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いつもの日常に
楽しいスパイスを添える
デザインギフトショップ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

花器やオブジェなどのインテリアに、毎日使うキッチン用品。

使うとき、ふと店員さんとの思い出が蘇るものがあります。

モノに変わりはないけれど、その記憶は料理に加えるスパイスのように、日常に少しの彩りを添えてくれるように感じます。

今回伺ったデザインギフトショップ「KONCENT(コンセント)」は、生活が豊かになりそうな個性的な商品と、その魅力をスタッフのみなさんが楽しそうに話す姿が印象的でした。

運営元のアッシュコンセプトは、デザインで社会を元気にしたいという想いからつくられた会社。

今回は、販売スタッフを募集します。

雑貨好きはもちろん、人とのコミュニケーションや、ものごとのバッググラウンドを知ることが好きな人は、きっと楽しめる仕事です。



東京駅に降り立ち、丸の内方面へ。

駅のそばにある横断歩道を渡り、KITTE丸の内に入る。エスカレーターで3階へ上がり、すぐ目の前にあるのがKONCENT。

平日の11時すぎ、オープン直後の店内には、お客さんがすでに数組。

入り口にある商品を見ていると声をかけてくれたのは、店舗統括の中森さん。

挨拶もそこそこに、まずは店内を案内してもらうことに。

花器、掃除用品、食器、文具、アクセサリー、洋服…。いろんなものがあって、見ているだけでも楽しいなぁ。

「このイエティが、私のおすすめで」と紹介されたのは、ふわふわの毛に包まれたつぶらな瞳のぬいぐるみ。

「イエティ=雪男なんです。家のソファにいたら、なんかいいじゃないですか(笑)」

一見クールな感じの中森さんが持っていると、なんだかイエティがよりかわいく見える気がする。

目はヴィンテージのボタンで、一体ずつに個性があるイエティ。展示会で中森さんが一目惚れして仕入れ始め、以来KONCENTの人気商品なのだとか。

KONCENTのアイテムはイエティのような仕入商品と、クライアントと共同開発をしたパートナーブランドの商品、自社ブランドの「+d(プラスディー)」や「h tag(アッシュタグ)」といった3つに大きく分けられる。

運営元のアッシュコンセプトは、自社ブランドの+dから始まった。

「もともと、代表の名児耶(なごや)の実家が生活用品メーカーを営んでいて。外国だと有名なプロダクトデザイナーは名前が前に出てくるのに、日本にはその文化がないことがずっと気がかりだったそうです」

デザイナーがモノに込めた想いをしっかりと伝えたい。そんな想いから、2002年にアッシュコンセプトを立ち上げた。 

+dの商品の裏にはデザイナーの紹介と、デザイナーのメッセージが書かれている。

自社商品をつくっていると、一緒に商品をつくりたいと、メーカーから相談をもらうように。共同開発するパートナーブランドとともに、扱う商品がどんどん増えていった。

「いろんなショップに商品を展開していただいていたんですが、そろそろ自分たちの想いをお客さまに直接届ける場所がほしいと思うようになって」

そこで中森さんが中心となり、2012年に初店舗となるKONCENTを蔵前に立ち上げた。

「うちの店は目的があって買いに来られる人はほぼいないんです。商品を見て、『なんかよさそう』とか『楽しい』と思ってもらえることが大切で」

今も時折、店舗に入り接客するという中森さん。

「この間、あるお客さまがキッチンブラシを見ていたので、『普段、根菜の皮はむいていますか?』と話しかけたんです。そしたら、むいているという回答で」

自宅で根菜の皮をむく代わりに、そのブラシで洗っていた中森さんは「これで洗えるので、皮をむかなくてもいいんですよ!」と続けた。

「実際に使っているものだから、説明にも熱が入ってしまって。買うそぶりがあまりなさそうな方だったんですけど、『よさそうなんで買っていきますね』と。気持ちが伝わったんだな、と思いましたね」

日頃から、スタッフには商品を積極的に使うよう声をかけているという。

日用品だとその場で使い心地を試せないことも多いけれど、スタッフから実際の使用感を聞くことで、使ってみようと思うきっかけになるのかもしれない。

「お客さまには、一方通行の商品説明ではなく質問しながら対話をするように、とスタッフに伝えています。スタッフからの問いにお客さまが返して、新しい提案をもらえたらきっとうれしいし、スタッフも質問することで、同じ商品でも全然違った接客ができる良さもあるんです」

あらためて店内を見てみると、スタッフとお客さんのほうから、時折笑い声が聞こえてくる。

接客というよりも、対話という感じ。なんだか楽しそう。

自分がスタッフだとしたら、こんな自然な感じで接客できるだろうか…。

「そうですよね。ただ、接客に苦手意識があるけれど、うちで頑張りたいと入ってきたスタッフもいて。そのスタッフは入ったときと比べたら、今では驚くくらい表情がイキイキとしているんですよ」



「店長だったとき、そのスタッフと数ヶ月一緒に働いたんですけど、はじめは本当に心配でした。中森に相談したら、『時間がかかるかもしれないけど、意志はあるから大丈夫』と言われて。信じて待ってみたら、本当に変わっていきましたね」

うれしそうに話すのは、塩木さん。店長などを経て、現在はオフィスで店舗運営を担っている。

前職は地元長野の不動産会社で働いていた。違う仕事をしてみたいと思い、退職して上京。

仕事が決まるまでアルバイトをしようと、友人から紹介された日本仕事百貨で偶然見つけたのがKONCENTだった。

「実は、KONCENTのことは知らなかったんです(笑)。でも、記事に出てきた人がみんなワクワクして働いている感じがして。しかも、面白そうなモノがたくさんあって楽しそう!って思ったのを覚えています」

