を設けていて。子どもたちが自分で解決していくことが大切なんだと気づきました」

とはいえ、その場ですぐに子どもたち同士で話し合えることばかりではない。

「悲しくなると、うまく話せなくなっちゃう子もいて。そんなときはまず、子どもの気持ちを確かめられるよう、別室で落ち着ける時間を設けたり、スタッフが1対1で話したりします」

友だちに強く言われると悲しくなってしまう子がいれば、意見をはっきりと言ってもらえないとイライラしてしまう子もいる。

スタッフは子どもたちの橋渡し役として、子どもの気持ちをゆっくりと紐解きながら、ケースバイケースで対応をしていく。

「時間はかかりますが、解決したあとの子どもたちの表情を見ると、スッキリできたんだなって感じます。はじめはどう対応するのかむずかしいかもしれませんが、楽しいところでもあると思いますね」

キンダリーが大切にしているのは、素直な感情。それは子どもたちだけでなく、一緒に時間を過ごすスタッフ自身も。

「運動遊びが好きな子がいたんですけど、私、運動がすごく苦手なんです。はじめは運動遊びに付き合わないと、その子にきらわれちゃうんじゃないかと思って」

「でも、『運動すると疲れちゃったり、体が痛くなっちゃうんだよね』と自分の想いを正直に伝えてみたんです。そしたらその子がだんだん理解してくれて、私が得意な絵を描くことや工作をするときに頼ってくれるようになって」

大人になると、ときどきありのままの自分を隠してしまうこともあると思う。

子どもたちと触れあうことで、自分のなかにも少しずつ変化が生まれるのかもしれない。

「昨日、選択制のプログラムで磁石の実験をしたんです。磁石って生活に身近なものだし、わざわざ実験しなくても知っていることが多いんじゃないかと思って」

子どもたちは、磁石の実験を楽しめるのだろうかと心配だった岡崎さん。

ところが、いざ始まってみると条件を変えて何度も実験したりと、子どもたちは想像以上に熱中。

「いい意味で裏切られたって思いました。子どもたちが純粋に楽しんでいる姿を見ていると、私ももっと純粋に楽しまないとなって。いろんなことを子どもに気づかされたり教えてもらったりしている感覚は、ずっとありますね」

入社して3年。4月からは自ら希望して、スタッフを指導するトレーナーの仕事も担っていくことに。

「変化が好きで飽き性なので、よく3年も続いているなと自分でも感じるんです。この仕事は常に変化や課題があるし、子どもたちの成長は本当に早くて。毎日違った面白さがあるんだと思いますね」

「子どもたち数人から同時に『はるちゃん来て!』って呼ばれるときは、今でもどうしようってなります。うれしいことなんですけどね(笑)」

そう話す岡崎さんの顔には、笑顔が浮かぶ。



最後に話を聞いたのは、入社4年目の小山田さん。

学生時代、就活や勉強、サークルなど、すべてを頑張りすぎて塞ぎ込んでしまったときに、気分転換として誘われたのが、キンダリーでのインターンだった。

「子どもと関わる楽しさを感じて。こんな仕事をしたいと思いました」

インターンののち、キンダリーに入社。入社当初は、目の前の子どもの想いを受け入れようと全力で仕事に取り組んだ。

体を動かすのが好きな子どもと長時間遊んだり、頼まれたらずっとおんぶをしてあげたり。

子どもの願いを叶えようと思うあまり、疲れていても無理することもあった。

「そんな僕を見ていたスタッフに、『それだと子どもは大人の気持ちがわからない。大人も正直な気持ちを伝えることが大切だよ』と教えてもらいました」

現在、小山田さんが担当しているコースのひとつが「プロジェクト型学習」。工務店、洋服屋、劇団という3つのグループに分かれて、チームでものづくりをする学習なのだとか。

たとえば工務店コースでは、ノコギリで木を切ったり、トンカチで釘を打ち込んだりなど、はじめはスキルを身につけるために個人でものづくりをしていく。

だんだんと集団作業が増えていき、3学期になるころには、キンダリーのみんなで使うものをチームで形にしていく。

昨年までにつくってきたのは、キッチンの棚や、新しく入る友だちにキンダリーを知ってもらうすごろくなど。どれも子どもたちのアイデアがもとになっている。

「今は、工務店コースで使う工具箱をつくっています。ただ昨日、数人の子どもから『なんでつくっているのかわからない』という声があがって」

どうしたらいいだろうかと悩んだ小山田さんは先輩に相談。チームのこれまでを振り返りつつ、対応を考えていった。

「そもそも工具箱をつくることになったのは、散らかる工具をまとめたい、みんながすぐに見つけやすい工具箱をつくりたい、という子どもたちの意見からスタートしたんです」

「ただ、つくることに目が向いてしまって、自分も子どもたちと目的を共有できていなかったかもしれないと気づいて。つくったあとのゴールを、時折子どもたちと再確認することも大事だとわかりました」

現在、契約職員の小山田さんは、さらなるステップアップのため、4月より正社員として勤務するという。

「キンダリーで子どもたちの成長をサポートしていたら、自分ももっと成長していきたいと思うようになりましたね」

 

子どもも大人も素直な気持ちを表現しあう、キンダリーのあり方が印象に残りました。

まっすぐに目の前のことを楽しむ子どもたちと関わるうちに、きっと本当の自分らしさが見えてくると思います。

(2022/10/25 取材、2023/3/17 更新 小河彩菜)

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