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「不動産って、ものづくりの起点みたいになってくるんですよ。ビルを買って初めてドラマが動きはじめる。そこから生まれていくビジネスに間接的に関わるということは、ロマンチックなことなんですよね。」不動産の仕事にどんなイメージを持っていますか?
わたしが持っていたイメージは、大きなお金が動くシビアなビジネスの世界。自分がそれを仕事にできるかどうかなんて、考えたこともなかった。
一方で、「住む」という観点でみると、不動産はとても親しみやすいし面白い。「R-STORE(アールストア)」で紹介されている部屋は、見ているだけでワクワクしてしまう。
「R-STORE」は、賃貸住宅をセレクトして紹介している不動産サイト。家賃や間取り、駅から何分という条件だけではなく、そこから見える景色や建物の持つ歴史など、部屋そのものの魅力が個人の目線から紹介されている。
読んでいると、自分がそこに住んだときのストーリーが想像できて心が動く。それは、箱が空いたからものを詰める、というような感じじゃない。
そんなサイトを運営する株式会社アールストアが、これから新しい事業をはじめようとしている。
それは、個人の投資家に向けた、海外の不動産投資事業。
はじめるにあたって、まずはトライアルとして1年間、海外の不動産事情をリサーチすることになった。
リサーチの先頭に立つのは、野村證券やリーマン・ブラザーズなど金融業界を経て不動産会社を経営した経験を持つ、役員の永井さん。
今回は、永井さんをサポートするアシスタントを募集します。
海外の銀行や不動産会社、そして資産家ともやりとりする機会があるので、英語が話せること、そしてコミュニケーション能力が求められる。
不動産や金融の経験があればありがたいけれど、なくても、数字や法律、データなどに触れることに抵抗がなければ大丈夫。
なによりも、未知のことに挑戦したいとか、できないこともできるようになりたいと思えるような野心のある人を求めています。
まずは1年間限定のリサーチだけれど、そこで足がかりをつかめば、継続して事業を進めていく。ただ、もし続けることができなければ、そこで終わる可能性もある。
そういう意味でリスクもあるけれど、なかなか他では味わうことのできない経験ができるというのは確かだと思う。
「人口が減り続けていく日本で、これからの不動産を考えていくならば、海外に目を向けるのは必然的な流れだと思います。だから、海外の不動産をみるというのはいい経験になるんじゃないかと思います。」
そう話すのは、アールストアの代表である浅井さん。この春から移転した目黒の新しいオフィスで話を伺った。
必然的な流れとはいえ、新しいことをはじめる判断は思い切ったものだと思う。そんな感想を伝えてみる。
「そうですか?でも、僕の中では、まったく別の事業をやるって感覚じゃないんです。売買も賃貸も、結局一連の流れのなかでつながっているんですよね。」
たとえば5億の物件があったとき、買う人が知りたいのは、何年後に元をとることができるか、どれほどの利益が見込めるか、ということ。
そんなとき、「R-STORE」を運営してきた浅井さんたちには、賃貸のことがよく分かる。裏付けるデータもある。
だから、どういう物件に人が集まるのか、この物件なら賃料はいくらになるのか、などのアドバイスをすることができる。
「だから、まったくかけ離れた事業じゃないんです。リスクがあるとすれば、海外ということだけかな。」
国によって、不動産の仕組みも金融の仕組みも違う。他にも、地理、政治、法律、文化…日本とはまったく事情が異なる。
なかには、法律で、起業や個人が土地を所有することができない国もあるそうだ。できるだけ所有に近い状態をつくるにはどうすればいいか?という課題も出てくるかもしれない。
まったく未知の状態から、まずは知ること。そこから海外の可能性を探していく。
「不動産の売買は面白いですよ。」と浅井さん。
どんなところが面白いと思いますか?
「単純にマネーゲームとしてしか見ていない人もいるんですけど、僕は感情移入したいタイプ。物件を買うとき、すごく空想するんです。」
「たとえば、駅に近い一等地のビルを見つけたとします。この一階が自転車屋さんだったら流行りそうだな。二階はオフィスにしてその会社が借りてくれたらいいな、とか。」
ときには半日ほど近くのカフェでお茶をして、どういう人が歩いているのか観察することもある。賃料はいくら見込めるか、投資に対してどれほど利益がでるか、シミュレーションもする。チームに報告して、それいいね!と盛り上がる。
「もちろん、実現までには、金融機関から融資がおりるか、法的に瑕疵がないかなど、色々な現実的なプロセスがあります。でも、最初に描いたストーリーを実現できるかもしれない!と思ってやると、そのプロセスも楽しめるんです。」
話を聞いているうちに、だんだん不動産のイメージが変わってきた。
具体的に、どんなことをするんだろう?