面接前、初めて訪れたKONCENTで商品を見ていると、スタッフが気さくに話しかけてくれたことも印象的だった。

「楽しい会話で面接の緊張もほぐれて。こんな人たちと一緒に働きたいな、と思いました」

別の会社に就職するまでの予定が、気づけば社員となり今では入社6年目。

KONCENTで働く面白さってどんなところなんでしょう。

「商品開発からお客さまに届けるまで、一貫して自社でできることだと思います。とくに、自社で1からかかわっているものだと、仕入れたものより思い入れも強くなる。うちにしかない強みかなって思います」

塩木さんのお気に入りは、「風を感じるマグネット」というコンセプトのカゼグルマ。

どこか懐かしさを感じる風車が、優しい風でくるくる回る。さりげない動きで、日常生活をより新鮮なものにできたら。そんな想いが込められている。

和柄が施されたものや、桜など花に見立てられたものもあって、くるくると回る姿を見ていると不思議と穏やかな気持ちになる。

「入院した知り合いにお見舞いで持っていったことがあるんです。ちょうど桜が咲く時期だったんですけど、病室って外の空気も感じにくいし、景色もあまり見られない。お花見代わりにカゼグルマを楽しんでもらえたらと思って」

後日、病室のベッドにつけて気分転換に毎日吹いているよ、と知り合いから連絡が入ったという。

もし、そんなエピソードをスタッフの人から聞いたら、自分も誰かにプレゼントしたくなりそうだ。



最後に話を聞いたのは、入社4年目でKITTE丸の内店の店長を務める伊藤さん。

前職は京都にある通信業界の会社で営業をしていた。

お客さんと話すのは楽しかったけれど、ちゃんと想いが込められていて、心からおすすめできるものに携わりたいと思うように。

そんな会社がないかと探していたときに、日本仕事百貨でKONCENTと出会い入社した。

「『これなら欲しい』とお客さまに思ってもらえるようなお声がけは、はじめはむずかしいと感じるかもしれません」

たとえば、と教えてくれたのは、キノメというコーヒードリッパー。

キノメは植木鉢の形に見立てた磁器製のドリッパーの中に、木の芽が生えている。コーヒーの粉が土の代わりとなり、そこに水をあげるようにハンドドリップを楽しめるという仕組み。

「見た目のインパクトから見てくださる方は多いんですが、5000円を超えるものなので、すぐに買おうとはなりにくくて」

あるとき、キノメを見ていたお客さんに「普段からよくコーヒー淹れられるんですか?」と聞いたところ、紙のフィルターを使って毎日コーヒーを淹れていることがわかった。

キノメは紙を通さないぶん、豆が本来持つ香りや油分が紙に吸収されずに淹れることができる。同じ豆でも味が変わることや、手入れの簡単さなど、商品の性能を伝えた。

加えて話したのは、デザイナーがキノメに込めた想い。

「リモートワークに伴って、家でコーヒーを淹れる時間が増えた人も多い。水やりするようにコーヒーを淹れられたら、その時間も楽しく過ごせるんじゃないか、という想いからキノメは生まれたんですよ、とお伝えしました」

「つくり手の想いもお伝えすると、共感していただけることが多くて。味が気になって試してみたくなったという方や、コーヒー好きな方へのプレゼントとして買われる方もいらっしゃいました」

商品のストーリーは、実際の製造に携わる人に展示会で話を聞いたり、社内の説明会で覚えたり。さらに知りたいことがあれば、つくり手に直接連絡をして聞くことも。

一つひとつの商品に込められた想いを、目の前のお客さんにどう伝えていくか。

はじめはむずかしいかもしれないけれど、うまく伝わったときのやりがいは大きいと思う。

「来店されるお客さまはKITTEにお買い物に来た方もいれば、観光客の方、丸の内のオフィスで働いている方も多いですね」

駒形本店などの路面店と違い、商業施設内にあることに加えて、エスカレーターで登ってすぐ目の前という好立地。お客さんの数も多そうだ。

「路面店と比べたら、お買い物がしたくて来店される方は多いように感じます。でも、こちらが意識しないとお店を通り過ぎてしまうお客さまが多いので、入店時のお声かけは大切ですね」

「こんにちは」の挨拶や、ときには「外は寒かったですか?」といった問いかけからお客さんとの会話が始まることも。

このお客さんなら、どんな声かけだと楽しんでもらえるだろう。そんな想像力も大切なのかもしれない。

どんなときもお店を見渡せるよう、伊藤さんは体の向きや視線の方向に日々心を配っているという。

「ワクワクしながら商品を見ているお客さまを見るだけで楽しいんですけど、やっぱりお客さまからの言葉に元気をもらうことが多いですね」

「『あなたがそう言ってくれるから買おうかな』とか、『この前は教えてくれてありがとう』とか。そんな一言がうれしいんです」



取材後の自宅。「本当に汚れがよく落ちますよ」と、伊藤さんにおすすめしてもらったクレーパーという金たわしを使ってみることに。

なかなか落ちずに困っていたガスコンロの焦げ跡が、簡単に落ちてびっくり。

ピカピカになったガスコンロを見て、楽しそうに接客をする伊藤さんの表情を思い出しました。

気になった人はぜひ一度、KONCENTに足を運んでみてください。

お店の雰囲気とユニークな商品、そして心地いい接客。実際に目で見て、感じてほしいです。

(2023/1/31 取材、2023/8/2 更新 小河彩菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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