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楽しいから、続いていく
100年後の地球に
わたしたちができること

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“地球を守るのは、これが最後のチャンスです”

小学生のころ、環境問題について調べる授業の時間に、そんな一節が書いてある本を手に取りました。

最後のチャンスって、一体いつまでなんだろう?

そのとき感じた疑問を、20年近く経った今も覚えています。

大人になって環境問題について考えると、簡単には解決できない、本当に大きなテーマだと感じます。

そんな気持ちを抱えて取材に行ったら、環境ビジネスエージェンシーのみなさんがとても楽しそうに働いていて、驚いた。

楽しみながら取り組むから、持続していく。それが結果的に地球のためになる。

とても気持ちのいい考え方で働く人たちを紹介します。

株式会社環境ビジネスエージェンシーは、その名の通り、環境分野でビジネスに取り組む会社。

企業の環境に関する法令遵守をサポートする「コンサルティング事業」と、植樹ツアーをはじめとした環境関連のイベントや、企業と連携した森林保全プロジェクトを推進する「森林循環事業」の二軸で活動しています。

今回募集するのは、森林循環事業の企画運営スタッフと、主にコンサルティング事業をアシストする事務スタッフ。そしてそれぞれの事業でSNSをはじめとする情報発信全般を担う広報スタッフです。

環境や自然を守ることを自分の仕事にしてみたい。そんな想いを抱いたことのある人に、ぜひ読み進めてほしいです。

 

環境ビジネスエージェンシーのオフィスがあるのは、東京・神田の小川町。

あたりにはオフィスビルが並んでいて、まちを歩いているのはビジネスマンが多い。小川町駅を出てすぐの大通り沿いにある、小さなビルの8階へ。

出迎えてくれたのは、代表の鈴木さん。明るくパワフルで熱意があり、こちらの話にもしっかりと耳を傾けてくれる方。

「この分野に最初に興味を持ったのは大学時代です。一般教養科目で環境問題を学んで、ちゃんと取り組んでいきたいと思って、授業の担当の先生と3年間みっちり学びました」

仕事でもこの分野に関わりたい。先生に相談すると、環境に関する法令遵守が必要なメーカーへの就職を勧められ、大手製紙会社に入社する。

「でも、なかなか希望の部署には行けませんでした。もっと環境側面にダイレクトにアプローチできる仕事がしたくて。本当にやりたいなら自分で立ち上げるしかないと、1999年に創業したんです」

コンサルティング事業と森林循環事業という、ふたつの軸で事業を展開してきた環境ビジネスエージェンシー。

コンサルティング事業では、企業の環境法令遵守をサポートしている。

「昔、公害が社会問題だった時代は、自社の工場がちゃんと環境法令に則っているか、把握して管理しているプロフェッショナルがどの会社にもいたんですよ。今、そういう人たちが退職して、社内に詳しい人がいなくて困るケースが増えていて」

「私たちは、そのような定年退職したシニアコンサルタントさん7人と契約しています。問い合わせをいただいた企業のニーズにあわせて彼らをコーディネートして、課題解決を行っているんです」

もうひとつが、森林循環事業。今回、とくにこのスタッフを募集したい。

事業の中心は、「Present Tree(プレゼントツリー)」。企業と個人からの寄付や協賛をもとに、荒廃しつつある全国各地の山で植樹をして、地域と交流しながら10年間ともに育てていくプロジェクト。

一部、寄付にまつわる部分の仕事は、鈴木さんが同じく代表を務めるNPO法人環境リレーションズ研究所のほうで担っている。オフィスは同じで、スタッフも多くが兼務しているそう。

「日本は国土の67%が森林です。でも、山の持ち主さんが高齢化して面倒を見切れなくなった、伐採後に再植林できていない森も多いんです。100年後、日本の人口は3分の1、そのうち半分が高齢者になるとも言われる中で、今以上に山を護る人は減っていきます」

「そうなると問題になるのが、気象災害ですね。台風や豪雨で山がどんどん崩れていっちゃうと。そんな時代でも、森を美しいまま未来に向けて存続させるための仕組みづくりに取り組んでいこうとしています」

 

森林循環事業の事業部長が、2018年に入社した石森さん。新しく入る人の直属の上司になる。

「プレゼントツリーは、森林再生と地域振興、これを同時に実現するプロジェクトなんです」

北海道から九州まで、全国にある8ヶ所の植栽地。

各地の自治体・山の所有者・森林組合と、環境リレーションズ研究所で10年間の協定を結び、森林保全の体制をしっかり整えたうえで、里親さんと呼ばれる個人や企業から植樹のための寄付を募っていく。

「たとえば、木を使ったぶんだけ還元しようという製紙会社さんや、森を増やすことでCO2排出量を補いたいという自動車会社さんが、里親さんにいらっしゃいます」

商品の販売個数に応じて植樹する化粧品会社があったり、ペーパーレスに取り組む会社は紙の削減量に応じて植樹したり。

エンドユーザー名義で植樹証明書を発行しているのも、喜ばれている。

「企業さんの事業領域に応じたご提案ができるので、継続性が高いんですね。長い時間のかかる取り組みをお願いしているので、無理がないことが大切。支援が長く続いていくのは、私たちとしてはすごくありがたいことです」

関わりのある企業は40社以上。各社との打ち合わせや現地イベント・視察、プロジェクトレポートの作成などがあり、年間を通して仕事は多い。一般企業での勤務経験がある人だと、安心して任せられるそう。

