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「手に職」の先へ
自分だからできる
仕事を極める

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「手に職」という言葉をよく耳にします。

ずっと働き続けることができるような、一生もののスキルや経験を身につける。

そのさらに先、「あなただから頼みたい」と言われる代わりの効かない仕事に、三鷹テントのみなさんは取り組んでいると感じました。

お店の軒先のアイキャッチとなるテントや、庭の日よけ用タープ、それ以外にも布をつかうオブジェやアート作品など。幅広く手がけている三鷹テント。

お客さんとの打ち合わせ、テントのデザインや製作、現場での施工などを担うスタッフを募集します。

適性によって主な業務は変わりますが、担当案件を持ち、トータルでお客さんと関わっていくのは全員共通。

手先の器用さは必要ですが、ものづくりの仕事は未経験でも大丈夫。自分のなりわいとして、テントの仕事に真剣に取り組んでいきたいという人を求めています。

 

三鷹テントのオフィス兼加工場までは、三鷹駅からバスで10分ほど。スーパーの目の前にあるバス停で降り、一軒家が立ち並ぶ住宅街を歩いて数分で到着する。

オフィスに入ると、スタッフのみなさんが出迎えてくれた。

「今は私も入れて4人です。よかったら全員に話を聞いてください」

そう話すのは、代表の菊地さん。仕事には厳しい方だけれど、「眼鏡とったほうが若々しく見えるかな」と笑うお茶目な一面も。

家具づくりの仕事を経て、義理のお父さんから三鷹テントを引き継ぎ、14年。

他社では実現できないようなデザイン性の高いテントや、技術的な難易度が高い空間づくりの案件など。

挑戦を続けることで仕事の幅を広げ、業界では唯一無二の地位を築いてきた。

「コロナ禍を経て住宅の庭につける日よけタープの依頼が増えました。今もその流れは変わっていなくて。専用サイトをつくった効果もあって、大きな軸のひとつになっているんです」

家で過ごす時間を充実させるため、そして近年の夏の暑さを凌ぐため。

個人のお客さんからの依頼に加え、大型施設や別荘などをつくる設計事務所から、プラン段階で声がかかることも増えている。

「そのままだと設置できない場合は柱を立てたり、そのための金具も一から考えたり。業界でそこまでやっている会社はほかにいないんじゃないかな。コツコツといろんなことをやっていくと、差別化できるようになるんですよ」

「頼めるところが見つからなくて、ネットで探してやっと見つけた、というような声もよく聞きます。いろんな話が来ますけど、それをなるべく取りこぼさないようにしたい」

たとえば最近は、日本中央競馬会から直接相談を受け、コースの細かな砂塵を回収するためのカバーの開発に関わった。試行錯誤を重ねて実用に至り、全国の競馬場に納品することに。この先10年は続く大きな案件だという。

「おもしろくて楽しい仕事もあれば、コツコツと継続する地味な仕事もありますよ。自分たちが提供する付加価値をきちんと認めてくれることが、依頼を受けるかどうかの判断軸になっています」

昨年度の売上は過去最高。事業は順調だけれど、菊地さんは課題も感じている。

「やっぱり自分が引退したときに、なくなる会社にはしたくない。どうやって会社を存続させていくか、最近すごく真剣に考えています」

過去の日本仕事百貨の募集では、毎回採用につながっている三鷹テント。

長く活躍する人がいる一方で、技術力を上げきれなかったり、ものづくりは好きでも自分のペースで働きたいと、退職していった人たちもいる。

「円満退社の人がほとんどなんですけどね。やっぱり2〜3年で辞めちゃう人ばかりだと、教える私の体力も続かないから」

「正直今は、継続案件だけでも手一杯なくらい。事業を広げないのもありかなって悩んだこともありますけど、やっぱりもうちょっとは伸ばす方向で考えたい。だから、本当にうちに合う、将来の戦力になってくれる人をちゃんと採用したいんです」

厳しさもはっきり伝えてくれる菊地さん。外から想像するよりずっと、求められるレベルは高いんだと思う。

覚悟を持って日々の仕事に取り組めるなら、きっとテントの仕事を一生のなりわいにしていけるはず。

「少しずつ自分が中心になる案件は減らしていって、サポートにまわりたいですね。今までやってきたことは全部教えられますから、あとはスポンジのように吸収してくれればね」

「知らないことを貪欲に吸収しようとする人は、勝手に覚えていきますよ。こっちが教えなくても気になったらすぐに聞いてくるような人のほうが、きっと伸びていくだろうなと思います」

 

今まさに、いろいろな仕事を習得しているのが、猫本さん。前回の日本仕事百貨の募集で入社し、1年ほど経つ。

もともとは新卒で入社したIT企業で、約4年エンジニアとして働いていた。

幼いころから手を動かしてものをつくることが好きで、ものづくりの仕事に転職を考えはじめたころに三鷹テントの求人を見つける。

「そこで初めて、テントをつくる仕事があるんだと知りました。まちの風景としては見ていても、テント自体を認識していたわけじゃなかったので」

「ものづくりもできるし、会社としてもしっかりしている。直感的にここに入りたいと思いました。お客さんのこだわる気持ちを汲んで、一緒につくり上げていくような仕事がしたいって、ずっと考えていたことがぴったりハマった感じがしたんです」

三鷹テントの仕事は、お客さんと直接のやりとりがほとんど。

打ち合わせで要望をヒアリングし、CADやIllustratorなどのソフトを使い、設計とデザインをする。仕様が決まったら、生地の裁断と縫製、加工。最後に現地で取り付けて完了となる。

入社してすぐは、練習用のフレームに合わせて、テントをつくることから。

一通りの型を学んだあとに、少しずつ実際の案件を手がけていく。

「最初に担当したのはピザ屋さん。3色のストライプをどんな色や柄にするか、ソフトの使い方を教えてもらいながら自分でデザインして。かわいいものが仕上がりました。施工に立ち会って、お客さんともお話できたのがうれしかったですね」

働いていて、大変だったことはありますか?

