「次やる仕事は、今までで一番いいクオリティになるしかないと思うんです」
「最高のコードを書きたいし、デザインも前よりも良いものをつくりたいって思うのは自然なこと。それを取っちゃうと、人はつくらないし、仕事に熱中なんてできない」
いいものをつくりたい。自分の仕事を高めていきたい。
Web制作に関わるなかで、そんな思いを抱いている人に、知ってほしいチームがあります。
Web制作からはじまり、さまざまな事業に取り組んでいる株式会社モノサス。
マーケティングやフード事業など、モノサスに集まったメンバーのできること、得意なことをもとに事業を広げてきた会社です。
今回は、Webサイトの運用に携わるデザイナーと、テクニカルディレクター・フロントエンジニア、ディレクターを募集します。
いずれも経験者の募集です。でも、現状のスキルや経験以上に大切にしたいのが、仕事に向き合う姿勢。
まずは、ここで働くみなさんの声を聞いてみてください。
向かったのは、東京・代々木。
のどかな住宅街を歩いていると、モノサスが運営するドーナツ屋さんが見えてきた。
オフィスは、お店の脇を抜けたところにある。
迎えてくれたのは、Webチームを統括している龍田(たつた)さん。2008年に入社した、創業初期からのメンバーだ。
「モノサスは、フードも、Webも、マーケティングもやっていて。最近だと人事関係の仕事も始めました」
「いろんなことをしているので、何屋さんですか?って聞かれたときに答えられない。昔は、言葉にしようとしてたんだけど、最近は『よくわからん会社』でいいなと。それを面白いと思ってくれる人もいるしね」
既存の事業ありきではなく、やりたいという人がいたら、それを実現するためにどうするかを考えて、プロジェクトにしていく。
ドーナツ屋さんを始めたり、会社のビールをつくったり、神山や京都にサテライトオフィスを立ち上げたり。そんなふうにして、会社の幅が広がってきた。
今回募集するのは、そんなモノサスが創業当初から続けているWeb制作事業のメンバー。
Web制作事業は全体で50人ほど。大きくサイト構築と運用に分かれていて、今回は大手損害保険会社のサイト運用メンバーを募集する。
「Web制作事業をしている会社はたくさんあるけど、運用に特化したサービスがあること自体が、モノサスの特徴なんちゃうかな」
「Web制作者って、運用をやりたがる人が少ないんですよ。一からつくった方がたのしいって感じたり、華やかで楽しそうって思っている人が多い。でも、うちは13年くらい前から運用をサービス化しているんです」
いくらいいサイトをつくっても、情報が更新されず、使われていないページが削除されないまま残っていれば、訪れる人はいなくなる。
サイトの魅力を高めていくのが、運用の仕事。
「モノサスでの仕事はとくに、人が好きというのが必要やと思っていて」
人が好き、ですか。
「Webサイトでもなんでも、人のためにつくるのに、人が好きじゃない人がつくってもいいものにはならない。世の中の人に見てもらって、評価されるものをつくらないとダメ」
「いいものって、人との関わりのなかでしか生まれないと思うんです」
モノサスで大切にしているのは、相手の話を聞いたり、自分の意見を伝えたり。人との関わり合いのなかで、一緒にものづくりをすること。
たとえば、以前に龍田さんがサイト構築を担当したプロジェクト。
1年がかりでフルリニューアルをするため、最初の半年間は毎週ミーティングを実施。デザイン案やコンテンツ内容について、柔らかい部分から話し合い、形にしていった。
「この前、そのお客さんと話したときに『一度モノサスを経験すると、ほかのクリエイティブ系の会社との仕事が物足りなく感じる』と言ってもらって。発注者と受注者という関係ではなくて、内側に入るのがうちの特徴だと思います」
もうひとつ大切なのが「仕事が好き」ということ。
「個性的なメンバーが多いんですけど、うちで活躍している人と苦労する人の違いってなんやろうなって思ったときに、そこに集約されるなと思って。できるだけ仕事をしたくないみたいなタイプは、多分合わないんじゃないかな」
「結局、仕事って人との営みなんで、人と関わるのが楽しいとか、喜ばれるのがうれしいとか、役に立ちたいとか。そういう感覚を仕事で体現している人が、うちで活躍してますね」
詳しいことは運用メンバーから直接聞いてほしいとのことで、プロジェクトマネージャーの原田さんに話を聞く。
新しく入る人は、原田さんのチームに所属する予定。
「僕が今日伝えたいのは、Web制作で今後生き残るために、何をやっていけばいいんだろうって考える人と一緒に働きたい、ということなんです」
どう生き残っていくか、ですか。
「いろんなものがノーコード化されたり、内製化されたりしている。それでも画面上のものをつくるのが好きな人たちが働き続けるためにどうすればいいかをずっと考えていて。それを一緒に探せる仲間がほしいから、日本仕事百貨で求人することにしたんです」
言われたことをやるのではなく、自分で自分の仕事の未来を考える。原田さん自身も、そうやって仕事をつくってきた人。
「正直に言うと、この仕事って7割くらいは面白くない。でも、そこをどうやってよくするかに全振りすれば、仕事は面白くなるはずなんですよ」
サイト運用の仕事は、情報の更新や削除、PRのタレントが変更になった際のビジュアルの変更など。クライアントからの指示をもとに行なわれるのが基本。
繰り返しの作業も多いし、言われたことを早く正確にこなすことが求められる仕事。キラキラしたデザインや、新しいものづくりがしたい人にとっては、物足りなく感じるかもしれない。
