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ロジカルなのに型破り
ユニークなアイディアで
中小ビル再生のプロになる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

築年数の古いオフィスビル。何十年も借り手が見つからず、「どうしようもない」と諦められている物件も少なくありません。

でも、たとえばその物件を自由にリノベーションして使うことができたら?ビルから見える川沿いの景色が絶景だったら?

テナワン株式会社は、ユニークな発想と緻密な戦略で「お困り物件」の課題を解決する会社。

自分たちで古いビルを借り上げてリノベーションすることもあれば、光熱費の定額制やオフィスシェアの推進など、費用をかけずに差別化させることも得意とする。

中央区、港区などの都心5区を中心に、福井県など地方の物件も手掛けています。

これまでは、代表の石田さんが先頭に立って会社を引っ張ってきました。今後は、石田さんだけでなく、みんなで知見を共有し、アイディアが飛び交う組織にしていきたい。

私たちもファシリテーターとしてお手伝いしています。

今回は、不動産管理の担当者を募集します。経験は問いません。リノベーションや企画、日々の管理業務など。不動産に関するあらゆる仕事を担当します。合わせて、事務作業などの補助スタッフも募集します。

 

六本木駅から歩くこと8分ほど。

車が行き交う西麻布の交差点に到着する。

交差点の近くには、小泉元首相がブッシュ大統領と会談したレストラン「権八」が店を構え、上空には首都高が架かる。

テナワンのオフィスがあるのは、そんな都会の一等地。

ガラス張りの少し古びたビルの中に入ると、リノベーションされたおしゃれな空間が広がる。

10年以上借り手がつかずに放置されていたスペースを借り上げて改装、シェアオフィスとして運営しているんだそう。

「うちは、こういう中小ビルに特化していて。古いビルを借り上げて、再生する事業をしています」

教えてくれたのは、テナワンの代表、石田さん。

大学で建築を学んだ石田さん。マンション開発を行う不動産会社に就職し、プロパティマネジメントからアセットマネジメントなど不動産にまつわるあらゆる経験を積み、16年前に独立した。

どうして、中小ビルの運営を始めたんでしょう。

「中小ビルの運営に特化した会社って、住宅系に比べて圧倒的に少ないんですよ。体感でいうと1:9か、それよりも少ない。地方によっては競合が全くいないところもあります」

「もともと、ビル運営に関してはトップクラスの実力があると自負があって。この知見を持って中小ビルの業界に行けば、敵はいないんじゃないかなと思ったんです」

独立後、最初に借り上げたのが20年近く放置されていた日本橋の中古ビル。

そのころはちょうど、東日本大震災が発生した直後。三越駅から徒歩2分と立地はよかったものの、築60年のビルに興味を持ってくれる人はほとんどいなかった。

さらに当時は、リノベーションという言葉も知られていなかった時代。改装して中身をきれいにしても、築年数と面積、家賃などで判断されてしまう。

「会社員時代に扱っていたビルは、建物自体が立派だったんですよね。だから、理詰めでしっかりマーケティングすれば借り手が見つかった。でも、古い中小ビルはそれだけじゃ解決できないと痛感して」

転機となったのが、空室を活用して行ったアート作品の展示。

「リノベーションを手伝ってくれた子のなかに、アート作品をつくっている子がいて。『立地もいいし、場所が空いているなら作品を展示させてくれませんか』って言われたので、使っていないスペースを貸したんです」

珍しい取り組みが話題となり、メディアにも取り上げられるように。注目を集めたことで、入居者も見つかり半年ほどで満室になった。

「いかにユニークだと思ってもらえるかが重要だと学んで。痒いところに手が届くサービスとか、常識を破った新しいオフィスのかたちとか。そういうほかにはない強みをつくっていこうって思いましたね」

その一つが、西麻布にある別のビル。

「築50年くらいで、内装もボロボロ。リノベーションを勧めたんですけど、オーナーさんからは1円もかけたくないと断られてしまって」

「苦肉の策で、原状回復不要でDIYができる物件として貸し出してみたんです。当時は、オフィスの貸し出しは、原状回復をするのが業界の当たり前。でも、元がボロボロだから、これ以上悪くなることはないなと思って(笑)」

貸し出してみると、デザイン事務所などオフィスにこだわりのある人たちが入居。4フロア中3フロアをDIY可能物件として貸し出すことができた。

ほかにも、賃料のクレジットカード払いや、光熱費の固定化。ビルの周辺のおすすめのランチスポットを記した地図の作成など。

戦略的なマーケティングをベースに、常識にとらわれない柔軟なアイディアで数々の中古ビルを再生してきた。

ただ、こうした知見は属人的なものになっていて、会社全体で考えて、蓄積・共有する機会があまりなかった。石田さんもどんどんアイディアが浮かんでくるタイプなので、ほかのスタッフが声を上げる機会も少なかったんだそう。