「きれいに張るためにどうつくるべきなのか、すべて計算ベースで考えることですね。テントの角ってちょっと丸まっているので、その部分をどれくらいの“R”にするかとか。社会人になって初めて円周率を使いました (笑)」

「あとは、会社として成り立たせるために、ちゃんと売上や利益を意識しなきゃいけないこと。時間をかけて丁寧につくるだけじゃなくて、どれだけ短い時間でいいものを仕上げるか。それが求められるのが現実なんだと、再認識しています」

手仕事的なものづくりをイメージしていると、ギャップが生まれるかもしれない。

でも、ビジネスとしてものづくりをする以上、スピードを意識することも欠かせない視点なのだと思う。

 

社内で一番長く働いているのが、入社9年目の相馬さん。

「まだまだ菊地さんには注意されますね。でも最近は少し減ったかな」

相馬さんは自分の担当案件に加え、ほぼすべての案件で施工を担当。

「今は男手が自分だけなので、それでもまわる体制づくりをしています。テント組合の知り合いに作業をお願いして、自分は現場監督として立ち会ったり。自社でやるときは、独立した男性スタッフが外注で関わってくれているので、手伝ってもらったり」

現場は、車で行ける関東圏内が中心。取り付けは長くても数時間ほどなので、1日に複数現場を回ることも。

施工前の現地調査なども含め、週に2日ほどは外出している。

「真夏でも屋外での作業になるので、肉体的にもハードです。現場の仕事はそんなにきれいな仕事ではなくて。とくに男性は取り付けに行く機会も多いので、そういうのにあまり抵抗がない人のほうがいいですね」

「それでも自分はテントの仕事が好きなんだなって、最近すごく感じています」

テントの仕事が好き。とくにどんなときに感じますか?

「家族で出かけて自分が担当したテントを見かけたら、子どもに『これお父さんがやったんだよ』って教えられる。完成したものを見られるのが一番うれしいですよね」

「競合が少ないから、けっこう儲かる仕事だというのも実感します。自分で一通りの仕事ができるから、古くなっているテントを見かけたら営業もできるし。これからもずっとテントの仕事をやっていきたいと思っています」

そんなかたちで相馬さんが担当したのが、ある洗車場の案件。プライベートで訪れた洗車場で名刺を渡したことから、仕事につながったという。

車を洗うスペースの仕切りや、敷地の外を囲む幕など、布製の部分を広く張り替えた。

「社長さんとすごく仲良くなって。配管パイプの交換とか、トイレを新しくつけたいとか、看板を取り替えたいとか。テントに関係ない相談でも、なにかあったら電話してくれるんですよね。自分が窓口になって、対応してくれる業者さんとつないでいます」

三鷹テントというより、相馬さん自身に仕事がついているみたい。

長く働き続けることで、自分だからこそできる仕事が増えていく。

 

それは、入社6年目の川島さんも同じ。

日本仕事百貨の記事を通じて入社した川島さんは、来春に三鷹テントを卒業し、生まれ育ったロンドンに渡る予定だ。

「いろんな案件に触れるなかで、大学で学んでいたテキスタイルに近い方向に進んでみたいと思って。イギリスへ修行に行こうと思っています」

アーティスト活動をしている大学時代の友人から依頼を受け、ストレッチ生地で展示空間をつくったり、店舗のテントに手描きで柄やロゴをペイントして納品したり。

川島さんだからこそ担当できる案件をいくつも担当してきた。

「こういう案件の話を聞くと意外に思うかもしれないけど、この仕事って、計算して図面を描いてっていう時間が長いんです。数字に強かったり、立体的に空間を把握するのが得意な人は取り組みやすいかな」

「設計事務所さん向けに、自分で3Dのパースを描いてイメージを伝えることもあって。得意だからやっているだけで、そこまでやっているのは社内でも私くらい。それぞれが自分の強みを極めていけるといいと思っています」

これまでの6年間を振り返ってみて、どうでしたか?

「本当に入社してよかったです。自分でプロジェクトを進行して、お客さんと話すところから、つくるところまでいろんな経験ができて」

「次の挑戦をしたくなったのも、どこに行っても自分の足で立っていけると思えるようになったから。人生が変わったなと思いますね。そんな自信をつけられたのはありがたいです」



日々ふつうに働くだけでも、どんどん新たなチャレンジが舞い込んでくる三鷹テント。そのなかで、一つひとつに手を抜くことなく、自分のベストを追求し続ける。

そんな毎日を重ねた先に、自分だけにしかできない仕事と出会える環境だと思います。

(2024/12/02 取材 増田早紀)

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