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夏、長野の高原に集まった20の小屋たち。となりのマルシェでは地ビールの販売。ステージからは、ゆったりとした音楽が流れてくる。太陽が気持ちいい。
午前中は家族と小屋のDIY。ひと段落したら、マルシェで暮らしの道具探し。コーヒー、うつわ、自転車。自分はどんな暮らしがしたいんだっけ?そんなことを、ゆっくり考えてみる。
小屋をとおして、「自分はどんな暮らしがしたいのだろう?」「どこに住みたいのだろう?」と考えてみる。
2015年7月25日〜8月2日に、長野県茅野(ちの)市で“小屋フェス”がひらかれます。
あたらしいフェスを一緒につくる仲間を探しています。
はじめに、イベントスタッフ。
株式会社SuMiKa(スミカ)や株式会社バウムのメンバーとともに、企画を考えるスーパーアシスタント。フェスを楽しみつつ、当日の運営・設営に関わるインターン。
そして、フェスの出展者。
マルシェの出展者から、ステージで演劇や音楽を奏でるパフォーマーまで。
「夏の新定番となるフェスを、色々な人たちの手でつくっていきたいんです。」
この日は、小屋フェスを手がける株式会社SuMiKaと株式会社バウムのみなさんに、話をうかがいました。
会場は、新宿のとある公園。
茅野市への出張から帰ったばかりだという。
「3人とも、いまは東京に住んでいます。帰ってくると『やっぱり空気が違うなぁ』と口を揃えていて。」
メガネの佐藤純一さんとひげの石畠吉一さんは、カヤック出身。立ち上げからSuMiKaに携わってきました。
2013年6月に面白法人カヤックと株式会社タマホームのジョイントベンチャーとして誕生したSuMiKa。
家づくりをしたい生活者と専門家をWEB上でつなげています。
「自分らしい家づくりを実現してほしい。注文建築、リノベーション、リフォームから家具づくりまで。まずは専門家のアドバイスも受けつつ、自分らしい家づくりを見つけていきます。次に、どうしたら実現できるか。建築家、工務店、家具デザイナー、職人。最適なパートナーとの出会いの場を提供しています。」
そう話すのは純一さん。
2014年の3月には、日本橋三越本店で“ツリーハウス工務店”を開催した。
「『家を買いたい』とか『棚をつくりたい』。目的が明確な人だけでなく、なんとなく北欧のインテリアを選ぶ人に『こんな選択肢もあるよ』と知ってほしくて。ツリーハウスを通して、自分の暮らしを振り返るきっかけになればと思いました。」
「ただ、ツリーハウスを持てる人は、むちゃくちゃ限られるな、と(笑)。そもそも木がないとつくれない。小屋、いいんじゃない?と。」
小屋についての関心は、世界各国で高まりつつあるそうだ。
リーマンショック後のアメリカでは、“Tiny house(ちいさな家)ムーブメント” が生まれた。
これは、大量消費社会に疑問を持った人たちが、身の丈に合った住まいに暮らすというもの。
これからの暮らしを考えるには、小屋はちょうどよいのかもしれない。
そこで、昨年10月に開催したのが“小屋展示場”。
会場となった東京・虎ノ門の駐車場には、14棟の小屋が集まりました。
一週間の来場者数は、12,000人。
マスメディアでの取材に加え、WEB上では400を越える記事がアップされたそうだ。
「みなさん、思い思いに楽しんでくれたんですね。」
「会期中に『地方でやらないんですか?』『全国巡業してほしい』。そうした声をたくさんもらいました。なんとか形にしたいな。そう思い、ミーティングを続けてきたんです。あるとき、長野県茅野市から声をかけてもらったんです。」
さっそく現地を訪れると。
「迎えてくれた茅野市役所のみなさんが、部署や役職にこだわらず前向きで。やってみようか、と。」
約55,000人が暮らす茅野市。
東京から特急あずさで2時間。また名古屋からも、特急しなので2時間ほどに位置する。
そこで浮かんできたのが、小屋フェス。
「色々な人に、ふらっと来てほしいんです。『好きなアーティストがライブをやっているから、行ってみようよ』と、車を出して友だちと向かう。それから、茅野市には9,000棟もの別荘があるんです。おじいちゃんの別荘に泊まりにきた家族連れが、『お祭りやってるらしいよ』と来てみる。そこで、自分の暮らしをふっと考えることもあるかな、と思います。」
読後感のあるフェスにしたいという。
「自然豊かな中で、気持ちも豊かになって小屋を体験する。『週末楽しかったなー。こんな暮らし方がしたいなー』と。」
そこで、小屋フェスのコンテンツを考えるのが、バウムの萩原菫(すみれ)さん。
美大で空間デザインを専攻した後、2013年にバウムへ入社。クライアントの思いを引き出し、企画という形にするコンセプト部で働いています。昨年の小屋展示場の中心メンバーでもある。
「20棟の小屋を中心に、飲食と物販からなるマルシェ、ステージをつくろうと考えています。」
どんな一日を過ごすことになるのでしょう?
