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カミツレの里で

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「土や木とふれあいながら、ほんとうに自分がもっているものを感じてもらいたいし、素の自分に戻ってもらいたい。疲れたな、帰りたいなってときにまた、八寿恵荘にもどってきてもらえたら」

カミツレ - 1 (8) 長野県の池田町にあるカミツレの里。カミツレは、カモミールの和名です。

ここにはカモミールの農園、カミツレエキスをつくる工場、そして八寿恵荘があります。

八寿恵荘は今年5月、心と体が本当に欲するものを提供していこうとアジア初のビオホテルとしてリニューアルしたばかりです。

肌にふれるもの、食べるものにこだわり、ほんとうに安心なものを感じてほしい。

今回は、そんな八寿恵荘ではたらく人を募集します。

まだ発展途上の宿だから、訪れる人がカミツレの里でどんなふうに心地よく過ごせるか、一緒につくっていけるといいそう。

生き方に関心のある人、心地のいい場所でさまざまな方をお迎えしたい人へおすすめしたい仕事です。


本社は東京にある株式会社相互という印刷の会社。

代表の北條裕子さんにお会いしました。

「カミツレの里というのは先代の生まれ故郷なんです。宿名の八寿恵は先代の母、わたしのおばあちゃんの名前なんですよ」

この日は北條さんのほかに、6人の方が同席してくれました。女性が多く、みなさん生き生きとしているのが印象的でした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA お父さまが創業者で、北條さんは2代目。創業者が起こした印刷事業は、今年で50年になる。

どうして印刷の会社が八寿恵荘を営んでいるのだろう。

きっかけは、ハーブとの出会いだと話します。

「いまから35年前に、ハーブに関する印刷物を頼まれたんです。ハーブが日本に入ってきたばかりで、いまほど有名ではなかった時代ですね。ちょうどそのころ、先代がこう頭がんを患いました」

なんとか切除しないで治せないかと探すうち、漢方薬学の先生と出会った。ありがたいことに漢方と放射線治療で完治したそう。

「その先生が、ジャーマンカモミールを研究していたんです。自分が救っていただいたこともあって、カモミールを広めていくお手伝いをしようというのが始まりなんです」

カミツレ - 1 (13) やがて自社でカミツレエキス100%の入浴剤を開発。この事業がカミツレ研究所となり、故郷である池田町にカモミールの畑と製造工場、社員がリフレッシュできる保養所をつくった。

じつは、この保養所が八寿恵荘の前身。地元を交えた花まつりをしているうちに一般開放してほしいとの声を受け、旅館業を取得した。

北條さんがカミツレ研究所に関わりだしたのは、20年ほどまえ。

「そのころアトピーの方からすごくよくなったというお声をいただくようになりました。カモミールは消炎と保湿効果に長けていたんですね」

「アレルギー学会で紹介するなかで、アトピーの患者さんと旅行を企画する先生に出会いました」

話を聞くと、旅行ではふとんを清潔に保つことや、アレルギーの除去食に注意したり、準備がたいへんであるとのことだった。

「うちの保養所を使ってくださいとご提案してから、アトピーのお子さんのツアーはもう11年続いています。この環境だから提供できること、人にとって大切なことを子どもたちに教えてもらったんです」

それは、土にふれること、安心して食べられること、ぐっすりと眠ることだった。

カミツレ - 1 (9) 「いつもはアナフィラキシーショックの心配があるけれど、先生がいるから安心して食べられる。そして、カミツレエキスのお風呂に入ることで、一晩じゅう肌を掻かずにぐっすり眠ることができる。すると、同行するお医者さまがびっくりするくらい食欲がでるんですよ」

土にふれると、なにかいいことがあるのですか?

「土や自然にじかに触れると、体感するものが全然違ってくるんですよね」

「たとえば朝早く畑へ収穫へ行ったときのこと。子どもたちは起きたばかりで不機嫌でした。そのときは機嫌をなだめながら畑へ連れていったんです。そうすると、こんなお野菜みたことない、これは何ていうの、ってほんとに目をきらきら輝かせるんですね。それがもう、すごく印象的で」

食べること、眠ること、土にふれること。「生きる基本」がきちんとできると、からだもこころも蘇るのかもしれません。

そして数年前からはじめた乳がん体験者の方々のツアーでも、考えることがあったと言います。

「最近では20代の若い方ががんになってしまう。どうしてがんになるのかって、ひとつはストレスとも言われます」

ストレス。

「いまの女性たちをみると、大学から急に社会人になられて、根詰めて頑張りすぎてしまう。うまくリセットできずに、体の調子が悪くなったり、心が疲れてしまったり。リフレッシュすることが大切なんです。そういうことをきちんと提供していこうと八寿恵荘のリニューアルを決めました」

カミツレ - 1 (11) 地元の木材で建てた建物、オーガニックコットンのお布団、カミツレエキス配合の天然成分のスキンケア、有機野菜のお料理…。ほんとうに安心なものを求めるうち、ビオホテルの認証がとれるほどになったそう。

「ほんとうに安心なもの、フレッシュなものを食べた瞬間に、こころがほぐれて素直になれる感じがあったり。そういうことを衣食住すべてで感じてほしい。スタッフ自身もリセットしながら、お客さまにも提供してもらいたいなと思っているんですよ」