1年のなかでとくにいそがしいのが、春と秋の植樹シーズン。

各企業がイベントを開催するほか、自分たち主催の植樹ツアーを毎年実施しているので、全国各地への出張が続くそう。

「ツアー内容は地元の方たちと一緒に企画します。地域振興もこの事業の目的なので、おすすめの飲食店やお土産屋さんをツアーに組み込んだり、地域のみなさんと交流ができるようなプログラムを入れたりしていて」

たとえば、今年で3回目のツアー開催になる、熊本県の山都町。毎回40名ほどの参加者を募り、植樹と観光ツアーを実施している。

前回は、地元の方との味噌づくり体験や、現地のエコツアーガイドに名所を案内してもらうなど、個人旅行ではなかなか体験できないコンテンツを豊富に取り入れて、とても評判がよかったそう。

「リピーターさんが多くて、とても励みになるんですよ。10年続く取り組みなので、通ってくれる地域のファンをつくることができる。地域の方にも喜んでもらえています」

そのほかには、URBAN SEED BANK(アーバンシードバンク)というプロジェクトも展開。

里山の在来種の種から育てた苗木を都市の緑化に使うプロジェクトで、プランターなどの商品開発し、販売している。

盆栽をつくるワークショップなども定期的に開催しているそう。

環境にいい活動をしようというだけでなく、関わるみなさんが楽しんでいる感じがしますね。

「それが前提かなと思います。楽しくないと心に残らないですし、楽しいから続いていくんです。難しく入るのではなくて、空気がきれいとか、食事がいつもよりおいしいとか、そういうところから、もっと知りたいなって思っていただけるといいのかなって」

それは、今回募集する人にも言えること。

少しでも共感する部分があったら、そこをきっかけに広げていけると思う。

 

「自然がすごく好きで、森や山に関わりたいと思って入社したんですが、ほかにも海やエネルギーなど全部が大切で、つながっていることを知りました。働くなかでそういった知識を身につけられることも、モチベーションになっています」

そう話すのが、宮崎さん。入社2年目と、社内では一番の若手スタッフ。結婚を機に富山に移住し、今はリモートで働いている。

前職ではホテルの企画部に勤務。

自然豊かな山梨県上野原市で生まれ育ったこともあり、自然に関わる仕事をしたいと思ったのが、入社のきっかけだそう。

「森林循環事業では、その土地に合った種類の木々を植樹していて。人間の開発のためじゃなくて、自然や生きもののことを考えた森づくりに、とても共感しました」

「それと、やっぱり変化を起こすには大きい会社や組織を巻き込まなければいけない。一般の方へのアプローチとあわせて、両輪でアクションできるところがすごくいいなと思っています」

今は、経理やシステムまわりの事務業務を中心に、広く各事業のアシスタントを担当。エリアによっては、植樹イベントにも参加している。

社内でも社外でも、年上の人と関わる機会の多い環境だそう。プレッシャーはありませんか?

「クライアントの上層部の方に直接連絡することや、イベントや食事会でお会いすることは多いです。自分で直接いろんなところにアクションしていける機会だと思って、不安に感じすぎず前向きに捉えています」

自然と関わる仕事だけれど、人とのコミュニケーションを大切にすることも重要、と話す宮崎さん。

社内は、7名中6名のスタッフが女性。とはいえ、男性スタッフの方も気兼ねなく楽しそうに働いていて、風通しのよさを感じる。

唯一リモートワークの宮崎さんも、問題なく仕事がすすめられているそうで、社内のコミュニケーションがうまく交わされていることが伝わってきた。

 

最後にふたたび、代表の鈴木さん。ずっと考えていたことを聞いてみる。

環境問題という大きなミッションに向かう仕事に、途方もない気持ちになることはないんでしょうか。

「ここを立ち上げたときは、2015年には全都道府県にプレゼントツリーの森が広がっているつもりだったんです。でも全然達成できていないし、環境法令サポートも、導入企業1000社を目指していたけれど実際はまだ120社くらい。どれもこれも、自分で思っていた以上に時間がかかります」

「でも、『無理かも』と思ったことはありません。結局達成できなかったことでも、できると思って10年突っ走って、その結果リピーターさんはとても増えています。ずっとサポートしてくれている自治体さんとも、関係性を深められていると思います。その結果、できることの幅が広がりました」

達成できなかったぶんの目標は、2030年までに延長している。

無理だとは感じないけれど、いつか達成する前に自分の寿命が尽きてしまうのでは、と思うことはあるという。

「自分ができなかったことを引き継いでもらうためにも、次の世代にちゃんとバトンタッチしていかなきゃと思うんですよね」

最近、Z世代とともに環境問題を考えるプロジェクトに取り組んでいるという鈴木さん。

「みんな、よく学ぶし、食らいつく。つくりたい未来がしっかりあるから、大人たちに何を言われてもへこたれない」

「環境問題って時間がかかります。森だって、植えたら100年が当たり前の世界ですから、絶対そのとき生きていないし。そうなったときに、先を託せる人たちがちゃんといてくれるのは、すごく大きな希望ですよ」

今回の募集も、次の世代に届いたらうれしいと、鈴木さん。

環境問題に取り組むことを仕事にできるんだ。そんな発見を感じる人がいてくれたらうれしいです。

わたしたちが思う以上に、この地球のためにできることはあるのかもしれません。

(2023/2/20取材 増田早紀)

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