「たとえば、午前中は小屋づくりのワークショップに参加してみる。お昼になったら、その小屋を借りて、地のご飯をあじわう。ビールに日本酒。長野の地酒片手に、音楽を楽しむのもいいと思うんです。」
食一つをとっても、盛りだくさんの様子。周辺の別荘地には、人気レストランが並ぶ。また、地元の料理家中村恭子さんが提案する縄文食からヒントを得たごはん。鹿肉なども候補にあがっている。
各々が、自分なりの楽しみかたを見つけてくれたら、と話す。
「そこで、出展者の方を募集したいんです。演劇や音楽をやっていても、発表の場は限られてしまうもの。ぜひ、ファンも呼んでもらえたら。」
「また、テントマルシェでお店を出す人も募集します。物販をメインに、珈琲を自家焙煎している人から、家具やアウトドア用品をつくる人まで。色々な人にきてほしいんです。小屋があることで、道具の使いかたも、イメージが湧きやすいと思うんです。」
どんな人に出展してほしいですか?
「たとえば音楽であれば、ステージ前に限らず、会場全体で楽しめるような。ステージも、マルシェも、小屋も。一つひとつが重なることで、訪れた人が自分の暮らしを想像できるといいな。そう思っています。」
小屋フェスで何かしてみたい、と思った人はもちろんのこと。
長野で、何かをやりたい人にもよい機会だと思います。
「以前旅行で訪れた長野が、ずっと気になっている。帰るきっかけを探していた。2地域居住を考えている。そんな人にもきてほしいんです。」
また、小屋フェスの企画・運営設営に関わる方も募集します。
続けて話を聞いたのは、石畠吉一さんこと、ヨシさん。
大学で建築を専攻した後、広告代理店、カヤックを経てSuMiKaへ。休日には設計プロジェクト「いえつく」にも取り組む方。
自身も、長野県への移住を考えているそう。
募集を行うのは、2つの職種。
会期中の運営設営インターンと、直近から企画に関わるスーパーアシスタント。
「大きなイベントに0から関わって見えることは、ほんとうに多いんです。どんな仕事にもいきてきます。」
はじめに運営設営インターンについて。
「イベントの運営設営はもちろんのこと。茅野に興味のある方にも来てほしい。イベントは、のべ9日間です。できれば、2泊はしてほしい。空気が感じられると思うんですよ。」
仕事は、その場その場で生まれてくるもの。
臨機応変に、動いてほしいという。
「マルシェで、有名なハーブ屋さんの売り子さんをやってみる。地元のお母さんが出展する飲食テントで、ポップを手直しする。味はいいけれど、売りかたがわからない人が多いと思うんです。それから、会期中にひらかれるワークショップを盛り上げるのも、大事な仕事ですよね。」
なお、往復の交通費と現地での宿泊費、食事は用意してもらえるとのこと。
次に、企画のスーパーアシスタントについて。
現在、企画の中心を担うのはヨシさんと菫さん、そしてイベントプロデューサーの浅川さん。4人目のメンバーとして、一緒に駆け回ってほしい。
すでにプロジェクトは動いているので、できるだけ早く働きはじめてほしいとのこと。8月初旬のイベント撤収までは、毎日のようにメンバーとミーティングを重ねたり、現地と東京を行き来することになりそうだ。
「これから考えることが、たくさんあります。」
この日も、取材中に「どんな人に来てほしいか」と話し合ったり、ティザーサイトのメインビジュアルについて、打ち合わせがはじまったり。
どんな人にきてほしいでしょう?
「こぼれている議題がたくさんあります(笑)。たとえば、小屋での宿泊はどうしよう。それから、フェス直前になれば、『白ペンキが足りない!』とか。色々なことが出てきます。そこで『行ってきます、車借りますね』。言われなくても、そういうことができる人。」
イベントに関する経験は問いません。
「惜しまないで、自分の財産になると思える人と働けたら。しっかり玉を拾いつつ、フットワーク軽く動けるといいのかな。」
また、企画から一緒に考えていきたい。
「いいアイデアがあれば、どんどん採用していきたいんです。決まっていないことを楽しんでもらえたら。声を上げてくれたら、いまからでもできることがたくさんあります。」
「お互いに、いいなと思えば、その後も何か一緒にすることもあるかもしれません。」
最後に3人から伝えたいことがあります。
はじめに純一さん。
「小屋フェスは5年、10年と重ねていきたいんです。『小屋といえば茅野』というイメージが定着することで、交流人口が増えてくれば。そして、ゆくゆくは地域で自走していけば。」
ヨシさん。
「そうだね。小屋フェスに関わっている人たちの表情がいいんです。これを機に、茅野を盛り上げようとしている若手職員の方。それから、小屋をつくる工務店の大工さんもいきいきしています。というのも、腕のふるいどころがあるんですね。」
そして、菫さん。
「はじめてのことばかりなので、わたしたちだけでは見えていないことがたくさんあると思います。『小屋が好き』『昨年の小屋展示場が面白かった』。『長野に魅力を感じていて、伝えていきたい』。そういう人と一緒にやれたら、すごいうれしいです。」
(2015/5/27 大越元)