次に、役員の永井さんに話を聞いてみる。
写真はNGということでご覧いただけないのが残念だけれど、永井さんはとてもガタイがいい。総合格闘技をやっているそうで、7月に試合を控えているそうだ。
主に「R-STORE」の運営を担当する浅井さんに対して、永井さんは、富裕層の方の資産を預かってアドバイスや購入管理をする業務を請け負っている。
預かっている資産は、総額何百億の世界。色々な相談や情報は、会社の電話ではなく、永井さん個人の携帯電話に直接舞い込んでくる。
「機会があれば投資をしたいという方がいる。でも、去年は投資する物件がひとつも見つからなかったんです。国内では、当分そういう状況が続くかもしれない。それで外国の投資を考えてみようか、という話になったんです。」
すぐに話が動きだし、東南アジアのマーケットは、永井さんの昔からの知り合いである中国出身の方が担当することになった。そして、その他のエリアは永井さんが中心になって探すことになった。
どこの国をあたるか、どうやって物件を探すか、物件管理はどうするか。すべて1から考えていかないといけない。
そこで、永井さんをフォローするスタッフがひとり必要だ、ということになった。
「変わった仕事ですよね。いかんせん、まだやってないのでなんとも言えません。不動産経験があったとしても、今までと同じことをやればいいというわけにはいかないかもしれません。」
とにかくひとつ言えるのは、永井さんをさまざまな形でサポートすることが仕事になるということ。
たとえば、海外の担当者とメールや電話でやりとりしたり、エクセルやパワーポイントで資料を作成したり。ときには海外に行くこともあるかもしれない。
「依頼にちゃんと応えてくれれば、あとは好きにしていいです。会社にいなくてもいい。家に帰って寝ていてもいいし、お酒を飲んでもいい。昼間からデートしていても、何も言いません。」
ずっと一緒に動くというより、定期的なミーティングや電話・メールで状況を共有しながら、それぞれ進めていく感じになると思う。
話を聞いていて、なにより大事なのは、永井さんとの相性なんじゃないかという気がした。
永井さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
「遊び人の気質を持った人、ですかね。遊び人って、鼻が利くんですよ。常に流行の先端にいないと気が済まない。むしろ自分が流行をつくり出すくらいの感覚を持っているんです。そういう人って、次はここの土地が盛り上がりそう、というのが感覚的に分かると思うんです。」
永井さんも、遊び人なんですか?
「そうなんですよ。僕も根っからの遊び人なんです。」
永井さんは高校生のときから、同級生を集めて大きなパーティーを開いたり、六本木のディスコに行ったりと、遊び尽くしていたそうだ。
そのときに出会ったのは、真の遊び人たち。
着ている服がそのうち誰もが着るトレンドになったり、紹介してもらったレストランが3ヶ月後には予約のとれない人気店になったり。彼らの流行を見いだす力を、目の当たりにした。
時代の流れにアンテナを張る、ということが自然とできている人のことを、永井さんは「遊び人」と呼んでいるのだと思う。
「この仕事って、世界の美人探しをするようなものなんですよ。不動産投資は、一等地の物件を安く買うことがいちばんの成功なんです。たとえば渋谷だったら109ですね。渋谷センター街は、一本通りが違うだけで、坪あたりの取引が何千万と違う。そういうとき、鼻が利かない人は間違った判断をしてしまうんです。」
アクセスや、人の流れ、歴史や土地の文化など、全ての要素が揃って高い価値を生む建物が、美人の条件。
その見極め方を知っている永井さんの下で働くのは、貴重な機会なのだと思う。
「でも、裏を返せばデメリットになるかもしれません。前に僕の下で働いていた人たちは、勉強になったけど僕にはできない、と言って去っていきましたから。だから、野心のある人にきてほしいですね。自分にはできないって線を引かないで、こいつから何か盗み取ってやろうと思えるような。」
もしそれだけの意気込みがあれば、飛び込んで得られるものがたくさんあると思う。
資産家の方と話したり、何十億という額の買い物に立ち会うことも、誰でも味わえる経験じゃない。
最後に、永井さん。
「この仕事をしていたら、仕事ができる人とたくさん会えると思います。ただ、正直、結果を出すのが難しい仕事です。はじまったばかりだから、3年では結果は出ないかもしれない。だからこそ、今やるべきことをしっかりやっているかどうかを、僕は見ますから。僕を信じてもらうしかないですよね。」
まずは、永井さんに会ってみてほしいです。不安なことも、直接聞いてみるのがいちばんです。その上で一緒に働きたいか、ぜひ考えてみてください。
(2014/4/26 笠原ナナコ)