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料理の数だけ道具がある
のびのび個性が輝くお店

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

最近、鉄のフライパンを買いました。

高温で調理できるから、旨みが逃げず、素材そのままのおいしさを味わえる。いつものお肉も、表面がパリッと、中はジューシーに。

道具一つで、美味しさがここまで変わるのかと驚きました。

くっつきやすく、扱いにくそうなイメージがあったけれど、しっかり熱してから焼けば大丈夫。使った後も、水とたわしで洗って、しっかり乾かすことさえ気をつければ、簡単に管理できます。

道具の特性や使い方を正しく知ることで、その魅力を最大限に活かすことができる。

こだわりを持ってつくられた料理道具を深く理解し、伝えているのが「釜浅商店」。

浅草の合羽橋を中心に、パリにも店舗を構えている人気店。今年の4月には、ニューヨーク・ブルックリンにも新店舗をオープンするなど、世界中に日本の料理道具の魅力を発信しています。

今回は、包丁売場と料理道具売場それぞれの販売スタッフを募集します。

スタッフそれぞれが、接客に限らず、企画や商品開発など自分の個性を活かして伸びやかに働いている環境。

料理が好きな人も、得意なことを突き詰めたい人も。まずは釜浅商店のみなさんの話を聞いてみてほしいです。

 

地下鉄銀座線の田原町駅から歩いて8分ほどの、合羽橋道具街。

食器や料理道具の店はもちろん、箸や食品サンプルの専門店、シェフが着る調理服を扱うお店など、個性豊かなお店がひしめき合う。

下町の雰囲気が漂う商店街の中で、ひときわ目立っているのが釜浅商店。

向かって左側が、鍋やフライパンなど多種多様な商品を扱う料理道具売場。そして右側が包丁専門の包丁売場になっている。

包丁売場に入ると、平日の午前中にも関わらず海外からのお客さんで賑わっている。

「包丁売場は、7~8割くらいが海外からのお客さま。インバウンドが増えた影響もあって、今年に入ってから、少ない日でも100人以上が包丁を買ってくださるんですよ」

そう教えてくれたのは、サブマネージャーの伊藤さん。

「英語が喋れなくても大丈夫なので安心してください。翻訳アプリを使ってもいいし、どうしても説明が難しかったら得意なスタッフに任せてもいい」

「自分も最初は全然できなかったけど、発音が悪くても意外に伝わる。ちょっとずつ必要な単語を覚えて、だんだん会話ができるようになってきました」

釜浅商店には、海外からのお客さんだけでなく、プロの料理人から料理が好きな人、初心者まで、さまざまなお客さんが集まる。

どんなお客さんと接するときも、変わらず大切にしているのは、それぞれに合った料理道具を案内するという姿勢。

「釜浅商店ではまず、お客さんのニーズや使う頻度、目的を聞くところから接客が始まるんです」

「たとえば、家でアジを捌きたいという方なら、扱いやすい小さめの包丁をお勧めする。使う頻度も週に1回程度なら、管理が簡単で錆びにくいステンレス製が適しているかもしれない」

釜浅商店の販売スタッフは、買い手とつくり手をつなぐ「相談役」のような存在。

お客さんのニーズや使用目的を丁寧に聞き出し60類以上1000点ある包丁の中から最適な一本を提案する。

売るのではなく、一人ひとりと向き合って、じっくりと話をすることを大切にしたいから、個人ノルマを設けていない。

「せっかくいいものを買っても、その良さや正しい使い方を知らなかったら、使いづらく感じてしまうこともある。いい道具を、愛着を持って永く大切に使ってもらうための手伝いができたらいいなと思っています」

その想いは、販売だけでなくアフターサービスにも反映されている。

釜浅商店では、切れ味の悪くなった包丁の研ぎ直し、購入した包丁に名前を入れる「銘入れ」というサービスも行っている。

伊藤さんは銘入れをメインに担当。業務時間の前後で先輩にやり方を教えてもらいながら技術を身につけ、多い時には1日に100本もの包丁に名前を彫っているのだそう。

「もともと職人の仕事にも興味があったので、こうして手を動かす仕事にも関われているのがいいなって」

「大変さもあるけど、名前が入った包丁を見て喜んでくれている姿を見ると、素敵な仕事やんって(笑)。何十年も使えるものなので、使うたびにここでの接客を思い出してくれたり、日本の職人さんの技術力を感じてくれるきっかけになればうれしいです」

新しく入る人も、伊藤さんのように興味や関心に合わせて仕事の幅を広げていける環境。

コラムやSNSなどでの発信や、イベントの企画を担当したり、新しい商品を生み出したり。ほかにも包丁を研ぐ設備が整っているからこそできる、包丁研ぎのスタッフがいたり。販売に限らずさまざまなことに挑戦しているスタッフが多い。

「釜浅商店は、料理が好きな人だったら面白いと思います。道具の知識も深まるし、憧れていたお店のシェフの方も買い物に来る、スタッフも食に興味関心が高い人が多いんです」

「年に1回、いくつかのグループに分かれて、お客さまのお店や、注目しているレストランへ食事にいく研修制度もあって。道具の扱い方や、サービス、提供方法や空間。プロの方が働く現場を見ることは同じ道具のプロとしても刺激や新しい発見があります」

 

