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好きを伝える

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仕事も暮らしも、世の中の「普通」に合わせてしまいがちだけれども、本当に自分たちがやりたいことはなんだろう?お施主さんがつくりたい家はどんなものだろう?

そんな思いにとことん寄り添っているのがYutakaです。

自分たちは国産の木材をつかいたい、という思いを持っている。さらにお施主さんの気持ちにも寄り添いながら、一緒に暮らしを形にしていく。

晴れた日は大好きな自転車でサイクリングにでかけて、雨の日は部屋にこもってお気に入りの映画を観て。庭の野菜を収穫したら、子どもたちと今夜の献立を考えよう。

安心できるものやお気に入りのものに囲まれて、自分はこんなふうに暮らしてみたいなぁ。

いろんな想像をしながら、家をつくっていく。

5_woodydays02 (1) 自然素材や天然由来の建材を使い、街からほど近い場所でも自然とともに豊かに暮らす方法を提案しています。

今回探しているのは、お客さんとも関わり合うことになる広報スタッフです。

主な仕事は自社サイトの更新作業やチラシの制作。基本的な制作ソフトやwebの知識があれば経験は問わないそう。

過去にデザインの仕事に関わっていたけれど、今は離れているという人や、子育てが一段落したお母さんにもオススメの仕事です。まずはここでワクワクできそうか。ぜひ考えてみてください。



都内を出て電車で40分ほど。

新狭山駅のロータリーから見える小さなビルの2階に、Yutakaのオフィスはあります。

IMG_5729 (1) ここは先代のときからずっと変わらない場所なのだとか。

待っていてくれたのは社長の安食一(あじきはじめ)さん。
 
「今日はよろしくお願いしますね!」

満面の笑顔でまずは挨拶。まっすぐで熱い人柄が、少しお話しするだけで伝わってくる。

もともとYutakaは安食さんのお父さまがつくった“ゆたか建設株式会社”という工務店だ。ハウスメーカーの下請けをする、木造施工の会社として埼玉で活動してきた。

IMG_5770 長男だった安食さんは建築学科へ進学。有名な設計事務所の下請けゼネコンに就職したあと、ゆたか建設に入社する。

「前は鉄筋コンクリートを扱う仕事だったんだけど、通勤途中に本屋さんに寄ると、木造住宅の本が気になってしまう。そのときに、やっぱり俺、木の住宅が好きなのかなってぼんやり思うようになりましたね」

長く他社設計の下請け施工の仕事ばかりしていた工務店を、安食さんはここ数年で土地探しや設計にも携わる、完全な設計施工の会社へと変えてきた。地元でとれる西川材という無垢の杉とヒノキだけを使う家づくりを全面的に打ち出している。

素材にこだわるだけでなく、太陽や風を活かす設計、それを可能にする大工の知恵。電気に頼りすぎない豊かな暮らしができると、埼玉では徐々に名が知られるようになってきた。

自然をうまく暮らしに取り入れながら、順調に進化してきたように見える。けれど、安食さんがお父さまから会社を継いだときには、まだ会社のスタイルは定かではなかったという。

IMG_5915 「もともと、自分のなかに今の会社のイメージは持っていたのかもしれないけど、ずっとうまく表現できなくて。こうしたいというのが打ち出せないから、設計の仕事もとれなかったんです」

変化があったのは2011年。外壁に外国産の既成木材を提案したところ、どうせなら中も外もすべて無垢の国産材で家づくりをしたいと相談されたことがあった。外壁に国産材を使うことは、最近の家づくりではめずらしいこと。お金もメンテナンスの手間もかかる。

「そのとき『やっぱり国産材!そうですよね!』ってスイッチが入っちゃって。ここで自分がやりたかったことに気づかされたんです。そのお客さまにはすごく感謝しています」

思い返せば安食さん自身も、ずっと自然の存在を身近に感じながら暮らしてきた。趣味はヨガと30年以上続けているサーフィン。自然のなかで自分の小ささを感じると、心がリセットされるんだそう。

それ以外にもアウトドアが好きだというから、今のYutakaになったのも納得できる気がする。

仕事って、ほんとうに自分が信じることをつづけていくと、きっと誰かの心にも届くようなものになっていくと思います。

自分ごとだったものが、だれかへの贈り物にもなっていく。

ちょうどそのころ、縁あって娘さんが通っていた幼稚園の建て替えをしたこともきっかけになった。

「完成したあとの式典で、人生ではじめて感謝状をもらったんです」

「子どもたちやお母さんがよろこんでいる顔をみて、誰のために仕事をしてるのかを考えるようになりました。設計事務所のためじゃない、実際に住む使う人のためだよねって」

お施主さんのための自然を感じる豊かな家をつくりたい。

入社してから20年、言葉にできなかった自分の気持ちと会社にあらためて向き合い始めたとき、安食さんは会社のリブランディングとホームページのリニューアルをすることに決めた。“Yutaka”という屋号を名乗りはじめたのもここからです。



そんな安食さんの想いに応えながら、サイトデザインやコンセプトづくりを担当したのが“株式会社それからデザイン”の佐野さんだ。外からの視点で、新しい“Yutaka”をブランディングしてきた。

IMG_5879 「Yutakaは設計のクオリティも高いし専務である棟梁の技術も高い。自然素材の家づくりを設計も施工も一社でできる地域工務店ってそんなに無いと思うんです」