訪れる人からはたらくスタッフまで。北條さんが安らいでほしいと願うひとには、垣根がないように感じました。

「とはいえ、旅館業に関してわたしたちは素人です。勉強もしていますが、いまはみんなのアイディアと心意気で成り立っています。自分の持っているものを生かして、宿も自分も一緒に成長させていけるような人に来てほしいかな」


実際どんなふうに働いているんだろう。

池田町にある、八寿恵荘を訪ねました。

東京から新幹線と在来線で3時間。最寄りの明科駅についた。そこからは車で20分ほど。

北アルプスと田んぼを横目に山をのぼっていくと、八寿恵荘が見えた。車を降りると、ひんやりと澄んだ空気がきもちいい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA じかに木に触れてもらえるようにスリッパを置いていないため、裸足になって建物にあがる。足の裏に感じる木の質感がここちよくて、思わず顔がゆるんでしまう。

はじめにお話を聞いたのは、田隝さん。今回募集するフロント業務を兼務しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 田隝さんが育ったのは神奈川県。ひどいアトピーに悩んでいたそうです。

「成人式どうしよう、って思うくらいでした。そのとき、実はカミツレの入浴剤にお世話になって、すごく良くなったんです」

「ご縁があって八寿恵荘に来たとき、この入浴剤知ってる!って(笑)再会して感動しましたね。『助けていただいたのね』と思って、今度はほかの方のお役に立ちたいと思いました」

ふだんはどんな仕事をしているのですか。

「電話の受付や、宿泊やイベントのスケジュール調整、いろいろな細かい手配など事務的なことももちろんあります。けれどいちばんは、いかにそのお客さまにとってベストな過ごし方をご提案できるかなんです」

過ごし方のご提案?

「たとえばお電話をくださるお客さまは、八寿恵荘に行こうって目的はあるけど、いらした後何ができるかわからない。『来れば何かいいことがありそう、何かわくわくしたい、癒されたい』そんな思いを汲んで、かまどでご飯炊きませんかとか、ハーブを摘んでお茶を入れてみませんか、というようなご提案をすることもあります」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「お見えになったときに、お疲れの様子であればお部屋でくつろいでいただいて、お茶をお出したり。相手が何を望んでいるかを考えて、その場その場で表現していくんですね」

その人に合った過ごし方を提案して、そっと手伝う。

8人のスタッフですべて切り盛りしているから、フロント業務といっても仕事の範囲が決まっているわけではない。農業体験などのイベントやツアーがあれば、30人近くお客さまが来る。毎週のように重なると、8人総出で忙しいことも。

それはフロントに限らず、料理や畑の担当者もいろいろな仕事をするそうです。


小林さんは料理を担当している方。彼女も調理以外に接客することもあるそうです。

子どものころから料理をつくって人を楽しませることが好きで、ここへ来る前は東京のレストランで働いていた。

「忙しすぎて、からだを壊してしまったんです。乱れた気持ちで料理しても、その気持ちが料理に乗ってしまう。一度リセットしようと、実家のある長野にもどってきました」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「半年ほど自分のつくりたい料理を家族や友人につくっているうち、その人その人に合ったお料理をつくってあげられたらいいだろうなって思いました」

そんなときに紹介されたのが八寿恵荘だった。

「お召し上がりになれないもの、アレルギーがあるという場合には除去してお出しします。でもお連れさまが食べられる場合には、なるべく見た目を一緒にして『この人はこういうものが食べられないんだな』と感じさせないような工夫をしていますね」

小林さんが働きはじめて半年。すでに食べられなかったものが食べられた、という声が届いているそうです。

すると田隝さん。

「ここにいると、いい意味でお客様に泣かされることがあるよね」

「自然体験ツアーで見えた方が、土に触ったり専門家の指導のもと苦手な食材に挑戦することで食べられるようになって、次にいらしたときにほんとうに見た目も元気になられて。『前向きになったんだよ』って話をきいたときは、すごくうれしい気持ちになりますね」

この場所で癒され、人に会い、自分に向きあう。気づいたことが次につながっていくお話やお手紙をいただくこともあるといいます。

カミツレ - 1 (10) 一方で、テレビも新聞も置いていないことで過ごしにくいと言われてしまうこともあるそう。

「里での過ごし方をいかにご提案していくかは私たちの課題でもあります」

疲れている人、楽しみたい人、ご年配の方から赤ちゃんまで、あらゆる方が訪れます。けれど、この場所だからお手伝いできる過ごし方を提供することで、訪れた人のからだやこころを満たせるのかもしれません。

「旅館業というよりは、よりよく生きるためのサポート、応援をする土壌だと思うんです」

「ここには生きるっていう、根っこのことを考えて試せるチャンスがあります。働いている私たちも、誰かのおかげで生かされている。自分も含めて周りも一緒によりよく生きていこうっていう気持ちのある人とともに働きたいです」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA いい空気におやさい畑、木のにおいのする建物。やれることはたくさんありそうです。カミツレの里でできることを、めいっぱい試してみませんか。

(2015/11/26 倉島友香)
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