とくに、今回のように大手企業がクライアントの場合、これまでのサイトの歴史があるし、さまざまな制作会社が関わっているから、新しい挑戦は難しい。
「でも、その状況に甘えて、言われたことだけを返して汗をかくほど人生は長くないと思っていて」
「クライアントに、できるだけ新しい挑戦をしてもらいたい。モノサスが一緒ならできるかもしれないと思ってもらえる存在になりたいんです」
原田さんがプロジェクトマネージャーになったのは3年前。少しずつ、新しいプロジェクトを提案、実現してきた。
今取り組んでいるもののひとつが、イラストの更新。
「サイトの歴史も長いので、かなり前に描かれたイラストが残っていて、正直あんまりかっこいいものではない。お客さんに、どう思ってるんですか?と聞いたら『そりゃあ、変えたいですよ』と話していて」
「とはいえ、サイト上に使われているイラストの数は膨大。全部を描き直すのは無理だから、イラストシステムをつくるのは面白くないですか? と提案しました」
イラストシステムとは、イラストをパーツごとに分解し、自由に組み合わせて絵をつくれるようにする仕組みのこと。
たとえば人なら、目や髪、顔、腕などのパーツをつくり、それらをつくりたいイメージに応じて組み合わせるだけで、イラストが完成する。
システム化ができれば、イラストレーターに依頼しなくても、統一感を保ちながら大量のイラストを簡単につくることができる。
もうひとつ取り組んでいるのが、デザインシステムの作成。色のトーンや、フォント、行間といったサイト全体のデザインのルールを一から定義している。
通常、デザインシステムは内製化されているのが一般的。デザイナーにとっては、デザインを定義するところから関われるのは貴重な経験になるはず。
「デザイナーとして入る人は、図版の作成や新しいページのデザインがメインの仕事。でもコーダーの仕事に比べてそんなに量はない。手が空くことも多いと思うんです」
「空いた時間でデザインシステムをより良くしてほしいし、自分だったらこうするのにという案があれば、いくらでもつくってくれていい。僕たちが見ていいと思えば、いくらでもお客さんに提案します」
仕事において大事なのは、熱中できること。原田さんはそう話す。
メンバー自身が仕事のやり方を決め、クオリティを追求できる環境をつくるため、お客さんと信頼関係を築いてきた。
「僕たちのお客さんは、必要なことであれば、しっかりお金を払ってくれる。すごくありがたいことだと思っていて」
「もし、納期に追われてクオリティを追求できないというような状況で働いている人がいたら、ここはすごくいい環境だと思う。僕たちなら、納期を伸ばすべき理由をしっかり説明するか、納期後にもう1回リリースさせてもらう」
クオリティを追求しながらも、しっかりとビジネスにつなげていく。
原田さんと一緒に働くなかで、エンジニアとしてどうやって自立していくかなど、学べることは多いはず。
「原田さんは、推進力がすごい。私はちょっと置いてけぼりになっちゃった人とか、熱意がすごすぎて伝わらなかった部分を調整するほうが得意です」
隣で話を聞いていたのは、ディレクターとデザイナーを兼務している滝田さん。
インタビュー中も、合間にわかりやすい説明を入れてくれるなど、さりげないフォローがありがたい。
「モノサスは個人に対して余白がある会社だなと思っていて。こっちを向いていなきゃいけないとか、この方向に熱意がなきゃいけないっていうのがない」
「でも、根本のストイックさだけは、絶対に持ってないとダメだと思います」
滝田さんの言うストイックさとは、どういうものでしょう。
「たくさん働くとか、そういうことじゃなくて。いいものをつくりたいっていう気持ちなんだと思います」
「そのために、どの方向性で努力するか。私だったらカバー役を担うのが得意だから、いろんな人を理解してつなごうって思うし。どの部分を頑張るかは自分次第でいい」
滝田さんが担当しているディレクターの仕事は、クライアントと運用チームのメンバー、ユーザーの3者の視点を行き来しながらサイトの質を高めていく役割。
メールやオンラインミーティングなどを通じて相手の意見を汲み取り、運用チームと実現する方法を一緒に考える。それぞれ違う立場の人と関わっていく力が求められる。
「お客さんでも、同じチームのメンバーに対しても、基本的に相手の解像度が高いほどクリティカルな問題解決ができると思っていて」
「たとえば、お客さんやメンバーにメールを送るとき。『!』をつけて送ったら、同じテンションで返してくれそうな人なのか、とか。いろんなことを少しずつ試しながら、相手への理解を深めていく」
直接コミュニケーションを取ることが難しいユーザーに対しては、ABテストを実施するなど。
立場の異なるさまざまな相手への理解を深めて、相手に伝わりやすい言葉選びや話し方を考えることが、プロジェクトを円滑に進めることにつながっていく。
「通訳みたいな仕事だなと思います。最近だと、聞かなくても何が言いたいかわかることがあって。通訳が成功した! っていう瞬間は楽しい」
「両方の言葉を理解できていたら、みんなの仕事がスムーズになって、満足度の高い仕事ができるようになる。関わった人みんなが得する状態をつくりたいですよね」
人が好き、仕事が好き。だから妥協はしたくない。
そうありたいと思うなら、仕事はいくらでも面白くできる。周りの人たちも、全力で協力してくれると思います。
モノサスのみなさんの言葉に共感したら、話をするところからはじめてみてほしいです。
(2025/03/13取材 高井瞳 )