佐野さんは、Yutakaが発行するフリーペーパーも編集している。スタッフやお客さんと接するなかで気づいたことを教えてくれた。

「みんな仕事も生活もどちらも楽しんでる感じがするんです。家に帰って家族と過ごす時間も、仕事の時間もすごくその人らしくて、一時たりとも時間を殺していない。社長のサーフィンだって、完全に仕事に活きているしね」

Yutakaのホームページを見てみると “Woodydays”というコンセプトが掲げられている。日本の林業に貢献しながら、自然と心が豊かになる日々の暮らしを紡ぎだすという意味だ。

このコンセプトのもと建てられた、今までのお施主さんたちの暮らしのストーリーが写真つきで丁寧にまとめられている。

掲載されているお宅は、季節ごとに違う旬の野菜を庭で育ててみたり、やわらかな薪ストーブの火を囲んで家族団らんしていたり。

豊かな暮らしってこういうことを言うのかもしれないな。

「サイトや広告でそれを感じて、すてきだな、楽しそうだなと思ったことが、見学会や打ち合わせの場でも感じられる。OBの方やスタッフを見て受ける印象がみなさん一貫してるところが魅力なんだと思います」

2_flyerimage01 一貫している。

自分たちがやりたいということにも、お施主さんの気持ちにも、正直に仕事をする。オンもオフも、自分の時間というところも同じ。

それは一緒に働く佐野さんにも伝わっているのかもしれない。

まるでYutakaのスタッフのように大切そうに会社のことを話す佐野さんの横で、安食さんはニコニコとうれしそう。

IMG_5748 佐野さんの言葉を受けてふたたび安食さん。

「うちはね、設計の前の打ち合わせで趣味は何ですかってかならず聞くようにしているんです」

趣味?

「そうです。自分の好きなことを話すとワクワクするし楽しいじゃない。そこから家づくりを広げていくんですよ」

Yutakaで家を建てることに決めたお客さんたちは、理想の暮らしをつづる“夢ノート”を安食さんや設計スタッフとつくるのだそう。

時間をかけてとことん自分たちの暮らしに向き合うから、設計図ができあがるまでに1年かかったこともあるそうだ。

子どもに安心できるものを食べさせたいという家庭では大がかりな家庭菜園のスペースをつくったり、陽だまりのなかで大好きな本が読めるよう、光を取り入れながら一面本棚の壁をつくったこともあった。

4_harukist04 「うちのお客さんに共通しているのは、心身ともに豊かに暮らしたいと思っていること。自然が好きだったり、食材にこだわっている人が多いね」

好きなものが似ているお客さんが多いのも特徴の一つ。Yutakaが企画するイベントをきっかけに、施主どうしがお友達になることもあるそうだ。



これからはより広報に力を入れていく予定のYutaka。次のフェーズに行くために、今までそれからデザインに頼りきりだった部分を、Yutaka直属のスタッフとして担当してくれる人を探している。

今ある資料の写真や文章に手を加えたり、DMの発送作業をしたり。ホームページや広告の更新をすることも。一つひとつは単純な作業のように見えるけれど、会社の第一印象をつくる大事な仕事だ。まずはそれからデザインの佐野さんたちの下につくようなかたちで仕事がはじまる。

デザインの経験があるようなら、季節のDMやメルマガの企画など簡単な制作物をつくることもできそうだ。できることからはじめてもらって構わないとのこと。

そしてもう一つ大切な仕事がある。

「住宅見学会にも参加して、そこでイベントサポートもしてほしいんです。僕たちが誰に向けて仕事をしているかということを知ってほしいから」

3_kengakukai (5) 誰のための仕事なのかを忘れないためにも、OB住宅の見学会に訪れる新規のお客さんと接する時間をYutakaの皆さんはとても大切にしている。

最初から最後まで一貫したワクワクを届けるのはスタッフの力があってこそ。安食さんいわく「チームYutakaですから」とのことでした。


最後に、オフィスの壁に貼ってあった手書きのイメージ図を紹介します。これが最近の安食さんの“夢”です。

IMG_5808 「ここが新しいオフィスでここが大工さんの事務所。ここはオーガニックのカフェ、ここがヨガ教室、ここはパタゴニアの代理店にして、、」

「2020年までにこの場所を完成させるのが夢なんです。まだ土地も何も決まっていないけどね(笑)」

これは楽しそう。どうしてこんな場所をつくろうと考えてるんでしょうか。

「うちが工務店ということがわからなくてもいいんです。オーガニックやアウトドアなんかが好きな人がふらっとここに来て、そこからうちを知ってもらうのが一番理想的だなって」

好きなものの延長にある暮らし。まさにYutakaらしい気がします。

広報の仕事は、Yutakaの家そのものを紹介するというよりは、Yutakaがつくる“好き”や“ワクワク”を伝えていくイメージなのかもしれません。

「ワクワクを提案するためには自分たちもワクワクしていないといけないから、働いてる人がここでワクワクできたらいいな!」

目をキラキラとさせて構想を聞かせてくれる安食さん。安食さんの口からは何度もスタッフの方たちのお名前が出てきて、みんなを大事に思っていることがよく伝わってきました。

気になった方は一度Yutakaのホームページを見てみてください。

「こんな暮らし好きだな」とか「ワクワクする!」と感じるなら、この会社を素直に伝えることができると思います。

(2017/7/28 遠藤沙紀)