今後は、それぞれが持つ知見やアイディアを共有する環境をしっかりつくっていきたい、と石田さん。

日本仕事百貨も、外部のファシリテーターとして一緒に話をしながら、より活発にコミュニケーションをとれる組織づくりに関わっている。最近は石田さんも、みんなの話をじっくり聞くようになってきた。

 

社内のスタッフは、組織の変化をどう思っているんだろう。

続いて話を聞いたのは、ビルのリーシングや、管理運営を担当している小林さん。

組織づくりのためのプロジェクトチームにも参加し、ほかのメンバーと協力しながらコミュニケーションを活発化する方法を考えている。

「普段はそれぞれが別々の仕事をしていたり、外に出ていたりするので、雑談をする機会が少ないんです」

「でも、最近はみんなでランチに行くことも増えました。いろんな人の考えが聞けるのが面白い。こういう話って、業務的なやりとりだけでは生まれないから、もっと気軽に交流できる機会をつくっていきたいです」

以前は、内装工事会社に勤務。仕事があまりにも忙しく、転職を考えているころに知人の紹介でテナワンと出会った。

「面接のためにはじめてここに来たときに、ビルの入り口を見て『古いビルだな』ってガッカリしたのを覚えてます(笑)。でも、中にはいったらすごく素敵な空間が広がっていて。古ビルの再生って面白そうだなって思ったんです」

現在は、都内のビルなど6つの物件を担当。ビルの修繕などのスケジュールをオーナーさんと考えたり、空室を埋めるための対策を考えたり。ほかにも入居者の入居手続きなど、ビルの運営管理に関わる業務を多岐にわたって手掛けている。

印象に残っている担当ビルとして教えてくれたのが、田町にある物件。

コロナをきっかけに入居者が一気に退去。5部屋が空室になってしまった。

リモートワークが進む中、企業のオフィスを誘致するのは難しい。空室を埋めるために考えたのがオフィスではなくサービス店舗への貸し出し。



「これまでにも、整体やネイルサロンなどの問い合わせが多くあったんです。ただ、週末と夜にビルのエントランスを閉じてしまう管理体制で。不特定多数を受け入れる業態には向いていませんでした」

「エントランス問題を解決するためにはインターホンを設置すればいい。ただ、有線のインターホンだと、大掛かりな工事が必要でかかる費用も多くて。ほかの方法を探していたら、無線で使えるものを見つけたんです」

すると問い合わせが増えて、空室が一気に埋まる。設置にかかった費用もインターホンの利用料をテナントに請求することで償却できる。

「この仕事って、楽しい話だけじゃなくて賃上げとか、退去とかネガティブな話をすることもあるんです。だから、打たれ強い人。明るく受け流せる人が向いているかなと思います」

「私も、最初のころはオーナーさんとうまくいかなくて逃げ出したいと思ったこともありました。でも根気強く向き合い続けて、今では一緒にヨガに行くオーナーさんもいますよ」

入居者やビルのオーナーとちょっとした雑談をするなど、交流を楽しんでいるという小林さん。

いろんな人と関わる仕事だから、人を好きになって交流できる人が向いているんだろうな。

 

小林さんの話を頷きながら聞いていたのは、パートスタッフの村上さん。

契約書の作成や、物件の写真を加工するなど小林さんの補助を担当している。

「働き始めて、もう10年も経ちます。びっくりですね。こんなに長くいるつもりはなかったんですけど(笑)」

テナワンが主催するビルの空き部屋を活用したアートイベントに参加したのがきっかけで、入社することに。

「テナワンの仕事って、一見ボロボロで価値を見出してもらいにくいビルのなかから、見えない価値を再発見して社会に還元していくことだと思っていて」

「私が美術でやってきたことと似ているんです。働いていてすごく勉強になることが多いですね」

インスタレーションと呼ばれる空間全体をつかった作品をつくるアーティストとしても活動している村上さん。地域に滞在しながら、その土地の価値を再発見し、作品として表現している。作品づくりのため、数ヶ月にわたり地方にいくことも。

「こういう働き方を許してくれるフレキシブルな会社で、すごく助かっています。私みたいなちょっと変わった人間も雇ってくれる会社なので、そういういろんな視点を受け入れてくれる会社であり続けてほしいなと思っています」

 

取材の最後、あらためて石田さんに会社の未来についてお話を聞きました。

「社名のテナワンって、僕の地元の福井県の方言で『やんちゃ坊主』っていう意味なんです」

「この名前みたいに、ユニークなものをみんなで生み出し続けるやんちゃな会社でありたい。そうじゃないと、自分たちも面白くないし、事業としてもうまくいかないと思うんです」

今までも、これからも。

柔軟なアイディアと、経験に裏打ちされた確かな知見で、業界のこれからを切り開いていく。

古いビルが増えていくなかで、このスキルが必要とされる機会も多いと思います。「困った物件」を生まれ変わらせる、面白い仕事だと思います。

(2024/12/09 取材 高井瞳・ナカムラケンタ )

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