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嘘をついて売るくらいなら
正直でいて苦労する
家族と暮らす文化づくり

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「嘘をついたり、大げさに言ってものを売るのが嫌なんです。そんなことするくらいなら、正直でいて苦労したほうがよっぽどいい。その結果、『ありがとう』って言ってもらえるのがうれしいんです」

正直でありたい。納得できる仕事をしたい。

そうは思っていても、さまざまな人と関わったり、ものをつくって売るという仕事をしていると、ちょっと良く見せたり、つい効率を優先してしまうことってあるんじゃないかと思います。

今回話を聞いたのは、自分たちにも社会に対しても正直でい続けることで、仕事をつくってきた人たちです。

たかくら新産業は、オーガニックやナチュラルな成分を使い、ボディーケア製品や食品、ペット用品をつくっている会社です。

つくっているのはどれも、自分が欲しいと思えるもの、そして家族に安心して使ってもらえるもの。つくり方も伝え方も、徹底的に正直であることを大切にしています。

今回はペット用品を扱うチームで、営業担当を募集します。即戦力を求めているため、営業経験があるとうれしいそう。合わせて販売促進のためのデザイン、広報を担当する人も探しています。

これまでの経験を活かして動物に関わってみたいと思う人、とにかく正直に働いていきたい人に知ってほしい仕事です。

  

たかくら新産業の事務所があるのは、東京・西麻布。

六本木駅から歩いて8分ほどのビルを上がると、打ち合わせスペースのあちらこちらに製品や什器が並べられている。

「イベントの前で、ちょっとバタバタしてるんです。どうすれば商品のことや自分たちの想いが伝わるのか、自分たちで考えていくから大変なんですよ」

慌ただしく動くスタッフの様子を、なんだか楽しげに紹介してくれたのは代表の高倉さん。

百貨店やアパレルブランドで働いたあと、「日本にはまだないもの」をコンセプトに世界中から商品を輸入するようになったのが29年前のこと。

さまざまなものを目利きするなかで、大げさなうたい文句で商品並べ、よく見せようとする売り方に疑問を持つようになった。

「食品と違って、コスメにはルールがほぼないんです。商品の中に0.1%でもオーガニック成分が入っていれば、オーガニックって大きく書いても誰も怒らない。そのことに僕は衝撃を受けました」

「自分で本当に納得のいくものじゃないとイヤだと思って、オーガニックコスメをつくることにしたんです。大切な人に使ってほしいと思える、絶対的に自信があるものしかつくりません。オーガニックとナチュラルなものをデイリーユースにする、日常のなかで使えるものにするというのが、僕らのミッションです」

シャンプーやボディークリーム、消臭スプレーや食品など、生み出してきた製品やブランドはさまざま。オーガニック成分をなるべく多く使い、その比率も正直に表記している。

人のライフスタイルに合わせたものづくりと平行して行ってきたのが、ペットのケアに使える商品の開発。

はじめるきっかけになったのは、会社立ち上げ当時、スタッフの一人がファルコンという名前のゴールデンレトリバーを会社に連れてきていたことだった。

「当時から『ペットは家族』って言われていたものの、ペット用品はケミカルな成分しか使っていない、ひどいものしかなかった時代で。ファルコンのためにいいものが欲しいよね、自分の愛するペットに本当にいいものを使いたいねって、探すようになったんです」

オーストラリアで出会った犬用のシャンプーを仕入れるところからはじまって、今ではナチュラルな成分を使った「APDC」、オーガニック成分を使った「made of Organics」、ペット用のサプリメント「Treatibles」などのオリジナルブランドを展開している。

ペットをより大切な存在として受け入れるようになってきた時代の流れもあり、たかくら新産業のブランドを愛用してくれる人は年々増えている。

「人の商品であろうがペットの商品であろうが、考え方はまったく変わりません。自分が本当に大事だと思っている相手に自信を持って使ってもらいたいもの。勧められるもの以外はつくらない、売らないっていう考え方をしています」

なかでも最近力を入れている商品のひとつが、猫用のシャンプー。

「猫は洗わなくていいっていうことが、日本では常識のようになっていますよね。それって昔、外でも飼っていたようなころの話で。今って猫の種類も増えているし、なにより猫って犬より皮脂が多いんです」

「キャットショーの世界、猫のプロは洗うのがあたりまえだったりして。いろいろ話を聞くうちに、やっぱり洗う習慣をつけたほうがいいよねってことになったんです。犬のものとはまったく別物として開発してきたので、完成まで4年もかかっちゃったんですけどね」

高倉さんは大学の先生やお医者さん、ときには農家さんなど、さまざまな人と会い、話すことを大切にしている。

そのなかで疑問に感じたことを深堀りしていった結果、商品ができていくことが多いそう。

ただ、猫を洗う習慣がない日本で猫用のシャンプーをつくっても、なかなか売れないような気がします。

「そうなんです、ただ商品を出すだけでは無理なんですよ。だから今僕らがやっているのは、猫を洗うカリキュラム、キャットブックの制作です。ブリーダーやトリマーのスペシャリストと一緒に3年かけて、猫はどういう生きものなのか、どういう洗い方をすればいいのか、細かいことがわかる本をつくっているんです」

