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気持ちを上げる仕事

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「自分たちが働いている意味を考えると、となりの子の気持ちがふっと上がる瞬間をつくり出すことだと思うんです。私たちのつくる洋服やサイトを通じて、お客さまの毎日をちょっと楽しいものにしていきたい」

有限会社ズーティーは「テンション高めの女子をつくる」をキーワードに、オリジナルの衣料品、雑貨などを企画販売している会社です。

zootie01 神戸や横浜に実店舗を持ちながら、ECサイト「イーザッカマニアストアーズ」を運営しています。

今回はここで一緒に働く仲間を募集します。ECサイト運営やウェブページ製作など役割はさまざま。どんな仕事なのか、神戸にあるズーティーのオフィスで話をうかがいました。


元町駅や県庁前駅から15分ほど。レトロな雑居ビルを活かした雑貨屋さんや、カフエがひしめく海岸通りを歩く。神戸でも注目されている栄町エリアのビルに、オフィスがあります。

zootie02 迎えてくれたのは、取締役の浅野さんです。

出身は神戸だそう。カラリとした明るい笑顔と関西弁で、なんだか話をしているとこっちまで楽しくなるような方。

ホテルマンなどさまざまな仕事を経験してきた浅野さんが、印刷会社で旦那さんと出会い、結婚を機に夫婦で起業したのは25歳のとき。

zootie03 阪神・淡路大震災を経験し、自分たちが生活していくためにも、崩れてしまった神戸のまちのためにも、なにか行動を起こしたいと雑貨やアクセサリーを扱うお店を神戸に開いた。

「はじめてみると、小さいお店1軒ではできることにも限界があるなと思ったので、右も左もわからないままウェブでお店をやりはじめた。それがイーザッカマニアストアーズのスタートだったんです」

「仕入れをするにもどうしたらいいか全然わからなくて。直接自分たちが現金を持って韓国に買い付けにいって。売れたらまた買いにいく。ウェブに載せる写真を撮るにもスペースがないから、車道にベニヤ板を置いてその上で撮る。そんなことをやっていましたね」

ズーティーを一緒にひっぱってきた泉さんも、話に加わる。

zootie04 「私が入ったときに、ちょうど会社が法人化して。それまでいた人がほぼ全員辞めてしまったんです。全部自分たちでやるしかないので、入って1、2年は手探りで試しながらやっていましたね」

たとえば画像データや商品在庫の管理の仕方。ウェブサイトは今のページ構成のままでいいのか。もっとみやすく、売上にもつながるページがつくれないだろうか。

前職での経験も出し合いながら、一つひとつのルールや仕組みをつくっていったそう。

どうしよう、と途方に暮れることはなかったんですか?

「不安よりもすごく楽しかったですね。新しいチャレンジの甲斐もあって、売上も伸びてきて。もっと人が必要だと、その後20人ほどの会社が一気に50人くらいになったんです。そこが一番壁にぶつかったかな」

壁にぶつかった。

「まず社内のコミュニケーションがうまくとれなくなって、自分たちのローカルルールに綻びも出てきて。マンパワーで押し切っていたけど、どこから修復したらいいんだろう?って、みんなで悩みましたね」

zootie05 どうやって解決していったのかと言えば、一つひとつトライアンドエラーを繰り返していったとのこと。

「まだまだ解決していないこともあるけれど、一緒に考えていきたい」と泉さん。これから入ってくる人も、それぞれが自分の頭で考えながら、仕事に真正面から向き合えるとよさそうだ。

すると再び浅野さん。

「いつもね、のっぺらぼうだったら別にあんたじゃなくてもええよって言うんです」

のっぺらぼう?

「なんでも受け身で、人の言ってることをうんうんって聞いてるだけなら、誰がやっても同じこと。自分はこういう意見を持ってるって声に出すだけでも個性やと思うんです。自分の色を持って働いてほしいな」

仕事も働き方も、自分でつくっていくもの。

たとえばね、と浅野さんが見せてくれたのは商品に同梱される紙媒体「ジャーナル」。イラストの得意なスタッフが大人のぬり絵をつくったそう。

zootie06 「こんなふうに自分の得意なことを活かして、新しいことにどんどんチャレンジしてほしいです。やったことがなくても勉強したいことがあるなら、相談に乗りますし。ここまで、という枠はないです」


社員と一緒に成長してきた一方で、イーザッカマニアストアーズはお客さまに愛され数々の賞を受賞するような人気のECサイトになった。

zootie07 なにか他のお店とは違う、工夫があったのだろうか。

「奇抜なことはしていません。お客さまの目線に立って必要だと思うことをやってきました」

「私自身どこにいってもすごく見ているんですよね。たとえば、入った店がどんなことをしているのか、私だったらどうするか。なんでカード明細を小さい封筒に入れんのやろ?とかね」

どうしたら気持ちよく買い物をしてもらえるか、嬉しいと感じてもらえるか。そんなことをとことん突きつめて考えてきたアイディアが、ズーティーのサービスに活かされている。