接客にとどまらず、仕事の幅を広げているひとりが、料理道具売場の佐々木さん。

もともと料理が好きで、好きなことを仕事にしたいと2年前に物流関係の会社から転職。接客を中心にイベントの企画なども携わっている。

「料理道具売場では、既製品以外にもお客さんの要望に合わせて特注商品をつくることも多いんです。僕もちょうどこの間、特注品をつくったところなんですよ」

半年でさまざまな特注商品を受注しているという佐々木さん。

定食屋さんから依頼を受けてつくった釜を見せてくれる。

「お米って、沸騰するまでの時間で甘さが決まるんです。時間が短ければ、さっぱりするし、長ければ甘くて粘り気が出る」

「お米の輪郭を際立たせたいというお客さまからのご依頼に合わせて、銅の素材を提案しました。銅は熱伝導率が優れていて、熱を蓄える力も高い。火加減や炊き方によって、自分の仕上げたい味に調整しやすい素材なんです」

定食屋さんの女性スタッフでも扱いやすいように、重くなりすぎない釜の厚みや蓋の形を検討。

道具を使う環境や人、求める機能を丁寧に聞き取った上で、職人さんと相談しながら商品をつくっていく。

「職人さんって、気難しいイメージもあるけれど、新しいものをつくることに面白みを感じてくれる方が多いんです。だから難しいことをお願いしても、楽しみながら一緒につくってくれるのがありがたいですね」

普段から、店舗でスタッフ向けの勉強会を実施してもらうなど、職人さんとの距離も近い。職人さんはつくり手として、釜浅商店は道具のプロとして、お互いの信頼関係があるからこそつくれるものもあるんだろうな。

「料理道具の店舗にいらっしゃるお客さまの割合は、休日は一般の方、平日はプロの方が多い印象です。道具の説明やシチュエーションを聞きながら、しっかり時間をかけてお話しをします。特にプロの方からはさまざまなアプローチをいただくので、ご要望に添えられるよう先輩の意見や上司に相談をしながら進めていきます」

相手がプロだからこそ、要求される知識量は深くて幅広い。

実務的な質問から、素材の性質、商品の使い勝手、メンテナンス方法まで、頭に入れるべき知識は限りない。

新しく入る人は、まずは一般のお客さん向けの接客から知識を身につけていく。

「最初は、先輩の接客を近くで見るところから。慣れてきたら、先輩についてもらって2人一組で半年ほど接客をして、説明の仕方や素材の特性を少しずつ覚えていってもらいます」

さらに知識を深めるために、カタログを隅々まで読んだり、わからないことがあればすぐに先輩に聞いたり、メーカーに問い合わせたり。

オフィスにあるキッチンスペースで実際に調理をしてみて、使い心地や味の違いを確認することも。とことん知識を深めていける環境だ。

「うちで扱う商品は、お鍋一つで1万円するものもあります。100円ショップで鍋が買える時代にかなり高価なものだけれど、それにはちゃんと理由がある」

「料理道具のプロとして、どういう職人さんが、どんな想いでつくっているものなのか。どうして釜浅商店で扱っているのかをちゃんと伝えられる存在でありたいと思っています」



半年前に入社したばかりの秋元さんからも話を聞く。

「外資系の大型スーパーで5年ほど働いていました。トップダウンな組織だったので、売場づくりを工夫しようと思っても、企業規模が大きいのもあって、なかなか意見が反映されずモヤモヤしていたんです」

転職を考えていたころに、転職サイトを通じて偶然オファーをもらったのが釜浅商店。

「実は、料理道具自体に最初は全然興味がなくて。でも、せっかく声をかけていただいたので面談に行ってみたんです」

「すごく丁寧に話を聞いてくれて。会社の説明も良いことだけを伝えるんじゃなくて、いそがしさとか、大変な部分もしっかり話してくれるところも信頼できるなと思って、入社を決めました」

入社後も、その印象は変わらなかった。

「もう少し変えたほうが良くないですか?と意見を言うと、良いものは取り入れてくれるし、変えられない場合はその理由をちゃんと説明してくれる」

「普通、新人が先輩に意見をいうのって難しいと思うんです。でも、釜浅商店は、年次に関係なく、一度ちゃんと話を聞いて、議論してくれる」

秋元さんの提案したものの一つが、バット棚のディスプレイ変更。

もともとは、棚の下の段に関連商品の網や蓋を陳列していたため、目が行きづらかった。

そこでバットの横にスタンドをつくり、網をならべて手にとってもらいやすいように。

配置を変えたことで、1週間に数個ほどの売上だったバット類が、数百点までに増えた。

「もともとレイアウトを考えるのが好きで。接客をしながら、お客さんの動線を見たり、何を最初に手に取るかとかを常に分析したり。どんな高さに商品があると手に取りやすいかを考えながら、最適な配置を考えています」

入社半年で、売場のレイアウト担当も任されるように。

ほかのスタッフも、食品関係で働いていた経験がある人は、旬の食材の知識を活かして、季節ごとに打ち出す商品の計画を立てたり。お客さんが商品を絶対に買って帰るというほど、接客が得意なスタッフがいたり。

それぞれが自分の個性や強みをのびのびと活かしながら、売場をつくっている。

「毎月ミーティングをして、一人ひとりの考えていることや、気になっていることを聞く時間があるんです。みんなの意見を汲み取る機会があるからこそ、それぞれの個性に気づけるし、それを活かした働き方ができるんだと思います」



料理が好きな人も、知識を深めたい人も。

好きなことをとことん突き詰めて、その道のプロになっていく。

その軸さえぶれなければ、活躍の幅はどこまでも広がっていくと思います。

(2025/05/30 取材 高井瞳)

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