シャンプーを売るというより、猫を洗うことをあたりまえにしたい。

それは商品をつくるというより、文化をつくっていくようなことに近いのかもしれない。

「ただものを売るとか、よく見せるっていうことではなくて、うちにとって大事なのはその商品に意義と意味があるかどうか。それがあることによって、猫が快適になったり、犬のオーナーさんとの暮らしが心地よくなればいいなって。常識にとらわれず、ペットにとってベストなものってなんだろうということをいつも考えています」

「だから、それをつくった意味から話さないと商品のことが伝わらないんですよね。みんながよく知らないものを、なぜつくったかという想いから伝える必要がある。その想いを相手に伝えるのが営業、想いを見える形にするのがデザイナーの仕事です」

  

伝える役割を担っている営業チームのメンバーは現在3人。リーダーとしてチームを引っ張っているのが、話し上手な鈴木さん。

「最初は電子部品の商社で働いて、友人と一緒に会社を経営していた時期もあります。次になにをしようか考えていたとき、たかくらの求人を見つけました。ちょうど犬を飼っていたこともあって、動物のため、命に関わる仕事をすることに興味を持ったんです」

ここで営業として働きはじめたのが12年前のこと。

ペット用品を扱う問屋さんに製品を紹介したり、イベントに出店したり。ペットショップを回り、バイヤーさんと直接やりとりすることもある。

「できあがったマーケットのなかに、売れそうな商品を投入していくっていうのが一般的な営業のやり方だと思うんですけど。うちってマーケットをつくるところからはじめるので、ちょっとわかりにくいんですよね。商品のことだけではなくて、うちの企業の考え方、こういう気持ちで商品をつくっているっていうことも一緒にお伝えします」

「自分たちの想いをよく知ってもらうためには、足繁く訪問してお店の方と話したり、サンプリングをさせていただいたりしながら関係をつくっていくことがやっぱり大切で。どんなに便利に情報を得られるようになっても、根底にあるのは人と人。人から直接聞くことって、これほどぐっとくるものはないと思うんです」

納得するまで時間や手間をかけてつくった商品を伝えるときも、大切にしているのは誠実であること。

とはいえ営業として商品を売るとき、少しでもよく見せたいという気持ちが強くなってしまうことはないんだろうか。

「嘘をついて売れたとしても、お互いにハッピーな気持ちにはならないと思うんです。この会社では、そういったことを一切しない。地道な仕事ではありますが、正直な気持ちで商品を紹介できるのがいいところですかね」

ナチュラルやオーガニックな成分を使っているため、価格や使い心地などを他社製品と比べたとき、弱いところがあるのも事実。

営業中にお店の方やお客さんから、その部分を指摘されることもあるそうだ。

「ごまかしてもしょうがないですから、そういうときには、正直に『そうなんです』って言っちゃいます。それでもおすすめできるポイントがあるので、それを丁寧に伝えていくだけですね」

「店員さんと信頼関係を積み重ねて商品のことを深く知ってもらう。結果、それが飼い主さんにも気に入ってもらえて、犬もおそらく喜んでいる。そう考えると、すごくいい仕事をさせていただいているなって思うんです。こう話してると、僕、なんかすごいいい人みたいですね(笑)」



営業チームと一緒に商品の伝え方を考えているのが、マーケティングや販促ツールの制作を担当している永田さん。

トリマーとして働いたあと、マーケティングの仕事をしていた永田さん。たかくら新産業に入社したのは2年前。

これまでの経験をフルに活かして、今はマーケティング関連の仕事を1人で担当している。

「店頭に設置する制作物をつくったり、ECサイトに掲載する文章を書いたり。イベントごとがあるときにはその構成も考えます。私からアイデアを出すこともあれば、営業さんが店頭を回って企画を相談してくれたり、社長が『これやってみようよ!』ってアイデアをくれたり」

今は来春の新商品発売に向けて、3つのブランドの販促物やWebサイトの更新などを並行して進める慌ただしい日々を送っているそう。

「本当はもっとお店を回りたくて。画面上で集められる情報って、自分のいいように解釈しちゃうというか、どんどん利己的になっていってしまう。実際に足を運んで店員さんから話を聞きたいんです。そのほうが絶対利他的にできるというか」

利他的にできるって、どういうことですか。

「うちの会社って、営業もマーケティングも商品開発から関わるので、どうしても開発側の視点が強くなっちゃうんですよね。たとえばパッケージの表面より、裏面に書いてある成分のところを見てほしいって考えすぎてしまう。お客さまの視点を積極的に取り入れないと、自分本位になってしまうなって」

今回話を聞かせてくれた3人は、日々の仕事を大変だと言いながらも、楽しそうに話をしてくれるのが印象的でした。

その清々しさや健やかさは、きっと、自分にも社会にも正直でいられる日々から生まれているんだと思います。

(2022/11/8 取材 中嶋希実)

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