たとえばスマホやPCで見ることはできても実際に着ることができないお客さまのために、体型別のスタッフ着用コメントを載せたり、納品書を小さなクリアファイルに入れたり。

zootie08 お店に並んでいるものをたたんで、袋に入れてお渡しするように商品の検品や出荷作業も、すべて自分たちで行う。

良い商品を扱うことはもちろん、手間がかかることをいとわずに続けてきた心遣いがあたたかい。些細なことでもうれしいこと。

「テンション高めの女子」ってなんとなくワイワイと騒がしい感じをイメージしていたけど、こんなふうに誰かの気持ちを高めるような、プラスのエネルギーをつくり出していく仕事なのかもしれない。


実際は、どんなふうに働いているんだろう。

ECサイト運営に携わる鳴瀬さんと、ウェブページ制作担当の熱田さんに話を聞いてみます。

zootie09 まずは鳴瀬さん。

入社3年目。前職では事務員として働いていたそう。

「見積書を書いて客先に持っていったり、お客さまがきたらお茶を出したり。必要なことだけど、なんかそんな毎日が嫌で。誰でもできるじゃないかってずっとモヤモヤしていたんです」

なにか自分にしかできないような、クリエイティブな仕事に挑戦してみたい。そんな想いで未経験のままこの世界に飛び込んだ。

決め手はイーザッカマニアストアーズのサイトだったそうです。

「スタッフのカバンの中身を紹介する特集ページがあって。本当に包み隠さず、中身が全部載っていたんです。でもそれがおもしろい」

「無理にきれいに見せようとしていなくて、いろんなことに挑戦しながらイーザッカマニアストアーズを理解してもらおう、という気持ちを感じましたね」

仕事はどうですか?

「入ったばかりのころは、ワンピースの肩幅や袖丈などの商品スペックを測るところからはじめました。あとは着用コメントを書いたり、ブログを書いたりして。書き方は自由ですが、かゆいところに手が届くような文章を意識していました」

かゆいところに手が届く。

「実際に着てみるともうちょっと透けないほうがいいな、ということもあるんです。そういうところを紹介したり、自分も買ってみる立場に立って、親近感が持てるようにしていましたね」

zootie10 こういう働き方は誰かに教えられてできるようになるものではなく、普段から自分でアンテナをはっているからできることだと思う。目の前にいなくても、相手のことを想像しながら働いている。

ズーティーではコメントやブログ、メルマガなど発信しているものは全て誰が書いたのかがわかるようになっています。スタッフごとにファンがついたり、「この人の着用コメントをいつも参考にしています」というレビューも目立つ。

「メルマガにわざわざメールで返信してくださる方もいて。自分の表現したものをみて、それをいいなと思った人が買ってくれることにすごくドキドキというか、興奮します。それはやりがいになっていますね」

今後はすでにある商品の良さだけでなく、その商品ができるまでの経緯や背景を発信していきたいそう。

「この前浅野との面談でそれを言ったら『なんでやらないの』って。『ですよね!』って感じでした(笑) やりたいと思ったことはすぐに実現できると思います」

嬉しそうに話してくれる姿から、自由な働き方ができているんだなと感じました。


もう一人の熱田さんにも話を聞きました。浅野さんが紹介してくれた大人のぬりえをデザインしたのが、じつは熱田さんです。

大学ではデザインを専攻。靴のデザイン会社に就職して、デザイナーとして働いていた方。

zootie11 「私たちデザイナーは本当に自信を持って、履いてほしいという靴を作ってるのに、その靴が紹介されているウェブページを見たときに全然きゅんとこなくて。もっと伝え方があるはずと思ったときに、ウェブに興味が出てきたんです」

「いいものができたっていうだけじゃゴールじゃないから。お客さんにちゃんと伝わって、手にとってもらえないとだめだと思ったんです」

会社を辞めて、職業訓練で半年ほどウェブの技術を学んだ後にズーティーにやってきた。

入ってみてギャップとかはなかったですか?

「一通りウェブページは作れたんですけど、最初はもっと勉強期間があるのかなと思っていたんです。いきなり写真を撮って商品ページ作ってみてって言われたので『え、もう私やっていいの?』っていう戸惑いはありました」

「とりあえずやるしかないし、入ってすぐに自分の作ったページが世に出て。まず感動ですよね。それで楽しくなって、どんどんその波に乗っている感じです」

zootie12 もともと写真を撮る技術はなかったそう。だけど撮った写真が使えないからと他の人が撮るのではなく、できるようになるまで自分で撮り直しをしたそうです。

もちろん先輩がフォローしてくれます。でも最大限自分でできるところまで挑戦できる環境がうれしい、と熱田さん。

「この商品をどんなふうに売っていきたいか、というところから考えてその思いをかたちにできる。画像は一番目につくものでもあるし、お買い物をしている方の楽しみを増やすのが仕事だと思っています」

どちらの仕事も個人に任される範囲が広く、責任も大きいから大変ではあるんだろうけど一つひとつを楽しみながら働いている印象でした。

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ズーティーのZOOは動物園からきているそう。楽しくて、いろいろな個性が集まる場所にしたいという思いからつけられました。

お客さまも一緒に働く仲間のことも。とことん考えながら、自分の個性も活かしていける職場だと思います。

自分も、まわりの人の気持ちも上げるような働き方をしたい人へ。できることがあると感じたら、ぜひ仲間に加わってください。

(2016/4/15 並木仁美)